万一の交通事故の危険性を減らし、衝突被害を軽減したりドライバーの安全運転をサポートしたりする車の先進安全技術の充実度は、今や車選びを左右する重要な部分です。同じメーカーでも車種によって搭載される先進安全技術は異なるので、一つひとつ細かく確認しておくことが大切です。
ここでは、スズキ「スペーシアギア」の安全性能についてご紹介します。
この記事のPOINT
- スズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を標準装備
- 衝突被害軽減ブレーキである「デュアルカメラブレーキサポート」は夜間の歩行者の検知も可能
- オプションで「全方位モニター用カメラ」の追加が可能
スペーシアギアの安全性能の特徴
スペーシアギアには、2018年12月の登場時から全車にスズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」が標準装備されています。
また2020年8月の一部改良において、衝突被害軽減ブレーキや標識認識機能の精度向上、高速道路における運転支援機能の追加、さらに2021年12月の一部仕様変更時に新たに車線からの逸脱抑制をサポートする機能を搭載するなど安全性能に手が加えられており、随時新機能を搭載し安全性を向上させているのが特徴といえるでしょう。
スペーシアギアに搭載される「スズキ セーフティ サポート」の内容をチェック
ここからは、スペーシアギアに標準装備される「スズキ セーフティ サポート」に含まれる先進安全技術にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
デュアルカメラブレーキサポート
警報を発して注意喚起
システムが先行車や歩行者を検知し、システムが衝突のおそれがあると判断した場合にはブザー音やメーター表示でドライバーに危険を知らせます。
ブレーキ踏力をアシスト
システムが警報を発している状態でドライバーがブレーキを踏むと、システムがブレーキ踏力をアシストして制動力を高めます。
自動で強力なブレーキを作動
それでもさらに衝突の危険が高まった場合には強力なブレーキを自動で作動させ、衝突事故の回避や衝突被害軽減をサポートします。スペーシアギアの登場時の検知対象は車両と昼間の歩行者でしたが、2020年8月の一部改良時に夜間の歩行者も検知対象に加わりました。
自車の速度が約5~100km/hで走行中に車両や歩行者を検知し、システムが衝突の危険を察知した場合に、機能が作動します。
誤発進抑制機能(前方・後方)
壁などの障害物をシステムが認識している状態でアクセルを強く踏み込むと、最長5秒間エンジン出力を抑制して、シフト操作ミスやアクセルとブレーキの踏み間違いによる急加速・急発進を防ぐ機能です。
スペーシアギアでは前方だけでなく、後方にも対応しています。
後退時ブレーキサポート
リヤバンパーに設置された4つのセンサーで車両後方の障害物を検知し、4段階のブザー音で障害物との接近をドライバーに知らせます。同時に障害物との衝突のおそれがあるとシステムが判断した場合には自動でブレーキを作動させ、衝突の回避もしくは被害軽減を図る機能です。
車線逸脱警報機能
自車の速度が約60km/L以上で走行中にシステムが車線を検知し、車両の進路を予測します。実際の走行が予測の範囲を超えて車両が車線からはみ出す危険があるとシステムが判断した場合には、ブザー音やメーター表示でドライバーに注意喚起する機能です。
車線逸脱抑制機能
機能をONにして約65km/h以上で走行している際に車線からはみ出す危険が発生すると、車両を車線内に戻す方向にステアリング操作を促し、車線からはみ出すことなく走行できるようにサポートしてくれる機能です。
ふらつき警報機能
システムが自車の走行パターンを計測し、パターンから外れて蛇行するなどシステムがふらつきと判断した場合、ブザー音とメーター表示でドライバーにふらつきを知らせる機能です。
作動条件は車線逸脱警報機能と同じです。
標識認識機能
道路標識を認識し、ヘッドアップディスプレイに表示してドライバーの標識見落としを防止する機能です。
スペーシアギアでは、最高速度、はみ出し通行禁止、一時停止、車両進入禁止と補助標識の「終わり」を認識します。
フロントガラス投影式ヘッドアップディスプレイ
「フロントガラス投影式ヘッドアップディスプレイ」は、車速やシフト位置などのさまざまな情報を運転席前のフロントガラスにカラーで投影します。
ドライバーは運転に必要な情報を、メーターパネルを見なくても確認できるので視線移動や焦点調節の頻度を減らして安全運転につながることが期待できます。
先行車発進お知らせ機能
渋滞や信号待ちなどで停車中、先行車が約4m以上進んでも自車が発進しない場合にブザー音やメーター表示でドライバーに先行車の発進を知らせ、出遅れを防ぎます。
ハイビームアシスト
システムが周囲の明るさや対向車・先行車のライトを検知して、自動でハイビームとロービームを切り替える機能です。
切り替え忘れや手動切り替えの手間をなくしてドライバーの安全運転をサポートするほか、視認性の良いハイビームの使用頻度を増やして夜間の歩行者などの早期発見に貢献します。
アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)
システムが先行車との距離を測定し、事前に設定した車間距離を維持しながら加速減、停止まで追従することで、高速道路や自動車専用道路などでのロングドライブや停止・発進を繰り返す渋滞時などのドライバーの運転負荷を大幅に低減し、安全運転をサポートする機能です。
全方位モニター用カメラ
スペーシアギアには、全車にオプションで「全方位モニター用カメラ」が追加可能です。
全方位モニター用カメラ
車両の前後左右に取り付けられた4つのカメラが車両の周囲の状況をモニターしてナビゲーション画面に映像を映し出し、周囲の安全確認をサポートします。
ドライバーの死角になりやすい助手席サイドの映像や、上空から車両を見下ろしたような映像などさまざまな視点からの映像を提供します。また見通しの悪い場所で接近する歩行者などの存在をドライバーに知らせる「左右確認サポート機能(前方・後方)」も装備し、運転席からの死角をなくすようアシストします。
2021年12月の一部仕様変更では、狭い道を低速で走行している際に助手席側と前方の映像を自動で映し出して接触事故防止をサポートする「すれ違い支援機能」が追加されました。
なお、全方位モニター用カメラはパッケージオプションの「全方位モニター付きメモリーナビゲーション・スズキコネクト対応通信機」、もしくは「全方位モニター用カメラパッケージ」の追加によって搭載されます。
サポカーSワイド認定に必要な先進安全性能を備えたスペーシアギア
衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術を搭載した車は「セーフティ・サポートカー」、通称「サポカー」の名称で政府が普及を推進しています。
「サポカー」の中でも最も充実した先進安全性能を備えた「サポカーSワイド」の認定には、車両と歩行者の検知が可能な衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い加速抑制装置、車線逸脱警報、先進ライトが必要です。
スペーシアギアはこの4つの機能を備え、「サポカーSワイド」に認定されています。日常的に使用する車として必要な安全性は確保しているといえるでしょう。
よくある質問
Q1:スペーシアギアには先進安全技術は全車に標準装備されているの?
A:はい、スペーシアギアにはスズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」が全車標準装備です。
Q2:スペーシアギアに搭載される先進安全技術にはどんなものがあるの?
A:車両と昼間の歩行者に加えて、夜間の歩行者の検知も可能な「デュアルカメラブレーキサポート」や、ペダル踏み間違い時の飛び出しを防止する「誤発進抑制機能(前方・後方)」、後退時にも危険があれば自動ブレーキを作動させる「後退時ブレーキサポート」、高速道路などでのドライバーの運転負荷を軽減し安全運転に貢献する「アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)」などがあります。
Q3:スペーシアギアはどの「サポカー」に該当するの?
A:スペーシアギアは、全車がサポカーの中でも最も充実した先進安全技術を搭載した「サポカーSワイド」の認定を受けています。
※この記事は2022年8月時点の情報で制作しています