車の維持費にはさまざまなものがありますが、その中でも税金や自賠責保険料などの法定費用は節約することはできません。維持費を抑えたいと考えたとき、一番節約しやすいのが燃料費でしょう。燃料費はエコ運転を心掛けることでも多少の節約が可能ですが、できるだけ節約しながらカーライフを楽しみたいのであれば、低燃費の車を選ぶのもひとつの方法です。
ここでは、スズキ「エブリイワゴン」の燃費性能についてご紹介します。
この記事のPOINT
- 駆動方式別WLTCモードカタログ燃費・実燃費はこちら
駆動方式 カタログ燃費(km/L) 実燃費(km/L) 2WD 13.3 10.1 4WD 11.3 - 全車にパワフルなターボエンジンを搭載
- ライバル車であるダイハツ「アトレー」の燃費には後れを取っている
エブリイワゴンの燃費性能の特徴
軽自動車は経済性が持ち味のひとつということもあり、低燃費を追求したモデルも多く登場しています。スズキの主力モデルである軽スーパーハイトワゴン「スペーシア」や軽ハイトワゴン「ワゴンR」などにはモーター機能付きの発電機とバッテリーを搭載し、減速時に発生するエネルギーを利用して加速時にはモーターでエンジンをアシストするマイルドハイブリッドシステムを採用していますが、エブリイワゴンにはマイルドハイブリッドシステムを搭載するグレードはありません。
その理由は、エブリイワゴンは荷物をたくさん積むことを重視した商用車がベースのキャブワゴンであることに関係しています。重たい荷物を積載することを想定しているため、燃費よりもパワーが重視されており、高過給圧化したターボチャージャーを搭載し最高出力64ps、最大トルク95Nmを発揮するエンジンを搭載し、パワフルで安定した走りを実現します。
そのため、現在の軽自動車人気を牽引する軽スーパーハイトワゴンなどと比較すると燃費は劣りますが、その分動力性能はクラストップレベルであるといえるでしょう。
エブリイワゴンのカタログ燃費
エブリイワゴンに採用されているパワートレインは660cc直列3気筒ターボエンジン+4ATの1種類で、駆動方式は2WD、4WDが用意されています。
エブリイワゴンのWLTCモードカタログ燃費は、グレード、駆動方式に関係なく13.3km/Lです。なお、グレードによってはハイルーフと標準ルーフの設定がありますが、ルーフによる燃費の差はありません。
エブリイワゴンの実燃費
エブリイワゴンに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、エブリイワゴンの実燃費(2022年12月26日時点)は以下のとおりです。
駆動方式 | 実燃費(km/L) |
---|---|
2WD | 10.1 |
4WD | 11.3 |
WLTCモード燃費は、信号や渋滞などの影響を受ける市街地モード、信号や渋滞などの影響を受けにくい郊外モード、高速道路での走行を想定した高速道路モードの3つのモードでの計測値を平均的使用時間配分で算出したもので、国際的に使用されている燃費の計測方法です。カタログスペックとしては日本でこれまで使用されてきたJC08モード燃費よりも低くなる傾向があります。
WLTCモード燃費は実際の車の使用環境により近い方法で計測されていますが、実燃費とまったく差がないというわけではなく、ある程度は差が出ることが多いようです。エブリイワゴンでも差が見られますが、許容できる範囲内といえるのではないでしょうか。
エブリイワゴンとライバル車のカタログ燃費を比較
エブリイワゴンのライバル車としては、ダイハツ「アトレー」や日産「NV100クリッパーリオ」が挙げられます。ここではこの2車種とエブリイワゴンのカタログ燃費を比較してみましょう。
ダイハツ「アトレー」
ダイハツ「アトレー」は、先代モデルは「アトレーワゴン」の名で軽乗用車としての展開でしたが、2021年12月のフルモデルチェンジ時に荷室空間の広さと積載量を活かすため、4ナンバーモデルとして生まれ変わりました。
アトレーのWLTCモードカタログ燃費は、グレード、駆動方式に関係なく14.7km/Lです。
エブリイワゴンとアトレーのカタログ燃費の比較では、アトレーに軍配が上がる結果となりました。
日産「NV100クリッパーリオ」
日産「NV100クリッパーリオ」は、積載性の高さが魅力の軽キャブワゴン。エブリイワゴンのOEM供給車であるため、エブリイワゴンの兄弟車といえるモデルです。
NV100クリッパーリオのWLTCモードカタログ燃費は、エブリイワゴンと同じく13.3km/Lです。エブリイワゴンとパワーユニットやプラットフォームを共有するため、燃費性能に変わりはありません。
エブリイワゴンの走行性能&乗り心地
エブリイワゴンはロングホイールベースながら、最小回転半径は4.5mを維持しているため取り回しやすく、狭い路地や縦列駐車もスムーズに行えます。
また、L型ロアアーム+サスペンションフレームの新構造の採用によって取り付け剛性を高め、ロードノイズの少ない快適な乗り心地を実現しています。
車を選ぶ際には、カタログ燃費や実燃費を必ずチェックしよう
燃費性能は車に必要な維持費の大半を占める燃料費を左右するため、重要な車選びのチェックポイントです。可能であればカタログ燃費だけでなく、実燃費やライバル車の燃費もチェックしておきましょう。
エブリイワゴンは積載性が魅力の商用車ベースということもあり、特に燃費性能の良さが売りのモデルではありません。エブリイワゴンの魅力は低燃費よりもターボエンジンによるパワフルな走りや積載性にあるといえるでしょう。
よくある質問
Q1:エブリイワゴンのカタログ燃費はどのくらい?
A:エブリイワゴンに採用されているパワートレインは最高出力64ps、最大トルク95Nmを発揮する660cc直列3気筒ターボエンジン+4ATの1種類で、駆動方式は2WDと4WDの両方の設定があります。エブリイワゴンのWLTCモードカタログ燃費は13.3km/Lで、グレードや駆動方式による燃費の差はありません。
Q2:エブリイワゴンのカタログ燃費と実燃費の差は?
A:エブリイワゴンの実燃費は、2WD車が10.1km/L、4WD車が11.3km/Lです。実燃費は気温などの外的要因によって左右されるためカタログ燃費よりもある程度悪化するのが一般的で、エブリイワゴンにおいても若干の差が見られます。
Q3:エブリイワゴンの走行性能や乗り心地は?
A:エブリイワゴンはロングホイールベースでありながら最小回転半径は4.5mを維持しており、小回りが利くため、狭い路地や縦列駐車などでも取り回しやすいのが魅力です。またL型ロアアーム+サスペンションフレームの新構造を採用して高い取り付け剛性を確保し、ロードノイズの少ない快適な乗り心地を実現しています。
※記事の内容は2022年12月時点の情報で執筆しています。