スズキ「ジムニーシエラ」は同社の軽本格クロスオーバーモデル「ジムニー」の小型車バージョンといえるモデルで、ジムニー譲りの悪路走破性や堅牢性が特徴の1台です。そのため居心地の良さと追求するファミリー向けのコンパクトカーなどとは内装の趣も異なります。
ここでは、ジムニーシエラの内装について詳しくご紹介します。
この記事のPOINT
- 前後乗員間距離を従来型比で40mm拡大
- 全車に撥水加工されたファブリックをシート表皮として採用
- 後席を倒した状態で352Lの荷室容量を確保
ジムニーシエラの室内空間の特徴
ジムニーシエラの室内サイズは室内長1,795mm、室内幅1,300mm、室内高1,200mmです。ジムニーシエラは走行性能や機能性を重視したモデルであり、室内の広さや快適さを追求するタイプの車ではないため、取り立てて室内が広い、ということはありません。
ジムニーシエラは2018年7月に20年ぶりとなるフルモデルチェンジを受けています。先代モデルと比較するとパッケージ技術も格段に進化しており、車体全長は50mm短くすることで取り回しの良さを向上しながらも、全幅は45mm拡大し肩まわりの空間を広くして快適性も進化させました。
また、前席のヒップポイントは従来型比で30mm後方に下げつつ、前後乗員間距離は40mm延長して居住性を向上させています。
さらに、X(エックス)メンバーの採用、前後にクロスメンバーを追加し、ねじり剛性を高めた新開発のラダーフレームの導入に加え、ボディとフレームをつなぐボディマウントゴムを新設計し、上下方向の柔軟性を向上させることで優れた操縦安定性と乗り心地の良さを両立させています。
ジムニーシエラの内装
ここからは、ジムニーシエラの内装について見ていきましょう。ジムニーシエラにはベースとなるグレードの「JL」と上級グレードの「JC」の2つのグレードが用意されていますが、内装はグレードによる違いはほとんどありません。
機能性を重視したインテリアデザイン
ジムニーシエラはラダーフレームやエンジン縦置きのFRレイアウト、機械式副変速機付きのパートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式サスペンションを採用している、ほかのコンパクトカーとは一線を画す高いレベルの悪路走破性を実現している本格オフローダーモデルです。
デザインのコンセプトは専門家が愛用する「プロの道具」。そのため機能性を重視したストイックな印象を受けるインテリアデザインとなっています。
オフロードなどの過酷な環境で走行することを考慮し、水平基調で力強い骨格のインパネデザインを採用。またどのような車両姿勢であっても可能な限りの視認性を確保するべく、ドアミラー付近の視界を拡大する形状のベルトラインを採用しているのもポイントです。
なお、シート表皮には、全車で撥水加工されたファブリックを採用しています。
乗降性に配慮した装備
ジムニーシエラは最低地上高210mmを確保しており、一般的なコンパクトカーよりもステップ高が高いので、場合によっては乗り降りに難を感じることもあるかもしれません。現行型ではそういった点にも配慮されており、助手席前には機能的なデザインの乗降グリップを標準装備しています。
なお、ドアグリップも握りやすい形状の大きめサイズです。
視認性の高いメーター
メーターは必要計器をシンプルに配置した視認性・機能性重視のデザインです。文字はオレンジカラーでアクティブさを演出。常時照明を採用していつでも高い視認性を確保します。また、瞬間燃費や平均燃費、航続可能距離や各種警告表示などさまざまな情報を表示するマルチインフォメーションディスプレイも中央に配置されています。
操作性に優れたセンタースイッチ
パワーウィンドウスイッチやESP(R)OFFスイッチ、ヒルディセントコントロールスイッチは1ヵ所にまとめて配置し、手袋をはめていても操作しやすいように大型のスイッチを採用しています。
ジムニーシエラのポケッテリア
飲み物や身の回りの品を保管しておくスペースの充実度も確認していきましょう。ここでは、ジムニーシエラにはどのようなポケッテリアが用意されているのかを確認してみます。
センターコンソールトレー
ジムニーシエラは、4ATと5MTの2種類のトランスミッションの設定があります。センターコンソールトレーは全車に標準装備されていますが、トランスミッションによってセンターコンソールトレーの形状が異なります。
5MT車
5MT車は横長のタイプです。トレーとはいえ若干の深さがあるため、走行中も安心感があります。
4AT車
4AT車は5MT車のような深さはないトレーです。スマートフォンやチケットなどの置き場所として活用できるのではないでしょうか。
センターコンソールドリンクホルダー/センターコンソールポケット
センターコンソールには、太めの500mlのペットボトルが収納できるドリンクホルダーが2個用意されています。さらに小物が収納できるポケットもあります。
このほか、助手席前のグローブボックスや助手席シートバックポケット、フロントドアポケットが備わっています。ファミリー向けのコンパクトカーのようなこまごまとしたポケッテリアはありませんが、必要最低限の収納は確保されているといえるでしょう。
ジムニーシエラの荷室・シートアレンジ
ジムニーシエラは後席を倒すと352Lもの荷室容量が確保できます。9.5インチのゴルフバッグが横向けに2個、さらにボストンバッグなどもいっしょに積載できます。
また、荷室床面は入り口から奥まで完全にフラットな状態で拡大します。さらにボディ形状がスクエアなことに加え、クォータートリムの張り出しを小さくしているため空間を無駄にすることなく効率よく荷物が積み込めるでしょう。後席の背面と荷室床面は樹脂化した防汚タイプなので、汚れに強く手入れがしやすいのもポイントです。
後席は5:5分割可倒式のシートを採用しているので、片側だけを倒すシートアレンジも可能。助手席も倒せば、長尺物も積み込めます。
前席をいっぱいまで後ろに倒すとフルフラットになるので、休憩時に横になって休むこともできます。
オフローダーらしい道具感あふれる硬派な内装
ジムニーシエラは加飾類をほとんど使用しない、機能性を追求した本格オフローダーならではのストイックな内装となっています。
ポケッテリアの充実度など一般的なコンパクトカーに後れを取る部分もありますが、撥水加工のシート表皮や防汚加工された荷室床面など、キャンプなどのアウトドアを楽しみたい方にうれしい機能を搭載しているので、アクティブなカーライフを送りたい方にはぴったりではないでしょうか。
よくある質問
Q1:ジムニーシエラの室内空間の特徴は?
A:現行型のジムニーシエラは従来型比で全幅を45mm、前後乗員間距離を40mm拡大し、肩まわりにゆとりを持たせるとともに後席の居住性を向上させています。
Q2:ジムニーシエラの内装はどのような感じ?
A:ジムニーシエラは悪路走破性を重視した本格的なオフローダーのため、機能性を重視したストイックなインテリアデザインとなっています。オフロード走行でも車両感覚をつかみやすいようインパネデザインは水平基調を採用。さらにシート表皮には撥水加工のファブリックをあしらい、荷室床面と後席の背面は防汚加工するなどアウトドアなどに適した仕様になっています。
Q3:ジムニーシエラの荷室は荷物がたくさん積める?
A:ジムニーシエラは後席をすべて倒すと352Lの荷室容量が確保でき、9.5インチのゴルフバッグなら横向けに2個、さらにいっしょにボストンバッグなどを積載することができます。また、後席は5:5分割可倒式なので、片側だけを倒すシートアレンジも可能です。
※この記事は2022年10月時点の情報で制作しています