2018年3月に販売終了となった日産の車高低めのミニバン「ラフェスタ ハイウェイスター」。この中古車が気になった方へ、おすすめモデルから選び方の注意点までをまとめてお伝えします。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車の日産「ラフェスタ ハイウェイスター」は2代目後期型・2WD
- マツダ プレマシーのOEM車であるが、日産はしっかり手を加えて個性を出した
中古車ラフェスタ ハイウェイスター、おすすめモデルはズバリこれ。2代目後期型・2WD
ラフェスタ ハイウェイスターは、モデルの成り立ちが少しややこしいので、先に解説します。
「ラフェスタ ハイウェイスター」は、初代ラフェスタのグレードの1つ「ハイウェイスター」と、2代目の車種名「ラフェスタ ハイウェイスター」の2つも世代に分かれます。中古車検索サイトでも、「ラフェスタ ハイウェイスター」を区別せず「ラフェスタ」のみの車種カテゴリーで中古車情報を出しているところがあります。
厳密にいえば、初代ラフェスタの「ハイウェイスター」グレードだけがフルモデルチェンジして、2代目「ラフェスタ ハイウェイスター」の車名に変更されて発売、残った初代ラフェスタのグレード「JOY(ジョイ)」は、2代目ラフェスタ ハイウェイスターのデビュー時にグレード名から車名へと変更し「ラフェスタ JOY」となって、しばらく「ラフェスタ ハイウェイスター」と併売されたという経緯があります。
2代目は、マツダから3代目「プレマシー」のOEM供給を受けたモデルとなります。3代目プレマシーは、2010年7月にフルモデルチェンジを受け、その翌年6月に日産へOEM供給が始まりました。ちなみにOEM供給前のプレマシーは、ラフェスタ ハイウェイスターとライバル関係にあったモデルです。どちらもミニバンとステーションワゴンの中間に位置する“車高低めのミニバン”で、「MPV(マルチ・パーパス・ビークル)」にも分類されることもあるモデルです。
2代目ラフェスタ ハイウェイスターのすごいところは、普通、OEM供給モデルはエンブレムぐらいしか変更されないところ、フロントフェイスを大きく変えて登場したことです。フロントフェイスだけを比較すると、車に詳しくない方は全く違う車に見えてしまうことでしょう。
そんなラフェスタ ハイウェイスターですが、筆者が最もおすすめするのは、2代目後期型の2WD車。2013年2月に実施されたマイナーチェンジ後のモデルです。エクステリアデザインは実質的に変更なし、インテリアは少しだけ変わったという見ため上は小さなレベルで、ここだけ見るとマイナーチェンジとは言いがたいですが、エンジンとトランスミッションが変わっています。
エンジンは、現在のマツダ車のほとんどのモデルに採用されている、直列4気筒直噴ガソリンの新世代エンジン「SKYACTIV-G 2.0」になり、トランスミッションもマツダが独自開発した新しい電子制御6速ATに変わりました。パワートレインは“最新こそ最良”です。なお、4WD車のエンジン、トランスミッションは変わらず、直噴ではない直列4気筒2.0Lガソリン、4速ATのままとなっています。
2代目ラフェスタ ハイウェイスターの中古車相場価格については次項をご覧ください。
★ほかにも!お買い得で魅力的な中古車ラフェスタ ハイウェイスター
この項では、ラフェスタ ハイウェイスターのデビューから販売終了までの歴史と、世代別・駆動方式別の中古車相場価格と流通台数をまとめてお伝えします。
ラフェスタ ハイウェイスターの歴史
2004年12月2日「ラフェスタ」デビュー
日産と資本関係にあるルノーのミドルクラス・Cセグメント「メガーヌ」のプラットフォーム(車の骨格部分などの主要構造物)を採用して開発された、7人乗り・5ドアのミニバンとしてデビューした。発売時には「ハイウェイスター」は設定されていない。パワートレインは、新開発2.0LガソリンエンジンにCVT(無段変速機)を組み合わせ、2WD(前輪駆動)と4WDを設定した。ラフェスタは、クラス初となる大開口の「パノラミックルーフ」を採用し、ミニバンにしては全高1,600mmないし1,615mmと低めのフォルムであることが特徴であった。全長は4,495mm、全幅1,695mmの5ナンバーサイズ。パワートレインは、2.0Lガソリンエンジン+CVT(無段変速機)の組み合わせの1種類のみで、2WD(前輪駆動)と4WDが設定された。
2005年8月25日「ハイウェイスター」を追加発売
専用のエアロパーツや16インチアルミホイールなどを装着、インテリアでは専用のブラックシートやホワイトメーター、アルミペダルなどを採用、足回りでは前後のサスペンションに専用のチューニングを施し、リップルコントロールショックアブソーバーをリアサスペンションに採用するなど、従来モデルとは差別化されたエクステリアとインテリア、仕様としたグレード「ハイウェイスター」を追加発売した(このときの「ハイウェイスター」はグレード名の扱い)。
2007年5月15日 マイナーチェンジ
エクステリア、インテリアのデザイン変更と、装備の充実化などを実施
2011年6月15日「ラフェスタ ハイウェイスター」フルモデルチェンジ
ラフェスタのラインナップのうち「ハイウェイスター」グレードだけがフルモデルチェンジし、車名が「ラフェスタ ハイウェイスター」となった。フルモデルチェンジされなかったグレードは「ラフェスタ JOY(ジョイ)」に車名変更されて併売された。
ラフェスタ ハイウェイスターは、マツダから「プレマシー」のOEM供給を受けてのフルモデルチェンジ。変更箇所は多岐にわたり、特にフロントフェイスは大きく変えられ、一見同じ車種には見えないほど。
▽エクステリア・ボディサイズ
日産のハイウェイスターシリーズに共通する、水平基調のクロームメッキのフロントグリルや、エアロパーツなどスポーティーで存在感のある外観となった。ボディサイズは全長4,615mm、全幅1,750mm、全高1,615mm(グレードにより若干の違いあり)の3ナンバーサイズとなり、先代よりひと回り大きくなった。
▽インテリア
ブラックを基調としたインテリアカラーに、クロームメッキやシルバー加飾を随所に施し、高級感を演出した。
▽パワートレイン
エンジンは、直列4気筒2.0Lガソリン。2WD車と4WD車に違いがあり、2WD車は直噴エンジンが搭載された。トランスミッションは、2WD車がマニュアルモード付き5速AT、4WDが4速ATを組み合わせた。
▽安全装備
VDC(シャシー制御・横滑り防止装置)、TCS(トラクションコントロール)、EBS(制動力を4輪それぞれ個別に制御する機能)、ブレーキアシスト(急ブレーキを踏んだときに、ブレーキ圧を自動で高める機能)を装備した(一部2WDのみに設定)。また、歩行者傷害軽減ボディなどを採用し、安全性能を高めた。
▽グレード・価格
ベースグレードから上級グレードに向かって、「Jパッケージ」、グレード名なし、「G」の3グレード体系で、4WD車には「Jパッケージ」が省略された。車両価格は、199万〜248万円。
2013年2月14日 マイナーチェンジ
2WD車のエンジンを、マツダの新開発2.0L直噴ガソリン「SKYACTIV-G 2.0」に変更、トランスミッションも新開発の電子制御6速ATへ変更となった。
エクステリアには大きな変更はなく、アルミホイールのセンターキャップをブラック塗装化した程度にとどまった(一部グレードではすでにブラック塗装化されていた)。インテリアも大きな変更がなく、本革巻シフトノブ(一部グレードに標準装備ないしはメーカーオプション)のデザインを変更、センタークラスターフィニッシャーの一部にピアノブラック調を追加、シート表皮デザインの変更といった小変更にとどまった。
グレード体系は見直され、マイナーチェンジ前までは特別仕様車だった「G スプレモ」はカタログモデルとなった。車両価格は、199万〜251万円となった。
2018年3月 販売終了
<世代・駆動方式別>中古車ラフェスタ ハイウェイスター
世代 | 駆動方式 | 中古車価格 | 流通台数 |
---|---|---|---|
初代 | 2WD | 12万〜50万円 | 約20台 |
4WD | 21万〜66万円 | 10台未満 | |
2代目 前期型 | 2WD | 12万〜90万円 | 約220台 |
4WD | 14万〜90万円 | 約20台 | |
2代目 後期型 | 2WD | 30万〜150万円 | 約70台 |
4WD | 40万〜140万円 | 10台未満 |
※2021年7月26日時点。マイナーチェンジ前が「前期型」、後は「後期型」
ラフェスタ ハイウェイスターならではのチェックポイント
ラフェスタ ハイウェイスターの車種固有の注意点は特に見当たりませんが、年式が古いタマが多いので、しっかりとした保証が付いているかどうかが、チェックポイントとなるでしょう。ラフェスタ ハイウェイスターの中古車の多くは保証が付いていますが、保証期間が数ヶ月以内と短いものや、保証走行距離が数千キロ以内のものは、購入後の故障リスクが、消耗部品・油脂類の交換の必要性が高いものと考えて差し支えありません。
安心できるのは、保証期間1年以上で、保証走行距離が無制限のものが目安となります。
比べて検討!ラフェスタ ハイウェイスターのライバル車種
マツダ「プレマシー」
中古車市場ではライバル関係となる、ラフェスタ ハイウェイスターのOEM供給元モデル、プレマシー。日産のブランド、フロントフェイスをはじめとしたデザインにこだわりがなければ、ぜひ比較検討してみてください。
2021年7月25日時点の中古車価格帯は4万〜174万円、平均価格は約46万円、流通台数は630台ほどとなっています。
トヨタ「プリウスα」
プリウスαは、ミニバンとステーションワゴンの中間的なスタイルで、ラフェスタ ハイウェイスターと似ています。2列シート車と3列シートの両方をラインナップしています。
2021年7月25日時点の中古車価格帯は32万〜365万円、平均価格は約116万円、流通台数は2,500台ほどとなっています。
中古車ラフェスタ ハイウェイスターはここで探せ!
では、中古車ラフェスタ ハイウェイスターをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
グーネット
2大中古車検索サイトの1つ、グーネット。1977年に「中古車情報通信」の名称で創刊された中古車検索雑誌から歴史が始まった老舗です。
グーネットは「グー鑑定」と呼ばれる、中古車を探している人に代わって、プロの鑑定士が中古車の車両状態を鑑定するサービスを提供。この鑑定士は第三者機関の「日本自動車鑑定協会(JAAA)」に所属。公正な鑑定が行われています。これで鑑定された中古車は、内外装、エンジンやトランスミッションといった機関、修復歴などの評価をまとめた「グー鑑定証」が与えられ、中古車情報ページの「グー鑑定」のアイコンから、その鑑定証を確認することができます。
また「ID車両」と呼ばれる中古車の品質を公正に証明するサービスも提供しています。「グー鑑定」と似ていますが、こちらはディーラー独自の基準で厳しいチェックを行った中古車の鑑定結果を「車両状態評価書」にまとめたものとなります。これは中古車情報ページの「ID車両」のアイコンから、その評価書を確認することができます。
「グー鑑定」や「ID車両」対象車は、全体の2割程度となっています。なお、非対象車は品質が良くないという意味ではありません。
さらに「グー保証」と呼ばれる、グーネット独自の中古車保証制度も提供しています。保証期間は国産車が最長3年で部品交換や修理から、移動中のキー閉じ込めなどのトラブル対応やレッカー移動などのロードサービスも全国24時間365日対応で付属(ロードサービスは自動車保険にも付いていることが多いですが)。なお、グー保証対象車は全体の1割程度となっていますが、これが付いていなくても、トヨタ保証やディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は多くあります。
2021年7月25日時点、グーネットでは、ラフェスタ ハイウェイスターの掲載件数は446件、価格帯は8万~148万円、平均価格は約46万円となっています(初代の「ハイウェイスター」グレード以外のものを含む)。
カーセンサー
2大中古車検索サイトのもう1つ、カーセンサー。1984年に中古車情報雑誌「カーセンサー」が創刊、今はグーネットと肩を並べる老舗中古車検索サイトとなっています。中古車掲載台数は、時期によって変動しますが約50万台。この台数はグーネットとほぼ同じで、掲載される中古車物件もほぼ同じとなります。これはほとんどの中古車販売店が、カーセンサーとグーネットの両方に掲載登録している背景があるためです。
カーセンサーは「カーセンサー認定」と呼ばれる中古車の品質鑑定情報を提供しています。鑑定は、第三者機関の「AIS」が行い、内外装の状態から目立たない小さなキズまで厳しくチェックし10段階評価しています。鑑定結果は、中古車情報ページから「車両品質評価書」で確認することができます。カーセンサー認定中古車は、全体の1割程度となりますが、この認定中古車でなくても、一般財団法人日本自動車査定協会の「V-CON」や、トヨタ、ディーラーの品質評価制度に基づく検査結果が掲載された中古車が無数にあります。
また「カーセンサーアフター保証」と呼ばれるカーセンサー独自の有償保証制度を提供。これは、エンジン、トランスミッションといった機関から細かい電装装備品まで全350項目を保証、走行距離無制限で最長3年まで加入できる手厚いものとなっています。カーセンサーもグーネット同様に、カーセンサー保証対象車でなくても、トヨタ保証、ディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は無数にあります。
カーセンサーのスマホアプリでは、写真からアリオンが検索できる機能を備えています。街で見かけて気になった車を撮影して、アプリからアップロードするとアリオンを特定、そのまま中古車情報を調べることができる便利な機能。中古車探しのライフハックツールとしてもおすすめです。
2021年7月25日時点、カーセンサーでは、ラフェスタ ハイウェイスターの掲載件数は272件、価格帯は18万~185万円、平均価格は約55万円となっています。
ただエンブレムを付け替えただけのOEMではないとこがイイ
OEM供給を受けて販売するモデルのほとんどは、エンブレムを変えただけの変更にとどまり、いかにも「自社生産しないので、提携関係があるところからもってきてラインナップを揃えました」という感が漂ってしまっています。
この点、ラフェスタ ハイウェイスターは、フロントフェイスを特にしっかりと変えています。ほかにも変更箇所が随所にあり、日産がしっかりと力を入れて企画したモデルであるこがわかります。
よくある質問
Q1:中古車のラフェスタ ハイウェイスター、どれを買うべき?
A:もし、予算に余裕があるのなら、2代目後期型(2013年式以降でかつマイナーチェンジ後のモデル)がおすすめです。エンジンが次世代型の「SKYACTIV-G 2.0」に変わり、トランスミッションも新開発電子制御6速ATへ載せ換えられています。基本性能が最も高いモデルとなります。
Q2:中古車ラフェスタ ハイウェイスターを買うときに気を付けたいポイントは?
A:ラフェスタ ハイウェイスター車種固有の注意点はありませんが、保証がしっかりと付いたものを選ぶことがポイントとなるでしょう。詳しくは前述の「ラフェスタ ハイウェイスターならではのチェックポイント」の項をご覧ください。
Q3:中古車ラフェスタ ハイウェイスターはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサー、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車ラフェスタ ハイウェイスターに乗ることができます。
※当記事記載の中古車価格等の情報は、2021年7月25日時点のものです。