衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置をはじめとする車の先進安全技術は、各メーカーが力を入れて開発している分野ですが、メーカーによって同じ機能でも名称が異なるなどわかりにくい部分があるのが現状です。
ここでは、トヨタ「カローラフィールダー」にはどのような安全性能が備えられているのかを詳しく解説します。
この記事のPOINT
- カローラフィールダーは「Toyota Safety Sense」を全車標準装備
- レーザーレーダー+単眼カメラを使用した検知方式を採用
- MT車とオプションの「パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)」装着車は「サポカーSワイド」に該当する
カローラフィールダーの安全性能の特徴
トヨタには予防安全技術パッケージ「Toyota Safety Sense」がありますが、車種によって検知方式や含まれる機能が異なります。カローラフィールダーに搭載されている「Toyota Safety Sense」は単眼カメラとレーザーレーダーで先行車や車線を認識するシステムを採用しています。
カローラフィールダーには、この「Toyota Safety Sense」が全車標準装備されています。なお、2022年8月の一部改良ではLEDヘッドランプが全車標準装備となり、夜間視認性を向上させました。
カローラフィールダーの「Toyota Safety Sense」の内容
ここからはカローラフィールダーに搭載されている「Toyota Safety Sense」には、どのような機能が含まれているのかを詳しく見ていきましょう。
プリクラッシュセーフティ
先行車や歩行者(昼間)をシステムが検知し、衝突の危険があると判断した場合には警告音とディスプレイ表示でドライバーに注意喚起します。その状態でドライバーがブレーキ操作を行うとブレーキアシストが作動してブレーキ踏力をアップし、制動力を高めます。
ドライバーがブレーキ操作を行わなかった場合には、システムが強力なブレーキを作動させることで、衝突の回避や被害軽減をサポートする機能です。検知対象が車両の場合は自車の速度が約10〜80km/h、対歩行者の場合は10〜65km/hでブレーキが作動します。
なお、夜間の歩行者の検知機能はありません。
レーンディパーチャーアラート
道幅約3m以上の道路を約50km/h以上で走行時、システムが左右の白線や黄線を認識し、ウィンカー操作なしに車両が車線をはみ出しそうになると警告音とディスプレイ表示でドライバーに危険を知らせ、車線はみ出しによる衝突事故の回避や被害軽減に貢献する機能です。
オートマチックハイビーム
夜間走行時、周囲の明るさや対向車・先行車のランプを認識して自動でハイビームとロービームを切り替えるシステムです。
ハイビームの使用時間を長くして夜間の視認性を向上し、歩行者などの早期発見に貢献するほか、切り替え忘れを防ぐとともに手動切り替えの手間をなくしてドライバーの負担を軽減し、安全運転をサポートします。
カローラフィールダーに搭載されている「Toyota Safety Sense」には、以上の3つの機能が含まれています。
「Toyota Safety Sense」以外の安全装備も確認
カローラフィールダーには、「Toyota Safety Sense」のほかにも先進安全技術が採用されています。
パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)(ハイブリッド車、CVT車にメーカーオプション)
カローラフィールダーでは、全車にメーカーオプションで「パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)」の追加が可能です。
パ―キングサポートブレーキ(前後方静止物)は、衝突被害軽減ブレーキと並んで先進安全技術の中核ともいえる、アクセルとブレーキの踏み間違い時の急加速・急発進を抑制するペダル踏み間違い時加速抑制装置にあたる機能です。
進行方向の壁などの障害物(静止物)を検知し、その状態でアクセルが強く踏み込まれるとシステムがエンジンもしくはハイブリッドシステムの出力を抑制します。
さらに障害物との距離が近づいた場合にはブレーキを作動させ、ペダルの踏み間違いによる急加速・急発進を防止するようサポートする機能です。
駐車時など、約15km/h以下の低速走行時に作動します。
ドライブスタートコントロール
シフト操作ミスによる急加速・急発進を抑制する機能です。アクセルを踏んだ状態でシフトを「R」から「D」に変更した際に、ディスプレイ表示でドライバーに注意を促すと同時にエンジンもしくはハイブリッドシステムの出力を制御します。
充実したエアバッグシステム
カローラフィールダーでは運転席・助手席のエアバッグ以外にも側方からの衝撃から乗員を守るサイドエアバッグ(運転席・助手席)とカーテンシールドエアバッグ(前後席)を全車に標準装備しています。
オプションの「パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)」の追加はマスト
カローラフィールダーに搭載されている「Toyota Safety Sense」には、ペダル踏み間違い急発進抑制装置にあたる「パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)」がパッケージに含まれていません。なお、今の時代に必要な安全性能を備えている車のひとつの基準といえる「サポカーSワイド」の認定には、歩行者検知ができる衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い急発進抑制装置(MT車は除く)、車線逸脱警報、先進ライトが必要です。
そのためMT車を除き、標準仕様のカローラフィールダーは「サポカー」にとどまります。MT車、もしくは「パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)」装着車は「サポカーSワイド」になるため、ハイブリッド車かCVT車を選ぶ場合は「パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)」の追加はマストといえるのではないでしょうか。
よくある質問
Q1:カローラフィールダーには先進安全技術が搭載されているの?
A:はい、カローラフィールダーには、レーザーレーダーと単眼カメラを検知に使用するトヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が全車に標準装備されています。
Q2:カローラフィールダーの「Toyota Safety Sense」にはどのような安全技術が含まれるの?
A:車や歩行者を検知して危険があればブレーキを作動させることで衝突事故の回避や被害軽減を図る「プリクラッシュセーフティ」、車線からはみ出す危険があれば注意喚起する「レーンディパーチャーアラート」、自動でヘッドライトの切替えを行う「オートマチックハイビーム」が含まれます。
Q3:カローラフィールダーはどの「サポカー」に該当するの?
A:MT車を除く標準仕様のカローラフィールダーは「サポカー」に該当します。なお、MT車とメーカーオプションの「パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)」装着車は「サポカーSワイド」の認定となります。
※この記事は2022年12月時点の情報で制作しています