日産のコンパクトSUVとしてデビューしたジューク。クーペとSUVを融合させたかのようなデザインが日本だけではなく世界でも人気を博し、世界的なコンパクトSUVブームの火付け役となったモデルでもあります。そのため、中古車の流通量も1,000台をゆうに超え、さらにグレードの種類も多いので自分に合った1台を選ぶのはなかなかたいへんです。今回は中古車のジュークならどのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車の日産「ジューク」は2018年式15RX V Selection
- 細かく分けられたパッケージの内容を要チェック!
中古車のジューク、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら2018年式 15RX V Selectionを120万円で買う!
現在のコンパクトSUVブームの火付け役であるジューク。それだけにさまざまなユーザーに向けてグレードも多く設定されています。
その中でも筆者がおすすめしたいのは2014年のマイナーチェンジの後、2015年11月に登場した「15RX V Selection」です。ジュークの場合はモデルライフが長かったため、2015年11月以前のモデルには先進安全装備の用意がありません。基本的にジュークを狙うなら、それ以降のモデルとなります。
そもそも、ジュークのグレードは大まかに分けて1.5L NAエンジンを搭載する「15RX」、1.6Lターボエンジンを搭載する「16GT」、日産のワークスチームであるニスモが手掛ける走行性能に特化した「NISMO」の3種類。そして「NISMO」はベースとなるのが16GTの4WD車なので実質は2つのグレードといってもよいでしょう。
2015年11月以降のモデルであれば、ベースグレードの「15RX」でもオートエアコンやフロントのスーパーUVカットグリーンガラス、そして今となっては最低限の先進運転支援装備となったエマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)とLDW(車線逸脱警報)を標準装備するなど普段使いには十分な機能を備えています。さらにステアリングホイールにも本革が使用されるなど、インテリアの質感も上々。
そして私がおすすめする「15RX V Selection」はサイドターンランプ付き電動格納式リモコンカラードドアミラー、インテリジェントキー、エンジンプッシュスターター、そしてイモビライザーなど、あるとうれしい人気の装備が与えられています。
それでいて中古車市場を見ると、およそ6分の1がこのグレード。相場のボリュームゾーンは120万円台からですが、100万円台前後からでも狙えるということでコストパフォーマンスは相当高いといえるでしょう。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車のジューク
イチオシモデルとして紹介した「15RX V Selection」以外にも、ジュークはさまざまな視点から魅力的な中古車を探すことができます。
先ほどおすすめグレードとして挙げた「15RX V Selection」には「パーソナライゼーション」と「ドレスアップ」、そして「Style NISMO」と「Urban Selection」という4つのパッケージ設定がされています。
ボディカラーにこだわるのであれば、「パーソナライゼーション」。ボディカラーやエクステリアの各パーツ、そしてインテリアのパーツの色をすべて自由にセレクトできるため、そのパターンはなんと81種類! 人とはちょっと違うカラーの中古車を探したい方にはピッタリです。
そして「ドレスアップ」にはボディカラーに専用カラーとしてツートンカラーが用意され、さらにホイールも17インチのアルミホイールに変更されています。
「Style NISMO」はフロントグリルや前後バンパー、オーバーフェンダー、サイドシルプロテクター、ルーフスポイラー、エキゾーストフィニッシャーなどのエクステリアパーツにNISMO専用のものを使用しているのが特徴で、NISMOのスタイルが楽しめるようになっています。
「Urban Selection」はキセノンヘッドランプや専用のクールブラックフロントグリル、クールブラックバックドアモール、クールブラックの17インチアルミホイールなどが備えられていますが、最大の特徴はローダウンサスペンションを採用したことで車高1,550mmと「15RX V Selection」(1,565mm)よりも車高が下がったこと。これにより都心部に多い立体駐車場に対応できる仕様になっています。
装備面が充実した「15RX V Selection」から、より自分に合ったパッケージを選ぶという探し方もひとつの手段といえるでしょう。
ジュークのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
クーペのようなフォルムのSUVとして2010年にデビューを果たしたジューク。世界的なブームとなったコンパクトSUVの先駆けともいうべきモデルで、そのデザインはまさに独特。ラリーカーの大型フォグランプをイメージしたヘッドランプに、テールランプはブーメラン型というたたずまいは本当に似た車がありません。
登場時、日本仕様車は1.5Lのエンジンを積んだFF車であり、アウトドアシーンで活躍するために4WDが必須というSUVのイメージを崩しました。
デビューから半年後には1.6Lエンジンを積んだ「16GT」と4WD仕様の「16GT FOUR」が新たに追加。ジュークはあくまで都会派SUVの立ち位置を崩さず、2013年にはスポーティーな走りを味わえるジュークNISMOが登場しました。
そしてこの年の8月には「15RS Type V」、「15RX Type V」、「15RX アーバンセレクション」にアイドリングストップシステムとVDC(横滑り防止装置)を新たに搭載。VDCは全グレードで標準装備になりました。
翌2014年にはマイナーチェンジが行われました。フロントのVモーショングリルに立体感を持たせ、ブーメランシェイプのシグネチャーLEDポジションランプとシグネチャーLEDリアコンビネーションランプを採用。
ドアミラーもブーメラン型のサイドターンランプを組み込んだ新デザインを採用してエクステリアの印象がガラッと変わることに。
この後は前述した2015年11月の一部改良で先進安全装備がNISMO以外に標準装備となり、2016年7月にも一部改良でオプションパッケージの内容変更などが行われています。
2019年には生産終了、デビューから10年目となる2020年6月に日本でのジュークの販売が終了しました。欧州では2代目モデルが登場したものの、現在まで日本導入は行われていません。
こちらもおすすめ! タイプ別にジュークの中古車を選ぶなら
●50万円台から狙うなら「2016年式15RX」 中古市場の相場20万~160万円
この年式のジュークはベースグレードの「15RX」の時点でオートエアコンやフロントのスーパーUVカットグリーンガラス、先進安全装備を搭載しているだけでなく、ステアリングホイールも革巻きとインテリアの雰囲気もなかなか上質なもの。それだけにベースグレードでも満足度は高いはずです。
ベースグレードである「15RX」の中古車流通量は200台前後。価格は100万円以下からでも十分狙えるものばかり。お手頃価格で掘り出し物に出会う可能性も高そうです。唯一の注意点は「シンプルパッケージ」。こちらを選んでしまうと、ステアリングホイールやインテリジェントオートライトシステムなどの最低限の装備すら省かれてしまい、エアコンもマニュアルにグレードダウン。その分価格を下げた最廉価グレードですが中古車市場ではさほど価格差がないので、購入の際にはしっかり確認しましょう。
●アウトドアシーンで使い倒すなら「2016年式16GT FOUR」 中古市場の相場40万~140万円
コンパクトSUVの先駆けとなったジューク。それだけに従来のSUVと比べると、ややパワー不足な点は否めません。アウトドアで遊ぶにはちょっと頼りなさげに思えますが、そうした不安を払拭するのが「16GT」。大排気量エンジンを思わせる圧倒的な加速性能を誇る1.6Lターボエンジンを搭載し、俊敏でスポーティーな走りが楽しめます。高速道路での長距離移動などでも頼れる相棒となるでしょう。
また、4WD車である「16GT FOUR」を選べば、アウトドアシーンで悪路を走ることになっても、パワフルな走りでSUVらしさが体感できます。
ちなみに「16GT FOUR」の装備は「Urban Selection」とほぼ同じですが、唯一違うのがヘッドランプ。「Urban Selection」はキセノンヘッドランプが標準装備になっていますが、「16GT FOUR」ではメーカーオプション。通常はハロゲンヘッドランプになっているので、ライトの明るさにこだわる場合は注意したほうがいいでしょう。
●走りをトコトン楽しむなら「2016年式NISMO RS」中古市場の相場110万~160万円
クーペのようなデザインが魅力のジューク。それだけにスポーティーな走りを楽しみたいというユーザーも多いことでしょう。そうした方にピッタリなのが「NISMO RS」。単にNISMOのデザインを楽しむのであれば「Style NISMO」でもいいですが、「NISMO」はキセノンヘッドランプ、LEDハイパーデイライト、10本スポークの専用18インチアルミホイールを備えるなど、ルックスにより迫力が出ているのが特徴です。専用のサスペンションや車速感応式電動パワーステアリングを搭載したことで走りがスポーティーになっているのもうれしいポイントです。
さらに「NISMO RS」ではワークスの最先端の技術を投入し、ボディの剛性を大幅に高め、最高出力が214psにまで引き上げられたエンジン、さらに大径ローターのフロントディスクブレーキやベンチレーテッド化したリアブレーキローター、専用エキゾーストシステムなどを採用。ジュークで走りをトコトン楽しみたいのであれば、このグレード一択となるでしょう。
ジュークの中古車ならではのチェックポイントはココ
基本は2015年11月以降のモデル、そしてパッケージの違いを確認する
前述のようにジュークに先進安全装備が用意されたのは2015年11月です。そのため基本的にそれ以降のモデルを探すのが前提となります。
そしてジュークには大まかに分けると4種類のグレードがあります。厄介なのが細かく設定されたパッケージ。どれもジュークの個性を強調するものなので、こだわりたい方には欠かせないものですが……どこを優先するかで大きく変わってきます。
例えばボディカラーに個性を持った中古車を探したいのであれば「パーソナライゼーション」がおすすめ。ツートンカラーが欲しいなら「ドレスアップ」、都心部で立体駐車場を利用することが多い場合は「Urban Selection」を。
自分のこだわりたいポイントや車の用途を考えてパッケージの違いを確認するとより自分に合った車に巡り合うことができるでしょう。
オプションの有無を要チェック
ジュークはベースグレードの「15RX」の時点である程度の装備を備えています。一方、外観ではいくつかのオプション設定が用意されています。
そのひとつがヘッドランプ。通常はハロゲンヘッドランプなのですが、「15RX V Selection」と「16GT」と「16GT FOUR」の「パーソナライゼーション」「ドレスアップ」ではより明るいキセノンヘッドランプをメーカーオプションで選ぶことができます。また、足回りも一部グレードで17インチの専用アルミホイールを選択できたので、中古車購入時はその違いをチェックしましょう。
リコール対象の年式は対策を受けているか要チェック
2010年の5月から2011年7月に販売されたジュークはリコールの対象で、エンジンコンピューターのプログラムに不備があり、突然のエンストや加速不良を起こす危険があります。該当台数は42,000台を超えています。また2015年8月〜2017年12月製造車の14,000台以上についてもブレーキのリコールがありました。
中古車で購入する際は年式をチェックし、リコール対策を受けたかを確認したほうがいいでしょう。
ジュークの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
街乗りでの燃費の良さを求めるなら「トヨタC-HR」
コンパクトSUVというジャンルにおいて、直接のライバル関係となるのがトヨタ C-HR。ジューク同様、シティユースを意識した設計で、全高1,550mmと立体駐車場を利用することを前提としたサイズに。さらにクーペを意識したスポーティーなエクステリアデザインもジュークとよく似たコンセプトです。
この2台の最大の違いは燃費。C-HRはガソリン車だけでなく、ハイブリッドモデルも用意されているため、燃費性能に関してはC-HRに軍配が上がります。デビューが6年違うため、先進安全装備もジュークと比べると、C-HRのほうが充実しています。
積載性、車内空間の広さを求めるなら「初代ホンダヴェゼル」
同じコンパクトSUVのもうひとつのライバルとなるのが、つい最近2代目が登場したホンダヴェゼルの初代モデル。こちらもガソリン車とハイブリッド車を用意しているという点でジュークよりも燃費の面で優れていますが、ヴェゼルの魅力は室内空間の広さ、積載性の高さにあります。
フィット譲りのホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用したヴェゼルとジュークのでは室内空間の広さに圧倒的な差があります。特に後部座席に座ったときの広さはヴェゼルがダントツ。さらに荷室の容量もヴェゼルの圧勝。ジュークに比べてスタイルがやや凡庸なヴェゼルですが、アウトドアなどで大荷物を積むときにはヴェゼルに軍配が上がりそうです。
運転のしやすさを重視するなら「スズキクロスビー」
最後に比較するのはスズキクロスビー。ジューク同様に個性的なエクステリアデザインで人気を博していますが、丸みを帯びたデザインのジュークと箱型のデザインのクロスビーとではデザインテイストに大きな違いが。そしてこの形状こそが、2台の違いを明確にしています。
運転がしやすいのは箱型のデザインになっているクロスビー。フロントオーバーハングが長く、フロントガラスの傾斜が大きいジュークは前方の見切りがさほど良くありませんが、クロスビーは箱型のデザインによりフロントガラスが垂直に立っているため、前方の見切りは抜群。車の最先端の部分が確認しやすいため、細い路地を走る際には重宝することでしょう。運転が苦手な方にもピッタリです。
また後方の視界に関しても、後部座席横のサイドウィンドウが斜めに切れ上がっているようなデザインのジュークでは確認しづらく、三角窓も用意して視界を得ようとしているクロスビーとは大きく違います。
中古車のジュークを賢く探すなら
では、中古車のジュークをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合わせた保証をつけることができます。
カーセンサーnetのジュークの掲載件数は1312件、価格帯は10万~210万円となっています。
※いずれも2021年7月22日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証がつく「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車のジュークの掲載台数は1308件、価格帯は10万~210万円となっています(※)。
※いずれも2021年7月22日時点の情報です。
ベースグレードが意外と充実しているも、パッケージの違いには注意を
ジュークは2015年11月以降のモデルであれば、ベースグレードの時点で装備が充実しています。そのためグレードの違いについてはあまり気にならなるところがありませんが、注意したいのが設定されたあらゆるパッケージ。ボディカラーやホイールなど、車の見た目に関する部分の変更が細かく加えられていることがあるため、エクステリアのデザインを自分好みにしたいという方はパッケージ設定の確認をしっかりしておいたほうがいいでしょう。
よくある質問
Q1:中古車のジューク、どれを買うべき?
A:おすすめは2015年11月以降の基本装備が充実している「15RX V Selection」ですが、エクステリアのデザインにこだわるなら4種類のパッケージの違いについてもチェックを。車のボディカラーにこだわる場合は「パーソナライゼーション」や「ドレスアップ」を狙ってみると、満足できる車が見つかるはずです。
Q2:中古車のジュークを買うときに気を付けたいポイントは?
A:装備に関してはさほど違いがないのですが、ヘッドランプは一部グレードでメーカーオプションが設定されていることがあるので、気になる方はチェックを。また一部の年式の車にはリコール対象のものあるので、整備記録などを見て不具合がないかをしっかり確認しておいたほうがいいでしょう。
Q3:中古車のジュークはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のジュークに乗ることができます。
※記事の内容は2021年7月時点の情報で制作しています。