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近年の車はいずれもある程度の燃費性能や環境性能は備えていますが、それでも車種によって燃費には大きな差があるのも事実です。燃費性能は燃料費を左右するほかにも、一定の基準をクリアしていると車に関する税金が軽減されることもあるので、車選びの際は忘れずにチェックしておきましょう。
ここではスズキ「アルト」の燃費性能について紹介します。
アルトの燃費の特徴
アルトは1979年5月に初代が登場した歴史あるモデルです。2014年12月に登場した8代目となる現行型モデルでは新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用し、従来型よりも約60kgの軽量化を達成しています。
併せて圧縮比をアップさせるなどエンジンを大幅に改良するとともにCVTの変速比を最適化させ、ガソリン車クラスでトップ(※2014年12月、スズキ調べ)の高い燃費性能を実現しているのが特徴です。
さらに減速時に発生するエネルギーで発電・充電することでガソリンの消費を抑え低燃費に貢献する「エネチャージ」や、減速時にアクセルを離すとガソリン供給を止め、さらにブレーキを踏んで約13km/h以下になれば自動でエンジンを停止する「新アイドリングストップシステム」など、アルトには燃費向上に貢献するさまざまな機能が搭載されています。
アルトのカタログ燃費
アルトのエンジンは1種類、660ccの直列3気筒ガソリンエンジンのみ。組み合わされるトランスミッションはCVTとエントリーグレードに5速MT、クラッチやシフト操作が不要の2ペダルMTの5速AGSが用意されています。
駆動方式はいずれのトランスミッションにも2WD、4WDがあります。
アルトのJC08モードカタログ燃費は以下の通りです。
グレード | 駆動方式 | トランスミッション | 燃費 |
---|---|---|---|
F | 2WD | 5MT | 27.2km/L |
5AGS | 29.6km/L | ||
4WD | 5MT | 25.2km/L | |
5AGS | 27.4km/L | ||
L | 2WD | CVT | 37.0km/L |
4WD | 33.2km/L | ||
S | 2WD | CVT | 37.0km/L |
4WD | 33.2km/L | ||
X | 2WD | CVT | 37.0km/L |
4WD | 33.2km/L |
アルトとライバル車のカタログ燃費を比較
燃費性能を確認する際には同クラスのライバル車と比較してみるのもひとつの方法です。ここではダイハツ「ミライース」、スバル「プレオプラス」とアルトのカタログ燃費を比較してみましょう。
ダイハツ「ミライース」
エントリーモデルにあたるダイハツ「ミライース」は優れた燃費性能と充実した安全性能、そしてお手頃な価格を実現し、アルトの筆頭ライバルといえる存在です。
ミライースのJC08モードカタログ燃費は2WD車で34.2~35.2km/L、4WD車で32.2km/L。
ミライースもかなりの燃費の良さを誇りますが、2WD車・4WD車のいずれでもアルトのCVT搭載グレードの燃費がミライースを上回っています。
スバル「プレオ プラス」
スバル「プレオ プラス」は日常生活に寄り添う車として誰もが安全に乗れる賢い車をモットーに開発されたモデルです。軽自動車に求められる経済性はもちろんのこと、燃費性能、車の基本性能に磨きをかけ、より使いやすい軽自動車のスタンダードとしての魅力を追求しています。
プレオ プラスのJC08モードカタログ燃費は2WD車が34.2~35.2km/L、4WD車が32.2km/L。ダイハツ「ミライース」のOEM供給を受けたモデルということもあり、先述のミライースのカタログ燃費と同じ数値になっています。
そのため、プレオ プラスとアルトの比較においてもアルトが優れた燃費性能を持っているという結果になりました。
アルトの実燃費
燃費をチェックする際には実燃費も忘れずにチェックしておきましょう。JC08モード燃費においてはカタログ燃費と実燃費の間に差がある場合がほとんどだからです。
そもそも、JC08モード燃費とは平坦でまっすぐな道をライトやエアコンなどを使わずに走行するなど一定の条件下で計測されているもので、指標に使うための数値です。
しかし、日常生活では坂道などさまざまな場所で走行することから、どの車でもカタログ燃費と実燃費との乖離が生まれるのです。路面の状態や運転の仕方によっても実燃費は変わりますが、平均3割程度は実燃費が低くなるといわれています。
現在、アルトに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、アルトの実燃費は2WD車が23.07~24.71km/L、4WD車が22.75~24.20km/L。グレードによってはわずかに3割を超えているものもありますが、アルトのカタログ燃費と実燃費の差はおおよそ平均値といっていいのではないでしょうか。
アルトの走行性能
軽自動車であっても車の本分である走行性能にはこだわりたいところ。アルトの走行性能を確認してみましょう。
軽量化によって実現した軽快な走り
アルトでは新開発の軽量・高剛性プラットフォームを採用することによって基本性能の向上を図りました。さらにエンジンや足回り、シートに至るまで軽量化を徹底したことにより約60kgの軽量化を実現し、燃費性能だけでなく走行性能も向上させています。
ストップ&ゴーの多い街中での運転でもストレスを感じることなく加速し、軽快できびきびした走りを味わうことができるでしょう。
新サスペンションを採用し乗り心地を向上
現行型のアルトでは従来型よりもフロント・リヤのサスペンションストロークを拡大することで、衝撃や揺れの少ない快適な乗り心地を確保しています。
低燃費を実現したアルトで車のある生活を楽しもう
毎日の生活に寄り添う車は特に燃料費が気になるもの。アルトは優れた燃費性能を持ち、できるだけ燃料費を節約しながらカーライフを楽しみたい方に最適なモデルといえるでしょう。
※記事の内容は2019年12月時点の情報で執筆しています。