1980年に登場してから“庶民の足”として長く親しまれてきたダイハツ「ミラ」。1990年代以降は軽トールワゴンや軽スーパーハイトワゴンに人気を譲ったものの、このサイズ感がいいという人から多くの支持を受けてきました。またビジネス需要も高いため、中古車の流通量も多く、自分に合った1台を選ぶのはなかなか大変です。この記事では中古車のミラなら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のダイハツ「ミラ」は2011年式カスタムX
- デビューから時間が経っているモデルなのでなるべく高年式の中古車をチョイス
中古車のミラ、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら「2011年式カスタムX」を30万円で買う!
中古車市場にあるミラを購入する場合、現実的な選択は最終モデルとなった7代目になります。その中から筆者がミラの中古車を選ぶなら、なるべく高年式のカスタムXです。
今、ミラの中古車を選ぶとしたら筆者なら近所の買い物など、普段使いのセカンドカーになります。購入後に距離がかさむことはないと思いますが、維持費を抑えるためにもなるべく後年式のものを選びたいところ。
また、ベーシックなミラはビジネス需要も高いモデル。社用車として営業担当の方が乗っていたものだと、「自分の車ではないから」と雑に使われていたものが紛れ込んでいる可能性もあります。
カスタムモデルならその可能性は低くなるので、標準車よりは多少高めになるものの、あえてカスタムを選びました。
ミラの中古車を探す上でひとつ覚えておきたいのが、流通台数について。
2011年9月にミラの派生モデルで燃費性能をとことん高めたミライースが発売されたことで、それ以降のミラの中古車は流通量が極端に少なくなります(2006年式〜2011年式は1190台程度流通しているのに対し、2012年式以降は280台程度)。
ミラカスタムはもともと流通台数が少ない上に高年式となると選択肢は限られてきます。それでもミラに乗りたいと考えているのであれば、探す価値はあると思います!
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車のミラ
イチオシモデルとして紹介した最終型カスタムX以外にも、ミラはさまざまな視点から魅力的な中古車を探すことができます。ベーシックなデザインが好きな人は標準モデルがピッタリ合いますし、MT車を選ぶことも可能です。カスタムも初期の頃はターボエンジンを搭載したカスタムRSが設定されていました。どれも現在では総額50万円以下になっていて、総額30万円で見つけられる中古車もたくさんあります。
ミラのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
前身モデルであるフェロー/フェローMAXから庶民の「マイカーを持つ」という夢を叶えてきたミラ。ビジネス需要も高かったため、ライバルのスズキアルトとともに街中でよく見かける人気モデルとなりました。
2002年12月から2006年11月まで生産された6代目ミラは、上級モデルのミラアヴィが別モデルとして設定されたこともあり、シンプルなモデルとなりました。
パッケージングは全高が1500mmまで高められたことで室内空間に余裕が生まれました。また、座席のヒップポイントも従来型より高く設定でき、またダイハツは前後ともドアが約90度開く設計にこだわったことで、乗り降りがとても楽になっています。
一方で一般的な立体駐車場に入るなど、街中での利便性もしっかり確保されたバランスのいいモデルでした。
エンジンは直列3気筒のNAエンジンになり、実用性と経済性に優れたSOHCと、出足の加速感を高めた連続可変バルブタイミング機構付きのDOHCを用意。トランスミッションはSOHCエンジンが5MTと3AT、DOHCエンジン搭載車は5MT、4AT、CVTが用意されました。さらに軽自動車初の直噴エンジン“トパーズD1”を搭載したミラVも用意。このモデルは5MTのみの設定で、10・15モード燃費で30.5km/Lを達成しました。
2005年8月のマイナーチェンジでは、新しいデザインのフロントバンパーとグリルを採用してデザインを一新。このタイミングで上級グレードのLに電動格納ミラーとスモークガラスを採用しています。
2006年12月のフルモデルチェンジ(7代目)では、ミラが初代から培ってきたスペースユーティリティに優れた軽ハッチバックというコンセプトはそのままに、プラットフォームからエンジンまで一新される大規模な改良を行い、質感が大幅に高められました。
新しいプラットフォームは2490mmというロングホイールベースとコンパクト設計のエンジンルームにより、室内長を長く取ることができるように。ミラの室内長は2000mmになり、室内幅は当時の軽自動車最大となる1530mmを達成。立体駐車場に収まる軽ハッチバックながらスペースユーティリティに優れたモデルになりました。
ヒップポイントは先代より20mm高くなり600mmに。また、フロントガラスもやや立ち気味になったことで、Aピラーが邪魔にならずに乗り降りできます。
デザイン面ではベーシックモデルのほかに、メッキモール付きのグリルや4灯ヘッドライト、立体感のあるリアコンビネーションライトで高級感を演出したミラカスタムが用意されました。
搭載エンジンは連続可変バルブタイミング機構“DVVT”がついた直列3気筒エンジンと、DOHCターボを用意。トランスミッションはグレードにより異なり、以下のようになっています。
<標準モデル>
L:5MT、3AT
X:4AT
Xリミテッド、Xリミテッドスマートドライブパッケージ:CVT
<カスタムモデル>
カスタムL:4AT
カスタムX、カスタムRS:CVT
ターボ車のカスタムRSの2WD車には、レーダークルーズコントロールがオプション設定されました。
2008年12月の一部改良ではインテリアの色味やシート表皮の素材を変更。標準モデルのLは電動格納式ドアミラーを装備。カスタムLはトランスミッションがCVTになり、ABSとオートエアコンが標準装備となりました。
2010年4月の一部改良ではグレードによるトランスミッションの構成を変更。標準モデルのLは5MTのみになり、カスタムを含むその他のグレードはCVTのみの設定になりました。
なお、ミラのバンは5MTと4ATという構成になっています。
また、このタイミングで標準モデルのXにABS、電動パワーステアリング、キーレスエントリーなどが標準装備されました。
ミラが生産終了となった1年後の2019年2月、ダイハツは7代目となる最終型ミラに「つくつく防止」が取り付けられるようになったことを発表しました。
これはペダルの踏み間違いによる急発進を抑制するための後付け安全装備です。より大きな安心感が欲しい人はぜひ取り付けてみてください。
こちらもおすすめ!タイプ別にミラの中古車を選ぶなら
●ベーシックなデザインの軽セダンに乗りたいなら「2010年4月以降のミラX」 中古市場の相場10万〜70万円
ミラカスタムはメッキや専用バンパーなどで高級感あるデザインにまとめたモデル。一方でこのデザインを「少し派手かも」と感じる人も少なからずいるはずです。それならミラの標準モデルに注目を。
ベーシックな軽セダンであるミラは新車価格が安いことも大きなセールスポイントであるため、エントリーグレードは正直装備面でチープに感じる人も多いはず。
「モデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧」でまとめたように、量販グレードのXは2010年4月の一部改良でABSやキーレスエントリーなどが標準装備になっています。これ以降は変更が加えられていません。そのため、中古車を探すならこの年式以降のモデルがおすすめです。
●カスタムとは違う高級感が欲しいなら「ミラアヴィ」 中古市場の相場10万〜60万円
ミラの上級モデルという位置付けで6代目ミラが発売されたのと同じタイミングで登場したミラアヴィ。アクティブで若い女性をターゲットに開発されたモデルです。
基本的なスペックはミラと同じで、大きなヘッドライトや横スリットが印象的なメッキグリル、ボリュームアップしたエンジンフード、周囲にメッキが施されたフォグライトでミラとの差別化が図られています。インテリアもメーターにメッキリングが備わり、上級グレードはウッド調パネルやMOMO製のウッドステアリングが備わります。
デビューからかなり時間が経っているので、多くの中古車が30万円以下で買えるようになっています。
●多くの人から注目されるクラシカルなデザインの車に乗りたいなら「ミラジーノ」 中古市場の相場10万〜80万円
1999年に登場した初代ミラジーノは、ミラにクラシカルなバンパーやグリル、丸型ヘッドライトをつけて往年のクラシックミニのようなイメージを再現したモデルでした。
2004年に登場した2代目ミラジーノは初代のイメージを受け継ぎながらも、内外装を専用デザインにしたモデルです。
軽自動車ではハスラーなどが出てくるまで丸型ヘッドライトが似合うクラシカルでキュートな雰囲気の車があまりなかったのでミラジーノは人気が高く、現在でも700台以上の中古車が流通しています。
今見ても古さをあまり感じないデザインなので、長く愛着を持って乗ることができるはずですよ。
中古車のミラならではのチェックポイントはココ
目に見えない装備の内容を要チェック
7代目ミラはデビュー時に前席両側エアバッグだけでなく、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグ、ニーエアバッグが用意されたことが話題に。ただ、これはカスタムXとカスタムRSのみ選べるオプションでした。
また、デビュー時はトラクションコントロール、ABS、横滑り防止制御の機能を持ったVSCもカスタムRSのみに用意されるオプションでした。
標準モデルのXにABSが標準装備されたのは2010年4月以降になります。
購入時は、欲しい車にどんな装備がついているか、目に見える快適装備だけでなく見えない安全装備の内容も、販売店のスタッフに確認してください。
インテリアの状態は納得した上で購入を
日々のお買い物、そして営業車としても使われることの多いミラは、中古車によってはそこまで距離が伸びていないのにインテリアに使用感が出ているケースもあります。
機能面に影響する部分ではありませんが、あまりにも使用感が出過ぎていると購入後に愛着を持って接することができない可能性もあります。
インテリアの状態は購入時にしっかり確認して、価格と折り合いがつくかも考えながら納得した上で購入しましょう。
車内のにおいはエアコンを作動させて確認
最近では営業車でも禁煙になっているものが増えていますが、少し前までは軽自動車やバンタイプの営業車でタバコを吸いながら運転している人をよく見かけました。
ミラは最終型でも初期モデルは15年ほど前のモデルになるので、車内でタバコを吸いながら運転していた可能性もあります。
またタバコ以外にもエアコン内のカビなどもにおいの原因になります。
車内のにおいはルームクリーニングである程度は落ちるものの、ミラくらいの価格帯のものはコストを抑えるために徹底的なルームクリーニングを施さなないで店頭に並んでいることも考えられます。
購入前には車内に座り、エアコンを動かしてにおいを確認してみましょう。
ミラの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
長くミラのライバルとしてしのぎを削ってきたモデル「旧型スズキアルト」
アルトが誕生したのはミラが世に送り出される1年前の1979年。以来、ミラとともに庶民の日常の足として進化してきました。
アルトは現在も生産されていて、現行型は2014年にデビューした通算8代目。その一つ前のモデルである7代目アルトは2009年12月に登場しました。
外観はスタイリッシュなイメージを強調した愛らしいデザインで、インテリアは丸みを帯びたインパネが柔らかな雰囲気を演出しています。トランスミッションはグレードにより5MT、4AT、CVTが用意されました。
中古車の価格帯は10万〜80万円。1100台以上の中古車が流通しているので、予算に応じて好みの1台を探しやすいはずです。
燃費性能を徹底追求した第3のエコカー「旧型ダイハツミライース」
2011年9月に最終型ミラの派生モデル的な位置付けで登場したミライース。エコカー減税がスタートして燃費に大きな関心が寄せられる中で、ハイブリッドカーや電気自動車といった電動車ではなく、車の基本性能を徹底的に見直すことで燃費性能を高めた“イーステクノロジー”を採用したモデルとして注目を集めました。
4人がゆとりを持って座れるパッケージ、立体駐車場に収まる全高など、ミラのよさをしっかり受け継ぎながら、燃費性能を高めているので、普段使いにぴったりのモデルと言えます。
価格帯は10万〜100万円。中古車は2500台近く流通しています。
ワンモーションフォルムが特徴的なスポーティ軽「スバルR2」
元アルファロメオのデザイナーがスバルに移籍して手がけたのが2003年12月にデビューしたR2。2005年11月までの後期型は飛行機をモチーフにしたものです。
多くの軽自動車のエンジンは3気筒になるところをスバルは4気筒エンジンを搭載。また、ターボではなくスーパーチャージャーで過給するのも特徴です。
中古車の流通量は250台ほどと他のモデルに比べるとやや少なめ。価格帯は10万〜100万円となっています。
中古車のミラはここで探せ!
では、中古車ミラをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合わせた保証を付けることができます。
カーセンサーnetの6代目と7代目ミラの掲載件数は1,267件、価格帯は10万~90万円となっています(※)。
※2021年7月19日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証が付く「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車の6代目と7代目ミラ掲載台数は1,128件、価格帯は10万~90万円となっています(※)。
※2021年7月19日時点の情報です。
派生モデルまで含めて購入車種を検討しよう
同じダイハツの中で後から発売され燃費性能にも優れた初代ミライースの中古車が手に入れやすい価格帯になっています。ミラは最終型でもそれなりに年を経たものがほとんどなので、購入時は内装の状態、そして機関系の状態をしっかり確認して購入したいところです。
ミラジーノやミラアヴィなどの派生モデルもあるので、そこも含めて好みの1台を探してみましょう。
よくある質問
Q1:中古車のミラ、どれを買うべき?
A:高級感を高めた2011年式カスタムX
Q2:中古車のミラを買うときに気を付けたいポイントは?
A:内装の使用感が気になる人は状態をしっかり確認してください。
Q3:中古車のミラはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のミラに乗ることができます。
※記事の内容は2021年7月時点の情報で制作しています。