2021年11月8日、マツダはミドルクラスSUV「CX-5」を大幅改良したことを発表しました。
筆者は公式発表前に開催された事前撮影取材会に参加。その模様をレポートします。
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ビッグマイナーチェンジ!変更点まとめ
本記事タイトル、見出しともに「ビッグマイナーチェンジ」と記しました。本記事執筆時点では、他のメディアがどう伝えるかわかりません。たとえほかが単に「マイナーチェンジ」と伝えたとしても、筆者は取材を終えて「ビッグマイナーチェンジ」と感じたので、そのまま修正しないつもりです。
「ビッグマイナーチェンジ」と「マイナーチェンジ」の違いについての定義はありません。外観が大きく変わるデザイン変更が行われると「ビッグマイナーチェンジ」と呼ばれることが通例です(自動車メーカーが国土交通省へ届け出る型式変更の必要性がないと、マイナーチェンジとされるのが基本)。
今回のCX-5の商品改良(マツダは「マイナーチェンジ」という表現は使わず「商品改良」と伝えるのが基本スタイル)では、外観が大きく変わった、と言いがたいですが、車の基本部分からしっかりと見直して手を加え、その変更点は多数。このため、筆者は「ビッグマイナーチェンジ」と表現しました。
それでは、マイナーチェンジを受けたCX-5の変更点をまとめてお伝えします。
デザイン
ヘッドライト
マイナーチェンジ前は、丸形ライトに直線状のLEDを組み合わせたデザイン。L字型を横に並べたLEDを配したデザインに変わった。
フロントグリル・ウィング
フロントグリルとマツダのシグネチャーウィングのデザインが変更されました。SUVらしい力強さが加わった感じですね。
リアコンビネーションランプ
マイナーチェンジ前は、丸形のランプを外側に配したデザイン。L字型LEDランプを2つ並べたデザインに変わりました。フロントとリアのライトデザインを統一するのは、マイナーチェンジ前からの手法。
特別仕様車ごとのカラーリング
3つの特別仕様車は、それぞれバンパー下部、サイドスカート、ドアミラー、ピラーのカラーリングを変わっています。
フロント、サイドの下部は、
Exclusive Mode:ボディ同色
Sports Appearance:ピアノブラック
Field Journey:つや消しブラック
とそれぞれの特別仕様車の特性にあわせて変えられています。
新色「ジルコンサンドメタリック」
ジルコンサンドとは、合金を鋳造するときの型に使われる砂のこと。アウトドアスポーツやオフロード走行が似合う新色です。
これまでのCX-5は、都会派SUVのイメージでしたが、アウトドア派SUVのイメージが追加されました。
※ジルコンサンドメタリックは、全車に設定されています。
ダイナミクス性能
「MI DRIVE」
マイナーチェンジ前は、「スポーツ」と「ノーマル」の2種類のドライブモードでした。改良を受けたCX-5の4WD車のドライブモードには「オフロード」が追加されました。
「MAZDA INTELLIGENT DRIVE SELECT」略して「MI-DRIVE」と名付けられたドライブモードが採用されています。
ロードノイズ低減
操縦安定性・乗り心地・NVH(静粛性・耐振動性)性能を一緒につくりこみ、新たな「人馬一体」感を実現した、とマツダは伝えています。
基本構造
車体フレームに減衰構造を採用、また車体とシートフレームの取り付け剛性を向上させています。これにより、乗り心地や操縦安定性、運転する楽しさが向上するはずです(まだ試乗できていないので実際のフィーリングは不明です)。
※今回のマイナーチェンジでは、パワートレイン(エンジン、トランスミッションなど)の変更はありません。
パッケージング
ラゲッジルーム
サブトランクは形状を変更し容量拡大、フロアボードは前後・上段下段に2分割が可能となりました。また、テールゲートと開口部と荷室フロアの段差をなくすという工夫も。
特別仕様車「Field Journey」のサブトランクには防水加工を施し、フロアボードはリバーシブルで片面が防水仕様となり、濡れものもそのまま積めるアウトドア仕様となっています。
ワイヤレス充電
スマートフォンを置くだけで充電できる「Qi」規格対応のワイヤレスチャージャーが設定されました。
ハンズフリー機能付きパワーリフトゲート
リアバンパーの中心下側に足を入れると、自動でリアゲートが開閉する機能を追加しました。
安全性能
アダプティブLEDヘッドライト(ALH)
グレアフリー(防眩)ハイビームLEDは、マイナーチェンジ前の12分割から20分割に増えました。これにより夜間の視認性が向上しています。
クルージング&トラフィックサポート(CTS)追加
定速走行、車線維持をサポートする先進技術が追加されました。
2つの特別仕様車
スポーティーで都会的な印象の「Sports Appearance(スポーツ アピアランス)」と、アウトドア派でオフローダーのイメージも感じる「Field Journey(フィールド ジャーニー)」の2つの特別仕様車が設定されました。
【画像】新たな特別仕様車「Sports Appearance」
新たな特別仕様車「Field Journey」
「PRO-XROSS STYLE」外装パッケージ装着車
発売時期・価格
改良版マツダ CX-5の発売は、2021年12月上旬を予定しているとのことです。
価格
Sports Appearance:325万6,000〜380万6,000円
Filed Journey:323万4,000〜355万3,000円
Exclusive Mode:352万5,500〜407万5,500円
現在2代目となるCX-5は、2016年12月に発売されたモデルです(日本市場において)。フルモデルチェンジ後5年目で大幅な商品改良が行われました。
2021年度上半期(4〜9月期)の登録車新車販売台数は第32位の7,232台と堅調なセールスを記録しています。
CX-5は、これまでアウトドア派やオフロード好きからは敬遠されていましたが、「Field Journey」の追加でその流れが変わってきそうです。
ちなみに、2021年度上半期登録車販売台数第31位はスバル「フォレスター」。販売台数は肉薄しています。新しくなったCX-5、ライバルを追い抜くことができそうです。
以上、“ビッグマイナーチェンジ”を受けた新しいCX-5の発表前撮影取材会のレポートでした。
(撮影・取材・文:宇野 智)
※記事の内容は2021年11月時点の情報で制作しています。