スバルの後席ヒンジドアの軽トールワゴン「ステラ」。現行モデルの3代目と2代目は、ダイハツ「ムーヴ」のOEM供給を受けたモデルで実用性の高さが光る1台。おすすめグレードから中古車選びの注意点までをまとめてお伝えします。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のスバル「ステラ」は3代目マイナーチェンジ後の2017〜2020年式「スマートアシストIII」搭載モデル
- 走り重視なら「カスタム RS」、安全性能と購入コストの両取りをしたいなら「L スマートアシスト」
中古車ステラ、おすすめモデルはズバリこれ。3代目マイナーチェンジ後の2017〜2020年式「スマートアシストIII」搭載モデル
スバルの軽トールワゴン、ステラは2006年にデビュー、現在は3代目となります。モデル構成はデザインの異なる「カスタム」を含めた2タイプを設定、エンジンは自然吸気(ノンターボ)とターボ(初代のみスーパーチャージャー)の2タイプ、駆動方式は2WDと4WDがラインナップしています。
ことに軽自動車は日進月歩。「最新こそ最良」という表現がぴったりとあてはまります。ステラの中古車をお探しの方に、筆者がイチオシしたいのは、最新の衝突回避支援システム「スマートアシストIII(略称:スマアシ)」が採用された、2017年8月にマイナーチェンジされた3代目後期型。2020年8月に実施された一部改良で、全車「スマートアシストIII」が標準装備されましたが、2017〜2020年式ではグレード別設定となっているため注意してください。また、2017年式はマイナーチェンジ前のモデルがありますので、これにも注意してください。
このおすすめモデルの中古車相場価格は、70万〜140万円となっています。なお「スマートアシストIII」は全モデルに設定されています。
★ほかにも!魅力的な中古車ステラ
走りを重視したターボエンジン搭載車と、購入価格と安全性能を両取りしたグレードもご紹介。あわせてステラ誕生からの歴史を年表形式でお伝えします。
ステラの歴史
2006年にデビューしたステラは、現在3代目となりました。ステラは改良がこまめに実施されているため、めぼしい中古車が見つかったら年式からどんな改良を受けているのかを調べてみるといいでしょう。
2006年6月 ステラ(初代) デビュー
「たのしい関係空間」をテーマに開発された5ドア(後席ヒンジドア)の軽トールワゴン。プレオの後継車(しばらくはステラと併売)となった。初代ステラは、スバル自社開発。ステラの由来は、イタリア語で「星」を意味することばで、スバルは「使っていただくすべての方にとって、光輝く存在になるように」との思いを込めたと伝えている。エンジンは自然吸気(ノンターボ)と、インタークーラー付きスーパーチャージャーの2タイプ、トランスミッションは全車CVT(無段変速機・AT)をラインナップし、外観の異なる「ステラ カスタム」を設定した2モデル構成、車両価格は、98万〜151万円で販売された。
2007年11月1日 一部改良
ベースグレード「L」に5速マニュアルと、装備を簡素化し価格を抑えた「G」 グレードを追加設定。新しいフロントシート形状を採用し、後席の足元スペースを拡大、メーカーオプションでキーレスアクセス・スタート機能を追加。また、自然吸気エンジンは燃費向上が図られた。この改良により車両価格は、89万〜154万円となった。
2008年5月8日 「REVESTA(リベスタ)」追加
ステラ カスタムをベースに、専用のバンパーとフロントグリル、ブルーリフレクターヘッドライトなど装備し、ブロンズ色のインパネや専用シート表皮などを施した「リベスタ」を追加。これにより、ステラは標準モデルと「カスタム」を合わせた3モデル体制のラインナップとなった。
2009年6月4日 EV(電気自動車)「プラグイン ステラ」正式発売
これまで、洞爺湖サミットや郵便事業会社へプロトタイプが納入され話題になっていたが、市販モデルが発売となった。9kWhのリチウムイオン電池を搭載し、航続距離は80km、最高速度は100km/hのスペックとなるシティコミューターのEV。車両価格は、472.5万円で、富士重工業が直接顧客に販売した。
2009年11月4日 マイナーチェンジ
フロントフェイスのデザイン変更と新しいボディカラーの採用、シート表皮の一新などを行った。車両価格は89万〜164万円で販売された。
2011年5月24日 2代目へフルモデルチェンジ
コンセプトは「Smart Active Small」。2代目ステラから、自主開発・生産ではなくなり、ダイハツ ムーヴのOEM供給を受けたモデルとなった。初代にラインナップされていた「リベスタ」は引き継がれなかったが「カスタム」は引き継がれ、標準モデルと合わせて2モデル体制、車両価格は113万〜152万円で販売された。なお、エンジンは自然吸気(ノンターボ)のみの設定であった。
2011年8月1日 カスタム「RS」を追加
ターボエンジンを搭載したステラ カスタム「RS」を追加。2WDと4WDを設定し、車両価格は 149万〜161万円で販売された。
2011年11月7日 一部改良
全車にアイドリングストップシステムを採用、エンジンとトランスミッションのチューニングを行い、燃費向上が図られた。
2012年5月21日 ステラ カスタム ターボに一部改良
エンジンとトランスミッションのチューニングを行い、走行性能を高めつつ燃費向上が図られた。
2012年12月20日 マイナーチェンジ
エクステリア、インテリアともにデザインを刷新。軽自動車初(OEM供給元のダイハツ ムーヴを含む)搭載となる、衝突回避支援システム「スマートアシスト(略称:スマアシ)」を自然吸気(ノンターボ)車に採用した。車両価格は、108万〜156万円で販売。
2013年7月1日 カスタム「RS スマートアシスト」を追加。
カスタムのターボモデルにも「スマートアシスト」が追加設定された。車両価格は149万〜161万円で販売。
2013年10月28日 一部改良・ターボ車に新グレード追加
全車に、エマージェンシーストップシグナル(急ブレーキ時にハザードランプを自動点灯させる装置)を装備、ターボ車に「LS/LS スマートアシスト」を追加。
2014年11月12日 3代目へフルモデルチェンジ
2代目と同じく、ダイハツ ムーヴからOEM供給を受けてのフルモデルチェンジ。新設計の軽量高剛性ボディを採用し、サスペンションの見直しなどを施して基本性能を大幅に向上させた。「スマートアシスト」は機能が強化され、軽自動車初(OEM供給元のムーヴを含む)AT誤発進抑制機能の追加などを実施。車両価格は、113万〜171万円。
2015年5月20日 一部改良
「スマートアシスト」に新たに単眼カメラを追加し機能を強化し「スマートアシストII」へバージョンアップした。
2016年6月21日 一部改良・カスタムに新グレード追加
ステラカスタムに装備を簡略化したエントリーグレード「F」を追加。メーカーオプション「プレミアムセレクション」の加飾などを変更しインテリアの質感を向上させた。
2017年8月1日 マイナーチェンジ
カスタムのエクステリアを刷新、フロントフェイスが大きく変更された。また、全車インテリアデザインを刷新する大幅な改良が施された。「スマートアシストIII」へバージョンアップし、安全性能も強化された。車両価格は112万〜175万円。
2020年8月27日 一部改良
「スマートアシストIII」を全車標準装備。車両価格は119万〜164万円となった。
こちらもおすすめ! <タイプ別>中古車ステラ
●走り重視なら、ステラ カスタム RS 2017〜2020年式 中古市場の相場80万〜140万円
走りを重視したいなら、ターボエンジンを搭載した「カスタム RS」がおすすめ。冒頭でもおすすめした「スマートアシストIII」が搭載された2017年式以降を選びたい。4WDもラインナップされています。
●購入コストと安全性能の両方を重視なら「L スマートアシスト」2017〜2020年式 中古市場の相場50万〜100万円
エントリーグレードの「Lスマートアシスト」は相対的に中古車相場価格が安く、最新の衝突回避支援システム「スマートアシストIII」が搭載されているため、安心度も高くおすすめです。
ステラならではのチェックポイント
ステラの中古車は、初代モデルがデビューした2006年式から流通しています。格安なタマが無数にありますが、安心して乗るなら、保証がきちんと付いたものにしましょう。また、軽自動車という特性上、前オーナーの車の扱い方は多種多様。ほとんど運転されなかったものから、酷使されたものまで幅広く存在しますので、年式と走行距離の関係性にも注意しましょう。
この「年式と走行距離の関係性」とは、その車の平均年間走行距離がどれくらいか、ということです。今の年から年式を引いた経過年数で走行距離を割ると、推定平均年間走行距離を求めることができます(ただ、これはあくまで目安です。前オーナーが下取りに出してから中古車販売店に売られるまでの期間や、中古車販売店で売られずにいた期間まではわかりません)。
平均年間走行距離が、3,000km以下の場合は、ほとんど運転されていないか、ごく短い距離を繰り返して乗られていた車になります。この場合、車への負担が大きく故障リスクが高まります。車も人と同じで動かしていないと悪くなります。エンジンやトランスミッション、サスペンションなどの可動部分は、ある程度動かさないといけません。
また、平均年間走行距離が10,000kmを超えた場合は、過走行車となります。これは、日本中古車査定協会が定めた基準でもあります。言わずもがなですが、過走行車は故障リスクが高まります。
これらのことから、推定平均年間走行距離の目安は4,000〜8,000kmとなります。このことはステラに限らず、他の車種でも同じことが言えるので、中古車選びの基礎知識として頭の中に入れておきましょう。
ステラの場合では、3代目にフルモデルチェンジした2014年式以降から探されることをおすすめします。それ以前の年式では、経年劣化が心配されます。
比べて検討!ステラのライバル車種
スズキ「ワゴンR」
スズキの後席ヒンジドア・軽トールワゴン「ワゴンR」。ステラと真っ向勝負のライバル車です。
2021年6月21日時点の中古車価格帯は0.1万〜161万円、平均価格は約67万円、流通台数は12,000台ほどとなっています。
日産「デイズ」
日産 デイズもステラのライバルとなる後席ヒンジドアの軽トールワゴンです。
2021年6月21日時点の中古車価格帯は5.5万〜190万円、平均価格は約96万円、流通台数は6,800台ほどとなっています。
ホンダ「N-WGN(エヌワゴン)」
N-WGNも後席ヒンジドア・軽トールワゴン。こちらも比較検討をどうぞ。
2021年6月21日時点の中古車価格帯は3万〜172万円、平均価格は約91万円、流通台数は2,500台ほどとなっています。
中古車ステラはここで探せ!
では、中古車ステラをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
グーネット
2大中古車検索サイトの1つ、グーネット。1977年に「中古車情報通信」の名称で創刊された中古車検索雑誌から歴史が始まった老舗です。
2大中古車検索サイトの1つ、グーネット。1977年に「中古車情報通信」の名称で創刊された中古車検索雑誌から歴史が始まった老舗です。
グーネットは「グー鑑定」と呼ばれる、中古車を探している人に代わって、プロの鑑定士が中古車の車両状態を鑑定するサービスを提供。この鑑定士は第三者機関の「日本自動車鑑定協会(JAAA)」に所属。公正な鑑定が行われています。これで鑑定された中古車は、内外装、エンジンやトランスミッションといった機関、修復歴などの評価をまとめた「グー鑑定証」が与えられ、中古車情報ページの「グー鑑定」のアイコンから、その鑑定証を確認することができます。
また「ID車両」と呼ばれる中古車の品質を公正に証明するサービスも提供しています。「グー鑑定」と似ていますが、こちらはディーラー独自の基準で厳しいチェックを行った中古車の鑑定結果を「車両状態評価書」にまとめたものとなります。これは中古車情報ページの「ID車両」のアイコンから、その評価書を確認することができます。
「グー鑑定」や「ID車両」対象車は、全体の2割程度となっています。なお、非対象車は品質が良くないという意味ではありません。
さらに「グー保証」と呼ばれる、グーネット独自の中古車保証制度も提供しています。保証期間は国産車が最長3年で部品交換や修理から、移動中のキー閉じ込めなどのトラブル対応やレッカー移動などのロードサービスも全国24時間365日対応で付属(ロードサービスは自動車保険にも付いていることが多いですが)。なお、グー保証対象車は全体の1割程度となっていますが、これが付いていなくても、トヨタ保証やディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は多くあります。
2021年6月21日時点、グーネットでは、ステラの掲載件数は1,366件、価格帯は63万~190万円、平均価格は約138万円となっています。
カーセンサー
2大中古車検索サイトのもう1つ、カーセンサー。1984年に中古車情報雑誌「カーセンサー」が創刊、今はグーネットと肩を並べる老舗中古車検索サイトとなっています。中古車掲載台数は、時期によって変動しますが約50万台。この台数はグーネットとほぼ同じで、掲載される中古車物件もほぼ同じとなります。これはほとんどの中古車販売店が、カーセンサーとグーネットの両方に掲載登録している背景があるためです。
カーセンサーは「カーセンサー認定」と呼ばれる中古車の品質鑑定情報を提供しています。鑑定は、第三者機関の「AIS」が行い、内外装の状態から目立たない小さなキズまで厳しくチェックし10段階評価しています。鑑定結果は、中古車情報ページから「車両品質評価書」で確認することができます。カーセンサー認定中古車は、全体の1割程度となりますが、この認定中古車でなくても、一般財団法人日本自動車査定協会の「V-CON」や、トヨタ、ディーラーの品質評価制度に基づく検査結果が掲載された中古車が無数にあります。
また「カーセンサーアフター保証」と呼ばれるカーセンサー独自の有償保証制度を提供。これは、エンジン、トランスミッションといった機関から細かい電装装備品まで全350項目を保証、走行距離無制限で最長3年まで加入できる手厚いものとなっています。カーセンサーもグーネットと同様に、カーセンサー保証対象車でなくても、トヨタ保証、ディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は無数にあります。
カーセンサーのスマホアプリでは、写真からアリオンが検索できる機能を備えています。街で見かけて気になった車を撮影して、アプリからアップロードするとアリオンを特定、そのまま中古車情報を調べることができる便利な機能。中古車探しのライフハックツールとしてもおすすめです。
2021年6月21日時点、カーセンサーでは、ステラの掲載件数は1,271件、価格帯は20万~158万円、平均価格は約79万円となっています。
日進月歩の軽自動車。ステラは安全性能重視で選びたい
ステラに最新の衝突回避支援システム「スマートアシストIII」が搭載された2017年8月が、中古車選びのターニングポイント。これより以前のモデルは、前世代の「スマートアシストII」ないしは非搭載です。年式的にも2017年より前のモデルは、経年変化が心配ですので、できるなら避けたいところです。
よくある質問
Q1:中古車のステラ、どれを買うべき?
A:軽自動車の品質向上はすさまじく、「最新こそ最良」の状況です。できるなら、最新の衝突回避支援システム「スマートアシストIII」が搭載された2017年式以降のモデルから探されることをおすすめします。標準モデル・自然吸気(ノンターボ)・2WDのベースグレード「L スマートアシスト」なら、比較的買いやすいタマを見つけることができるでしょう。
Q2:中古車ステラを買うときに気を付けたいポイントは?
A:ステラは2006年式の初代モデルから中古車市場に流通していますが、経年変化と購入後の故障リスクを考えると、初代と2代目は手を出さないほうが無難です。2014年式以降の3代目から探されることをおすすめします。このほか、気をつけたいことは「ステラならではのチェックポイント」の項をご覧ください。
Q3:中古車ステラはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサー、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車ステラに乗ることができます。
※当記事記載の中古車価格等の情報は、2021年6月21日時点のものです。