2021年6月に発表、8月から発売された日産の新型プレミアム・コンパクト「ノート オーラ」。
2021年9月8日、日産はノートオーラが発売から3週間で受注1万台を突破したと発表。その後、日産がメディア向けに開催したオンライン意見交換会でのレポートでは、10月3日までの受注台数が16,870台となったと伝えられました。
ちなみに、9月の登録車(軽自動車=届出車を除く)販売台数1位はトヨタ ヤリスの12,698台(出典:自販連。受注台数は販売台数と異なるので注意)。ヤリスは派生モデルでSUVの「ヤリスクロス」の台数が含まれる数字。ノートオーラの受注は、すこぶる好調といえるでしょう。
9月のノートの販売台数は、6,830台の4位。時期的にこの台数に含まれていないか、含まれたとしてもわずかなはず(自販連の販売台数は、ノート、ノートオーラ、ノートオーラNISMO、ノートAUTECH CROSSOVERの合計でカウントされる)。今後、ノートオーラの販売台数が上乗せされていくことが容易に推測できます。
すなわち、ここのところずっと販売台数1位の座をトヨタだったところ、久しぶりに日産が1位の座を奪還する可能性が見えてきました。
ちなみに、ヤリスは2020年4月から18ヵ月連続で登録車販売台数連続1位をキープ、2020年3月はカローラで。2020年1、2月がライズ……遡ると日産が最後の1位を飾っていたのは、2019年1〜3月のノート。2018年では1〜3月がノート、4〜7月がトヨタ アクア、8〜9月がノート、10〜12月がアクアといい勝負をしていました。
トヨタの新型車デビュー攻勢はすばらしく、マーケティング的にも成功。実際にいいクルマをどんどんと繰り出してきています。しかし、このままトヨタ一強の時代を確固たるものとして築き上げてしまうのは、いち自動車ファンとしてもちょっとさみしい 。
「#がんばれ日産」のハッシュタグが付いたSNS投稿が散見されるようになりました。1980年代を中心とした『トヨタ VS 日産』のデッドヒートをもう一度見たいという方、たくさんいらっしゃると思います。
筆者的には、トヨタさんには申し訳ないですが、今年はどこかで日産に1ヶ月でもいいから、勝たせてあげたい。そう強く願っております。
すっかり前置きが長くなりましたが、ノートオーラが多くの方に支持されていることがおわかりいただけたと思います。
そこで今回は、ノートオーラの価値を筆者的解釈でお伝えしようとすべく、日没の都心で試乗をしてみたのでした。
その様子は、こちらの動画でご覧ください。
<チャプター>
0:00 オープニング・ショット
0:09 丸の内→皇居 内堀通り
2:11 エクステリア
3:11 東京タワー
4:07 インテリア
9:10 スカイツリー
9:42 室内空間
10:10 東京駅
11:24 BOSE パーソナルプラスサウンドシステム
13:24 まとめ・都道484号豊洲有明線
ノートオーラの価値とは?
「今までの国産車にはなかったプレミアム・コンパクト」がノートオーラの価値。そのひとことに尽きる、と筆者は感じています。
次世代型となったシリーズ・ハイブリッド「e-POWER」は、標準型ノートよりも走りが洗練され、静粛性も向上。インテリアの質感も上々。デザインもいいですね。
2021年10月20日には、ノートとノートオーラが、2021年グッドデザイン賞を受賞しています。
2021年10月27日には、ノートとノートオーラが、自動車アセスメント(JNCAP)で「衝突安全性能」と「予防安全性能」等を統合して評価する総合評価。「自動車安全性能2021」で最高評価「ファイブスター賞」を獲得したと報じられました。かんたんにいうと、最も安全性能が高い車のひとつに仲間入りしたということです。
2021年10月29日は、「2021 – 2022 日本カー・オブ・ザ・イヤー」にノートとノートオーラ、ノートオーラNISMO、ノート AUTECH CROSSOVERがノミネートされました。
この後の一次選考を通過し「10ベスト」に入り、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞すれば、文句なし。日産車の受賞は、第33回(2011 -2012)のリーフが最後でした。ここでもトップを獲ってほしいですね(しかし、ほかのノミネート車もなかなかいい)。
すでに、セールス、デザイン、安全性能ではお墨付き。ここまできたら、ノートオーラの価値は多くを語らずともおわかりいただけることでしょう。
冒頭で掲出したYouTube動画では、4:07〜インテリアをすみずみまでチェック、9:42〜室内空間 の広さについてレポートしています。
音楽好きは「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」を選びたい
BOSEと日産の共同開発で誕生した、ノートオーラ専用の「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」は、音楽好きにはぜひともチョイスしていただきたいオプション。
「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」は、「NissanConnectナビゲーションシステム」「プロパイロット」などとセットオプションとなり、その装着率はなんと86%!ほとんどの方が選んでいます。
このBOSEのオーディオだけでもノートオーラを選ぶ価値あり、といって過言ではないと筆者は思っています。電気モーターの走りは静粛性が高く、いい音で音楽を聴くには最適。
「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」の最大の特徴は以下の2つ。
- 運転席・助手席ヘッドレスト内蔵スピーカー(ノートオーラ専用)
- 音の広がりを調整できる「Personal Space」機能
あたかも目の前でプレーヤーが演奏、歌っているかのような臨場感と、解像度の高い音に驚くはず。お気に入りのヘビロテ曲を聴いたら「こんな音も鳴っていたんだ!」という新しい発見もできるでしょう(もちろん普段聴く再生環境によりますが)。
YouTube動画では、「Personal Space」の音の広がりかわかる撮影に成功しています。11:24〜ご覧いただけます(ヘッドホン推奨)。
今回の試乗車は2WDの「G leather edition」。次は、走りの良さがさらに際立つ4WDで長距離ドライブに行きたいと思います。
ノートオーラ受注状況
最後に、日産から共有いただいたノートオーラ受注状況レポートをまとめてお伝えします(2021年10月3日時点)。
販売グレード構成
グレード | シート | 受注構成比 |
---|---|---|
G | ファブリック | 26% |
G FOUR | 7% | |
G leather edition | レザー | 46% |
G FOUR leather edition | 20% |
※「FOUR」は4WD車
レザーシート車の受注構成比が、66%と高いことが特徴です。
グレード別ボディカラー構成
ボディカラー | G | G leather | 平均 |
---|---|---|---|
ピュアホワイトパール | 19% | 17% | 17% |
ピュアホワイトパール/スーパーブラック(2トーン) | 12% | 19% | 16% |
ガーネットレッド/スーパーブラック(2トーン) | 14% | 15% | 15% |
ミッドナイトブラック | 10% | 12% | 11% |
オーロラフレアブルーパール | 9% | 8% | 9% |
ダークメタルグレー | 8% | 5% | 6% |
バーガンディ | 8% | 5% | 6% |
ステルスグレー | 5% | 6% | 5% |
ミッドナイトブラック/サンライズカッパー(2トーン) | 4% | 6% | 5% |
ブリリアントシルバー | 5% | 3% | 4% |
ビビッドブルー/スーパーブラック(2トーン) | 3% | 2% | 3% |
プレミアムホライズンオレンジ | 1% | 1% | 1% |
オリーブグリーン | 1% | 0% | 1% |
オペラモーブ/スーパーブラック(2トーン) | 1% | 1% | 1% |
※「G」「G leather」は「FOUR」を含む。
2トーンカラーの選択律が40%となっています。
インテリアカラー構成比
ブラック | エアリーグレー |
0.79 | 0.21 |
駆動方式比率
2WD | 4WD |
0.72 | 0.28 |
4WD比率が約30%と高めの傾向。筆者は、積雪地帯ではないが走りの質の良さを好感して購入されているのでは、と推測しています。
オプション構成
寒冷地仕様 | BOSE・ナビ・プロパイロット |
41% | 86% |
※「BOSEパーソナルプラスプレミアムサウンドシステム」「プロパイロット」「NissanConnectナビゲーションシステム」はセットオプション。
画像ギャラリー
(撮影・取材・文:宇野 智)
※記事の内容は2021年10月時点の情報で制作しています。