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ガソリンの値段は社会情勢などによって上下し、家計に直接影響を及ぼします。長く使用することになる車の燃費はわずかな差であっても積み重なると大きな差になるため、車選びの際には燃費性能を確認しておくことが大切なのです。
ここでは日産「ジューク」の燃費について紹介します。
ジュークの燃費の特徴
ジュークは2010年6月に登場したコンパクトクロスオーバーSUVの先駆けといえるモデルです。度重なるマイナーチェンジを経て、現在は最高出力114psを発生する1.5L直列4気筒NAエンジンと最高出力190psを発生する1.6L直列4気筒ターボエンジンという2つになっています。
1.5Lエンジンには可変バルブタイミング機構を採用して吸排気効率を向上させるとともに熱効率を安定させるデュアルインジェクターを搭載し、中低速域のトルクを高めて扱いやすさとレスポンスの良さを実現しています。また信号待ちなどでエンジンを停止させてガソリンの消費を抑えるアイドリングストップ機構を搭載することで実燃費向上を図っています。
1.6LターボエンジンにはDIG(直噴ガソリン)機構を搭載し、エンジンの充填効率と燃焼効率を向上させています。また低圧クールドEGR(排気再循環)の採用、各部の摩擦抵抗の低減や燃焼効率の向上により、燃費性能の向上を実現させました。
ジュークのカタログ燃費
ジュークのJC08モードカタログ燃費は以下のとおりです。
・1.5LNAエンジン車(2WDのみ) 18.0km/L
・1.6ターボエンジン車(2WD) 14.2km/L
・1.6ターボエンジン車(4WD) 13.4km/L(NISMO RSのみ12.6km/L)
ジュークとライバル車のカタログ燃費を比較
燃費性能を確認するには、同クラスのライバル車の燃費と比較してみるのもひとつの方法です。ここではトヨタ「C-HR」とホンダ「ヴェゼル」の2車種と比較してみます。
トヨタ「C-HR」
スタイリッシュなエクステリアデザイン、ニュルブルクリンク北コースで鍛え上げた走行性能の高さが人気のC-HR。SUV人気を牽引する存在ともいえる大ヒットモデルです。
C-HRのJC08モードカタログ燃費はガソリン2WD車が15.2~16.4km/L、4WD車が15.4km/L、ハイブリッド車(2WDのみ)が29.0~30.4km/Lです。
ガソリン車同士を比較するとジュークの1.5LNAエンジン車はC-HRよりも優れた燃費となっていますが、ターボ車では少しC-HRを下回る数値です。またC-HRのハイブリッド車はさすがハイブリッドに定評のあるトヨタ、といえる低燃費を実現しています。
ホンダ「ヴェゼル」
出典:ホンダ「ヴェゼル」
ヴェゼルはコンパクトなボディながら広い室内空間を持つのが特徴のモデルで、特に後席の居住性の良さには定評があります。
ヴェゼルのJC08モードカタログ燃費はNAエンジン2WD車が20.2~21.2km/L、4WD車が19.6km/L、ターボエンジン2WD車が17.6km/L、ハイブリッド2WD車が23.4~27.0km/L、4WD車が21.6~23.2km/Lとなっています。
ヴェゼルもC-HRと同じくハイブリッド車があるのでかなりの低燃費を実現しています。ジュークのガソリン車とヴェゼルのガソリン車の比較においては、NAエンジンとターボエンジンいずれにおいてもヴェゼルの数値がジュークを上回る結果となりました。
ジュークの実燃費
燃費性能を確認する際にはカタログ燃費と併せて実燃費もチェックするようにしましょう。カタログ燃費と実燃費の間には差があることがほとんどだからです。
JC08モード燃費とは平坦でまっすぐな道をライトやエアコンなどを使わずに一定の条件下で計測されているものをいい、指標に使われる数値です。
しかし、日常生活では坂道や未舗装路などさまざまな場所で走行することから、どの車でもカタログ燃費と実燃費との差が生まれるのです。
路面の状態や運転の方法によって実燃費は変わりますが、平均3割程度は実燃費が低くなるといわれています。現在、ジュークに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e 燃費」によると、ジュークの実燃費はNAエンジン2WD車が13.61km/L、ターボエンジン2WD車が13.37km/L、4WD車が9.49km/Lです。
ジュークのカタログ燃費と実燃費の差はいずれも3割以内に収まっており、ジュークのカタログ燃費と実燃費の差は小さいといえるでしょう。
ジュークの走行性能
車の本分ともいえる走行性能に関する部分も見ていきましょう。
最適化されたプラットフォームが優れた操縦安定性を実現
ジュークにはルノーと日産が初めて共同開発した「B-プラットフォーム」が採用されており、その構造やレイアウトをジュークに最適化させることで軽量・高剛性を実現させています。またホイールハウスを改良し、215/55R17 サイズの大径ワイドタイヤにも対応可能にすることで優れた操縦安定性を手に入れました。
磨き上げられたサスペンションがもたらす快適な乗り心地
前後サスペンションの剛性アップ、さらに高性能ショックアブソーバーを採用することにより直進安定性、コーナリング性能も向上。加えてロードノイズや振動を低減することによって快適な乗り心地を提供するとともに室内の静粛性も向上させています。
燃費を確認する際は実燃費も忘れずにチェック
ジュークはデビューから10年近い年月を経ていることもあり、ハイブリッド車がラインナップされないなどライバル車と比較すると燃費性能が少し見劣りする面もありますが、カタログ燃費と実燃費の差が少ない点は評価できるポイントでしょう。
車選びの重要ポイントである燃費性能は、カタログ燃費だけでなくライバル車との燃費の比較や実燃費など、さまざまな面から確認することをおすすめします。
※記事の内容は2019年12月時点の情報で執筆しています。