国産のエコカーとして最もよく知られているといっても過言ではないのがトヨタプリウスです。
1997年に登場した初代は世界初となる量産ハイブリッド車として世界中で脚光を浴びました。その後、2代目の途中から販売台数が急増し、世界中の著名人が超高級リムジンなどで会場に乗りつけるアカデミー賞の授賞式に、ハリウッドスターのレオナルド・ディカプリオがプリウスに乗って登場したことも当時話題になりましたね。
ディカプリオ以外にもキャメロン・ディアスやナタリー・ポートマンなど、エコフレンドリーな著名人に現在でも愛され続けているクルマです。
プリウスというとその燃費性能にばかり注目されがちですが、実際に使用するにあたって内装の質感、広さなどの居住性や荷室の収納、シートアレンジなども見逃せないポイントでしょう。
こうした点が自分の好みや使用シチュエーションにあっていなければ、使い勝手が悪く感じてしまうことになります。
そこでここでは、プリウス、プリウスPHEVの内装や収納などについてご紹介します。
プリウスの内装の質感は?
プリウスの内装・シート
インテリアの標準カラーは廉価グレードのEを除いてブラックとクールグレーから選択可能。Eはブラックのみとなっています。
ブラックはすっきりと引き締まったイメージ、クールグレーはかなり明るく、白に近いグレーです。
シートステッチはブラックにはグレーのモノトーンコーディネート、クールグレーには鮮やかなターコイズが用いられ爽やかな雰囲気となっています。
足回りが強化されたツーリングセレクションではシートステッチ、サイドレジスターが専用色のミッドブルーに。
シート素材はEではファブリック、SとAでは上級ファブリック、S、Aのツーリングセレクションでは合成皮革、最上級クラスのAプレミアム、Aプレミアムツーリングセレクションでは本革となっています。
細かくグレードによってシート素材は使い分けられているようですね。
ステアリング加飾もSとEではブラック加飾になりますがA以上のグレードではホワイト加飾になり、質感を高めています。
特別仕様車 S“Safety Plus・Two Tone”の内装色はブラック、シートカラーは専用色のグレーが用いられています。シフトパネルやフロントコンソールトレイ、ステアリングにピアノブラック加飾が施され、サイドレジスターのカラーはボディカラーによってブロンズとミッドブルーのどちらかになります。
プリウスの内装のイメージは、余計な装飾のないスッキリとしたシンプルでスタイリッシュさを感じさせる仕上がりです。
プリウスPHEVの内装
プリウスPHEVでもやはり内装色はブラックとクールグレーの2色から選択が可能。シート素材はA”レザーパッケージ”とAプレミアムのみが本革となり、その他のグレードはファブリックとなっています。
下位グレードのSグレード以外には11.6インチのフルHD静電式タッチディスプレイが搭載され、先進的な印象をもたらしています。
内装の印象はプリウス、プリウスPHV共に共通したものになっています。
プリウスの収納
では次に、クルマの使い勝手を左右するといってもいい収納についてチェックしてみましょう。まずは座席周りの収納から見ていきます。プリウス・プリウスPHV共通です。
フロントコンソールトレイ(Eを除く)
カップホルダーが2個付いたフロントコンソールトレイが用意されています。プリウスにはインパネ部分にドリンクホルダーが用意されていないので、ここにドリンクを置くことになりますね。トレイ部分にはポーチや女性の小さなハンドバックが置けるようになっています。
大型コンソールボックス(Eを除く)、コンソールボックス(E)
アームレスト部分に横開きで開けやすい大型のコンソールボックスが装備されています。深さは約200㎜。CDなどもすっきりと収納できるサイズです。トレーが用意されているので使い勝手がいいですね。
Eに装備されているコンソールボックスにはカップホルダーが2個用意されています。
カードホルダー
ステアリングホイールの右側にクレジットカードが収納できるサイズのスペースがあります。ガソリンスタンドなどのポイントカードを収納しておくと忘れることがなさそうですね。
助手席グローブボックス
車検証などの書類入れとして定番ですね。それほど容量は大きくないのでティッシュボックスの収納は難しいでしょう。照明付きなので夜間でも収納している書類が探しやすいのは評価できる点です。
オーバーヘッドコンソール
運転席の上部に装備されています。プッシュ開閉式運転中でも簡単に開け閉めができるようになっています。開口部も広く、取り出しやすいので運転中でも扱いやすそうですね。
メガネやサングラスを収納しておくのに最適でしょう。
ドアポケット&ボトルホルダー
500mlのペットボトルが収納できるボトルホルダーが付いたポケットが左右のフロントドアに装備されています。ボトルを入れなければA4サイズの書類も収納できるサイズです。
次に、後席の収納を見ていきましょう。
シートバックポケット(Eを除く)
運転席、助手席の両方のシートバックに装備されました。雑誌や観光ガイドなどを収納しておくのにいいですね。
ボトルホルダー
後部座席のアームレストにボトルホルダーが2個用装備されています。5人乗車時には使用できません。
ボトルホルダー(リヤドア)
アームレスト以外にも左右のリヤドアに500mlのペットボトルが収納できるホルダーが装備されています。
後席にはこの他にトレーやポケットなどの収納が用意されていないのが少し残念ですね。ちょっとした小物やスマートフォンなどを置くスペースがあればもっと使い勝手がよくなるのではないかと思います。
コートフック
上着をかけておけるフックが用意されています。シワにしたくないジャケットなどをかけておけるので嬉しいですね。
プリウスの荷室の収納力、シートアレンジは?
プリウスとプリウスPHVでは荷室の広さは異なります。
現行型のプリウスはトヨタの新しいクルマづくりの理念、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を取り入れた設計になり、先代モデルから低重心化していますが荷室の容量は2WD車で502Lと先代よりもアップしています。
プリウスPHVは360L。この荷室の広さの差は大きな駆動用のバッテリーをPHVが搭載していることによるものでしょう。
プリウスでは5人乗員乗車していてもゴルフバッグが4つ収納できる広さです。プリウスPHVは2個収納が可能。
また後席を倒すとプリウスでは荷室長1,695㎜、プリウスPHVでは1,500㎜となっています。
かなりの広さが確保できますね。またプリウス、プリウスPHV共にリアシートは6:4分割の可倒式になっているので、助手席側を倒せば長さのある荷物も収納可能です。
後席を折りたたんだ状態であれば成人男性が斜めになって車中泊も可能のようです。でも大柄な方ならプリウスPHVではちょっと苦しいかもしれませんね……。
プリウスの室内空間の広さ、居住性は?
プリウス、プリウスPHVの室内の広さは室内高2,110㎜、室内幅1,490㎜、室内高1,195㎜となっています。先代モデルよりも室内高が300㎜程度低くなりました。
身長の高い男性であれば少し頭上空間の狭さが気になるかもしれませんね。ただ、圧迫感を感じさせないような工夫はされています。
後席横のピラー(Cピラー)を存在感を感じさせない薄いピラーにし、後席に座った時の視界に広がりを持たせ圧迫感を感じにくくしています。またルーフピークが運転席の前方になっているので、後席から前方にかけての視界が開けて解放感を感じられるように設計されているようです。
後席周りの収納力、室内高の低さが惜しいがそれをカバーする工夫がされているプリウス
後席にはもう少しポケットなどがあればいうことはないですね。その点は改善が期待されるポイントです。
全高の低さも少し気になりましたが、ピラーやループピークを工夫して窮屈さを感じさせないようにしているのは評価できるポイントでしょう。総合すると居住性は悪くないといえるのではないでしょうか。
プリウスはその高い燃費性能がアドバンテージではありますが、先代までは収納や居住性がついてきていない感がありました。
現行型になって収納力や居住性も随分改善されているように思います。
※記事の内容は2018年11月時点の情報で執筆しています。