車のエクステリアデザインにはこだわっても、内装はあまり気にしない、という声を耳にします。しかし、実際に車を使用する際、ドライバーや乗員が最も長く目にしたりふれたりするのは内装です。そのため内装のデザインやカラー、シートの質感、ポケッテリアの使い勝手などをよく確認し、不便さを感じることなく快適に過ごすことができるかどうかを確認しておくことが、満足度の高いカーライフを実現するポイントといえます。
ここでは、トヨタ「ヴォクシー」の内装について詳しくご紹介します。
この記事のPOINT
- Cピラー間距離を従来型比で75mm拡大し、室内のゆとりを確保
- ブラックを基調としたクールな内装
- バックドアには利便性を高める機能を採用
ヴォクシーの室内空間の特徴
2022年1月に登場した現行型のヴォクシーは、TNGA(Toyota New Global Architecture)の思想を反映したプラットフォームを採用し、ボディ骨格を最適化することによって左右のCピラー間距離を従来型比で75mm拡大し、広くゆとりのある室内空間を確保しています。
また、7人乗りモデルの2列目シートにはキャプテンシートを採用し、上級グレードにはオプションとしてクラス初(2022年1月時点、トヨタ調べ)となるシートヒーターやオットマン機構(2WDのみ)を設定するなど、これまで以上に快適さを追求。
8人乗りの2列目シートは6:4分割ベンチシートですが、7人乗り、8人乗りともに超ロングスライド機能があり、後方へスライドすると足を伸ばしてゆったりとくつろげます。さらにロングスライド時も2列目と3列目のウォークスルーが可能なので、車内での移動も楽にできるなど、快適さと利便性を両立させているのが特徴です。
ヴォクシーの内装
ここからは、ヴォクシーの内装について見ていきましょう。なお、ヴォクシーの内装色はブラックのみであり、グレードやボディカラーによる違いはありません。
デザイン面もグレードによる差はほとんどありませんが、上級グレードの「S-Z」では随所に上質な素材を使用することで差をつけています。
水平基調のインパネ
ヴォクシーでは、スリムなフロントピラーや水平基調のインパネによってすっきりと見晴らしの良い開放的な室内空間を確保しています。
インパネは金属調のフレームに、ソフトな素材を巻き付けた姿をイメージした独特のデザインで個性をアピール。ブラック1色のクールな室内空間に、造形によって動きを演出しているのがポイントです。
「S-Z」では、インパネアッパーオーナメントの素材に合成皮革を使用しています。また、インパネオーナメントやフロントドアアームレストにはステッチがあしらわれ、より上質さを演出。さらにドアトリムオーナメントにソフトレザー、インサイドドアハンドルにシルバー塗装が施されるなど、細部にわたって上級グレードならではのこだわりが感じられるのが魅力といえるでしょう。
ディスプレイ&メーター
メーターやディスプレイのデザインはグレード、パワートレインによって変わります。「S-G」ではオプティトロンメーターと4.2インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイの組み合わせです。
「S-Z」では、TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイが7.0インチにサイズアップ。マルチインフォメーションディスプレイの情報がより見やすいように設計されています。
なお、ハイブリッド車ではそれぞれ専用のデザインを採用。ブルーを取り入れ、先進的で洗練された雰囲気に仕上げています。
シート素材はグレードによって変わる
シート素材はグレードによって異なり、「S-G」はカジュアルな上級ファブリックです。
「S-Z」は上級グレードらしく合成皮革とファブリックを組み合わせたコンビシートです。なお、ヴォクシーには本革など、シート素材のアップグレードオプションは用意されていません。
ヴォクシーのポケッテリア
座席周りの収納の充実度や使い勝手は、ドライブの快適さを決めるポイントのひとつでもあります。ここでは、ヴォクシーにはどのようなポケッテリアが用意されているのかをご紹介します。
インパネ一体型センターコンソールボックス(「S-Z」ハイブリッド車に標準装備、「S-G」ハイブリッド車にメーカーオプション)
「S-Z」のハイブリッド車にのみ標準装備される「インパネ一体型センターコンソールボックス」は、大型で収納力が高いのが特徴。カップホルダーやアクセサリーコンセントも付属します。
アクセサリーコンセントは停電時などに使用できる非常時給電システムを備えているのもうれしいポイントといえるでしょう。
なお、「S-G」にオプションでインパネ一体型センターコンソールボックスを追加した場合には、後席からもスマートフォンなどが充電できる充電用USB端子(Type-C)2個が備わります。
独立型センターコンソールボックス(「S-Z」ガソリン車、「S-G」ハイブリッド車に標準装備、「S-G」ガソリン車にメーカーオプション)
「S-Z」のガソリン車と「S-G」のハイブリッド車には、独立型センターコンソールボックスが標準装備です。
「S-Z」はフロント・リアボックス付き、「S-G」にはアッパートレイとリアボックス、充電用USB端子(Type-C)2個が付属します。
なお、「S-G」のガソリン車にオプションで追加した場合は、フロント・リアボックス+充電用USB端子(Type-C)2個になります。
折りたたみ式大型サイドテーブル(「S-Z」に標準装備)
「S-Z」の2列目シートには、カップホルダーが4個、小物が入れられるポケット、充電用USB端子(Type-C)2個、エコバッグフック2個がついた折りたたみ式サイドテーブルが備わります。
3列目シートの乗員も利用できるカップホルダーがあるので、どの席に座ってもドリンクの置き場所に困ることはないでしょう。充電用USB端子もあるので、移動中にスマートフォンやタブレットを充電しながら動画やゲームを楽しむことも可能です。
なお、「S-G」の7人乗りにはカップホルダー2個付きの折りたたみ式サイドテーブル、8人乗りにはカップホルダー2個、オープンボックス、エコバッグフック付きの格納式センターボックスが標準装備されます。
ヴォクシーにはこれらのほかにも、充電用USB端子(Type-C)を備えたシフト横小物入れやフロントカップホルダー、助手席アッパーボックス、デッキトリムボトルホルダーなど、多彩なポケッテリアが用意されています。
ヴォクシーの荷室
出典:トヨタ「ヴォクシー」特長
ヴォクシーはバックドア開口部が低く、さらにデッキボード下に104Lもの大容量のスーパーラゲージボックスが備わっているため、重たい荷物や背の高い荷物も積みやすいでしょう。
また、荷室の使い勝手を高める機能を多数採用しているのも現行型ヴォクシーのトピックのひとつ。「S-Z」にオプションで追加が可能な「パワーバックドア」は、開閉スイッチを車両側面両側に配置し、車両の横側に立ってドア開度を確認しながら任意の位置で停止させることが可能です。
さらに、ヴォクシーは世界で初めて(2022年1月時点、トヨタ調べ)手動でバックドアを任意の位置に保持できる「フリーストップバックドア」を採用しています。車両の後ろに十分なスペースがない場合でも少しだけ開けて荷物を積み込める、必ずしも全開する必要がないので小柄な方でも利用しやすいなどのメリットがあります。
使い勝手の良さを追求したヴォクシー
ヴォクシーはエクステリアの雰囲気に合わせたクールな雰囲気の内装と、使い勝手にこだわったポケッテリアや荷室を備え、ファミリーカーとしての利便性はかなり高いといえます。
車選びの際は見た目や走行性能だけではなく、実際に使用するシーンを想定して使い勝手の良さや居心地の良さもしっかりと確認しておきましょう。
よくある質問
Q1:ヴォクシーの室内空間の特徴は?
A:ヴォクシーはTNGA(Toyota New Global Architecture)の思想を反映したプラットフォームを採用し、左右のCピラー間距離を従来型比で75mm拡大したことでより広く、ゆとりのある室内空間を確保しています。
Q2:ヴォクシーの内装はどんな感じ?
A:ヴォクシーの内装はブラックを基調とし、クールな雰囲気となっています。また、水平基調のインパネやスリムなフロントピラーによって視界を広げ開放的な居住空間を実現。さらに2列目シートには超ロングスライド機構を搭載しているため、後ろにスライドすると足を伸ばしてくつろぐことが可能です。
Q3:ヴォクシーの荷室の使い勝手は?
A:ヴォクシーの荷室は開口部が低いことに加え、104Lの大容量のスーパーラゲージボックスがあるため、大きな荷物や背の高い荷物も積み込みやすいのが特徴です。また、車両の側方に開閉ボタンを設置した「パワーバックドア」や、手動で任意の位置でストップできる「フリーストップバックドア」など、利便性を高める機能が多数採用されています。
※この記事は2022年6月時点の情報で制作しています