車種の個性が反映される車の内装は仕様がモデルごとに大きく異なるのはもちろん、グレードによっても差がある場合があります。車を使用する上で最もよく触れることになるのは内装のため、車選びの際には内装の質感や収納の使い勝手などをよく確認することが重要です。
ここでは、ホンダの5ナンバーサイズステーションワゴン「シャトル」の内装について紹介します。
シャトルの室内空間の特徴
シャトルは取り回しやすいコンパクトなボディサイズでありながらも、広々とした室内空間を実現しています。その秘密はホンダ独自のパッケージング技術「センタータンクレイアウト」。
「センタータンクレイアウト」は一般的には後部座席の下に設置される燃料タンクを前席の下に設置するようにしたことで、広い室内空間と荷室を確保する技術です。
窮屈になりがちな後部座席でも頭上にゆとりがあり、足元の空間も大人が足を組んでくつろげる広さを実現しているほか、リアシートにもリクライニング機構を採用し、ゆったりと余裕をもってドライブを楽しめるように工夫されています。
シャトルのグレードごとの内装
ここからは、シャトルのグレードごとの内装を見ていきましょう。
カジュアルなファブリックシートが装備されるベースグレード「G Honda SENSING」/「HYBRID Honda SENSING」
シャトルの内装はブラック基調でまとめられ、落ち着きのある印象です。ベースグレードである「G Honda SENSING」/「HYBRID Honda SENSING」には、カジュアルさを感じさせるブラックのファブリックシートが組み合わされました。
シートカラーはブラックですが、画像のようにブラックの濃淡やブルーがかったカラーも組み込まれた凝った生地が使用されています。
インパネガーニッシュやドアライニングガーニッシュにダークブルーがあしらわれているので、このシートのかすかなブルーも引き立ち、室内空間に上質さをもたらしています。ブラック一色のインテリアはよくありますが、控えめにダークブルーをあしらうことでほかの車種とは異なるスタイリッシュさを感じさせるインテリアになっているといえるでしょう。
インナードアハンドルに高輝度シルバー塗装が施されている程度で加飾類はあまり使用されていませんが、派手さのない上質さを持つ室内空間が魅力です。
プライムスムースを使用したコンビシートが標準装備になる「HYBRID X Honda SENSING」
このグレードから、手触りが良く、しっとりとした質感で上質さを演出するとともに汚れやしわに強いという機能性を併せ持った素材、プライムスムースとファブリックを組み合わせたコンビシートが標準装備になります。
ファブリック部分はベースグレードと同じものを使用しています。
そのほかにドアライニングガーニッシュに高輝度シルバー塗装が追加されるほか、スポーティーな印象を室内にプラスするステンレス製のスポーツペダルが装備されるのがこのグレードの特徴だといえるでしょう。
本革シートが選択できる最上級グレード「HYBRID Z Honda SENSING」
最上級グレードの「HYBRID Z Honda SENSING」では、インパネに木目調のガーニッシュをあしらい、より高級感を演出。さらにエアコンアウトレットやインナードアハンドルにクロームメッキ、ドアライニングガーニッシュとセレクトレバーには上品な光沢感のあるピアノブラック加飾を追加してほかのグレードとは一線を画す、上級グレードらしい質感の高さを持った室内空間に仕上げています。
シートは上品さを感じさせるネイビーブラックのファブリックとプライムスムースのコンビシートを採用しています。
加えて、このグレードでは本革シートの選択も可能です。
ブラックの本革シートは室内にラグジュアリーな雰囲気をもたらし、豪華さをプラス。居住空間にこだわり、質の良さを追求したい方にはうれしい選択肢となるでしょう。シャトルで本革シートが選択できるのはこの「HYBRID Z Honda SENSING」のみとなっています。
シャトルの座席周りの収納
座席周りの収納の使い勝手は、ドライブの快適さを左右する部分です。ここではシャトルにはどのような収納が用意されているのかを見ていきましょう。
ハイデッキセンターコンソール(ドリンクホルダー2個、アームレスト付きコンソールボックス付き)
シャトルのフロントシートの間にはハイデッキセンターコンソールが装備されています。ここにはドリンクホルダーやアームレスト付きコンソールボックスが装備されており、フロントシートのメイン収納となる場所といえるでしょう。
ドリンクホルダーはドリンクの大きさに合わせて深さを2段階に調節できる仕様になっています。
アームレスト付きのコンソールボックスは深さがあり、タブレットを立てて収納することも可能です。
ドライバーズポケット
ステアリングホイールの右横には小さなポケットが装備されています。ガムやキャンディーの置き場所として使用するといいでしょう。
フロントコンソールポケット
ハイデッキセンターコンソールの左側にスマートフォンなどを置いておけるサイズのポケットが備わっています。LED照明付きなので夜間でも安心です。
グローブボックス
車検証や自賠責保険証などの保管場所として使用されることの多いグローブボックスは、平均的なサイズです。
リアセンターアームレスト(ドリンクホルダー付き)
後席中央のアームレストにはドリンクホルダーが2個装備されています。
シートバックポケット
助手席のシートバックには、地図や雑誌などが収納できるポケットがあります。
フロントドアポケット/ボトルホルダー
左右のフロントドアには500mlのペットボトルが保管できるボトルホルダーと、ハンドクリームやリップクリームなどが入る程度の大きさのポケットが付属します。
リアドアボトルホルダー
リアドアには左右にボトルホルダーが装備されますが、ポケットはありません。
コートフック
リア右側には、ハンガーを掛けられるフックが用意されています。
マルチユースバスケット(「HYBRID X Honda SENSING」「HYBRID Z Honda SENSING」に標準装備)
「HYBRID X Honda SENSING」「HYBRID Z Honda SENSING」には、リアシートバックにバッグなど比較的大きな荷物を保管できるポケットが装備されています。
これはほかの車種ではあまり見ない、シャトルならではのユニークな収納です。使い方次第でかなり便利に活用できるでしょう。
シャトルの荷室&座席アレンジ
ステーションワゴンの魅力のひとつとして、積載性に優れていることが挙げられます。シャトルでも積載性はしっかりと確保。定員の5人が乗車していても9.5型ゴルフバッグが4個積載できる十分な広さを持った荷室を装備しています。
また地上から荷室開口部までの高さは54cmとなっており、大きな荷物や重い荷物も積み込みやすいように設計されているのもうれしいポイントといえるでしょう。
床下収納スペースも用意されているので、ベビーカーなどの背の高い荷物も積み込めます。
リアシートを倒せば、自転車が2台収納できる大きな空間が出現。
リアシートは分割可倒式なので、助手席とリアシートの片側を倒すと長さのある荷物も収納できます。
鉢植えなど高さのある荷物を積む際は、リアシートの座面をチップアップすることも可能です。
ステーションワゴンならではの積載性と質の高いインテリアを備えたシャトル
シャトルは日本の道路事情に適したコンパクトなボディサイズながら頼もしい積載性を持つモデルです。日常生活からレジャーシーンまで頼れる、心強い存在となってくれるでしょう。細部にまでこだわった質の高いインテリアも魅力的です。
車を選ぶ際には、インテリアデザインや収納力を確認して、自分の目指すカーライフに適したものを選ぶようにしましょう。
よくある質問
Q1:シャトルの室内空間の特徴は?
A:シャトルでは、燃料タンクを前席下に収納するホンダ独自のパッケージング技術「センタータンクレイアウト」を採用し、コンパクトな5ナンバーサイズステーションワゴンであってもゆとりのある広い室内空間を確保しています。
Q2:シャトルのグレードごとの内装の違いは?
A:シャトルではグレードごとにシートの素材を変えて差をつけています。ベースグレードではファブリック、中間グレードと最上級グレードには上質感のある素材のプライムスムースとファブリックのコンビシートが採用されています。また最上級グレードでは本革シートの選択も可能です。
Q3:シャトルの荷室はどんな感じ?
A:シャトルの荷室は定員5人が乗車していても9.5型のゴルフバッグが4個積み込める広さを確保しています。床下の収納スペースを利用すればベビーカーを立てて収納することも可能です。リアシートをすべて倒せば自転車が2台積み込める空間が出現。またリアシートには分割可倒式を採用しているので、片側と助手席を倒して長さのある荷物も収納できます。
※記事の内容は2020年3月時点の情報で執筆しています。