車はグレードによって快適装備の充実度や安全性能が異なる場合がほとんどです。そのためグレードごとの特徴を把握して、自分のカーライフに必要な装備が過不足なく搭載されているグレードを選ぶことが大切です。
ここではスズキ「アルト」のグレードについて紹介します。
スズキ「アルト」のグレード構成
アルトではグレードは「F」「L」「S」「X」の4種類。シンプルで分かりやすいグレード構成です。すべてのグレードに2WDと4WDの2種類の駆動方式がラインナップされています。
トランスミッションはエントリーグレードの「F」では5速MTに加えてクラッチやシフト操作の不要な2ペダル式MTの5速AGSを採用していますが、それ以外のグレードはすべてCVTという組み合わせです。
また、2019年6月にはアルトの誕生40周年を記念する特別仕様車「Lリミテッド」がラインナップに加わりました。
アルトのグレードごとの特徴
ここからはアルトのグレードごとの装備内容を見ていきましょう。
燃費向上のためのシステムが省かれる「F」
「F」出典:スズキ「アルト」カラー・価格
エントリーグレードの「F」では減速時のエネルギーで発電し、ガソリンの消費量を減らして実燃費向上に貢献するシステム「エネチャージ」やアイドリングストップシステム、アイドリング中にエアコンが停止しても一定時間冷たい風をキープしてくれる「エコクール」などの低燃費をサポートするシステムが搭載されないのが特徴です。
そのためこの「F」のみ、ほかのグレードよりも燃費の数値が劣ります。アルトは優れた燃費性能が持ち味ですが、この「F」グレードを選択する場合にはその点に注意が必要だといえるでしょう。
この「F」にはスズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」が標準装備ではありませんが、オプションで追加は可能です。
「エネチャージ」や「エコクール」が搭載される「L」
「L」出典:スズキ「アルト」カラー・価格
「L」では「エネチャージ」や「エコクール」、アイドリングストップシステムが標準装備になるほか、トランスミッションに変速比を最適化したCVTが採用され、ガソリン車クラストップ(※2014年12月、スズキ調べ)の低燃費を実現しています。
それに伴いメーター内に運転状況に応じてスピードメーターの色を変化させてエコドライブの目安を示すステータスインフォメーションランプや、走行時やエネチャージ作動時のエネルギーの流れを表示するエネルギーフローインジケーターを装備。ドライバーがよりエコドライブを実践できるようにサポートする機能が追加されています。
「スズキ セーフティ サポート」は「F」と同じく標準装備ではありませんが、オプションで追加できます。
「スズキ セーフティ サポート」が標準装備になる「S」
「S」出典:スズキ「アルト」カラー・価格
「S」は「L」の装備に加えて「スズキ セーフティ サポート」が標準装備となり、より安全性を高めたグレードです。
そのほかにも運転席のシートリフターやリヤシートヘッドレスト、全面UVカット機能つきガラス、リヤドア・バックドアのスモークガラスが標準装備になり、車内で快適に過ごせる装備が充実します。安全・快適にカーライフを楽しめる機能を備えたグレードといえるでしょう。
最上級グレードの「X」
「X」出典:スズキ「アルト」カラー・価格
「X」では「S」の内容に加えて外気温計つきのフルオートエアコンやキーレスプッシュスタートシステムが標準装備になります。これらは近年の新型車にはほぼ搭載されている装備ですが、アルトはお手頃な価格も魅力のひとつのため、価格を抑えるためにほかのグレードでは省き、最上級グレードの「X」にのみ採用されています。
リモート格納式の電動リモコンドアミラーやルーフアンテナが装備されるほか、ステアリングホイールの高さを調節できるチルトステアリングが装備されるなど、快適装備やストレスなく運転できるための装備がそろいます。
また、ほかのグレードが13インチタイヤを装着しているのに対し、この「L」グレードでは15インチタイヤを装着しているので走行時の安定性が増しています。ホイールもフルホイールキャップからアルミホイールになり、ルックスでもほかのグレードとは差をつけています。
特別仕様車「Lリミテッド」
出典:スズキ「アルト 40周年記念特別仕様車 Lリミテッド」カラー・価格
アルトが初代の登場から40年を迎えたことを記念して登場した「Lリミテッド」は「L」の「スズキ セーフティ サポート」装着車をベースにした特別仕様車です。
通常の「L」では装備されない電動格納式リモコンドアミラーや全面のUVカット機能つきガラス、リヤドア・バックドアのスモークガラスを特別装備として搭載し快適性を増しているほか、エクステリアにおいてはバックドアに専用エンブレムやカラードドアミラー、インテリアではメッキ加飾や専用のブラックのインパネを採用し、特別感を演出しています。
アルトのおすすめは「L」の「スズキ セーフティ サポート」装着車
近年は軽自動車の人気が非常に高く、さまざまなタイプの軽自動車が登場しています。中には高機能ですが最もベーシックなグレードでも150万円近くなど、軽自動車の魅力のひとつである価格のお手頃さを実感できないモデルも増えています。
アルトはそうした中でも軽自動車に求められる経済性を持つ、軽自動車のスタンダートともいえるモデルです。価格面、そして装備内容のバランスを考えると「L」の「スズキ セーフティ サポート」装着車がコストパフォーマンスも良く、おすすめといえるでしょう。
アルトの持ち味でもある低燃費を実現する機能がしっかりと搭載された「L」に、これからの車には必須ともいえる先進安全機能である「スズキ セーフティ サポート」を追加しても100万円以内(2WD車)に収まるのは非常に魅力的です。
車のグレードを選ぶ際にはグレードごとに異なる装備を確認した上で予算、装備内容のバランスを考慮し、最適なグレードを選んでください。
※記事の内容は2019年12月時点の情報で執筆しています。