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【200万円新型SUV対決】ホンダWR-V vsスズキフロンクス 買うならどっち?(萩原文博試乗レポート)

【200万円新型SUV対決】ホンダWR-V vsスズキフロンクス 買うならどっち?(萩原文博試乗レポート)
【200万円新型SUV対決】ホンダWR-V vsスズキフロンクス 買うならどっち?(萩原文博試乗レポート)

2024年3月に発売されたホンダWR-Vが好調なセールスを記録するなか、同じ200万円スタートのコンパクトSUVとしてスズキフロンクスが2024年秋に発売されます。道具感のあるWR-VとクーペSUVルックなフロンクス、果たしてどちらが買いなのか?フロンクスのプロトタイプ試乗会に参加した自動車評論家の萩原文博さんの試乗レポートをお届けします。

N-BOX減速の影にWR-Vあり?

N-BOX減速の影にWR-Vあり?

2024年上半期(1~6月)における販売台数が10万680台となり、登録台数を含む新車販売台数第1位に輝いたのがホンダN-BOXです。2024年5月にスズキスペーシアに第1位を奪われましたが、わずか1カ月で奪還するあたりはさすがベストセラーカーです。

一見新車販売台数が好調なN-BOXですが、販売台数の推移を見てみると対前年累計比では89.7%と前年の販売台数を下回っています。2023年10月にN-BOXはフルモデルチェンジを行っており、2023年の上半期はモデル末期でした。モデル末期だった昨年より新車販売台数が落ち込んでいるというのはかなり深刻な状況です。

N-BOXの新車販売台数が伸び悩む理由として考えられる理由は、N-BOXの新車価格が高騰したこと。そして同じような価格帯で魅力的なニューモデルが登場したことが挙げられます。まず現行型N-BOXの新車価格はグレードの統廃合によりN-BOX2WD(FF)車の164万8900円~N-BOXカスタムターボコーディネイトスタイル(2トーン)の236万2800円とエントリーグレードが約18万円値上がりしています。

そしてN-BOXと同じ価格帯のニューモデルとして2024年3月にコンパクトSUVのWR-Vが登場しました。WR-Vはインドで生産され、日本に輸入されているモデルで、Xの209万8800円~Z+の248万9300円という低価格で話題となり、販売開始から1カ月で約1万3000台を受注するほどスマッシュヒットとなっています。

好調WR-Vにさっそく強力なライバル・フロンクスが登場

好調WR-Vにさっそく強力なライバル・フロンクスが登場

ベストセラーカーN-BOXを脅かしたコンパクトSUVのWR-Vですが、早くもライバル車が投入されようとしています。WR-Vのライバル車として投入予定なのが、スズキのフロンクスです。このフロンクスもインドで生産され、輸入されるコンパクトSUVです。今秋にも日本市場に投入予定のスズキフロンクスのプロトタイプに試乗することができましたので、ライバル車であるホンダWR-Vと比較してみたいと思います。

スズキフロンクスは、2020年まで日本市場に導入されていたバレーノの後継車。インドで生産され、世界に輸出されているグローバルモデルです。すでに、インドをはじめ中南米、中近東そしてアフリカで販売されています。日本仕様としてADASと呼ばれる先進の安全装備や4WD車を追加しています。

WR-Vより小さいフロンクスは立体駐車場にも対応【サイズ】

WR-Vより小さいフロンクスは立体駐車場にも対応【サイズ】

WR-Vより小さいフロンクスは立体駐車場にも対応【サイズ】

ボディサイズは、ホンダWR-Vが全長4,325mm×全幅1,790mm×全高1,650mmです。フロンクスは海外仕様車のスペックですが、全長3,995mm×全幅1,765mm×全高1,550mm。WR-Vと比べるとちょうどひとまわり小さく、全長3,995mはトヨタライズ/ダイハツロッキーと同じ数値です。注目は全幅1,765mmと全高1,550mmで、この数値であれば、都市部に多く存在する立体駐車場に対応しています。WR-Vやライズ/ロッキーが高さをクリアしていないことを考えると大きなアドバンテージになると言えるでしょう。

タフギアなWR-V、スポーティなフロンクス【外観】

タフギアなWR-V、スポーティなフロンクス【外観】

タフギアなWR-V、スポーティなフロンクス【外観】

デザインはどうでしょう。WR-Vの外観は、ベルトラインが高く体幹を貫くようなしっかりとした厚みのあるボディと、優れた走破性を体現する地上高の高いスタイリングで信頼感と安心感、風格を表現しています。

タフギアなWR-V、スポーティなフロンクス【外観】

タフギアなWR-V、スポーティなフロンクス【外観】

対してフロンクスは、SUVの力強さと流麗なクーペスタイルを採用し、SUVが多い街中でもユニークで個性を主張しています。背が高くタフギア感のあるWR-Vとクーペライクなスポーティさのあるフロンクスは、見た目ではっきりわかる方向性の違いがあります。

使いやすさのWR-Vと上質感アピールのフロンクス【インテリア】

使いやすさのWR-Vと上質感アピールのフロンクス【インテリア】

使いやすさのWR-Vと上質感アピールのフロンクス【インテリア】

インテリアに目を向けてみると、WR-Vはノイズのないスッキリとした視界を確保するため、フロントウインドウのラインを水平・垂直に交わるようにしてコーナー部も直角としています。車体の傾きや向きを把握しやすくするためのデザインです。インパネやシートのデザインも含めて道具感があります。

使いやすさのWR-Vと上質感アピールのフロンクス【インテリア】

使いやすさのWR-Vと上質感アピールのフロンクス【インテリア】

対して、フロンクスはブラック×ボルドーの2トーン配色によりタフさとスポーティさを際立たせつつ、高輝度シルバー塗装のパーツを随所に採用することで、上質さや洗練さをアピールしていて、外観同様に対照的です。

室内の広さはWR-Vに軍配、サイズ差の割にフロンクスも健闘【スペース】

室内の広さはWR-Vに軍配、サイズ差の割にフロンクスも健闘【スペース】

室内の広さはWR-Vに軍配、サイズ差の割にフロンクスも健闘【スペース】

室内の広さの指標となるホイールベースは、WR-Vが2,650mm。対してフロンクスは2,520mnmとなっており、全長の330mm差に対して、ホイールベースは130mm差となっているので、フロンクスもボディサイズに対してホイールベースが長いと言えるでしょう。

室内の広さはWR-Vに軍配、サイズ差の割にフロンクスも健闘【スペース】

室内の広さはWR-Vに軍配、サイズ差の割にフロンクスも健闘【スペース】

5人乗車時のラゲッジルームの容量はWR-Vが458L、フロンクスは未発表ですが、バレーノが320Lでしたので、380Lぐらいになるのではないでしょうか。

また取り回しのしやすさの指標となる最小回転半径は、WR-Vが5.2mなのに対して、フロンクスは4.8mと小回りが効くのが特徴です。

エンジンは同じ1.5Lながら、フロンクスはマイルドハイブリッド+6ATで4WDの設定も【パワーユニット】

エンジンは同じ1.5Lながら、フロンクスはマイルドハイブリッド+6ATで4WDの設定も【パワーユニット】

エンジンは同じ1.5Lながら、フロンクスはマイルドハイブリッド+6ATで4WDの設定も【パワーユニット】
搭載しているパワートレインは、WR-Vが最高出力118ps、最大トルク142Nmを発生する1.5L直列4気筒DOHCi-VTEC自然吸気エンジンの1種類で、専用チーニングが施されたCVTが組み合わされます。駆動方式はSUVながら全車2WD(FF)のみとなっています。WR-Vはサイドブレーキが電動パーキングではなくレバー式です。

エンジンは同じ1.5Lながら、フロンクスはマイルドハイブリッド+6ATで4WDの設定も【パワーユニット】

エンジンは同じ1.5Lながら、フロンクスはマイルドハイブリッド+6ATで4WDの設定も【パワーユニット】

対してフロンクスは、1.5L直列4気筒自然吸気エンジンにモーター機能付発電機とリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを採用。組み合わされるトランスミッションは6速ATとなります。駆動方式は2WD(FF)に加えて日本仕様独自の4WD車を設定しています。サイドブレーキは電動パーキングでホールドモード付きとWR-Vに差をつけています。

先進運転支援やコネクティッドは両車抜かりなし【安全・運転支援】

先進運転支援やコネクティッドは両車抜かりなし【安全・運転支援】

先進運転支援やコネクティッドは両車抜かりなし【安全・運転支援】

安全性能は、WR-Vは、衝突軽減ブレーキ(CMBS)をはじめ13の機能がパッケージ化された先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」を全グレードに標準装備。フロントワイドビューカメラと前後8個のソナーセンサーを用いたシステムにより、安心・安全を追求。さらに車載通信モジュール「ホンダコネクト」を搭載し、対応したナビゲーションとオーディオをディーラーオプションとして設定するなど、先進装備に抜かりはありません。

先進運転支援やコネクティッドは両車抜かりなし【安全・運転支援】

先進運転支援やコネクティッドは両車抜かりなし【安全・運転支援】

一方、フロンクスは、デュアルセンサーブレーキサポートIIや電動パーキングブレーキを採用。全車速追従に加えて、停止保持機能の付いたアダプティブクルーズコントロールや車線維持支援機能(LKA)が搭載され、ロングドライブでの披露を軽減してくれる。また「スズキコネクト」の車載器も搭載するなど、先進運転支援とコネクティッドについてきちんと対応しています。

6ATでダイレクトに反応するフロンクス【走り】

6ATでダイレクトに反応するフロンクス【走り】

フロンクスの試乗はまだ発表前のプロトタイプのため、クローズドのコースで行われました。一般道とは異なり、路面にアンジュレーションがないため乗り心地は良好になる傾向があります。設定されたコースはアップダウンの多いコースだったため、マイルドハイブリッドシステムを装着した1.5Lエンジンではパワー不足に感じるシーンもありました。しかし、ステアリングコラムに装着されたパドルシフトを使うと、マニュアルシフト感覚で操ることができ、ストレスなく走れました。

6ATでダイレクトに反応するフロンクス【走り】

フロンクスのトランスミッションはコンベンショナルな6速ATのため、ペダル操作やパドルシフトの操作に非常にダイレクトに反応してくれキビキビ走ることができます。よほどキツイ上り坂のようなシーンでなければストレスに感じることはないでしょう。

クーペスタイルを採用しているだけあり、ハンドリング性能も高くスポーティな走りが楽しめます。またコーナリング時のロールが少ないので、乗員全員に安心と安全を提供してくれます。またリアシートも試乗しましたが、ロングホイールベースを活かしたニースペースの広さに加えて、リアタイヤからの衝撃がよく抑えられていました。

しかしWR-Vの走りの実力も高い【走り】

しかしWR-Vの走りの実力も高い【走り】

同じ条件で試乗しているわけではありませんので、甲乙付けがたいですが、街乗りしたWR-Vは1.5Lエンジンのオイシイ部分のCVTが上手に引き出していて、非常にスムーズな走りを体感できました。路面状況が悪いシーンでも揺れを抑えた乗り心地は充分及第点といえる実力です。

価格的な優位性がないとフロンクスは厳しいか【総合判定】

実力が伯仲しているホンダWR-Vとスズキフロンクスですが、車両本体価格はWR-Vが209万8800円~248万9300円となっています。WR-Vはグレードのよる装備差が小さいため、フロンクスはエントリーモデルが220万円ぐらい、最上級モデルの4WD車が270万円くらい、諸費用込みで300万円以下のプライスにならないとWR-Vの牙城を崩すのは厳しいと思います。

ベストセラーだったヤリスクロスが受注ストップしている現在、国産コンパクトSUVのマーケットはフロンクスの登場で過熱しそうです。

※記事の内容は2024年7月時点の情報で制作しています。

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