車の燃費性能は車選びの際に必ず確認すべきポイントといえます。なぜなら、燃料費はさまざまな項目がある車の維持費の中でも比較的多くの割合を占めるものだからです。できるだけ燃料費を節約しながらカーライフを楽しむためには、車選びの段階からよく燃費性能をチェックし、低燃費の車を選ぶことが大切です。
ここでは、スバルの軽スーパーハイトワゴン「シフォン」の燃費性能についてご紹介します。
この記事のPOINT
- シフォンのWLTCモードカタログ燃費・実燃費はこちら
- ライバル車であるホンダ「N BOX」やスズキ「スペーシア」よりも低燃費を実現している
- プラットフォームの刷新によって優れた操縦安定性や快適な乗り心地を実現
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) | 実燃費(km/L) |
---|---|---|---|
L/G/R | 2WD | 21.9~22.7 | 22.8 |
4WD | 21.4 | --- | |
RS | 2WD | 21.2 | 14.2 |
4WD | 19.6 | 12.6 |
シフォンの燃費性能の特徴
2019年7月に登場した現行型のシフォンは、プラットフォームを刷新することで軽量化・高剛性化したことに加え、新開発のスプリットギアを用いたCVTを採用し、高速走行時のエンジン回転数を抑え静粛性と燃費を両立させました。
また、エンジンは、吸気ポートのデュアル化やマルチスパークの採用などにより燃焼効率を高めることでより優れた燃費性能を実現。アイドリングストップ機構やエコドライブをサポートしてくれるドライブアシストイルミネーションなど、実燃費向上に貢献する技術も採用されています。
シフォンのカタログ燃費
シフォンに採用されているエンジンは最高出力52psを発揮する660cc直列3気筒NAエンジンと、最高出力64psの660cc直列3気筒ターボエンジンの2種類で、組み合わされるトランスミッションは両エンジンともにCVTです。
シフォンのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおり。ターボエンジンを搭載するグレードは「RS」のみです。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
L/G | 2WD | 22.7 |
4WD | 21.4 | |
R | 2WD | 21.9 |
4WD | 21.4 | |
RS | 2WD | 21.2 |
4WD | 19.6 |
シフォンの実燃費
シフォンに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、シフォンの実燃費(2023年10月21日時点)は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 実燃費(km/L) |
---|---|---|
L/G/R | 2WD | 22.8 |
4WD | --- | |
RS | 2WD | 14.2 |
4WD | 12.6 |
WLTCモード燃費は「市街地」「高速道路」「郊外」と3パターンの走行モードの数値を計測し、その3つの計測値を平均的な使用時間配分で構成した数値を採用しているため、これまで日本で使用されてきたJC08モード燃費よりも実燃費に近い数値が出るといわれています。
それでも、実際はカタログ燃費よりも実燃費が若干悪化するのが一般的です。ただし、シフォンの2WD車においてはカタログ燃費と実燃費の差はほとんどありません。一方でターボエンジンを搭載する「RS」の実燃費はカタログ燃費からかなりの乖離が見られます。ターボエンジンはハイパワーな分、NA(自然吸気)エンジンよりも燃費が悪化する傾向があるのは否めませんが、その点を考慮しても差が大きいという印象です。
シフォンとライバル車のカタログ燃費を比較
シフォンのライバル車としては、同じ軽スーパーハイトワゴンのホンダ「N BOX」やスズキ「スペーシア」が挙げられます。ここではこの2車種とシフォンのカタログ燃費を比較してみましょう。
ホンダ「N BOX」
2023年10月にフルモデルチェンジし、3代目に切り替わったホンダの軽スーパーハイトワゴン「N BOX」。何度も販売台数1位を記録している、人気のモデルです。現行型では従来モデルの魅力である室内の広さはそのままに、新世代コネクテッド技術を搭載した車載通信モジュール「Honda CONNECT」を採用するなど先進性も高めています。
N BOXのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
N BOX | 2WD | 21.6 |
4WD | 19.4 | |
N BOX CUSTOM | 2WD | 21.5 |
4WD | 19.4 | |
N BOX CUSTOM ターボ | 2WD | 20.3 |
4WD | 18.4 |
シフォンとN BOXの燃費を比較すると、シフォンがより優れた燃費性能を有していることがわかります。
スズキ「スペーシア」
スーツケースをモチーフにした親しみやすいデザインと、使い勝手の良さで幅広い層に人気があるスズキ「スペーシア」。スペーシアはISGと呼ばれるモーター機能付きの発電機を搭載するマイルドハイブリッドシステムを全車に搭載し、高いレベルの低燃費を実現しているのが特徴です。
スペーシアのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
HYBRID X | 2WD | 21.2 |
4WD | 20.2 | |
HYBRID G | 2WD | 22.2 |
4WD | 20.2 |
スペーシアには、ターボエンジンの設定がありません。そのためシフォンのNAエンジン搭載モデルとスペーシアの燃費を比べると、わずかな差ではありますがシフォンがスペーシアよりも低燃費を実現しています。
シフォンの走行性能&乗り心地
現行型のシフォンは、プラットフォームを刷新し軽量化・高剛性化したことによって燃費性能だけではなく、走行性能も向上させています。
シフォンに限ったことではないですが、背の高いスーパーハイトワゴンはふらつきやすいという欠点があります。しかしシフォンでは高剛性化したプラットフォームとリアサスペンションを組み合わせて車両全体を高剛性化し、操縦安定性を向上、さらに快適な乗り心地も実現しています。
また、2021年9月の一部改良では、エントリーグレードの「L」を除き電動パーキングブレーキやブレーキペダルから足を離してもブレーキを維持する「オートブレーキホールド機能」を搭載。運転のしやすさも向上しました。
燃費性能は必ず確認したい車選びの重要ポイント
近年の新型車は一昔前の車と比較すると格段に燃費性能が向上しており、どのような車であってもそれなりの燃費性能を備えています。しかしそれでも車種によって燃費性能には差があるのも事実です。シフォンはマイルドハイブリッドシステムを搭載しないモデルではありますが、ライバル車に引けを取らない燃費性能を有しています。
一般的に車は長期間にわたって使用するものなので、わずかな差であっても長い目で見れば大きな差につながります。カタログ燃費や実燃費をよく確認し、納得できる燃費性能を持つモデルを選びましょう。
よくある質問
Q1:シフォンのカタログ燃費はどのくらい?
A:シフォンに採用されているエンジンは660ccの直列3気筒NAエンジンと最高出力64psを発揮する直列3気筒ターボエンジンの2種類で、組み合わされるトランスミッションはいずれもCVTです。シフォンのWLTCモードカタログ燃費は、NAエンジン2WD車が21.9~22.7km/L、4WD車が21.4km/L、ターボエンジン2WD車が21.2km/L、4WD車が19.6km/Lです。
Q2:シフォンの実燃費は?
A:シフォンの実燃費は、NAエンジン2WD車が22.8km/L、ターボエンジン2WD車が14.2km/L、4WD車が12.6km/Lです。NAエンジンはカタログ燃費と実燃費の差はほとんどありませんが、ターボエンジンにおいては駆動方式を問わず差が大きい傾向があることがうかがえます。
Q3:シフォンの走行性能や乗り心地は?
A:現行型のシフォンは、プラットフォームを刷新し軽量化・高剛性化することによって、高速走行時やコーナリング時も安心して運転できる優れた操縦安定性を手に入れました。また、電動パーキングブレーキやブレーキペダルから足を離してもブレーキを維持する「オートブレーキホールド機能」といった運転を楽にしてくれる機能も採用しています。
※この記事は2023年10月時点の情報で制作しています