車の燃費性能をチェックする際、カタログ燃費だけではなく車が実際に走行した時の燃費である実燃費をチェックすることが大切です。
ここでは実燃費をチェックすることが大切な理由やライバル車との燃費性能の比較なども交えて、トヨタ「ノア」の燃費性能について詳しくご紹介します。
ノアの燃費の特徴
ノアはミニバン人気が高まりつつあった2001年にデビューした車で、現行モデルは2014年に登場した3代目にあたるモデルです。
ミニバンに期待される堂々とした迫力のあるフロントマスクなど、エクステリアの圧倒的な存在感が魅力。この3代目モデルから本格ハイブリッドシステムが搭載されたモデルがラインナップに加わるとともに、ガソリン車にもアイドリングストップ機能を採用するなど、高い燃費性能を実現しているのが特徴です。
ノアのカタログ燃費
ノアにはハイブリッド車と2.0Lガソリン車の2つのパワートレインがあり、駆動方式はハイブリッド車では2WDのみ、ガソリン車には2WDに加えて4WDもラインナップされています。
ノアのWLTCモードカタログ燃費は以下のとおりです。
ハイブリッド車
グレード | 駆動方式 | 乗車定員 | 燃費 |
---|---|---|---|
X | 2WD | 7人乗り | 19.8km/L |
G | 2WD | 7人乗り | 19.8km/L |
Si | 2WD | 7人乗り | 19.0km/L |
ガソリン車
グレード | 駆動方式 | 乗車定員 | 燃費 |
---|---|---|---|
X | 2WD | 7人乗り | 13.6km/L |
8人乗り | 13.6km/L | ||
4WD | 7人乗り | 12.6km/L | |
8人乗り | 12.6km/L | ||
G | 2WD | 7人乗り | 13.6km/L |
8人乗り | 13.6km/L | ||
4WD | 7人乗り | 12.6km/L | |
8人乗り | 12.6km/L | ||
Si | 2WD | 7人乗り | 13.2km/L |
8人乗り | 13.2km/L | ||
4WD | 7人乗り | 12.2km/L | |
8人乗り | 12.2km/L |
ノアの実燃費
現在、ノアに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、ノアの実燃費は以下のとおりです。
駆動方式 | 燃費 | |
---|---|---|
ハイブリッド車 | 2WD | 16.2km/L |
ガソリン車 | 2WD | 9.3~11.0km/L |
4WD | 9.1~11.31km/L |
カタログ燃費と実燃費には差があるのが一般的といわれていますので、車の燃費性能をチェックするのであれば、実燃費も必ずチェックしましょう。
WLTCモード燃費は、信号や渋滞などの影響を受ける市街地モード、信号や渋滞などの影響を受けにくい郊外モード、高速道路での走行を想定した高速道路モードの3つのモードでの計測値を平均的使用時間配分で構成したもので、日本だけでなく国際的に使用されている燃費の計測方法です。カタログスペックとしてはJC08モード燃費よりも低くなる傾向があります。
WLTCモード燃費は実際の車の使用環境により近い方法で計測されていますが、実燃費とまったく差がないというわけではなく、運転の仕方や走行環境にもよりますが1割~1.5割程度の差が出ることが多いようです。その点を踏まえると、ノアのカタログ燃費と実燃費の差はハイブリッド車では概ね平均程度、ガソリン車ではグレ―ドによって少し平均値よりも大きくなっているといえるでしょう。
ノアとライバル車の燃費を比較
燃費性能が優れているかどうかを確認するには同クラスのライバル車と燃費を比較してみるのもひとつの方法です。ここでは日産「セレナ」、ホンダ「ステップワゴン」と比較してみましょう。
日産「セレナ」
2016年に登場した5代目モデルにあたる現行型セレナは、高速道路の単一車線での自動運転技術「プロパイロット」を搭載したことで大きな話題となりました。3列目シートでも快適に過ごせる室内の広さやセンサーが反応して自動でドアの開閉を行う「ハンズフリースライドドア」など、使い勝手の良さにも定評のあるミニバンです。
セレナには100%モーター走行が可能なe-POWER車とスマートシンプルハイブリッド車がラインナップされています。e-POWER車は2WDのみですが、スマートシンプルハイブリッド車には4WDもあります。
セレナのJC08モードカタログ燃費は以下のとおりです。
e-POWER車
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
e-POWER X | 2WD | 26.0km/L |
e-POWER XV | 2WD | 26.0km/L |
e-POWER G | 2WD | 26.0km/L |
e-POWER ハイウェイスター | 2WD | 26.0km/L |
e-POWER ハイウェイスターV | 2WD | 23.4km/L |
e-POWER ハイウェイスターG | 2WD | 23.4km/L |
スマートシンプルハイブリッド車
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
X | 2WD | 17.2km/L |
4WD | 15.8km/L | |
XV | 2WD | 16.6km/L |
4WD | 15.0km/L | |
G | 2WD | 16.6km/L |
4WD | 15.0km/L | |
ハイウェイスター | 2WD | 16.6km/L |
4WD | 15.8km/L | |
ハイウェイスターV | 2WD | 16.6km/L |
4WD | 15.0km/L |
ノアはWLTCモード、セレナはJC08モードと燃費の計測方法が異なるため単純に比較できませんが、WLTCモードは一般的にJC08モードよりもカタログスペックとしては1.5~3割程度悪くなるといわれています。その点を考慮するとノアのハイブリッド車の燃費はセレナのスマートシンプルハイブリッド車の燃費は軽く超え、e-POWER車に迫る勢いです。ハイブリッドのトヨタの面目躍如、といったところでしょう。
ホンダ「ステップワゴン」
出典:ホンダ「ステップワゴン」
ステップワゴンは8つの先進機能を装備したホンダ自慢の先進安全技術パッケージ「Honda SENSING」を全車に標準装備し、高い安全性が自慢のモデルです。縦にも横にも開くテールゲートの「わくわくゲート」を装備し、幅広い層から高い人気があります。
ステップワゴンにはホンダ独自開発の「SPORT HYBRID i-MMD」を搭載したハイブリッド車とターボガソリン車があります。こちらもハイブリッド車は2WDのみですが、ターボガソリン車には4WDもラインナップされています。
ステップワゴンのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
ハイブリッド車
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
e:HEV SPADA G・Honda SENSING | 2WD | 20.0km/L |
e:HEV SPADA G・EX Honda SENSING | 2WD | 20.0km/L |
ガソリン車
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
e:HEV SPADA G・Honda SENSING | 2WD | 20.0km/L |
e:HEV SPADA G・EX Honda SENSING | 2WD | 20.0km/L |
ステップワゴンに搭載されている「SPORT HYBRID i-MMD」はEV走行が可能なハイブリッドで、セレナのe-POWERに近いシステムです。そのためノアのハイブリッド車はステップワゴンの燃費よりもわずかに劣っていますが、十分に健闘しているといえるでしょう。ガソリン車ではほぼ同等の燃費性能といえそうです。
乗り心地も忘れずにチェックしたいポイント
出典:トヨタ「ノア」ギャラリー
ノアの乗り心地はどのようになっているのかもしっかりとチェックしておきましょう。
空力性能を向上させ安定した走りを実現
ノアではサイドガラス部とリアコンビネーションランプ部にエアロスタビライジングフィンを採用し、気流に渦を発生させて車両を押さえつけるとともにリアホイールハウス内に設置された空力フィン、床下の風の流れを制御するセンターエアダムによって車両の安定化を図り、高いレベルでの操縦安定性を実現して安定した快適な乗り心地を提供します。
高められた静粛性
ドアミラー形状に手を加え、風切り音を低減。さらにダッシュサイレンサーに部分接着フィルムを、スライドドア下にシールを追加することによって遮音性を確保し走行中でも静かな車内空間を作り出しています。
バランスの取れた性能が魅力のノア
ハイブリッドのトヨタの名に恥じない優れた燃費性能と居心地のいい車に求められる安定性や静粛性を備えたノア。ファミリー向けのミニバンとしてバランスの取れた性能を備えているといえるでしょう。
※記事の内容は2020年9月時点の情報で執筆しています。