車の先進安全機能は各自動車メーカーが競い合って開発しており、年々選択肢が増えています。
ですがメーカーごとに同じ機能でも名称が異なるなど、わかりにくい面もあるのではないでしょうか。ここではホンダのコンパクトSUV、ヴェゼルの安全性能について詳しくご紹介します。
ヴェゼルの安全性能の特徴
ヴェゼルにはホンダ自慢の安全運転支援システム「ホンダセンシング」が搭載されています。ホンダセンシングは単眼カメラとミリ波レーダーを使用して周囲の状況を検知し、ドライバーの安全運転を支援するシステムです。
ヴェゼルのホンダセンシング搭載車は政府が普及を推奨している「サポカー」の分類のうち、対車両自動ブレーキとペダル踏み間違え時加速抑制装置の搭載が必要な「サポカーS・ベーシック+」に該当します。
ヴェゼルに搭載されている「ホンダセンシング」の内容
ここではヴェゼルに搭載されているホンダセンシングの内容についてご紹介します。ヴェゼルでは8種類の先進安全機能が搭載されています。
・衝突軽減ブレーキ
一般的に自動ブレーキやぶつからないブレーキなどと呼ばれる機能で、システムが前方の歩行者や先行車を認識し衝突の危険があると判断した場合、警告、ブレーキアシスト、自動ブレーキと段階を踏んで作動して衝突被害の回避、軽減を図るシステムです。
システムが危険を察知するとまずは警告音とディスプレイ表示でドライバーに注意喚起し、ドライバーの回避操作がなくさらに対象物との距離が接近した場合には弱い自動ブレーキを作動、それでもさらに衝突の危険性が高まれば強力な自動ブレーキを作動させます。
ヴェゼルに搭載されている衝突軽減ブレーキは昼間の歩行者に対応していますが、昼間のみで夜間の検知には対応していません。対向車と歩行者に対しては自車を速度約80~100km/hで走行時、また先行車と歩行者に対して自車との速度差が約5km/h以上あり、衝突の危険性があると判断された場合に作動します。
ハイブリッド車ではリアクティブフォースペダルを装備しているので、警告の段階でアクセルペダルを振動させてドライバーに知らせる機能、また自動ブレーキを作動させる場合にはシートベルトが引き込まれる機能も搭載されています。
・誤発進抑制機能
停車時、もしくは10km/h以下で徐行している際に、ミリ波レーダーが前方の障害物を認識している状態でアクセルが強く踏み込まれると、警告音とディスプレイ表示でドライバーに知らせるとともに、エンジン、もしくはハイブリッドシステムの出力を抑制してペダル踏み間違え時の急発進、急加速を防止するシステムです。
ヴェゼルでは前方のみに対応しています。
・歩行者事故低減ステアリング
システムが車線と側路帯の歩行者を認識し、車両が車線を逸脱して歩行者との衝突の危険性があるとシステムが判断した場合には、警告音とディスプレイ表示でドライバーに注意を促すとともにステアリング操作を支援し、歩行者との衝突回避を支援するシステムです。
約10~40km/h以下で走行中に作動します。
・路外逸脱抑制機能
単眼カメラが車線を認識し、車両がウィンカー操作なしに車線を逸脱する可能性があるとシステムが判断した場合にディスプレイ表示とステアリングの振動でドライバーに知らせ、ステアリング操作をサポートして車線逸脱を抑制します。
それでも車線を大きくはみ出す可能性がさらに高まった場合には、自動ブレーキを作動させて減速し、車線内走行に戻れるようにサポートする機能です。
ステアリング操作の支援機能のみならず、ホンダセンシングでは自動ブレーキまで作動するようになっています。一歩進んだホンダセンシングならではの安全機能といえるでしょう。
・車線維持支援システム
システムが車線を検知し、通常走行時は車線の中央を走るようにステアリング操作を支援して安全運転に貢献する機能です。車線をはみ出しそうになると警告音、ステアリングの振動で注意喚起するとともにステアリング操作支援を行います。
・標識認識機能
単眼カメラが標識を認識し、標識の見逃しを防ぐ機能です。最高速度、はみだし通行禁止、一時停止、車両進入禁止の4つの標識を認識し、マルチインフォメーションディスプレイに表示してドライバーの標識見落としの防止に貢献します。
最高速度、はみだし通行禁止は標識通過時に、一時停止と車両進入禁止は標識の手前で知らせてくれます。
・先行車発進お知らせ機能
先行車との距離が10m以内で停車している際、先行車が発進しても自車のアクセル操作がない場合には警告音とディスプレイ表示で警告する、信号待ちや渋滞時の出遅れを防ぐ機能です。
・アダプティブ・クルーズ・コントロール
あらかじめ設定した速度で定速走行し、先行車がいる場合には自動で加減速を行い、適正な車間距離を維持しながら追従走行してドライバーの疲労軽減に貢献し安全運転をサポートするシステムです。おもに高速道路や自動車専用道路で活躍します。
ヴェゼルのアダプティブ・クルーズ・コントロールは約30km/h以上で作動し、それ以下の速度になるとキャンセルされます。
以上の8つの機能がヴェゼルに搭載されているホンダセンシングの内容です。
万一の衝突に備える衝突安全性能
ヴェゼルには運転席・助手席のエアバッグはもちろんのこと、ハイブリッド車とガソリン車のそれぞれの基本グレードである「HYBRID Honda SENSING」と「G Honda SENSING」以外のグレードには、前席用のサイドエアバッグシステムと前席から後席までカバーするサイトカーテンエアバッグシステムが装備されています。
先進安全機能が充実したヴェゼル
ヴェゼルの安全性能はステアリング操作を伴う機能やアダプティブ・クルーズ・コントロールなども搭載され、かなり充実した装備になっている印象です。人の命を乗せて走る車は安全性能が充実しているに越したことはありません。
充実した先進安全機能を搭載したヴェゼルで、安心して利用できる車のある暮らしを満喫してください。
よくある質問
Q1:ヴェゼルには先進安全機能は全車標準装備されているの?
A:ヴェゼルにはホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING」が全車標準装備されています。
Q2:ヴェゼルに搭載される先進安全機能にはどんなものがあるの?
A:衝突被害の回避や軽減を図る「衝突軽減ブレーキ」、単眼カメラが標識を認識し、標識の見逃しを防ぐ「標識認識機能」などが搭載されています。
Q3:ヴェゼルはサポカーに該当するの?
A:ヴェゼルは「サポカーS・ベーシック+」に該当します。
※記事の内容は2019年6月時点の情報で執筆しています。