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「トヨタ ヴォクシー&ノア」ハイブリッドかガソリンか?プロが選ぶベストグレードはこれだ

「トヨタ ヴォクシー&ノア」ハイブリッドかガソリンか?プロが選ぶベストグレードはこれだ
「トヨタ ヴォクシー&ノア」ハイブリッドかガソリンか?プロが選ぶベストグレードはこれだ

見た目が多少異なる兄弟車であるためにランキング上位に顔を出していないが、実はトヨタのヴォクシー・ノアは最も売れているミニバンだ。ハイブリッドモデルかガソリンか、エアロモデルかノーマルか、はたまたヴォクシーかノアか。迷うことの多いこの2台のベストバイをズバリ教えます。

実は日本の販売台数2位に君臨する「隠れた売れっ子」

2016年1~12月の新車販売台数トップ30のうちミニバンは10台もランクインしています。3位のトヨタシエンタを筆頭に、6位のトヨタヴォクシー、9位の日産セレナ、14位のトヨタノア、15位のホンダステップワゴン、16位のホンダフリード、17位トヨタヴェルファイア、19位トヨタエスクァイア、24位トヨタアルファード、25位ホンダオデッセイと、相変わらずミニバンの人気が高いことがわかります。

実は日本の販売台数2位に君臨する「隠れた売れっ子」

ヴォクシーはトヨタの高級ミニバン「ヴェルファイア」を思わせるフロントが特徴。写真のエアログレード「ZS」(ノアのSiに相当)はよりアグレッシブな印象の強いデザインを採用

実は日本の販売台数2位に君臨する「隠れた売れっ子」②

同じくリアから見たヴォクシーのエアログレード「ZS」。バンパーのデザイン処理やメッキパーツなどでオトコのミニバンをアピール

そのミニバンの中で最も販売台数が多いのが、トヨタのヴォクシー/ノア/エスクァイアの3兄弟車、日産セレナ、そしてホンダステップワゴンが属する2Lクラス。そのなかでも高い人気を誇るのがトヨタのヴォクシー/ノア/エスクァイアです。ヴォクシーは9万1868台、ノアは5万4826台。そしてエスクァイアは4万4881台と合計で19万1575台となります。この数字はトップのトヨタプリウスの24万8258台に次いで堂々第2位の販売台数です。今回はそんな売れっ子3兄弟のうち上級仕様のエスクァイアを除いたヴォクシー/ノアの賢いグレード選びを紹介しましょう。

低い床で広い室内空間を実現

低い床で広い室内空間を実現①

低い床で広い室内空間を実現②

低い床で広い室内空間を実現

現行型のヴォクシー/ノアは2014年1月に登場しました。その特徴は低床フロアが生み出した室内空間、特に高さ方向の広さです。運転席390mm、リアシート360mm(ともに2WD車)という床の低さ、1400mmの室内の高さ、ともにクラストップを実現しています。乗車定員は2種類あり、セカンドシートが2人用のタイプが7人乗り、3人用のタイプが8人乗りです。ちなみに7人乗りのセカンドシートは前後だけでなく、横方向にも移動できるうえ、810mmというロングスライドも可能な優れモノ。人が乗るとき、荷物をたくさん積むとき、と目的に合わせたシートアレンジが可能です。

低い床で広い室内空間を実現③

低い床で広い室内空間を実現④

加えてサードシートの収納が片手でできるのもヴォクシー/ノアの強み。ミニバンを使う家族の使いやすさを考慮したクルマ作りが細部に渡ってなされています。ただし日産セレナやホンダステップワゴンと比較すると2列目シートにテーブルがないなど、マイナーチェンジは受けたもののデビューから3年半の月日を感じる部分もあります。

ノーマルとエアロ仕様の2つのボディ

ノーマルとエアロ仕様の2つのボディ①

こちらはノアのノーマルボディ。これまでノアは草食系のフロントデザインだったがマイナーチェンジでフロントグリルが拡大されヴォクシーに近づいた印象だ。エアログレードの「Si」はフロント周りがメッキパーツとなり威圧感が増す

ノーマルとエアロ仕様の2つのボディ②

同じくノアのノーマルボディ。全幅を5ナンバー枠に収めるためにエアロパーツはなくスッキリした印象

ヴォクシー/ノアも他のミニバン同様、5ナンバーサイズのノーマルと、3ナンバーサイズでエアロ仕様の2つのボデイが存在します。日産セレナの「ハイウェイスター」やホンダステップワゴンの「スパーダ」に相当するのがエアロパーツを装着した3ナンバーのZS(ヴォクシー)、Si(ノア)です。ノーマルのボディサイズは全長4695mm×全幅1695mm×全高1825mm(4WD車は1865mm)。一方、エアロ仕様車のボディサイズは全長4710mm×全幅1730mm×1825mm(4WD車は1870mm)となっています。

ノーマルとエアロ仕様の2つのボディ③

ノアのノーマルボディの上級グレード「G」のみに設定されるブラウン系の内装。注文時に別途オーダーが必要だ。同じノーマルボディでもヴォクシーでは選ぶことができない

ノーマルとエアロ仕様の2つのボディ④

こちらはヴォクシーのエアロ系グレード「ZS」のみに注文設定される大胆な色使いの内装。同じエアロ系でもノアの「Si」には設定がない

2017年7月に行われたマイナーチェンジでヴォクシーとノアのデザインテイストはヴォクシー寄りに近づきましたが、ヴォクシーのエアロ系グレードとノアのノーマルボディだけでしか選べない特別色の内装が設定されるなど、アグレッシブなヴォクシー、ファミリー向けのノアという住み分けはいちおう存続しています。同じトヨタながら販売店系列が異なるこの2台、違いはそれほど大きくないのでデザインの好みや販売店との関係で決めて良いかと思います。

ハイブリッドモデルはさすがの好燃費を実現

ハイブリッドモデルはさすがの好燃費を実現

このクラスのミニバンハイブリッドの先駆者がヴォクシー・ノア。しかしライバルのホンダステップワゴンにもハイブリッドモデルが追加され、日産セレナにもe-POWERモデル追加が予想されるなど今後は激戦が予想される

搭載するパワートレインは2Lガソリンエンジンと3代目プリウス譲りの1.8Lガソリンエンジン+モーターを組み合わせたハイブリッドシステムの2種類。2Lガソリンエンジンは最高出力152psを発生し、JC08モード燃費は14.8~16.0km/Lとクラス標準ですが、ハイブリッドモデルはシステム最高出力136psを発生し、JC08モード燃費はさすがの23.8km/Lを達成しています。

先進安全運転支援システムはやや見劣り

先進安全運転支援システムはやや見劣り

「ぶつからないブレーキ」など最低限の先進安全運転支援システムは搭載するものの、できれば同社の「セーフティセンスP」へのアップグレードが望まれる

デビュー当初ハイブリッド車には5ナンバーサイズ車しか設定されていませんでしたが、2016年1月にエアロ仕様を追加し、ラインアップを充実させています。また、このタイミングでXを除く全グレードに単眼カメラとレーザーレーダーなどを使用した「衝突被害軽減ブレーキ」、車線逸脱を未然に防ぐ「レーンディパーチャーアラート」、そしてヘッドライトのハイ/ロービームを自動的に切り替える「オートマチックハイビーム」がセットになった「トヨタセーフティセンスC」が標準装備となりました。

ただしこれらの「先進安全運転支援システム」は歩行者対応がされないことや、前のクルマに追従する「アダプティブクルーズコントロール」が用意されないことなど、日産セレナやホンダステップワゴンが装備する最新のものより少々見劣りがすることは否めません。人気の両車ですがもし死角があるとしたらこの部分かもしれません。

ハイブリッドモデルは選択肢が限られる

■ヴォクシー価格表

グレード駆動方式JC08モード燃費(km/L)車両本体価格(東京)
ハイブリッド ZS (7人乗り)2WD23.8326万9160円
ハイブリッド V (7人乗り)314万2800円
ハイブリッド X (7人乗り)301万4280円
2.0ZS (7人乗り)4WD14.8297万円
2WD16277万5600円
2.0ZS (8人乗り)4WD14.8293万9760円
2WD16274万5360円
2.0V (7人乗り)4WD14.8299万1600円
2WD16278万6400円
2.0V (8人乗り)4WD14.8296万1360円
2WD16275万6160円
2.0X (7人乗り)4WD15270万2160円
2WD16249万6960円
2.0X (8人乗り)4WD15267万1920円
2WD16246万6720円

 

■ノア価格表

グレード駆動方式JC08モード燃費(km/L)車両本体価格(東京)
ハイブリッド Si (7人乗り)2WD23.8326万9160円
ハイブリッド G (7人乗り)314万2800円
ハイブリッド X (7人乗り)301万4280円
2.0Si (7人乗り)4WD14.8297万円
2WD16277万5600円
2.0Si (8人乗り)4WD14.8293万9760円
2WD16274万5360円
2.0G (7人乗り)4WD14.8299万1600円
2WD16278万6400円
2.0G (8人乗り)4WD14.8296万1360円
2WD16275万6160円
2.0X (7人乗り)4WD15270万2160円
2WD16249万6960円
2.0X (8人乗り)4WD15267万1920円
2WD16246万6720円

 

ヴォクシー/ノアを購入するときに重要なポイントは2つです。ガソリンエンジンとハイブリッドどちらを選ぶか。そして5ナンバー仕様と3ナンバー仕様どちらを選ぶかです。まず、ガソリン車とハイブリッド車をどちらにするのかを考えてみましょう。これは一見燃費性能で選ぶように思えますが、ヴォクシー/ノアの場合はちょっと事情が複雑です。

ハイブリッド車の乗車定員は7人乗りのみですし、駆動方式は2WDしか選べません。ガソリン車ならば、乗車定員は7人乗り加えて8人乗りも選べますし、駆動方式は2WDと4WDを選ぶことができます。降雪地域の人はハイブリッド車を選びにくいですよね。

ちなみにVグレード2WD車の7人乗り同士で車両本体価格を比較すると、2Lガソリン車は278万6400円、ハイブリッド車は314万2800円となります。価格差は35万6400円です。JC08モード燃費は23.8km/Lと16.0km/Lと7.8km/Lの差がありますが、35万6400円を取り戻すには相当な走行距離が必要となります。こうしてみると、年間の走行距離が1万km以下という多くの人にはガソリン車がオススメと言えるのではないでしょうか。

結果的に満足度が高いのはエアロ仕様

結果的に満足度が高いのはエアロ仕様

そしてエアロパーツを装着した3ナンバー仕様と5ナンバー仕様どちらを選ぶかですが、15インチタイヤによる穏やかな乗り味は5ナンバー仕様の特徴です。一方のエアロパーツを装着した3ナンバー仕様はタイヤ径が大きくなるため、若干乗り味は固くなります。

しかし人気が高いため手放す時のリセールバリューが高くなるという側面もあります。女性にはあまり響かない部分ですが、男性ユーザーにとっては「かっこいいミニバン」に思えるのはエアロ仕様です。ちなみに今はエンジンが同じであれば5ナンバーモデルと3ナンバーモデルで自動車税には違いはありません。

この結果を踏まえるとヴォクシー/ノアは2Lガソリン車のエアログレード(ヴォクシーはZS、ノアはSi)がベストチョイスということになります。エアロの外観に抵抗感がある人もいるかと思いますので、クルーズコントロールやナノイー機能付きオートエアコン付きのガソリン車のVをセカンドベストとしましょう。

※記事の内容は2017年10月時点の情報で執筆しています。

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