車はグレードによって快適装備の充実度に差があったり、内外装のデザインが異なったりする場合がほとんどです。加えてBRZのような走行性能が問われるスポーツカーの場合、ブレーキやサスペンション、タイヤなど走りに関する部分もグレードによって異なるため、しっかりとグレードごとの装備内容を確認することが重要になるのです。
ここでは、スバル「BRZ」のグレードについて詳しく紹介します。
【この記事のポイント】
✔BRZのグレードは6種類
✔「R Customize Package」と「RA Racing」は6MTのみ
✔スポーツ走行前提であれば「RA Racing」、日常生活でも快適に使用したいのであれば「S」がおすすめ
BRZのグレード構成
BRZのグレードは価格順に「R Customize Package」「R」「S」「RA Racing」「GT」「STI Sport」の6種類となっています。
BRZで採用されているエンジンは2L水平対向エンジン1種類ですが、トランスミッションは6MTと6ATの2種類が用意されており、ベーシックモデルの「R Customize Package」と競技用モデルの「RA Racing」は6MTのみの設定となっていますが、そのほかのグレードでは2種類のトランスミッションから選択が可能です。
BRZのグレードごとの装備内容
ここからは、BRZのグレードごとの装備内容を見ていきましょう。
装備を簡素化したベーシックグレード「R Customize Package」
カスタマイズが前提のグレード
「R Customize Package」はできるだけ装備を簡素化して、好みの仕様にカスタマイズすることを前提にしたベーシックグレードです。スポーツ走行を前提にしている方や車に詳しく、カスタマイズを心ゆくまで楽しみたい方には最適なグレードですが、日常生活で使用するにはそのままではちょっと無理があるかもしれません。
タイヤは205/55R16タイヤ、ブレーキは専用ブレーキパッド付き16インチフロントベンチレーテッドディスクブレーキ、15インチリアベンチレーテッドディスクブレーキが装備されます。
快適装備はほとんどなく、インテリアも質素
近年の新型車に期待したい装備はほぼ搭載されておらず、エアコンはマニュアル式で、キーシステムは近年主流のスマートキーは装備されません。ダッシュボードやドア内側も素材がむき出しになっています。また、スバルには先進安全技術として「アイサイト」がありますが、BRZには搭載されません。
アルミホイールが装備される「R」
アルミホイールがエクステリアの存在感をアップ
「R」ではガンメタリック塗装+切削光輝17インチアルミホイールが装備され、エクステリアの存在感が一気に向上します。
本革や加飾が追加された内装
「R」ではステアリングホイール、シフトノブやシフトレバー、ハンドブレーキに本革があしらわれ、室内の雰囲気を上質なものとしています。
またシルバー加飾が随所にあしらわれ、スポーツカーならではのストイックな雰囲気を維持しながらもつやをプラスすることで質感の向上に貢献。普段使いの車としても「R Customize Package」のようなもの足りなさは感じにくいのではないでしょうか。
充実した装備内容の「S」
快適装備が格段に充実
「S」では、左右独立温度調整機能とクリーンフィルターが付属するフルオートエアコン、キーを身につけておけばスイッチ操作でドアの解錠・施錠やエンジンの起動ができるキーレスアクセス&プッシュスタート、そしてロングドライブ時のドライバ―の負担を軽減してくれるクルーズコントロールなど、多数の快適装備が搭載されます。
日常的な使用でも、不便さを感じることなく快適にドライブが楽しめるでしょう。LEDフロントフォグランプも追加されています。
おもてなし機能も
ポジショニングランプとリアコンビランプ、ルームランプがアクセスキーと連動して点灯するウェルカムライティングも搭載。乗降時の気分を盛り上げてくれるおもてなし機能です。
メーターがマルチインフォメーションディスプレイ付きのものに
この「R」グレードからTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ付きメーターが標準装備に。水温ゲージや油温ゲージ、電圧ゲージなどスポーツカーならではのコンテンツの表示が可能です。
フルフロアアンダーカバーを追加
「S」では、床下をフラットにして空力性能を向上させるフルフロアアンダーカバーも追加しており、快適性だけではなく走行性能に関する部分もグレードアップされていることがわかります。
競技用車両の「RA Racing」
競技用として設定されたグレード
「RA Racing」は競技用モデルとして設定されたグレードで、「R Customize Package」の装備が基本となっています。そのため「S」よりも価格は高額ではありますが、フルオートエアコンやキーレスアクセス&プッシュスタート、TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ付きメーターやウェルカムライティングなどの快適機能は搭載されません。
すぐにサーキットで走れるような装備を搭載
「RA Racing」にはサイドバー付きのロールケージやFIA公認の4点式シートベルト、空冷式エンジンオイルクーラー、専用ブレーキダクト&専用ブレーキバックプレート、フロント・リアトランスポートフックなどが専用装備として採用されています。
サーキット走行を前提としている方には最適なグレードでしょう。
走行性能と快適装備を両立させた「GT」
快適装備は「S」に準じた内容
「GT」では、「S」と同様の快適装備が搭載されています。さらに、走行性能を高める装備が追加されるのが「GT」の特徴です。
SACHS(ザックス)ダンパーやbrembo製ブレーキを採用
「GT」には、高いハンドリング応答性とより快適な乗り心地を両立させるSACHS(ザックス)ダンパー(ZF製)を採用。
さらに放熱性や耐フェード性の高いbrembo製4輪ベンチレーテッドディスクブレーキを標準装備しました。車好きの方にはたまらない装備でしょう。アルミホイールもスーパーブラックハイラスターになり、よりクールな雰囲気となっています。
すべてに秀でた最上級グレード「STI Sport」
精悍で高い走行性能を感じさせるエクステリア
最上級グレード「STI Sport」では、専用のフロントバンパーやフェンダーガーニッシュ、つやのあるブラックパーツなどを使用して走行性能の高さを感じさせる精悍なエクステリアとなっています。快適装備に関しては「S」とほぼ同等のものが装備されます。
STI専用装備を多数搭載
STI製フレキシブルVバーやSTI製フレキシブルドロースティフナーフロントを採用し、ハイレベルなハンドリング応答性や安定性を実現。
さらにSTI専用チューニングを施したSACHS(ザックス)ダンパー(ZF製)&コイルスプリング、18インチのハイパフォーマンスタイヤが装備されるなど、非常に豪華な内容となっています。
何を重視するかをはっきりさせて最適なグレードを選ぼう
BRZは走行性能に特化したスポーツカーだけに、車の使用目的や使用したいシチュエーションによってベストなグレードは変わってくるでしょう。サーキットでスポーツ走行を楽しむことが前提であるならば「RA Racing」、スポーツカー好きの方が日常的にも使用する車としてならば「S」がバランスの取れたおすすめグレードといえるでしょう。
自分が何を重視するかをはっきりとさせて、最適なBRZを選んでください。
よくある質問
Q1:BRZのグレード構成は?
A:BRZのグレードは、「R Customize Package」「R」「S」「RA Racing」「GT」「STI Sport」の6種類設定されており、価格はこの順に高くなります。なお、エンジンは2L水平対向エンジン1種類ですがトランスミッションが6MT、6ATの2種類があり、「R Customize Package」「RA Racing」では6MTのみ、そのほかのグレードはトランスミッションの選択が可能です。
Q2:BRZのグレードごとの違いって?
A:「R Customize Package」はカスタマイズすることを前提に装備を簡素化したグレード、「RA Racing」はサーキット走行に適した競技用車両です。「R」は「R Customize Package」に少し内装に手を加えたもの、「S」「GT」「STI Sport」はさらに快適装備も搭載され日常的な使用にも適しています。この3つのグレード間ではブレーキやサスペンションなどに違いがあります。
Q3:BRZのおすすめグレードは?
A:BRZは走行性能に特化したスポーツカーだけに、何を重視するかによって選ぶグレードが変わってきます。スポーツ走行を前提としているのであればすぐにでもサーキット走行が可能な「RA Racing」、運転する愉しみを実感できることと日常的に快適に使用できることを両立させたいのであれば「S」がおすすめグレードといえるでしょう。
※記事の内容は2020年12月時点の情報で執筆しています。