年々厳しくなる排ガス規制などに対応するため、各自動車メーカーは燃費性能や環境性能の向上に力を入れています。近年では一定の燃費基準・環境基準を達成している車には減税措置があるため、車を選ぶ際にはその車の燃費にはどのようなメリットがあるのかを確認しておく必要があります。
ここではトヨタ「エスティマ」の燃費について紹介します。
エスティマの特徴
エスティマの現行モデルは2006年1月に登場した3代目モデルで、上品でスタイリッシュなフロントフェイスを持つロングセラーモデルです。登場から10年が経過した2016年に実施されたマイナーチェンジでは内外装のアップデートや先進安全性能の充実、サスペンションの改良により走りの質感も向上させるなど、大きく手が加えられました。
パワートレインは170psを発揮し、スムーズな加速と扱いやすさを両立させた2.4Lガソリンエンジンと2.4Lガソリンエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドの2種類です。
駆動方式はガソリン車が2WDと4WDをそろえていますが、ハイブリッド車は4WDのみとなっています。
エスティマのカタログ燃費
エスティマのJC08モードカタログ燃費は以下の通りです。
・ガソリン車(2WD)
グレード | 乗車定員 | 燃費 |
---|---|---|
AERAS | 8人乗り | 11.6km/L |
7人乗り | 11.4km/L | |
AERAS PREMIUM | 7人乗り | 11.4km/L |
AERAS SMART | 7人乗り | 11.4km/L |
AERAS PREMIUM-G | 7人乗り | 11.4km/L |
・ガソリン車(4WD) 乗車定員に関わらず全グレードで11.2km/L
・ハイブリッド車(4WDのみ) 乗車定員に関わらず全グレードで18.0km/L
エスティマとライバル車の燃費を比較
Lサイズミニバンはファミリー層を中心に高い人気を誇り、選択肢も豊富です。ここではホンダ「オデッセイ」とエスティマと同じトヨタの「アルファード」とのカタログ燃費を比較してみましょう。
ホンダ「オデッセイ」
2013年11月に登場した現行の5代目オデッセイはホンダの上級ミニバンとして高い人気を誇るモデルです。
2016年2月にはホンダ独自開発の100%モーター走行可能なハイブリッドシステム「SPORTS HYBRID i-MMD」を搭載したハイブリッドモデルがラインナップに追加され、低燃費や高い環境性能を実現しています。
オデッセイのJC08モードカタログ燃費はガソリン2WD車が13.2~14.0km/L、4WD車が12.6~13.0km/L、ハイブリッド車(2WDのみ)が24.4~26.0km/Lです。
いずれのパワートレインにおいてもオデッセイの燃費はエスティマよりもいいという結果になりました。特にハイブリッド車においては大きな差がついてしまっていることがわかります。
トヨタ「アルファード」
出典:トヨタ「アルファード」
トヨタの最上級ミニバンであるアルファードは「大空間高級サルーン」をコンセプトに開発された、高級車に求められる快適さやラグジュアリーさを追求した大型ミニバンです。
押し出しの強い迫力のあるエクステリアや質感の高いインテリアを持ち、高級ミニバンを代表するモデルといえるでしょう。
アルファードのJC08モードカタログ燃費はガソリン2WD車が10.6~11.6km/L、4WDが10.4~12.0km/L、ハイブリッド車は4WDのみで18.4~19.4km/Lです。
ガソリン車はエスティマとアルファードは同程度の燃費性能だといえます。
エスティマの実燃費
現在、エスティマに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e 燃費」によると、エスティマの実燃費はガソリン2WD車が8.86km/L、4WD車が9.28km/L、ハイブリッド4WD車は11.88km/Lです。
JC08モード燃費においてはカタログ燃費と実燃費との間に差が出ることはよく知られています。そもそも、カタログ燃費とは平坦でまっすぐな道でライトやエアコンなどを使わずに一定の条件下で計測されているもので、指標に使われるといってもいい数値です。しかし、日常生活ではさまざまな場所で走行することから、どの車でもカタログ燃費と実燃費との差が生じるのです。
路面の状態や運転の方法によって実燃費は変わりますが、JC08モード燃費ではだいたい平均3割程度は実燃費が低くなるといわれています。エスティマのカタログ燃費と実燃費の差はガソリン車では平均よりよいですが、ハイブリッド車においては平均値よりもわずかながら差が開いているのが現状です。
エスティマの乗り心地
乗り心地の良し悪しも車選びの際には忘れずにチェックしておきたいポイントです。
最適化されたサスペンションがもたらす上質な乗り心地
エスティマはコイルスプリングなどのサスペンション各部のチューニング最適化により、操縦安定性の確保と衝撃や揺れの少ない上質で快適な乗り心地を両立させています。
エアロスタビライジングフィンが操縦安定性を確保
出典:トヨタ「エスティマ」
エスティマのテールランプにはエアロスタビライジングフィンが採用されています。このエアロスタビライジングフィンが走行時に車体の周りに空気の渦を発生させ、車体への空気抵抗を改善させて車体の操縦安定性を高めて、安定した乗り心地に貢献しています。
燃費を確認する際には実燃費も確認しよう
車の燃費をチェックするにはカタログ燃費だけではなく実燃費も確認しておくことが大切です。一般的に長期間使用することになる車にかかるコストはある程度正確に把握しておかないと、満足のいくカーライフを送ることが難しくなる可能性もあります。
車選びの際にはカタログ燃費とともに実燃費やライバル車との燃費の比較など、さまざまな面から燃費性能を確認しておくことをおすすめします。
※記事の内容は2019年9月時点の情報で執筆しています。