万が一の事故の危険をできるだけ減らす、もしくは事故が起こってしまった際の被害をできるだけ小さくするようにサポートする先進安全技術は、今の車には欠かせないものといえます。
ここでは、スバル「ステラ」に搭載される先進安全技術など、安全性能について詳しく紹介します。
この記事のPOINT
- ステラには「アイサイト」ではなく「スマートアシストIII」が搭載されている
- 「スマートアシストIII」は全車標準装備
- ステラは全車が「サポカーSワイド」の認定を受けている
ステラの安全性能の特徴
2014年12月に登場した現行型のステラは、同年に登場した6代目ダイハツ「ム―ヴ」のOEM供給を受けたモデルです。
通常スバルの車には、スバルの先進安全技術システム「アイサイト」が搭載されます。しかし、ムーヴのOEM車両であるステラはダイハツが開発・生産を担っているため、ダイハツの衝突回避支援システム「スマートアシストIII」が搭載されているという特徴があります。
スマートアシストIIIは、ステレオカメラとソナーセンサーによって車両の周囲の状況を認識し、状況に応じてドライバーに注意喚起したりブレーキやエンジン出力の制御を行ったりすることで安全運転をサポートするシステムです。
なお、ステラにはスマートアシストIIIが標準装備されており、全車が経済産業省や国土交通省が普及を啓発している「サポカー」の中でも最も装備の充実した最上位の「サポカーSワイド」の認定を受けています。
ステラの「スマートアシストIII」の内容
ここでは、ステラに搭載されるスマートアシストIIIにはどのような先進安全技術が搭載されているのかを見ていきましょう。
衝突警報機能/衝突回避支援ブレーキ機能
走行中にシステムが車両や歩行者を検知し、ぶつかる可能性があると判断した場合にはブザー音や表示でドライバーに衝突の危険があることを知らせます。これが「衝突警報」です。
さらに危険が高まった場合には、弱いブレーキを作動させます。その状態でドライバーがブレーキ操作を行うとブレーキアシストが作動し、制動力を高めます。
それでも衝突が回避できないとシステムが判断すると、強力な緊急ブレーキを作動させて衝突事故の回避や衝突被害の軽減をサポートする機能です。
緊急ブレーキは、検知対象が車両の場合は約4~80km/h、歩行者の場合は約4~50km/hで走行時に作動します。
車線逸脱警報機能
走行中にシステムが左右の区画線を検知し、車両が車線からはみ出す危険がある場合には音や表示で注意喚起し、逸脱回避操作を促す機能です。
約60km/h以上で走行中に作動します。
AT誤発進抑制制御機能(前方・後方)
前方はステレオカメラ、後方はソナーセンサーが進行方向にある壁などの障害物を検知している状態でアクセルペダルを必要以上に強く踏み込んだ場合、システムがエンジン出力を自動制御して急発進を抑制する機能です。
前方は約4m以内、後方は約2~3m以内の障害物の検知が可能で、約10km/h以下の低速取り回し時に作動します。なお、ワイパーを高速で作動させている場合、後方の誤発進抑制制御機能は停止するため注意が必要です。
先行車発進お知らせ機能
渋滞や信号待ちなど、ブレーキペダルを踏んで停止している際にシステムが約10m以内の先行車を検知します。先行車が約3m以上進んでも自車がそのまま停止し続けた場合、音や表示でドライバーに先行車の発進を知らせ、出遅れ防止に貢献する機能です。
ハイビームアシスト
走行中に対向車のヘッドランプなど前方の明るさを検知し、状況に応じてハイビームとロービームを自動で切り替えることで切り替え忘れをなくすとともにドライバーの手間を減らし、安全運転をサポートする機能です。
なお、2021年9月の一部改良では、周囲の明るさに合わせて自動でヘッドランプの点灯・消灯を行う「オートライト」が全車標準装備されました。
「パノラミックビューモニター」
最上級グレードであるステラカスタム「Rスマートアシスト」にのみ追加可能なオプションに、「パノラミックビューモニター」があります。
パノラミックビューモニターは、車両の前後左右に設置されたカメラの映像を合成し、対応ナビゲーション画面に映し出すことでドライバーから見えにくい位置の安全確認をサポートする機能です。
狭い路地から広い道へ出る際や幅寄せ、車庫入れなど、幅広いシーンで活躍してくれます。なお、利用にはパノラミックビューモニター対応純正ナビの装着が必要です。
全車「サポカーSワイド」認定のステラ
ステラには近年の新型車に搭載されているようなステアリングの制御を伴う機能や、高速道路での先行車追従支援機能などは搭載されていません。しかし、サポカーSワイドの要件を満たす先進安全技術を含んだ衝突回避支援システムである「スマートアシストIII」を全車に標準装備しているため、安全性の差を気にすることなくグレードが選べるのはうれしいポイントといえるのではないでしょうか。
先進安全技術が作動するような状況にならないのが一番ですが、事故の危険がどこに潜んでいるのかは誰にもわかりません。万が一の際の心強い味方である車の安全性能にはこだわりを持ち、どのような装備が搭載されているのかをよくチェックして車を選ぶことをおすすめします。
よくある質問
Q1:ステラに先進安全技術は標準装備されているの?
A:はい、ステラには全車に先進安全技術が標準装備されています。なお、ステラはダイハツ「ムーヴ」のOEM車両であるため、スバルの「アイサイト」ではなく、ダイハツの衝突回避支援システム「スマートアシストIII」を搭載しています。
Q2:ステラにはどのような先進安全技術がある?
A:ステラには、車両と歩行者を検知し、状況に応じて警告したりブレーキを制御したりすることで衝突回避や衝突被害の軽減をサポートする「衝突警報機能/衝突回避支援ブレーキ機能」、車線から逸脱する危険を警告する「車線逸脱警報機能」、ペダルを踏み間違えた際の急発進を抑制する「AT誤発進抑制制御機能(前方・後方)」、自動でハイビームとロービームを切り替える「ハイビームアシスト」などを搭載しています。
Q3:オプションで追加できる先進安全技術はある?
A:最上級グレードの「Rスマートアシスト」には、車両の周囲の映像を対応ナビ画面に映し出して、ドライバーから見えにくい部分の安全確認をサポートする「パノラミックビューモニター」の追加が可能です。
Q4:ステラはどの「サポカー」に該当するの?
A:ステラは、全車がサポカーの中でも最上位の区分である「サポカーSワイド」の認定を受けています。
※この記事は2021年12月時点の情報で制作しています