どれだけ安全運転を心掛けていても、思わぬ外的要因などで事故に巻き込まれるケースも少なくありません。
そのため、事故の危険を予測して回避操作を促したり、衝突被害の軽減をサポートしたりしてくれる先進安全技術は充実しているに越したことはありませんが、先進安全技術の充実度は車種によって大きな差があるのが現状です。車選びの際には、安全性能をよく確認することが大切といえるでしょう。
ここでは、三菱「デリカD:2」の安全性能について、わかりやすく解説します。
この記事のPOINT
- 全車に予防安全技術「三菱e-Assist」を標準装備
- 上級グレードには「全方位モニター」や「ヘッドアップディスプレイ」を搭載
- デリカD:2は全車「サポカーSワイド」に該当
デリカD:2の安全性能の特徴
2020年12月に登場した現行型のデリカD:2には、三菱の予防安全技術「三菱e-Assist」が全車に標準装備されています。
機能を追加して先代モデルより安全性を高めていることに加え、グレードによって含まれる機能の種類やレベルを変えることなく、エントリーグレードから最上位グレードまで同じ内容の予防安全技術パッケージが搭載されているのは評価できるポイントといえるでしょう。
また、運転席・助手席のエアバッグに加え、フロントシートサイドエアバッグ、カーテンエアバッグも全車に標準装備されているなど、予防安全性だけではなく衝突安全性にも配慮されています。
デリカD:2に搭載されている先進安全技術
ここからは、デリカD:2に搭載される「三菱e-Assist」には、どのような先進安全技術が含まれているのかを見ていきましょう。
衝突被害軽減ブレーキシステム
ステレオカメラが前方の車両や歩行者を検知し、衝突の危険がある場合には警報音や表示でドライバーに注意喚起します。
衝突の危険が高まった場合には弱いブレーキを作動させ、その状態でドライバーがブレーキを踏んだ場合にはブレーキアシストを行って制動力を高めます。それでも衝突が避けられないと判断した場合には強力なブレーキ制御を行い、衝突の回避や衝突被害の軽減をサポートする機能です。
昼夜の車両と歩行者の検知が可能で、自車の速度が約5~100km/hの速度域で作動します。
誤発進抑制機能(前方・後方)
出典:三菱「デリカD:2」三菱e-Assist(運転支援機能)
進行方向に障害物を検知しているにもかかわらずアクセルが強く踏み込まれた場合には、エンジン出力を最長で5秒間自動的に抑制することで、急発進や急加速を防止する機能です。
停止~約10km/hでの徐行時に作動します。また、前方は約4m以内、後方では約3m以内の障害物の検知が可能です。
後退時ブレーキサポート
出典:三菱「デリカD:2」三菱e-Assist(運転支援機能)
リアに設置されたセンサーが車両後方の障害物との距離を計測し、ブザー音を変化させることでドライバーに障害物への接近を知らせます。
障害物にぶつかる危険が高まった場合には、自動でブレーキを作動させ、衝突の回避もしくは衝突被害の軽減を図る機能です。後方約3m以内の障害物の検知が可能です。
アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)
出典:三菱「デリカD:2」三菱e-Assist(運転支援機能)
ステレオカメラが先行車との距離を測定し、設定した車間距離を維持しながら追従走行や低速走行を行うことでドライバーの運転操作の負担を減らしてくれる機能です。
デリカD:2のアダプティブクルーズコントロールは全車速追従機能付きなので、約40km/h未満から停止まで追従制御を継続してくくれるため、頻繁に停止と発進を繰り返す渋滞時のストレスも大幅に減るでしょう。ロングドライブも快適に楽しめそうです。
車線逸脱警報機能&車線逸脱抑制機能
出典:三菱「デリカD:2」三菱e-Assist(運転支援機能)
約60km/h以上で走行中にシステムが左右の区画線を認識し、進路を予測します。車両が予測値から外れ車線からはみ出す危険があるとシステムが判断すると、音や表示でドライバーに危険を知らせます。同時にシステムがステアリング操作をアシストし、車両を車線内に戻すようにサポートします。
ふらつき警報機能
出典:三菱「デリカD:2」三菱e-Assist(運転支援機能)
システムが区画線を認識し、自車の走行パターンを計測します。その上で蛇行するなどシステムが「ふらつき」と判定した場合には音や表示で警告を発し、ドライバーに注意喚起します。
先行車発進お知らせ機能
出典:三菱「デリカD:2」三菱e-Assist(運転支援機能)
停車中に先行車が約4m以上離れても自車が発進しない場合、システムが音や表示でドライバーに先行車の発進を知らせ、出遅れを防ぐ機能です。
標識認識機能
走行中にシステムが道路標識を認識し、適切なタイミングでディスプレイに表示することでドライバーの標識見落としを防止し、標識に従った運転をサポートします。デリカD:2では、はみ出し通行禁止、最高速度、一時停止、車両進入禁止、補助標識「終わり」の認識が可能です。
ハイビームアシスト
走行中に周囲の明るさや対向車・先行車のランプなどを検知し、必要に応じてハイビームとロービームを自動で切り替える機能です。手動切替えの手間や切替え忘れをなくし、安全運転に貢献します。
全方位モニター&ヘッドアップディスプレイ
デリカD:2の上位グレードには、より安全性を高める「全方位モニター」や「ヘッドアップディスプレイ」が搭載されています。
全方位モニター
フロント・サイド・リアに設置された4つのカメラから得られる映像を合成・処理し、車両を真上から見下ろしたような映像を対応ナビゲーションに映し出すことで、ドライバーから見えにくい場所の安全確認をサポートする機能です。見通しの悪い場所や駐車時など、さまざまなシーンで役立ってくれるでしょう。
左右から接近する人や物を検知してドライバーに知らせる「左右確認サポート機能」も搭載されています。
ヘッドアップディスプレイ
運転席前のダッシュボードに、シフト位置や車速などの運転に必要な情報をカラーで表示するヘッドアップディスプレイは、ドライバーの視線移動の頻度を減らし、安全運転に貢献するメリットがあります。
デリカD:2は全車が「サポカーSワイド」に該当
デリカD:2は、政府が普及を推進する先進安全技術を搭載する車「サポカー」の中でも、最上位の区分である「サポカーSワイド」の認定に必要な車両と歩行者を検知する衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い急発進抑制装置、車線逸脱警報、先進ライトを搭載しているため、全車が「サポカーSワイド」の認定を受けています。
さらに、サポカーSワイドの認定に必要な機能以外の先進安全技術も多数搭載されているため、デリカD:2は誰もが安心して運転できるモデルといえるのではないでしょうか。
よくある質問
Q1:デリカD:2には先進安全技術は標準装備されているの?
A:はい、デリカD:2には全車に予防安全技術「三菱e-Assist」が標準装備されています。なお、こうした予防安全技術パッケージを標準装備していてもその内容はグレードによって差がある車種も多い中、デリカD:2では全車に同じ内容の先進安全技術が搭載されているのは評価できるポイントです。
Q2:デリカD:2にはどのような先進安全技術が搭載されているの?
A:車両に加えて昼夜の歩行者の検知も可能な「衝突被害軽減ブレーキシステム」、操作ミスによる事故防止をサポートする「誤発進抑制機能(前方・後方)」、後退時に衝突の危険があればブレーキを作動させる「後退時ブレーキサポート」、高速道路でのドライバーの運転疲労を軽減する「アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)」など、多数の先進安全技術が搭載されています。
Q3:デリカD:2はどの「サポカー」に該当するの?
A:デリカD:2は、全車が「サポカー」の中でも最上級の区分で最も装備内容の充実した「サポカーSワイド」の認定を受けています。なお、「サポカーSワイド」の認定には、車両と歩行者を検知する衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い急発進抑制装置、車線逸脱警報、先進ライトの搭載が必要です。
※この記事は2023年8月時点の情報で制作しています