トヨタ「GRヤリス」は、「モータースポーツ車両を市販化する」という発想から生まれた本格的なスポーツカーです。グレードによって走行性能や快適装備が大きく異なるため、装備をよく比較検討し、グレードごとの個性を見極めて自身に適したものを選ぶ必要があります。
ここでは、GRヤリスのグレードについて詳しくご紹介します。
この記事のPOINT
- GRヤリスはグレードによって大きく個性が異なる
- 「RC」はモータースポーツ向けのカスタムが前提となったグレード
- バランス面から見るGRヤリスのおすすめグレードは「RZ」
GRヤリスのグレード構成
GRヤリスのグレードは、大きく「RS」「RC」「RZ」に分けられます。このほか、「RS」「RC」には、軽量化を図った「Light Package」があり、さらに「RZ」には走行性能を突き詰めた「High performance」が設定されています。
なお、GRヤリスの内装・安全性能については、別記事で詳しくご紹介します。
GRヤリスのグレードごとの特徴
ここからは、GRヤリスのグレードごとの装備内容の違いを比較していきましょう。
〈グレード別比較表〉
グレード | RS RS“Light Package” | RC RC“Light Package” | RZ RZ“High performance” |
---|---|---|---|
エンジン | 1.5L | 1.6L | |
駆動方式 | 2WD | 4WD | |
トランスミッション | CVT | 6MT | |
WLTCモード燃費 (km/L) | 18.2 | 13.6 | |
全長(mm) | 3,995 | ||
全幅(mm) | 1,805 | ||
全高(mm) | 1,455 | ||
最小回転半径(m) | 5.2 | 6.0 | 5.3 |
トレッド(mm) (フロント/リア) | 1,525/1,555 | 1,540/1,570 | 1,535/1,565 |
「RS」/「RS“Light Package”」
〈グレード「RS」「RS“Light Package”」の車両本体価格〉
グレード | RS | RS“Light Package” |
---|---|---|
駆動方式・トランスミッション | 2WD・CVT | |
価格 | 265万円 | 312万4,000円 |
「RS」は1.5Lエンジンを搭載するFFモデルで、トランスミッションにはCVTが組み合わされます。なお、10速シーケンシャルシフトマチックのパドルシフトを備えているため、CVTであってもマニュアル感覚のシフトチェンジが楽しめます。
また、GRヤリスで唯一電動パーキングブレーキを備えており、GRヤリスの走りを誰もが気軽に楽しめる扱いやすさが魅力のグレードといえるでしょう。燃費も18.2km/Lと低燃費を実現しており、エコドライブインジケーターも搭載しています。
快適装備としては、スマートエントリー&スタートシステム、左右独立温度コントロールフルオートエアコン、スマートフォンと連携する8インチディスプレイオーディオなどがあります。
さらに、専用通信機DCMを標準装備し、コネクティッドサービスの利用も可能です。
「RS“Light Package”」は、超軽量を実現したBBS製18インチ鍛造アルミホイールの採用、さらにスタビライザーを省き、軽量化したグレードです。
「RC」/「RC“Light Package”」
出典:トヨタ「GRヤリス」
〈グレード「RC」「RC“Light Package”」の車両本体価格〉
グレード | RC | RC“Light Package” |
---|---|---|
駆動方式・トランスミッション | 4WD・6MT | |
価格 | 330万円 | 442万円 |
「RC」は新開発のハイパワーな1.6Lインタークーラーターボエンジン、スポーツ4WDシステム「G-FOUR」を採用した、競技車両ベースのグレードです。RC専用装備として、ラリー用の小径タイヤの装着を想定した16インチのスリット入りベンチレーテッドディスクブレーキ(フロント)、専用チューニングのフロントサスペンションなどがあります。
また、8インチディスプレイオーディオやエアコン、DCMなどの快適性・利便性を高める装備は省かれています。モータースポーツへの参戦を視野に入れ、カスタムすることを前提にしている方におすすめといえるでしょう。
「RC“Light Package”」は「RS“Light Package”」よりもさらにシビアに軽量化が図られており、軽量リアスポイラーガーニッシュ&バックドアガーニッシュ、軽量リアクォーターガラス&バックドアガラスを採用していることに加え、フロントシートもアジャスターやウォークイン機構を省き軽量化したシートになっています。
また、ほかのグレードは4人乗りですが、「RC“Light Package”」ではリアシートが省かれ2人乗りです。さらに塗装レスで、ED塗装(電着塗装)もオプションです。
「RZ」/「RZ“High performance”」
〈グレード「RZ」「RZ“High performance”」の車両本体価格〉
グレード | RZ | RZ“High performance” |
---|---|---|
駆動方式・トランスミッション | 4WD・6MT | |
価格 | 396万円 | 456万円 |
「RC」と同じパワーユニットを搭載する「RZ」。GRヤリスの走りを体現しながらも、快適性も備えている最上級グレードです。快適装備は「RS」とほぼ同様のものが搭載されます。
なお、「RZ」ではGRヤリスの室内空間に最適な音質を確保するJBLのサウンドシステムを採用した「8スピーカー(JBLサウンドシステム)+アクティブノイズコントロール」やシートヒーター、ステアリングヒーターなどがセットになったパッケージオプション「コンフォートパッケージ」の追加が可能です。
「RZ“High performance”」は、GRヤリスのために開発されたすべての機能を搭載し、限界性能を高めたハイパフォーマンスモデルです。冷却スプレー機能付き空冷インタークーラーを搭載、サスペンションは限界域での速さとコントロール性に焦点をあててチューニングされています。
また、BBS製アルミホイールに高性能なミシュラン Pilot Sport 4Sをセット。さらに前後のディファレンシャルにトルセン®LSDを標準装備しています。
バランス面から見るGRヤリスのおすすめは「RZ」
GRヤリスはグレードによって個性が大きく異なります。競技向けのグレードもあるため、それぞれの装備をよく比較して、目的に合ったGRヤリスを選ぶことが大切です。バランス面を考えれば、GRヤリスの走りの魅力を存分に楽しめることに加え、快適性にも配慮された「RZ」がおすすめグレードといえるでしょう。
ただ、GRヤリスはグレードによる価格差が大きいモデルでもあります。GRヤリスの魅力を余すことなく堪能できる「RZ“High performance”」は450万円以上するため、「乗りたい!」と思ってもためらいを感じることもあるかもしれません。
よくある質問
Q1:GRヤリスのグレード構成は?
A:GRヤリスのグレードは、大きく分けて「RS」「RC」「RZ」の3タイプに分けられます。これらに加えて「RS」「RC」には軽量化した「Light Package」、「RZ」には限界性能を高めた「High performance」の設定があります。
Q2:GRヤリスのグレードごとの違いは?
A:「RS」は扱いやすく誰もが気軽にGRヤリスの走りを楽しめるグレードです。「RC」は快適装備を省き、モータースポーツのベース車両としてカスタマイズすることが前提となっています。「RZ」は走りも快適装備も両立させた最上級グレードです。
Q3:GRヤリスのおすすめグレードは?
A:GRヤリスはグレードによって大きく個性が異なるので、どのようなカーライフを送りたいかによって選ぶグレードは変わります。バランスの良さという面から考えれば、GRヤリスならではの走行性能を有しながらも日常的な使い勝手にも考慮された「RZ」がおすすめといえるでしょう。
※この記事は2022年9月時点の情報で制作しています