車を選ぶときにチェックしておきたいポイントはたくさんありますが、その中でも特に重視したいもののひとつが燃費性能といえます。燃費性能は車によって差があることはもちろん、維持費の中の大きな割合を占める燃料費を左右するものなので、車選びの際にはカタログ燃費だけではなく、実燃費をチェックしておくことをおすすめします。

ここでは、日産「シルフィ」の燃費について紹介します。

シルフィの燃費の特徴

2012年12月に登場した2代目モデルとなる現行型のシルフィは、ロングストローク化による燃焼効率向上やフリクションの低減、吸排気効率の向上などを徹底した新開発の1.8L直列4気筒エンジンの採用に加え、小型・軽量・高効率な新世代の副変速機付きエクストロニックCVTを組み合わせることによって従来型よりも燃費を向上させています。

シルフィのカタログ燃費

シルフィに採用されているパワートレインは1.8L直列4気筒ガソリンエンジンの1種類で、駆動方式は2WDのみとなっています。

シルフィのJC08モードカタログ燃費は、以下のとおりです。

シルフィの実燃費

現在、シルフィに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、シルフィの実燃費は全グレードで12.0km/Lとなっています。

JC08モード燃費とは平坦でまっすぐな道でライトやエアコンなどを使わずに一定の条件下で計測されているもので、いわば指標に使われる数値、といった意味合いが強いものになっています。しかし、日常生活ではさまざまな場所で走行するのはもちろん、通常はエアコンやナビなど電装品を使用したり、重たい荷物を積んだりすることからカタログ燃費と実燃費との差が生まれるのが一般的です。

路面の状態や運転の方法によって実燃費は変わりますが、だいたい平均3割程度は実燃費が低くなるといわれています。その点を考慮すると、シルフィのカタログ燃費と実燃費の差は平均値よりも少なく、優秀であるといえるでしょう。

シルフィとライバル車のカタログ燃費を比較

シルフィのライバル車としては、トヨタ「アリオン」やマツダ「マツダ3セダン」などが挙げられます。ここではこの2車種とシルフィの燃費を比較してみましょう。

トヨタ「アリオン」

出典：日産「シルフィ」ギャラリー

5ナンバーサイズの取り回しやすいサイズ感ながら広い室内空間を備えているトヨタ「アリオン」。スマートでスポーティーさを感じさせるエクステリアが特徴です。

アリオンのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。

アリオンはWLTCモード燃費を採用しており、シルフィとは燃費の計測方法が異なります。一般的にWLTCモードはJC08モードよりも実燃費に近い数値が出る燃費の計測方法といわれており、カタログスペックとしては、WLTCモード燃費はJC08モード燃費よりも1～2割程度は悪くなるとされています。

その点を考えると、シルフィとアリオンは同程度の燃費性能であるといえるのではないでしょうか。

マツダ「マツダ3セダン」

出典：マツダ「マツダ3セダン」エクステリア

シャープさを感じさせる端正なたたずまいが印象的なマツダ「マツダ3セダン」は、欧州車のような上質なインテリアデザインに定評のあるモデルです。

マツダ3セダンのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。

「15S」「20S」はそれぞれ1.5Lと2.0Lのガソリンエンジンを、「XD」はクリーンディーゼルエンジン、「X」はマイルドハイブリッドシステムを搭載したモデルです。

シルフィの2WD車とマツダ3セダンの2WD車のカタログ燃費を比較すると、いずれのパワートレインにおいてもマツダ3セダンにメリットがあるのがわかります。

シルフィの走行性能・乗り心地

出典：日産「シルフィ」外観・内装

シルフィでは高剛性ボディを採用して振動を抑制していることに加え、遮音・制振材や吸音材を最適配置することによってあらゆる走行シーンで上質なセダンにふさわしい静かで快適な室内空間を確保しています。

またボディ形状にも工夫をこらし、空力抵抗が少なくなるように設計されているほか、フロントスポイラーの大型化、タイヤディフレクターの配置によってアンダーフロアの空気の流れを最適化し、高速走行時の安定性を高めているため、高速道路でも安心してストレスのない走りが楽しめるのも特筆すべきポイントでしょう。

車の燃費性能は必ずチェックしよう

燃費性能は、車種によって大きく異なります。モデルライフの長くなったシルフィには近年の燃費向上技術が採用されていないため、際立って燃費が良いというわけではありませんが日常的に不安なく使用できる程度の燃費性能は確保しています。

燃料費は車の維持費の大部分を占めるので、事前に燃費性能をしっかりとチェックして車を選ぶことをおすすめします。

よくある質問

Q1：シルフィのカタログ燃費はどのくらい？

A：シルフィに採用されているパワートレインは1.8L直列4気筒ガソリンエンジン1種類で、駆動方式は2WDのみとなっています。JC08モードカタログ燃費は、全グレード共通で15.6km/Lです。

Q2：シルフィの実燃費はカタログ燃費とどのくらいの差があるの？

A：シルフィの実燃費は12.0km/L。シルフィが採用しているJC08モード燃費は平坦でまっすぐな道を、電装品を使用しないなど一定の条件下で走行して測定される指標ともいえる数値です。実際には坂道や未舗装路を走ったり、電装品を使用したりするため、カタログ燃費と実燃費のあいだには3割程度の差が生じるのが一般的。その点を考慮するとシルフィのカタログ燃費と実燃費の差は平均の範囲内といえるでしょう。

Q3：シルフィの走行性能・乗り心地は？

A：シルフィでは高剛性のボディを採用していることに加え、遮音・制振材や吸音材の最適配置によって振動の少ない静かで快適な乗り心地を実現しています。また空気抵抗の少ないボディ形状やフロントスポイラーの大型化、タイヤディフレクターの設置によって高速走行時の安定性を高めているのも特徴です。

※記事の内容は2021年2月時点の情報で執筆しています。