車検をはじめとする各種メンテナンス費用や税金など、車の維持費はさまざまありますが、その中でも忘れてはいけないのが燃料費です。燃料費は車の燃費性能によってかなり左右されるので車選びの際にはカタログ燃費、実燃費ともにしっかりと確認しておきましょう。
ここでは、スバル「XV」の燃費について紹介します。
この記事のPOINT
- 動力源別WLTCモードカタログ燃費・実燃費はこちら
カタログ燃費(km/L) 実燃費(km/L) 1.6Lガソリン車 13.3 11.6 e-BOXER(マイルドハイブリッドシステム)車 15.0 12.6 - 2.0Lモデルは全車にマイルドハイブリッドシステム「e-BOXER」を搭載
- 「e-BOXER」搭載車には「SI-DRIVE」と協調するアダプティブ変速制御「e-アクティブシフトコントロール」を採用
XVの特徴
スバルには特徴的な水平対向ガソリンエンジン「SUBARU BOXER」が存在します。これは左右のピストンが水平方向に往復することによって互いの力を打ち消す特性を持っているため、振動を抑制し滑らかなエンジンフィールと優れた運動性能を実現するエンジンです。
2017年5月に登場した現行型のXVでは、優れた出力性能と環境性能を兼ね備えた新世代のBOXERエンジンを採用。1.6L水平対向ガソリンエンジンに加えて直噴化された2.0L水平対向ガソリンエンジンをラインナップしています。
また2018年10月には2.0L直噴水平対向ガソリンエンジンにモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステム「e-BOXER」を追加。モーターアシストによるスムーズな加速を実感できる軽快な走りを実現しています。
XVのカタログ燃費
先にも述べたとおり、スバルXVには1.6L水平対向ガソリンエンジンと2.0L直噴水平対向ガソリンエンジン+モーターのマイルドハイブリッドシステム「e-BOXER」の2つのパワートレインがあります。
なお、「e-BOXER」は当初最上級グレード「Advance」のみに搭載していましたが、2019年10月の改良時に2.0Lエンジン搭載グレード全車に拡大されました。
駆動方式はいずれのパワートレインにおいても、左右重量配分に優れたシンメトリカルAWDの中でも、状況に応じて最適なトルク配分を行う「アクティブトルクスプリットAWD」と呼ばれる4WDシステムを採用。組み合わされるトランスミッションはリニアトロニック(CVT)のみです。
XVのWLTC モードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
1.6i EyeSight | 4WD | 13.3 |
1.6i-L EyeSight | 4WD | 13.3 |
2.0e-L EyeSight | 4WD | 15.0 |
2.0e-S EyeSight | 4WD | 15.0 |
Advance | 4WD | 15.0 |
XVの実燃費
XVに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e 燃費」によると、XVの実燃費(2021年5月24日時点)は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
1.6i EyeSight/ 1.6i-L EyeSight | 4WD | 11.6 |
2.0e-L EyeSight/ 2.0e-S EyeSight/ Advance | 4WD | 12.6 |
WLTCモードは、従来日本で使用されてきたJC08 モードよりも実燃費との差が少ないとされている燃費の計測方法です。
JC08 モードは平坦な道を一定の条件下で走行し計測しますが、WLTCモードは「市街地」「郊外」「高速道路」と実際の使用環境に近い状況ごとに計測するため、JC08 モード燃費と実燃費の差は3割程度とされているのに対して、WLTCモード燃費と実燃費の差は1~1.5割程度だといわれています。
走行環境、運転の仕方によっても実燃費は変わりますが、XVのカタログ燃費と実燃費の差は平均程度といえるのではないでしょうか。
XVとライバル車のカタログ燃費を比較
近年は空前のSUVブームともいえる状態が続いており、XVのようなミドルサイズクロスオーバーSUVは特に競争が激しくなっています。
その中でもXVは独自路線を行く元祖クロスオーバーモデルといえますが、ここではホンダ「ヴェゼル」とトヨタ「C-HR」、この2つのモデルのカタログ燃費と比較してみましょう。
XVには駆動方式が4WDしかないので、ここではいずれのモデルも4WDの数値で比較します。
ホンダ「ヴェゼル」
2021年4月に登場した現行型のホンダ「ヴェゼル」は、先代モデルとは方向性が大きく異なるスマートなスタイリッシュさを持ったエクステリアデザインで話題を呼びました。クラストップレベル(2021年4月、ホンダ調べ)の燃費性能を持つのも魅力です。
ヴェゼルの4WD車のWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
G | 4WD | 15.6 |
e:HEV X | 4WD | 22.0 |
e:HEV Z | 4WD | 22.0 |
e:HEV PLaY | 4WD | 24.8 |
ガソリン車、ハイブリッド(e:HEV)車いずれにおいても燃費性能はXVを大きく上回っていることがわかります。
トヨタ「C-HR」
ニュルブルクリンクなどのサーキットや欧州各国の一般道を走り込み、走行性能にこだわって開発されたトヨタ「C-HR」。トヨタのイメージを一新する斬新なエクステリアや優れた燃費性能が好評を博し高い人気を誇るモデルです。
C-HRの4WD車のWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。なお、C-HRは4WD車にハイブリッドの設定がありません。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
S-T | 4WD | 14.3 |
G-T | 4WD | 14.3 |
S-T“GR SPORT” | 4WD | 14.3 |
XVのガソリン車はC-HRの燃費に一歩譲りますが、「e-BOXER」を搭載するXVはC-HRの燃費を上回っています。
XVの走行性能や乗り心地
XVに採用されている新世代プラットフォーム「スバルグローバルプラットフォーム」は従来の操舵応答性や操縦安定性を向上させ、振動や揺れの少ない快適な乗り心地を提供します。また振動騒音を抑えることによって静粛性を確保しました。
さらに、走行環境やドライバーの好みによって3つの走行モードを選択が可能な「SI-DRIVE」を搭載しています。
2020年9月に発表、10月に販売が開始されたマイナーチェンジ後のモデルでは、「e-BOXER」搭載車に「SI-DRIVE」と協調し、スポーツモードの選択時によりスポーティーで爽快な走りを実現するアダプティブ変速制御「e-アクティブシフトコントロール」を採用。
運転する愉しさがより味わえるようになっているのも特筆すべきポイントでしょう。
モータージャーナリスト・萩原文博さんの試乗記でXVの走行性能をチェック!
車選びの際には燃費や走行性能をよく確認しよう
スバル伝統の水平対向ガソリンエンジンとシンメトリカルAWDの組み合わせが生み出すスバル車ならではの走りはXVでも健在。
XVに搭載されるマイルドハイブリッドシステム「e-BOXER」は、燃費を追求するというよりもエンジンがパワー不足のシーンでモーターアシストを行うことによって、加速性能を向上させることに重きを置いている印象です。
燃費や走行性能は車選びの重要ポイントのひとつ。よく確認して、納得のいく性能を持つモデルを選んでください。
よくある質問
Q1:XVのカタログ燃費はどのくらい?
A:XVのWLTCモードカタログ燃費は、「1.6i EyeSight」と「1.6i-L EyeSight」は13.3km/L、マイルドハイブリッドシステム「e-BOXER」を搭載する「2.0e-L EyeSight」「2.0e-S EyeSight」「Advance」は15.0km/Lです。なお、XVの駆動方式は4WDのみとなっています。
Q2:XVのカタログ燃費をライバル車と比較すると?
A:ホンダ「ヴェゼル」、トヨタ「C-HR」の4WD車のカタログ燃費とXVの燃費を比較すると、ヴェゼルにはいずれのパワートレインでも後れを取っていますが、XVの「e-BOXER」搭載車はC-HRの燃費を上回っています。
Q3:XVの走行性能は?
A:新世代のプラットフォームの採用により、操縦安定性や操舵応答性が飛躍的に向上。また3種類の走行モードが選択できる「SI-DRIVE」を搭載し、ドライバーの好みによって走りの質感を選択できます。また、「e-BOXER」搭載車には「SI-DRIVE」と協調してよりスポーティーな走りをサポートする「e-アクティブシフトコントロール」が新搭載され、より運転する愉しさを味わえるようになっています。
※記事の内容は2021年5月時点の情報で執筆しています。