軽自動車は排気量やボディサイズが小さいため、普通車よりも燃費は良い傾向があります。しかし、全高を上げて室内空間を広く取ったスーパーハイトワゴンは軽自動車の中ではボディサイズが大きく、燃費に影響がある可能性もあるため車選びの際にはよく燃費性能を確認しておくべきといえます。
ここでは、ホンダの軽スーパーハイトワゴン「N BOX」の燃費性能についてご紹介します。
よくある質問
Q1:N BOXのカタログ燃費はどのくらい?
A:N BOXのWLTCモードカタログ燃費は、NAエンジン2WD車が21.5~21.6km/L、4WD車が19.4km/L、ターボエンジン2WD車が20.3km/L、4WD車が18.4km/Lです。
Q2:N BOXのカタログ燃費と実燃費を比較すると?
A:N BOXの実燃費は、NAエンジン2WD車が18.4km/L、ターボエンジン2WD車が17.0km/L、4WD車が14.2km/Lです。カタログ燃費と実燃費の差はターボエンジン4WD車を除き許容できる程度の数値ですが、ターボエンジン4WD車においては差が大きい傾向が見受けられます。
N BOXの燃費性能の特徴
2023年10月に実施されたフルモデルチェンジによって3代目に切り替わったN BOX。現行型ではパワートレインは先代から継承していますが、NA(自然吸気)エンジン、ターボエンジン、またCVTにおいても細微まで制御を見直し、これまで以上の上質で扱いやすい特性、上質な走りを実現しています。
低燃費技術としては、信号待ちなどでの停車時にエンジンを停止して燃料消費を抑制するアイドリングストップ機構、ONにするとエンジンや空調などの車全体の動きを燃費優先に制御する「ECONスイッチ」を搭載しています。
N BOXのカタログ燃費
N BOXでは、NAエンジンとターボエンジンをラインナップしています。WLTCモードカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
N BOX | 2WD | 21.6 |
4WD | 19.4 | |
N BOX CUSTOM | 2WD | 21.5 |
4WD | 19.4 | |
N BOX CUSTOM ターボ | 2WD | 20.3 |
4WD | 18.4 |
N BOXの実燃費
N BOXに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、N BOXの実燃費(2023年12月23日時点)は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 実燃費(km/L) |
---|---|---|
N BOX | 2WD | 18.4 |
4WD | --- | |
N BOX CUSTOM | 2WD | 18.4 |
4WD | --- | |
N BOX CUSTOM ターボ | 2WD | 17.0 |
4WD | 14.2 |
実燃費はカタログ燃費よりもある程度悪化するのは避けられないとはいえ、N BOXについても例外ではありません。ただし、ターボエンジン4WD車を除き、差はそれほど大きくなく許容範囲内といえるでしょう。ターボエンジン4WD車においては若干差が大きい傾向が見受けられます。
N BOXとライバル車の燃費を比較
N BOXのライバルといえるモデルとしては、スズキ「スペーシア」やダイハツ「タント」といった軽スーパーハイトワゴンが挙げられます。ここでは、この2車種とN BOXのカタログ燃費を比較してみましょう。
スズキ「スペーシア」
2023年11月に発売されたスズキ「スペーシア」。先代モデルに引き続きマイルドハイブリッドシステムを搭載し、NAエンジン搭載モデルは軽ハイトワゴンクラストップ(2023年11月、スズキ調べ)の低燃費を実現しています。
スペーシアのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
HYBRID G | 2WD | 25.1 |
4WD | 22.4 | |
HYBRID X | 2WD | 23.9 |
4WD | 22.4 | |
カスタム HYBRID GS/カスタム HYBRID XS | 2WD | 23.9 |
4WD | 22.4 | |
カスタム HYBRID XSターボ | 2WD | 21.9 |
4WD | 19.8 |
N BOXとスペーシアの燃費を比較すると、スペーシアにメリットがあることがわかります。
ダイハツ「タント」
ダイハツの軽スーパーハイトワゴン「タント」は、助手席側のセンターピラーを前後ドアに内蔵し、スライドドア開口部を大きく取ることで乗降性を高めた「ミラクルオープンドア」が特徴のモデルで、ファミリー層を中心に高い人気を誇ります。
なお、タントは部品供給不足による納期遅れに対応するために設定されたアイドリングストップ機構を省いたeco IDLE非装着車もラインナップしています。タントのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
L/X | 2WD | 22.7 |
4WD | 21.4 | |
Xターボ | 2WD | 21.2 |
4WD | 19.6 | |
カスタムX | 2WD | 21.9 |
4WD | 21.4 | |
カスタムRS | 2WD | 21.2 |
4WD | 19.6 | |
L/X(eco IDLE非装着車) | 2WD | 20.1 |
4WD | 19.6 | |
Xターボ(eco IDLE非装着車) | 2WD | 18.7 |
4WD | 18.2 | |
カスタムX(eco IDLE非装着車) | 2WD | 20.1 |
4WD | 19.6 | |
カスタムRS(eco IDLE非装着車) | 2WD | 18.7 |
4WD | 18.2 |
N BOXとタントの比較では、eco IDLE非装着車を除きタントが若干ではありますが良い燃費の数値を示しています。
N BOXの走行性能・乗り心地
N BOXは、元々ふらつきの少ない安定した走りに定評があるモデルでした。現行型のN BOXではサスペンションの見直しやアライメントの適正化によってこれまで以上の直進安定性を実現しているとともに、より快適な乗り心地を実現しました。
また、コーナリング性能を高める「アジャイルハンドリングアシスト」も標準装備し、シーンを問わずストレスのない快適な走りを追求しています。
モータージャーナリスト・岡崎五朗さんの試乗記でN BOXの走行性能をチェック!
安定した走りが魅力のN BOX
N BOXは燃費の数値ではライバルであるスペーシアなどに後れを取ってはいますが、それでもNAエンジン、ターボエンジンともにWLTCモードカタログ燃費は2WD車で20.0km/Lを超えており、十分な燃費性能を備えています。
また、安定した走りが自慢のモデルなので、背の高い軽スーパーハイトワゴンのふらつきが気になる方に特におすすめしたい1台といえるでしょう。
※この記事は2023年12月時点の情報で制作しています