近年の車は一昔前の車よりも全体的に燃費性能や環境性能が向上している傾向にはありますが、それでも車種によって燃費性能には差があるのが現状です。燃費性能は燃料費を左右するだけではなく、一定の基準をクリアしていれば税金が軽減されることもあるので、車選びの際には燃費性能は必ず確認しておきたいポイントであるといえるでしょう。
ここでは、カタログ燃費や実燃費からマツダ「キャロル」の燃費性能に迫ります。
キャロルの燃費性能の特徴
2015年1月に販売が開始された7代目キャロルは、先代モデルと同じくスズキの軽自動車のベーシックモデルで、クラストップレベルの燃費性能を持つ「アルト」のOEMモデルです。
現行型のキャロルでは、エンジンの吸排気系を新設計したことに加え、新開発された軽量高剛性のプラットフォームや樹脂フェンダーの採用、ボディの超高張力鋼板の使用拡大などによって車両重量を軽量化し、低燃費に貢献しています。
さらにCVT車では、EGRシステムを採用するとともに変速比を最適化させたCVTを採用することによっても燃費性能を向上させています。
また、キャロルでは減速時に発生するエネルギーで発電・充電し、その電力を有効利用することでガソリンの消費を抑える「エネチャージ」や停止前の減速時からエンジンを停止させて実燃費向上に貢献する新アイドリングストップシステム、エコドライブをサポートする機能を持たせたメーターなどを装備し、さまざまな面から低燃費を実現する工夫がされているのも特筆すべきポイントだといえるでしょう。
キャロルのカタログ燃費
キャロルのJC08モードカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | トランスミッション | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|---|
GF | 5MT | 2WD | 27.2km/L |
GL | CVT | 2WD | 37.0km/L |
4WD | 33.2km/L | ||
GS | CVT | 2WD | 37.0km/L |
4WD | 33.2km/L | ||
GX | CVT | 2WD | 37.0km/L |
キャロルとライバル車のカタログ燃費を比較
燃費性能を確認するには、同クラスのライバル車との燃費を比較してみるのもひとつの方法です。ここではスズキ「アルト」やダイハツ「ミライース」と比較してみましょう。
スズキ「アルト」
軽自動車のベーシックモデルとして長年愛され続けているスズキ「アルト」。軽自動車ならではの経済性を持つモデルながらも優れた燃費性能や個性的なスタイリングが評価されているモデルです。
アルトのJC08モードカタログ燃費は2WD車が27.2~37.0km/L、4WD車が25.2~33.2km/L。
グレードによってはアルトの4WD車の燃費はキャロルよりも後れを取っているようですが、キャロルのOEM元ということもありほぼ同じ燃費性能となっています。
ダイハツ「ミライース」
「誰もが乗れる第3のエコカー」をコンセプトとして開発されたダイハツ「ミライース」は、空力性能の高いエクステリアデザインや車両重量の軽量化によって低燃費を実現しています。
ミライースのJC08モードカタログ燃費は2WD車が34.2~35.2km/L、4WD車が32.2km/Lです。
キャロルとミライースとの比較では、キャロルの燃費性能が優れていることがわかります。
キャロルの実燃費
JC08モード燃費においては、カタログ燃費と実燃費とのあいだに差がある場合がほとんどです。そのため、実燃費は必ず確認するようにしましょう。
そもそも、JC08モードカタログ燃費とは平坦でまっすぐな道でライトやエアコンなどを使わずに一定の条件下で計測されているもので、指標に使われる数値といえます。しかし、日常生活ではさまざまな場所で走行することから、どの車でもカタログ燃費と実燃費との差が生まれるのです。
現在、キャロルに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e 燃費」によると、キャロルの実燃費は2WDの5MT車が23.64km/L、CVT車が22.07km/Lです。4WD車はデータがありませんでした。
路面の状態や運転の仕方によって実燃費は変わりますが、平均3割程度はカタログ燃費よりも実燃費が低くなるといわれているため、キャロルのカタログ燃費と実燃費の差は5MT車では少ないといえますが、CVT車では平均値よりも大きな差が開いてしまっているといえるでしょう。
キャロルの走行性能
燃費性能と同じく、車選びの重要ポイントとなる走行性能に関する部分も確認しておきましょう。
空力性能とデザイン性を両立させたエクステリア
キャロルでは、エクステリアの高いデザイン性を保ちながらもプラットフォームやパーツ形状を最適化させることで車両の周りの空気の流れをスムーズにして空気抵抗を減らし、燃費向上や安定性を向上させています。
最小回転半径4.2mを実現
キャロルは2,460mmというロングホイールベースながらも最小回転半径4.2m(「GX」のみ4.6m)を実現。狭い路地などが多い街なかでも取り回しやすく、スムーズな運転ができるように配慮されています。
優れた燃費性能が自慢のキャロル
キャロルはライバル車にまったく引けをとらない優れた燃費性能が自慢のモデルです。軽自動車は特に経済性も大切なので、車維持費の中でも大きな割合を占める燃料費をできるだけ節約して車を保持したいという方にも満足いただけるモデルであるといえるでしょう。
よくある質問
Q1:キャロルのカタログ燃費はどのくらい?
A:キャロルのJC08モードカタログ燃費は2WD車が27.2~37.0km/L、4WD車が33.2km/Lです。
Q2:キャロルの燃費をライバル車と比較すると?
A:キャロルのライバル車としてはスズキ「アルト」やダイハツ「ミライース」が挙げられます。アルトとキャロルの燃費の比較ではほぼ同等、ミライースとキャロルの比較ではキャロルの燃費性能が優れていることがわかります。
Q3:キャロルの実燃費はカタログ燃費とどのくらいの差があるの?
A:キャロルの実燃費は2WDの5MT車が23.64km/L、CVT車が22.07km/Lです。JC08モードカタログ燃費と実燃費のあいだには3割程度の差が生じるのが一般的であることを考慮に入れると、5MT車のカタログ燃費と実燃費の差は平均値よりも少ないですが、CVT車は平均値よりも差が大きくなっているといえます。
Q4:キャロルの走行性能は?
A:キャロルでは高いデザイン性を保ちながらもプラットフォームやパーツ形状を最適化させることで空力抵抗を減らし、燃費や安定性を向上させています。またロングホイールベースながらも最小回転半径4.2mを実現し、日本の道路事情に合わせた取り回しやすさを備え、狭い路地などの多い街なかでも運転しやすいように配慮されています。
※記事の内容は2020年5月時点の情報で執筆しています。