人気車が勢揃いしているトヨタ車の中で、日本国内だけでなく世界中で人気が高い車といえば、ランドクルーザーとハイエースです。ハイエースは商用車のイメージが強いのですが、乗用タイプのワゴンは趣味の車やミニバンとしても隠れた人気を保っています。そんなハイエースワゴンを徹底レビューしてみましょう。
ランクルとハイエースは世界で別格の人気
人気車が勢揃いしているトヨタ車の中で、日本国内だけでなく世界中で人気が高い車といえば、ランドクルーザーとハイエースです。この2車種の人気ぶりを逆説的に物語るのが、一般社団法人日本損害保険協会が発表している自動車盗難事故実態調査結果。ランドクルーザーは2016年と2018年が3位、2017年が2位。一方のハイエースは2016年が2位、2017年が3位、2018年が4位と順位は徐々に下がっているものの上位をキープしています。このデータが示すのはハイエースやランクルは中古車になっても海外での引き合いが多く、値落ちしにくい車種であるということです。
そんなハイエースは商用車のイメージも強いのですが、趣味の車やミニバンとしても使える乗用タイプのワゴンが設定されています。今回は隠れたベストセラーモデルとして1BOX車で絶大な人気を誇るハイエースのワゴンモデルの魅力に迫ってみましょう。
登場から15年、そろそろ次期モデルのうわさも
200系と呼ばれる現行型ハイエースは5代目となり、2004年8月に登場。販売開始からすでに15年が経過したロングセラーモデルとなっています。先代モデルも15年販売されたので、そろそろモデルチェンジが行われる可能性は高まっていると考えたほうがいいでしょう。
ハイエースはビジネスモデルのバンとワゴンの2つに区分されますが、バンをベースとしたカスタマイズはアルファードやヴェルファイアを凌ぐ人気で、車両本体価格の2倍から数倍掛けるというツワモノもいるほどです。ハイエースワゴンと呼ばれるモデルはDX、GL、グランドキャビンという3グレード。その大きさを活かして芸能人のロケバスや旅館やホテルなどの送迎用の車などにも使用されています。
グランドキャビンの全長は5mを大幅に超える!
DX、GLはロングボディ・ミドルルーフという形状でボディサイズは全長4840mm×全幅1880mm×全高2105mmとなっています。一方のグランドキャビンはスーパーロングボディ・ハイルーフという形状で、ボディサイズは全長5380mm×全幅1880mm×全高2285mmという巨大サイズとなっています。乗車定員は全グレード10人乗りで、最小回転半径はDX、GLが5.2m(4WD車は5.4m)そしてグランドキャビンは6.1m(4WD車は6.3m)です。
ATは6速に進化、先進安全装備も追加
搭載されるエンジンは最高出力160ps、最大トルク243Nmを発生する2.7L直列4気筒でトランスミッションは以前4速ATでしたが、現在は6速ATへと多段化されています。駆動方式はFR(後輪駆動)と4WDが全グレードで用意され、燃費性能はJC08モード燃費で8.9〜9.7km/Lとなっています。そして安全装備は2017年11月の一部改良で衝突被害軽減ブレーキなどがセットとなった衝突回避支援パッケージが標準装備となりました。
運転注意!?幅はレクサスLS並み
ライバル車の日産NV350キャラバンワゴンが全幅1695mmに抑えてあるのに対して、ハイエースワゴンは1880mmとレクサスのフラッグシップモデルLSに迫るワイドなボディを採用しています。そのおかげで室内空間は余裕がありますが、取り回しはコツが必要です。全長4840mmというロングボディのDXやGLはまだそれほど気になりませんが、全長5380mm、最小回転半径が6.1m(4WD車は6.3m)というグランドキャビンは、最初は慎重に運転したほうが良いでしょう。
ノーマルでは不満が残る乗り心地
ハイエースワゴンのリアサスペンションは昔ながらの板バネを使用しており、乗り心地という面ではやはりアルファードやヴェルファイアといった乗用モデルにはかなり差があります。しかし、カスタマイズのベース車としてはこれ以上の素材はありません。乗り味にやや不満のある板バネのサスペンションもカスタマイズには最適、サードパーティから交換パーツも多数用意されています。
エンジンが運転席下にあるので室内の広さは抜群!
エンジンを運転席下に搭載したキャブオーバータイプなので、室内の広さも抜群です。ベースがシンプルなので自分の感性に合わせてカスタマイズできます。ハイエースはシンプルな構造、そしてカスタマイズのしやすさというのが人気のポイントとなっているのは間違いありません。カスタマイズの仕方はアルファードやヴェルファイアのような乗用モデルと比べると無限なので、お金のかかり方もハンバなくなってしまうので注意してください。
人気車ゆえに盗難防止対策は念入りに!
カスタムカーもそうですが、ハイエースは海外でも人気が高いため、盗難される可能性が高いです。盗難されたハイエースは数日後にはパーツに分解されて海外に渡ってしまうので、なかなか発見できません。イモビライザーなどの盗難装置は付いていますが、ハンドルロックなど万全の体制を用意したほうが良い車種です。
グレード | 駆動方式 | JC08モード燃費(km/L) | 車両本体価格 |
---|---|---|---|
DX | 2WD(FR) | 9.7 | 281万4480円 |
4WD | 9.1 | 311万9040円 | |
GL | 2WD(FR) | 9.7 | 304万8840円 |
4WD | 9.1 | 335万2320円 | |
グランドキャビン | 2WD(FR) | 9.5 | 360万6120円 |
4WD | 8.9 | 391万680円 |
※記事の内容は2019年9月時点の情報で執筆しています。