日産ティアナはモダンリビング、おもてなしというコンセプトを持つミドルサイズのFFセダンです。2008年に登場した先代モデルはモダンリビングのコンセプトを踏襲しつつ、外観デザイン同様に曲線を多用したデザインを採用しました。そして、2013年に登場した最終モデルは、これまでのコンセプトを踏襲しつつ、走りの快適性を向上させました。そのために、リアに新開発のマルチリンクサスペンションを投入した意欲作です。今回は中古車のティアナなら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車の日産「ティアナ」は最上級グレードのXV
- 少しでも安く高品質のティアナを手に入れるなら流通台数が豊富なXL
中古車ティアナ、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら最終モデルの最上級グレードXVを100万円以下で狙う!
現在、日産ティアナの中古車流通台数は約500台。そのうち2014年に登場した最終モデルが約250台、2008年に登場した旧型が約200台で、ちょうど半数が最終モデルとなっています。最終型ティアナの中古車の平均価格は約130万円、価格帯は約50万~約229万円と、すでに100万円以下のクルマも数多く流通しています。そして2008年に登場した旧型モデルの平均価格は約44万円、価格帯は約20万〜約120万円と底値を形成しています。
ティアナの中古車は50万〜120万円という価格帯で旧型と最終型がクロスオーバーしています。これだけ、価格帯が接近しているのであれば、あえて旧型を狙う必要はないでしょう。ティアナの中古車は最終型を中心に狙うのが正解です。もし自分がティアナの中古車を購入するならば、最終型の最上級グレードのXVを狙います。
ティアナはエントリーグレードのXE、XL、最上級グレードのXVの3グレードが用意されています。中古車の流通台数は中間グレードのXL/XLナビAVMパッケージが多いのですが、グレードによる価格差が小さいので、快適装備が充実した最上級グレードのXV/XVナビAVMパッケージを狙ったほうが購入後の満足度も高まります。現在、XV/XVナビAVMパッケージの中古車の流通台数は約70台で、価格帯は約70万〜約214万円となっています。そのうち15台が100万円以下で購入可能。ナビや駐車支援のアラウンドビューなど快適装備が充実したミドルセダンのティアナが100万円以下なんて誰も思わないでしょう。
また少しでも高品質なティアナの中古車を手に入れたいのであれば、売れ筋グレードのXL/XLナビAVMパッケージがおすすめです。中古車の流通台数は約137台で価格帯は約65万〜約228万円となっています。そのうち100万円以下の中古車は約27台と豊富です。2回目の車検を終えたばかりのミドルセダンのティアナの中古車が100万円以下で手に入るなんておいしすぎます。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車のティアナ
ちょっとレアなティアナが欲しい!という人には旧型モデルに設定されていたアクシスがおすすめです。このモデルは日産のワークスブランドであるオーテックが手がけたカスタマイズカーです。外観はメッキを多用したグリルを採用し、インテリアでは本革シートを標準装備するなど豪華仕様のモデルです。流通台数は約7台と少ないですが、価格帯は約30万〜約88万円とすべて100万円以下のリーズナブルな価格となっています。
ティアナのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
2代目の先代日産ティアナは、2008年6月から2013年12月まで販売されました。先代ティアナは、新開発プラットフォーム(D-プラットフォーム)を国内初採用し、フラットで快適な乗り心地とひとクラス上の静粛性、高い操縦安定性を高次元で両立させたミドルサイズセダンです。
外観は随所に曲線をあしらい、優雅さを演出。インテリアは、快適さと上質さにこだわったデザインとしました。インテリアは快適さと上質さにこだわり、ソフトパッドを木目調パネルの上に浮いているように配置したことで、優しい包まれ感や安心感を強くアピールするインストルメントパネル採用。
シートは、振動吸収ウレタンを採用し、シート面全体で体を支える構造としたことで、乗り心地を向上させています。さらに、初代モデルで好評の助手席オットマン機構も継続採用しています。
搭載しているパワーユニットは、最高出力252psを発生する3.5L V6エンジンと最高出力185psを発生する2.5L V6エンジン。そして4WD車には、最高出力167psを発生する2.5L直列4気筒エンジンの3種類を用意。組み合わされるミッションは、CVTで、3.5L車には6速マニュアルモード機能を搭載しています。
2008年の一部改良では、運転席・助手席SRSサイドエアバッグシステム、SRSカーテンエアバッグシステムを全車標準装備とするとともに、XVグレードにバイキセノンヘッドランプ+アクティブAFSを標準装着としました。また、2009年の一部改良では、先進の地図更新システムを装備したHDD方式のカーウイングスナビゲーションシステムを採用しました。
先代のティアナは2012年6月にマイナーチェンジを行います。外観では新デザインのアルミホイールやリアコンビランプを採用し、より優雅さと上質さを表現しています。そしてインテリアではメーターのデザインを変更し、車両情報ディスプレイなどに白色照明を採用することで、ドライバーの視認性を高めています。さらに各種スイッチ類の色を変更し、ブラック内装の車両についてはインストルメントパネルやセンターコンソールなどの木目調も変更することで、インテリアの高級感を向上させています。
同時に、250XLをベースとし、ブラックの本革シートなどにブルーのステッチを施した専用のインテリア、ダーククロームのフロントグリル、17インチアルミホイールなどの専用装備、リアスポイラーやシルプロテクターを装着した外観が特徴の「250XL スポーティセレクション」を追加しました。
2014年1月に3代目となる最終型のティアナが登場しました。初代の「モダンリビング」、2代目の「おもてなし」のコンセプトに加え、今回の3代目では走行性能にも徹底的にこだわり、余裕のある走りと快適性を高次元で両立させているのが特徴です。
外観デザインは、従来の「ティアナ」が持っていた上質感に、ダイナミックでワイドスタンスなボディデザインを加えることにより、走りを感じさせる躍動感を強調しました。また立体的なフロントフェンダーから後方にシャープに流れる抑揚感あるキャラクターラインと、存在感のあるフロントグリルや鋭い眼光を感じさせる形状のヘッドランプを組み合わせることで、大胆で洗練されたデザインとなっています。アンダーフロアの空力部品の形状変更による最適化によりCd値:0.29という高い空力性能を実現し、走行性能だけでなく燃費性能にも貢献しています。
インテリアは2代目のコンセプトの「おもてなし」を継承した室内空間を実現しつつ、無重力状態でのヒトの姿勢を参考に開発した「スパイナルサポート機能付きシート」の採用などにより、室内の快適性をさらに向上させています。
運転席は、十分なシートスライド量の確保に加え、テレスコピックステアリングの新採用、使いやすいシフトレバーの配置などにより、さまざまな体型のユーザーに最適なドライビングポジションを提供。助手席は、ふくらはぎを支える範囲を拡大させたオットマンを採用したほか、後席ニールームはクラストップレベルの広さを実現し、それぞれのユーザーに合わせた快適性機能を追求しています。
搭載されているエンジンは、最高出力173psを発生する2.5L直列4気筒エンジンの1種類。燃焼効率や排気効率の改善などにより、中低速のトルクを向上し、街なかではキビキビした走りを、高速走行時の追い越しなどではストレスを感じさせない力強い加速を実現しています。組み合わされるトランスミッションはエクストロニックCVTで、駆動方式も2WDのみとなっています。
安全装備は、周囲の状況を把握できるアラウンドビューモニターに加え、アラウンドビューモニターの画面上に動く物体を検知し、ドライバーに注意を促す「MOD(移動物検知)機能」を採用。車線変更時に隣の車線の車両を検知して接触事故のリスクを低減する「BSW(後側方車両検知警報)」、ドライバーが意図しない車線逸脱に警告をする「LDW(車線逸脱警報) 」なども装備しています。
2015年2月の一部改良では、主要グレード「XL」「XV」に「エマージェンシーブレーキ」(自動ブレーキ)および「踏み間違い衝突防止アシスト」を標準装備し安全性を向上しています。同年12月の一部向上で、全グレードに「エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)」および「踏み間違い衝突防止アシスト」を標準装備しました。
2016年4月には、新グレード「XVナビAVMパッケージ」「XLナビAVMパッケージ」を追加。このグレードは、先進装備の「アラウンドビューモニター(MOD〔移動物検知〕機能付き)」「クルーズコントロール」「LDW(車線逸脱警報)」「BSW(後側方車両検知警報)」を搭載したメーカーオプションナビを標準装備としています。
こちらもおすすめ!ティアナの中古車をタイプ別に選ぶなら
●とにかくコスパ重視なら「最終モデルのXV/XVナビAVMパッケージ」中古市場の相場約70万〜約214万円
快適装備などが充実していて、価格以上のバリューを感じられるコストパフォーマンスの高いグレードは最終モデルのXV/XVナビAVMパッケージです。100万円以下で購入できる中古車も流通していますが、ナビだけでなく、駐車などのときに役立つアラウンドビューモニターも装備しているなど満足度が高いグレードです。
● 少しでも低価格で手に入れたいならば「最終モデルのXL/XLナビAVMパッケージ」 中古市場の相場約65万〜約228万円
最終モデルのティアナを割安な価格で手に入れたいというのであれば、中古車の流通台数が豊富なXL/XLナビAVMパッケージがおすすめです。最安値が65万円となっているだけでなく、100万円以下の中古車が27台も流通しています。中間グレードといっても快適装備は充実しています。
●ちょっと変わったモデルに乗りたいなら「旧型モデルのアクシス」中古市場の相場約30万〜約88万円
最終モデルには設定されていませんが、旧型モデルにはオーテックジャパンが手がけたカスタマイズモデルのアクシスが設定されていました。独自デザインされた外観パーツや本革シートを装着した豪華仕様のモデルです。年式が進んでいるだけあってすべて100万円以下となっているのでリーズナブルです。
中古車のティアナならではのチェックポイントはココ
ティアナは内装の快適装備をチェック
さまざまな快適装備が搭載されているミドルセダンのティアナ。こういった装備がキチンと作動するかどうかはしっかりとチェックしましょう。もし電装品で交換となると大きな出費となります。また、セダンの中古車らしく走行距離が延びているクルマが多いですが、ゴルフなどで高速走行を頻繁に行っているのであれば、コンディションは街乗り中心より良好です。ETCが装着されているかどうかなどもしっかり確認しましょう。
ドレスアップ車の場合は純正部品があるかどうか
自動車メーカーのディーラーは改造に対して、非常にシビアです。大径のアルミホイールを装着していたり、ローダウンサスペンションなどのカスタマイズをしていたりするクルマはメンテナンスなどの入庫を断られることもあります。もし純正部品以外のアルミホイールなどが装着されている場合は、一応純正品があるかどうか確認したほうがいいでしょう。
整備履歴がコンディションに直結
中古車のコンディションは前オーナーの使い方に左右されます。一般的には走行距離が少ないほうが良コンディションといわれます。しかし、走行距離が延びていても、ディーラーなどでしっかりとメンテナンスを行っている履歴が整備記録簿に残っていれば、安心して購入することができます。したがってティアナの中古車を購入する際には、必ず、整備記録簿でこれまでの履歴を確認してください。もし、この整備記録簿がないというのであれば、購入は避けたほうがいいでしょう
ティアナの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
日本国内だけでなく海外でもライバル「トヨタカムリ」
ティアナの最大のライバルは同じFFの駆動方式を採用したミドルセダンのトヨタカムリです。このライバル関係は日本国内だけでなく、海外市場でも同様です。現行モデルのカムリは2017年7月に登場しました。2.5Lエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。室内空間だけでなく、トランクスペースも広いのが特徴です。標準モデルに加えて、スポーティーグレードのWSも設定しており、充実した商品ラインナップとなっています。
ハイブリッド専用車となったミドルセダン「ホンダアコード」
ティアナと同じミドルセダンのホンダアコードは先代モデルからハイブリッド専用車となっています。現行モデルは2020年2月に登場しました。2Lエンジンと駆動・発電を行う2つのモーターを採用したハイブリッドシステムを搭載。WLTCモードで22.8km/Lという優れた燃費性能を実現しています。スタイリングはスポーティーなファストバックスタイルを採用。グレード構成は2WDのEXのみとシンプルです。ハイブリッド車ながらリアシートの背もたれが倒れて荷室が拡大するなど高いユーティリティが特徴です。
ディーゼルエンジンも用意する走りにこだわるセダン「マツダ6(アテンザ)」
マツダアテンザ改め、マツダ6は2019年7月に登場しました。一般的にはフルモデルチェンジの際に名称を変更することが多いのですが、マツダ6は一部改良で名称を変更しました。内外装は化粧直ししていますが、基本的にはアテンザのアップデートモデルです。搭載するエンジンは2L、2.5L直列4気筒自然吸気、2.5Lガソリンターボ、そして2.2Lディーゼルターボと多彩です。マツダらしく運転する楽しさは、ライバルたちを一歩リードしています。
中古車のティアナを賢く探すのなら
では、中古車のティアナをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合わせた保証を付けることができます。
カーセンサーnetのティアナの掲載件数は496件、価格帯は49.9万~228.8万円となっています(※)。
※いずれも2021年8月3日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証が付く「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車のティアナ掲載台数は489件、価格帯は9.8万~228.8万円となっています(※)。
※いずれも2021年8月3日時点の情報です。
セダン不振のあおりを受けて、全体的に割安な相場となっている
中古車は人気の条件を外すことでコストパフォーマンスの高いクルマを見つけることができます。それは車種だけに限らず、ボディタイプも当てはまります。現在ティアナのようなセダンは人気薄となっていますし、ティアナもライバルたちがハイブリッドを搭載していることで、国内の新車販売台数は苦戦し2020年に販売終了となりました。しかし中古車は人気薄であればあるほど、バリューが高くなります。このティアナのような高い実力を持ちながら、人気がないクルマというのが中古車では最も狙うべきクルマなのです。
よくある質問
Q1:中古車のティアナ、どれを買うべき?
A:旧型と最終型の価格帯がクロスオーバーしているので、割安感の高い現行型を狙いましょう。
Q2:中古車のティアナを買うときに気を付けたいポイントは?
A:低価格帯のクルマは走行距離が延びているケースが多いので、メンテナンスの頻度などはしっかり確認しましょう。ETCが装着されていれば、ゴルフなどで高速道路を多用していた可能性が高いので、パスする必要はありません。
Q3:中古車のティアナはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のティアナに乗ることができます。
※記事の内容は2021年8月時点の情報で制作しています。