燃料費は車の維持には欠かせません。同クラスの車であっても燃費性能の差によって燃料費は変わってくるので、車選びの際に燃費は必ず確認したい部分だといえるでしょう。
燃費を確認するには、カタログ燃費だけでなく車を実際に使用した際のガソリン1L当たりの走行距離である実燃費も併せてチェックしておくことがとても重要です。ここでは三菱「アウトランダー」の燃費について紹介します。
アウトランダーの燃費の特徴
2012年10月に登場した現行型のアウトランダーには、三菱のこだわりの可変バルブタイミングリフト機構を搭載したSOHCエンジンを採用し、走行性能はもちろん、高い環境性能を追求しています。
また、信号待ちや渋滞時など、ブレーキペダルを踏んで停止している際にエンジンを自動で停止させてガソリンの消費を抑制するアイドリングストップ機構「オートストップ&ゴー」を全車に標準装備。
さらにエコ運転のレベルをリアルタイムに表示する「ECOドライブアシスト」、運転の状況をモニターしてエコ運転の達成具合をリーフの枚数で表示する「ECOスコア」、アイドリングストップの累計時間を表示する「AG&Gモニター」など、エコドライブをアシストすることによって実燃費向上に貢献する機能を採用しています。
アウトランダーのカタログ燃費
アウトランダーは駆動方式によって搭載するエンジンが異なり、2WD車には2.0L直列4気筒NAエンジン、4WD車には2.4L直列4気筒NAエンジンが採用されています。
アウトランダーのJC08モードカタログ燃費は以下の通りです。グレードによる燃費の差はありません。
・2WD車 16.0km/L
・4WD車 14.6km/L
アウトランダーとライバル車のカタログ燃費を比較
アウトランダーと同クラスのライバル車としては、スバル「フォレスター」や日産「エクストレイル」が挙げられるでしょう。ここではこの2車種とアウトランダーのカタログ燃費を比較してみます。
スバル「フォレスター」
スバル車の中で最も高い悪路走破性を誇る「フォレスター」は、アクティブさを感じさせるSUVらしいエクステリアデザインや走行性能の高さでグローバル市場でも高い人気を集めているモデルです。
フォレスターのJC08モードカタログ燃費はガソリン4WD車が14.6km/L、ハイブリッド4WD車が18.6km/Lです。2WD車の設定はありません。
アウトランダーの燃費はフォレスターのハイブリッド車の燃費にはかないませんが、ガソリン車同士では全く同じ燃費の数値となっています。
日産「エクストレイル」
ライバル車がひしめくミドルサイズSUVの中でもひときわ大きな存在のモデル、それが日産の「エクストレイル」といえるでしょう。現行モデルはオンロード性能にも磨きをかけるとともに、高速道路でペダル操作に加えてステアリング操作もシステムがアシストする「プロパイロット」を搭載するなど、先進の運転支援機能を搭載している点にも注目です。
エクストレイルのJC08モードカタログ燃費はガソリン2WD車が16.4km/L、4WD車が15.6~16.0km/L、ハイブリッド2WD車が20.8km/L、4WD車が20.0km/Lです。
いずれの駆動方式でも、エクストレイルがアウトランダーの燃費の数値を上回っています。
アウトランダーの実燃費
現在、アウトランダーに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e 燃費」によると、アウトランダーの実燃費は2WD車が10.18km/L、4WD車が10.23km/Lです。
カタログ燃費とは差が生じていますが、これはアウトランダーに限ったことではありません。JC08モード燃費ではカタログ燃費と実燃費の間にある程度の差が出るのが一般的です。
そもそも、カタログ燃費とは平坦でまっすぐな道でライトやエアコンなどを使わずに一定の条件下で計測されているもので、指標に使われる数値といえます。しかし、日常生活ではさまざまな場所で走行することから、どの車でもカタログ燃費と実燃費との差が生まれるのです。
路面の状態や運転の仕方によって実燃費は変わりますが、だいたい平均3割程度は実燃費が低くなるといわれているため、アウトランダーのカタログ燃費と実燃費の差は2WD車では平均値よりも大きくなっていますが、4WD車ではおおよそ平均値といえるでしょう。
アウトランダーの走行性能
走行性能の高さはアウトランダーの魅力のひとつです。ここではアウトランダーの走行性能に関する部分を見ていきましょう。
4WD車に車両運動統合制御システム「S-AWC」を標準装備
アウトランダーの4WD車には、車両運動統合制御システム「S-AWC」を標準装備しています。これは電子制御4WDをベースにして、横滑りを防ぐASC(アクティブスタビリティコントロール)と急ブレーキ時などのタイヤロックを防ぐABSに追加して、アクティブフロントデフやブレーキ、電動パワーステアリングを自動で制御して最適な駆動力を配分するAYC(アクティブヨーコントロール)を搭載するシステムで、車両の走行安定性を高め、旋回時のライントレース性や滑りやすい路面での走破性を向上させています。
また、AYCのブレーキ制御にアウトランダー専用セッティングを施し、ステアリング操作に対する応答性を高めてドライバーの意のままの走りを実現しました。
変速ショックの少ない快適な走り
アウトランダーのトランスミッションには、運転の状況や道路環境に応じて自動で最適な変速比を選択する新世代のINVECS-Ⅲ6速スポーツモードCVTを採用しています。
エンジン性能を効率よく引き出す工夫がなされており、変速ショックが少なく滑らかで快適な走りが楽しめます。6速スポーツモードも搭載しているので、スポーティーな走りが味わえる点も魅力だといえるでしょう。
4WD車の性能が光るアウトランダー
三菱の4WD技術は世界的に高い評価を受けています。アウトランダーの4WD車にもその技術は惜しむことなくつぎ込まれているので、三菱ならではの4WDの走りを味わいたい方は満足できる一台となっているでしょう。4WD車はカタログ燃費と実燃費の差も少ない点も評価できます。
燃費性能や走行性能は車選びの重要ポイントとなる部分なので、納得のいくまでしっかりと確認しておくようにしましょう。
よくある質問
Q1:アウトランダーのカタログ燃費はどのくらい?
A:アウトランダーは2WD車に2.0L直列4気筒NAエンジン、4WD車には2.4L直列4気筒NAエンジンを搭載しています。アウトランダーのJC08モードカタログ燃費は2WD車が16.0km/L、4WD車 14.6km/Lで、グレードによる燃費の差はありません。
Q2:アウトランダーの実燃費はカタログ燃費とどのくらいの差があるの?
A:JC08モードカタログ燃費の場合、カタログ燃費と実燃費の間に3割程度の差が出るのが一般的です。アウトランダーの実燃費は2WD車が10.18km/L、4WD車が10.23km/Lなので、2WD車では平均値よりもカタログ燃費と実燃費の差が大きくなっていますが、4WD車ではおおよそ平均値といえます。
Q3:アウトランダーの走行性能は?
A:アウトランダーでは4WD車に車両運動統合制御システム「S-AWC」を標準装備しています。これはASCやABSに加えてAYC(アクティブヨーコントロール)を搭載して車両の安定性を高め旋回時のライントレース性や滑りやすい路面での走破性を向上させていることに加え、ステアリングレスポンスを向上させてドライバーの意のままの走りを実現しています。
※記事の内容は2020年3月時点の情報で執筆しています。