日産「フェアレディZ」の魅力といえば、美しさを感じさせるロングノーズ・ショートデッキのスポーツカーの王道といえるスタイリングや、走行性能の高さが真っ先に挙げられるのではないでしょうか。しかし、乗った瞬間に「フェアレディZ」の魅力を乗員に実感させてくれるこだわりの内装も決して見逃せないポイントです。
ここでは、フェアレディZの内装について詳しく紹介します。
この記事のPOINT
- フェアレディZはグレードによってインテリアカラーの選択肢が異なる
- 「フェアレディZ NISMO」はレカロ製のスポーツシートを標準装備
- フェアレディZの荷室はゴルフバッグが2個積み込める容量を確保している
フェアレディZの室内空間の特徴
フェアレディZはFR(後輪駆動)のピュアスポーツカーであり、一般的な乗用車のように室内の広さや車内での快適さを追求したモデルではありません。スポーツモデルならではともいえるドライバーが車との一体感を感じられる包まれ感のあるコックピットや、サーキット走行におけるコーナリング時のGに耐えられるように低いヒップポイントを確保しているのが特徴です。
また、低いシート位置からでも左右に広い視界を確保し、コーナリングの先を見通せるよう工夫されたピラー位置、メーター類の大径化、ステアリングのリム形状の上部両サイドを膨らませることでメーターの視認領域を拡大するなど、スポーツカーとしての性能を追求したパッケージングとなっています。
質感にもこだわり、やわらかい手触りが魅力の合成皮革「ソフィレス」をセンタークラスターに、上質なスエードのような素材の「フォルトスエード」をドアトリムにあしらい、大人が満足する質の高さを追求しているのも特徴です。
フェアレディZのグレードごとの内装
ここからは、フェアレディZのグレードごとの内装について見ていきましょう。
「フェアレディZ」/「フェアレディZ バージョンS」
フェアレディZは、インテリアデザインはグレードによる違いはほとんどありません。インパネは全グレード共通してブラックをベースとしており、メーター類に効果的にレッドをあしらうことでアクティブな雰囲気を演出しています。
インパネ中央部には油温計、電圧計、デジタル時計の3連サブメーターを設置。
スポーティーさを際立たせるアルミ製ペダルも全車に標準装備です。
基本となるグレードの「フェアレディZ」と、走行性能を高めた「フェアレディZ バージョンS」のシートはブラックで、表皮の素材は扱いやすいファブリックが採用されています。
「フェアレディZ バージョンT」/「フェアレディZ バージョンST」
バックビューモニターやBOSEサウンドシステムなどの快適装備を標準装備する「フェアレディZ バージョンT」「フェアレディZ バージョンST」は、ブラックとパーシモンオレンジの2色からインテリアカラーの選択が可能です。
落ち着いたクールさが持ち味のブラックと、アクティブさの際立つオレンジ、個性の異なる2つのカラーの設定があるのはうれしいポイントといえるでしょう。
シートは本革とスエード調ファブリックを組み合わせたコンビシートで、質感の高さを演出すると同時に滑りにくさをも実現しています。
なお、シートにはヒーターが付属するほか、パワースライド&リクライニング機能も搭載されており、スポーツ走行だけでなく街なかでのドライブ時も快適に過ごすことができるように配慮されています。
「フェアレディZ NISMO」
日産のレーシングブランドであるNISMOが手掛ける「フェアレディZ NISMO」では、ブラックを基調に、シートやステッチなどにNISMOの象徴であるレッドがあしらわれるのが魅力です。
NISMOロゴとレッドリングをあしらった専用大型のタコメーター、アルカンターラを使用した専用ステアリングホイールなど、多数の専用装備が特別なモデルであることを実感させてくれるでしょう。
特筆すべきはレカロ社と共同開発し、フェアレディZ専用チューニングが施されたスポーツシートが標準装備されること。スポーツカーに求められるホールド性はもちろん、フィット感、ダンピング性にも優れているため、サーキットでのスポーツ走行も存分に楽しめるでしょう。
フェアレディZの座席周りの収納
座席周りの収納はドライブの快適性を左右するポイントといえます。ピュアスポーツカーの場合、ファミリーカーのような充実したポケッテリアは期待できないのが常ですが、フェアレディZには2シータースポーツカーとしては充実したポケッテリアを備えています。
運転席・助手席シートバックスペース
2シータークーペであるフェアレディZには、フロントシートのシートバックに小物を置くスペースが確保されています。シートを前に倒すことなく使用できるのもうれしいポイント。ハンドバッグや上着程度であれば収納可能です。
リアアクセサリーケース
シートバックスペースには、アクセサリーケースも用意されています。こまごまとしたものを収納しておくスペースとしても役立ちますが、車検証が入るサイズなので書類入れとして活用してもいいでしょう。
グローブボックス(ダンパー、ロック機能付き)
助手席前のグローブボックスは、現行型であるZ34型で新たに採用されました。それほど大容量ではありませんが、ドライブの際に必要になる小物を収納すると車内をすっきりと保つことができるのではないでしょうか。
ロック機能付きなので、人に見られたくないものを収納しておく場所としても適しています。
センターコンソールボックス
センターコンソールにも小物を入れるスペースが確保されています。
カップホルダー(センターコンソール部)
センターコンソールの前には、カップホルダーが1個あります。
カップホルダー(ドアポケット部2個)、ドアポケット
左右のドアにはそれぞれカップホルダーと、ガムやリップクリームなどの小さなものが収納できるポケットがあります。
インストアッパーボックス(フェアレディZに標準装備)
最も価格の安いベ―スグレードである「フェアレディZ」には、ほかのグレードに搭載している「NissanConnect(カーウイングス)ナビゲーションシステム」が標準装備されておらず、その場所にインストアッパーボックスが設置されています。
なお、「フェアレディZ」であってもオプションでNissanConnect(カーウイングス)ナビゲーションシステムを追加した場合には、インストアッパーボックスは装備されません。
フェアレディZの荷室
走行性能を極めたスポーツカーの場合、荷室の実用性はあまり考慮されていないケースが多い傾向がありますが、フェアレディZでは日常的な使い勝手にも配慮し、ゴルフバッグが2個積み込める容量を確保しています。
大型の荷物も出し入れしやすいように形状が工夫されていることに加え、全車に電磁式バックドアオープナーを備えているため、利便性は十分といえるでしょう。
フェアレディZはデザイン性だけでなく使い勝手の良さにも配慮されているのが魅力
フェアレディZはシビアに走行性能を追求するスポーツカーでありながら、使い勝手の良さにも配慮されているのが特徴です。インテリアデザインはスポーツカーらしいレーシーな雰囲気を確保しているため、スポーツカーらしさと毎日乗る車としての利便性を両立させているモデルといえるでしょう。
よくある質問
Q1:フェアレディZの室内空間の特徴は?
A:フェアレディZは走行性能を追求したピュアスポーツカーのため、ドライバーが車との一体感を感じられるコックピットや、サーキット走行におけるコーナリング時のGにも耐えられるように低いヒップポイントを実現するパッケージングとしているのが特徴です。
Q2:フェアレディZの内装のグレードごとの違いは?
A:「フェアレディZ」と「フェアレディZ バージョンS」のインテリアカラーはブラックのみ、シート素材はファブリックですが、「フェアレディZ バージョンT」「フェアレディZ バージョンST」ではインテリアカラーが2色から選択できることに加え、シートは本革とスエード調素材のコンビシートにグレードアップします。「フェアレディZ NISMO」ではレカロ社製のスポーツシートが標準装備です。
Q3:フェアレディZの荷室は?
A:フェアレディZの荷室はゴルフバッグが2個積載できる容量を確保していることに加え、大きな荷物を積み込みやすい形状に工夫されています。また、全車に電磁式バックドアオープナーを備えているため、利便性は十分といえるでしょう。
※記事の内容は2021年9月時点の情報で執筆しています。