車は一般的に長期間使用するものであるため、車選びの際にはよく比較検討して自身に合った1台を見つけなければなりません。そのため、車種選びの次に待っているグレード選びにおいても妥協することなく細かい部分まで確認することが大切です。
ここでは、トヨタ「アクア」のグレードについて詳しくご紹介します。
この記事のPOINT
- アクアのグレードは5種類
- 「B」にはバイポーラ型ニッケル水素電池が搭載されない
- アクアのおすすめグレードは「G」
アクアのグレード構成
アクアは、ハイブリッド専用のコンパクトカーとして2011年に誕生しました。2021年7月に初めてのフルモデルチェンジを受け2代目に移行しており、先代モデルから引き続きパワートレインはハイブリッドシステムのみを採用しています。
現行型のグレードは「B」「X」「G」「Z」「GR SPORT」の5種類で、駆動方式は「GR SPORT」を除き2WDとE-Fourの選択が可能です。「GR SPORT」は2WDのみです。
なお、アクアの内装、安全性能については別記事で詳しくご紹介します。
アクアのグレードごとの特徴
ここからは、アクアのグレードごとの装備内容の違いを比較していきましょう。
〈グレード別比較表〉
グレード | B | X | G/Z | GR SPORT |
---|---|---|---|---|
パワーユニット | ハイブリッドシステム (リチウムイオン電池) | ハイブリッドシステム (ニッケル水素電池) |
||
駆動方式 | 2WD・E-Four | 2WD | ||
燃費 (km/L、WLTCモード) | 35.8(2WD) 30.1(E-Four) | 34.6(2WD) 30.0(E-Four) | 33.6(2WD) 30.0(E-Four) | 29.3 |
全長(mm) | 4050 | 4095 | ||
全幅(mm) | 1695 | |||
全高(mm) | 1,485(2WD) 1,505(E-Four) | 1485 | ||
最小回転半径(m) | 4.9(2WD) 5.2(E-Four) | 5.2 | 5.3 |
装備が簡素化されたエントリーグレードの「B」
〈グレード「B」の車両本体価格〉
グレード | B | |
---|---|---|
駆動方式 | 2WD | E-Four |
価格 | 199万7,000円 | 219万5,000円 |
最も安いエントリーグレードの「B」は、内外装の加飾類などを省いており、社用車などビジネス向けグレードといえます。パワーウィンドウはフロントのみでリアは手動です。
また、現行型アクアの魅力として、新たに採用されたバイポーラ型ニッケル水素電池の搭載が挙げられます。バイポーラ型ニッケル水素電池の採用によって電気だけでの走行可能速度域を拡大していることに加え、低速域からの滑らかな加速、アクセルペダルによる加減速コントロール「快感ペダル」を実現しました。
しかし、「B」にはこのバイポーラ型ニッケル水素電池が搭載されておらず、一般的なリチウムイオン電池となっています。そのため、「B」は現行型の目玉のひとつともいえるワンペダル感覚での運転が可能な「快感ペダル」はありません。ただし、アクアの中で最も低燃費を実現しています。
なお、予防安全パッケージの「Toyota Safety Sense」やオートエアコン、スマートフォンとの連携が可能なディスプレイオーディオ、専用通信機(DCM)は標準装備しているため、今時の車に最低限必要な機能はそろっており、コネクティングサービスも使用できます。
また、ハイブリッド車であれば欲しい非常時給電システム付きのアクセサリーコンセントが全車に標準装備されているのはうれしいポイントといえるでしょう。
追加可能なオプションの幅が広がる「X」
〈グレード「X」の車両本体価格〉
グレード | X | |
---|---|---|
駆動方式 | 2WD | E-Four |
価格 | 210万7,000円 | 230万5,000円 |
「X」以上のグレードでは、先述したバイポーラ型ニッケル水素電池を搭載しているため、従来型よりも多くのシーンでモーター走行が可能です。さらにドライブモードスイッチ「POWER+」を選択すればアクセルオフの減速度が強くなり、アクセルペダルのみで速度調整がしやすくなる「快感ペダル」が使用でき、より進化したハイブリッドカーの走りを体感できるのが魅力です。
また、「B」で追加できるオプションはLEDフォグランプやスペアタイヤなどごく限られているのに対し、「X」では1灯でハイビームとロービームの切替えが可能な「Bi-Beam LEDヘッドランプ」やパッケージオプションの「コンフォートパッケージ」などが選択できます。
「コンフォートパッケージ」には、運転席・助手席のシートヒーターや運転席イージーリターン機能、スーパーUVカット・IRカット機能付きフロントドアグリーンガラス、ヘッドレストセパレート型フロントシートや「ナノイーX」などが含まれます。
快適性が向上する「G」
〈グレード「G」の車両本体価格〉
グレード | G | |
---|---|---|
駆動方式 | 2WD | E-Four |
価格 | 223万円 | 242万8,000円 |
「G」では、グリルモールがペールゴールド塗装になり、エクステリアにワンランク上の存在感をプラス。加えて「ナノイー」の10倍のOHラジカルを含む微粒子イオンを発生させて車内の空気を快適な状態に導く「ナノイーX」やスーパーUVカット・IRカット機能付きフロントドアグリーンガラス、ヘッドレストセパレート型のフロントシートが標準装備され、快適性が格段に向上します。
内装にも加飾類を追加して質感を高めているため、居住性の良さは「X」に大きく差をつけているといえるでしょう。
また、標準仕様のディスプレイオーディオは7インチサイズですが、「G」ではオプションで10.5インチの大画面を備えたディスプレイオーディオを選択することも可能です。
エクステリアで差別化した最上位グレード「Z」
〈グレード「Z」の車両本体価格〉
グレード | Z | |
---|---|---|
駆動方式 | 2WD | E-Four |
価格 | 240万円 | 259万8,000円 |
「Z」は、つやの美しいピアノブラック塗装のフロントグリルや15インチアルミホイール、機能性を向上させるだけでなくルックスに先進的な雰囲気を添える「Bi-Beam LEDヘッドランプ」を標準装備し、ほかのグレードとは一線を画した洗練されたエクステリアに仕上げています。
また、「Z」では充電用のType-CのUSB端子が追加されることに加え、操作性が良く見やすい10.5インチのディスプレイオーディオが標準装備に。さらに「運転に必要な情報を運転席前のウィンドシールドガラスに投影する「カラーヘッドアップディスプレイ」が追加できるなど、先進装備を多数採用しているのが魅力です。
ドライバーの意のままの走りを実現する「GR SPORT」
〈グレード「GR SPORT」の車両本体価格〉
グレード | GR SPORT |
---|---|
駆動方式 | 2WD |
価格 | 259万5,000円 |
トヨタのモータースポーツ部門「GAZOO Racing」が手掛けるコンプリートカーである「GR SPORT」は、専用の剛性アップパーツや専用のチューニングサスペンション、さらに専用のパワーステアリング制御を施しドライバーの意のままの走りを実現します。
また、空力性能を向上させたことに加え、GRらしい迫力とスポーティーさのあるエクステリアがほかのグレードとは一線を画す存在感を演出しているのも魅力です。
アクアのおすすめグレードは「G」
アクアは低燃費が魅力のモデルですが、日常的に使用するのであれば燃費だけではなく快適性や内外装の質感にもこだわりたいところ。その点から考えると、バランスが良い「G」がおすすめグレードといえるでしょう。より価格を抑えたいのであれば「X」を選択し、必要なもののみオプションを追加するのもいいかもしれません。
よくある質問
Q1:アクアのグレード構成は?
A:アクアはハイブリッド専用のコンパクトカーで、グレードは「B」「X」「G」「Z」と「GR SPORT」の計5種類です。駆動方式は「GR SPORT」を除くグレードで2WDとE-Fourが選択可能。「GR SPORT」は2WDのみです。
Q2:アクアのグレードごとの違いは?
A:「B」には「快感ペダル」がありませんが、アクアの中で最も低燃費を実現しています。「X」は豊富なオプションの選択肢があり、自分に必要な装備のみを追加することが可能。「G」は快適性が大幅に向上し、「Z」はエクステリアでほかのグレートとは差をつけていることに加え、10.5インチディスプレイオーディオが標準装備されます。なお、「GR SPORT」は専用チューニングのサスペンションや剛性アップパーツを使用したスポーツグレードです。
Q3:アクアのおすすめグレードは?
A:アクアの最大の魅力は低燃費であることですが、日常的に使用する車であれば内外装の質感や快適性もある程度はこだわって選びたいところでしょう。その点を考えると、バランスが良い「G」がおすすめです。より価格を抑えたいのであれば、「X」に必要なオプションを追加するのもひとつの方法でしょう。
※この記事は2023年11月4日時点の情報で制作しています