ドライブの快適性を決めるのは、内装デザインやシートの座り心地、収納の使い勝手など、内装による部分が大きいといえます。そのため、車を選ぶ際にはエクステリアや走行性能だけでなく、内装もしっかりと確認するようにしましょう。
ここでは、ホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」の内装について紹介します。
この記事のPOINT
- ヴェゼルの内装は「e:HEV PLaY」とそのほかのグレードで大きな差がある
- 「センタータンクレイアウト」の採用によりクラス平均を超える広さ(2021年4月時点、ホンダ調べ)の室内空間を確保
- リアシートにはチップアップ&ダイブダウン機構付き6:4分割可倒式シートを採用
ヴェゼルの室内空間の特徴
2021年4月に登場した現行型のヴェゼルでは、ホンダの車づくりの思想のひとつである「M・M思想(マン・マキシマム/メカ・ミニマム、機械のためのスペースをできるだけ少なくして人のためのスペースを最大限に確保する)」に基づき、通常は後席下や荷室下に配置される燃料タンクを前席下に収納する「センタータンクレイアウト」を採用することで、クラス平均を超える室内空間の広さ(2021年4月時点、ホンダ調べ)を確保しています。
また、後席の足元空間は先代モデルよりも35mm拡大していることに加え、全席で爽快な視界を確保する「スリーク&ロングキャビン」を採用しているため、どの席に座っても快適に過ごすことができるのが現行型ヴェゼルの大きな特徴といえるでしょう。
ヴェゼルの内装
ここからは、ヴェゼルの内装について見ていきましょう。なお、ヴェゼルには「G」「e:HEV X」「e:HEV Z」「e:HEV PLaY」の4つのグレードがあり、「G」「e:HEV X」「e:HEV Z」の3つは内装デザインが共通で大きな差はありませんが、最も高額な「e:HEV PLaY」のみ大きく個性が異なります。
SUVらしいシャープさのある「G」/「e:HEV X」/「e:HEV Z」
「G」「e:HEV X」「e:HEV Z」では、ブラックベースのSUVらしいシャープさを感じさせる内装となっています。とはいえ、ピラーや天井色にはホワイトを採用しているため、圧迫感を与えることなくファミリーカーとしても通用する親しみやすさも備えた内装といえるでしょう。
シート素材はグレードによって異なり、エントリーグレードである「G」と「e:HEV X」ではカジュアルなブラックのファブリックシートを採用しています。
ワンランク上のグレード「e:HEV Z」では、手触りの良さが魅力のプライムスムースとファブリックのコンビシートにグレードアップします。さらにインパネやセンターコンソール、ドアライニングのガーニッシュにシルバー加飾があしらわれ、内装の質感を高めています。
明るく開放的な雰囲気の「e:HEV PLaY」
ほかのグレードとは一線を画すスタイリッシュなエクステリアデザインや、パノラマルーフの搭載が魅力の「e:HEV PLaY」では、内装カラーがグレージュになります。明るさややわらかさを感じさせるカラーリングで、パノラマルーフがもたらす開放感を引き立てています。
センターコンソールパネルには、ドアロアーガーニッシュにあしらわれるパッションレッド加飾とコーディネートされた高触感バーミリオン塗装が施されるのがポイントです。
シート素材はプライムスムース×ファブリックで「e:HEV Z」と変わりありませんが、デザインが異なるため印象は大きく変わります。
なお、いずれのグレードにもレザーシートなどシート素材のアップグレードオプション、内装カラーのバリエーションは用意されていません。
ヴェゼルの座席周りの収納
ポケッテリアの充実度もドライブの快適さに関わるため、充実度、使い勝手ともによく確認しておきましょう。
センターコンソールドリンクホルダー
センターコンソールには運転席・助手席用のドリンクホルダーが2個備わっています。深さがあり安定感があるので走行中でも安心して使用できるでしょう。
フロントコンソールアッパートレー
エアコンパネルの下には、メガネやサングラスなどの保管に適したサイズのトレーが用意されています。
グローブボックス
車検証などの書類入れとして活用されることが多い助手席前のグローブボックスは、一般的なサイズです。
アームレスト付きセンターコンソールボックス
フロントシートのメイン収納といえるセンターコンソールボックスは深さがあるので、タオルやポーチなどの身の回りの品をすっきりと収納できます。
リアセンターアームレスト(ドリンクホルダー付き)
リアシートのアームレストには、2個のドリンクホルダーがあります。
シートバックポケット&スマートフォンポケット
「G」と「e:HEV X」は助手席のみ、「e:HEV Z」と「e:HEV PLaY」には運転席・助手席に雑誌やタブレットが収納できるシートバックポケットとスマートフォンポケットが用意されます。
充電用USBジャック
ヴェゼルでは、前席用のUSBジャック2個が全車に標準装備されています。なお、「e:HEV Z」と「e:HEV PLaY」にはさらに後席用のUSBジャックが2個備わります。
スマートフォンが車内で充電できるUSBジャックは、今の時代に必須ともいえる装備です。後席でも充電できるのはうれしいポイントといえるでしょう。
ワイヤレス充電器(「e:HEV PLaY」に標準装備、そのほかのグレードにメーカーオプション)
「e:HEV PLaY」には、セレクトレバーの前方にスマートフォンを置くだけで充電できるワイヤレス充電器もあります。
このほか、ヴェゼルには運転席・助手席のボトルホルダーやドアポケット、左右のリアドアのボトルホルダーなどの収納があるため、ドリンクを置くスペースや小物の保管場所に困ることはないでしょう。
ヴェゼルの荷室&座席アレンジ
ホンダ独自のパッケージング技術「センタータンクレイアウト」による恩恵は、室内だけでなく荷室にも及んでいます。
燃料タンクの影響を受けないためフラットな荷室を確保し、荷物がたくさん積み込めることに加え、低床設計なのでリアシートの座面を跳ね上げれば背の高い荷物も余裕を持って積み込むことが可能です。
また、リアシートはチップアップ&ダイブダウン機構付き6:4分割可倒式シートを採用しているため、荷物の量や乗車人数に合わせて座席をアレンジし、荷室を拡大することができます。
なお、「e:HEV Z」と「e:HEV PLaY」ではスマートキーを携帯していればハンズフリーでテールゲートを開け閉めしてくれる「ハンズフリーアクセスパワーテールゲート(予約クローズ機能付き)」が標準装備されており、利便性にも配慮されています。
ヴェゼルの内装デザインはよく見比べて最適なものを選ぼう
ヴェゼルは「e:HEV PLaY」とそのほかのグレードでは内装デザインが大きく異なります。内装の質感が自身や乗員の感性に合っているかどうかは快適性に大きく影響するため、ドライバーだけでなくいっしょに車を使用する方の意見も取り入れながら、充実したカーライフが送れる1台を選びましょう。
よくある質問
Q1:ヴェゼルの室内空間の特徴は?
A:ヴェゼルではホンダの車づくりの思想のひとつ「M・M思想」に基づいた独自のパッケージング技術「センタータンクレイアウト」により、クラス平均を超える広さ(2021年4月時点、ホンダ調べ)の室内空間を確保しています。
Q2:ヴェゼルの内装デザインはグレードによって異なる?
A:「G」「e:HEV X」「e:HEV Z」はブラックをベースとしたSUVらしいクールさのある内装です。最も高額なグレードの「e:HEV PLaY」はグレージュの内装カラーで、標準装備するパノラマルーフの開放感を引き立てる明るい印象の内装デザインを採用しています。
Q3:ヴェゼルの荷室は荷物がたくさん積める?
A:「センタータンクレイアウト」の採用によって荷室が燃料タンクの影響を受けないため、フラットな荷室空間で荷物が積み込みやすいよう工夫されています。また、リアシートにはチップアップ&ダイブダウン機構付き6:4分割可倒式シートを採用しているため、座席アレンジによって荷室の拡大も可能です。