2001〜2016年に販売されていたスズキの個性派軽トールワゴン「MRワゴン」。この中古車をお探しの方に、選び方の注意点や、おすすめモデルなどのアドバイスをまとめてお伝えします。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のスズキ「MRワゴン」は3代目
- MRワゴンの中古車を買うなら、しっかりと保証が付いたものを選びたい
中古車MRワゴン、おすすめモデルはズバリこれ。2011年にフルモデルチェンジした3代目
MRワゴンの初代と2代目の年式は、2001〜2010年式(一部、2011年式が中古車市場で混在します)となり、今から10年以上前のモデルとなります。軽自動車は排気量とボディの大きさなどから、登録車(いわゆる普通車)に比べると、経年劣化が進みやすい傾向があります。MRワゴンに限らず、中古車の年式は新しければ新しいほどよくなります。
基本設計のタイミングなども考慮すると、やはり、最終モデルとなった3代目が最もおすすめとなります。
3代目MRワゴンは、自然吸気(ノンターボ)とターボの両エンジンをラインナップしていますが、中古車市場ではターボは少数派です(3代目のパワートレイン別中古車相場価格は、「3代目 パワートレイン別中古車相場価格」の項でまとめています)。ターボ車のほうがパワーがあって走りに余裕が生まれますが、燃費はノンターボより悪くなり、新車車両価格も高くなるため、MRワゴンではターボモデルが敬遠されていました。中古車流通台数が少ないと探しづらいことと、ターボが付いていなくてもそこそこしっかり走ってくれることから、特に走りにこだわりがなければ、ノンターボ車から探すほうがいいでしょう。
★ほかにも!魅力的な中古車MRワゴン
この項では、MRワゴンの初代デビューから販売終了までの歴史と、3代目のパワートレイン別中古車相場価格、派生モデルの中古車相場価格をまとめてお伝えします。
MRワゴンの歴史
2001年12月4日 初代「MRワゴン」発売
1999年開催の第33回東京モーターショーで出品された「MRワゴン」コンセプトカーは、エンジンを後輪車軸前に搭載した後輪駆動のミッドシップレイアウトで、車名のMRは「Midship Rear-drive」の頭文字がとられた。しかし、市販車はFF(フロントエンジン・フロントドライブ)で、車名の由来が「Magical Relax(マジカル・リラックス)」の略となった模様。デザインは、人気を博したトヨタ エスティマのようなモノフォルムのトールワゴンで登場した。2002年には日産へOEM供給され「モコ(MOCO)」の車名で販売された。
2006年1月20日 2代目へフルモデルチェンジ
初代の個性的だったモノフォルムから一転、「ママワゴン」をキーワードとしたコンセプトで企画開発され、先代よりも女性や子供に配慮。明確に販売ターゲットを主婦層に絞り込んだ軽トールワゴンとなった。
2006年12月3日 派生モデル「Wit(ウィット)」発売
スポーティーなフロントグリルやバンパー、専用14インチ切削アルミホイールなどを装着し、ブラックのインテリアを採用した派生モデルが追加された。車名の由来は、英語で「知性、知恵」を意味する「Wit」から。なお、かつてのスズキの軽自動車、フロンテのグレード名にも採用されていた名称でもある。
2011年1月20日 3代目へフルモデルチェンジ
販売ターゲットは先代の主婦層から、3代目は若い世代の男女へ変更された(この背景に、先にデビューしたスーパーハイトワゴンのパレットが主婦層を吸収していたことがあった)。3代目はホイールベースを延長、当時のスズキの軽自動車では最も長いホイールベースとなった。これにより室内の空間拡大と個性的なスタイリングが実現した。また、新開発プラットフォーム(車の骨格となる主要構造物)を採用し、エンジンは自然吸気(ノンターボ)とターボエンジンに、CVT(無段変速機)を組み合わせた。グレード構成は、ノンターボ車にベースグレードの「G」と上級グレード「X」を設定、ターボ車は「T」のみのモノグレード。なお、全グレードに2WD(前輪駆動)と4WDを設定している。車両価格は、113万〜151万円で販売された。
2011年11月21日 特別仕様車「10thアニバーサリー リミテッド」を発売
MRワゴン誕生10年を記念した特別仕様車で、ルーフ部分のボディカラーを変えた2トーンルーフモデルを設定、さらにフロントメッキグリルやディスチャージヘッドランプなど装備を充実させた。車両価格は2WDが130万円、4WDが141万円で販売された。
2012年2月14日 派生モデル「MRワゴン エコ」を発売
当時の軽トールワゴンでトップとなる、27.2km/L(JC08モード)の低燃費を実現した、車名のとおりのエコなモデルとして発売。標準モデルに搭載される「R06A型」エンジンとCVTに、フリクション(摩擦抵抗)低減を施すなど高効率化、また、転がり抵抗を低減したタイヤの採用により、標準モデルのアイドリングストップ搭載車よりも3.0km/L上回る低燃費となった。
2012年5月17日 一部改良
MRワゴン標準モデルのノンターボ・2WD車のエンジン制御を見直し、燃料カット時間を延長、低粘度のCVTオイルの採用で変速機内のフリクションを低減し燃費を向上、従来型の+0.2km/Lとなる23.2km/L(JC08モード)を達成した。また、全車の後席に、ISOFIX対応のチャイルドシート固定用アンカーを標準装備化した。車両価格は、131万〜151万円で販売された。
2012年11月7日 特別仕様車「Xセレクション」を発売
上級グレード「X」をベースに、ブラックメッキを施したフロントグリルや、14インチアルミホイールを採用しエクステリアを差別化、さらにブラウンのボディカラーに、ルーフをシルバー塗装した2トーンルーフモデルも設定した。インテリアでは、細いストライプの黒色の専用シート表皮や、本革巻きのステアリングホイールとシフトノブを採用して質感の向上が図られた。また、オートライトシステムが付いたディスチャージヘッドランプ、6スピーカーも採用するなど、利便性と快適性を向上させた。車両価格は2WDが130万円、4WDが141万円で販売された。
2013年7月16日 一部改良・派生モデル「MRワゴン Wit(ウィット)」を発売
MRワゴン全車に、スズキが独自開発した減速時エネルギー回生機構「エネチャージ」と「新アイドリングストップシステム」、「エコクール」などの低燃費化技術が採用された。これによりノンターボ車・2WD車の燃費は、当時の軽ワゴンNo.1となる30.0km/L(JC08モード)を達成した。ターボ車も当時の軽ワゴンターボ車No.1の低燃費となる27.0km/L(JC08モード)を達成している。また、同時に派生モデル「Wit」を発売、LEDポジションランプをヘッドライト下に配し、メッキ加飾を施したフロントグリルや、クリアタイプのLEDリアコンビネーションランプ、専用15インチアルミホイールなどを装着して標準モデルとの差別化が図られた。
2016年11月 販売終了
こちらもおすすめ! <タイプ別>中古車MRワゴン
●3代目 パワートレイン別中古車相場価格
▼3代目標準モデルのエンジン、駆動方式別の中古車相場価格と流通台数(2021年7月19日時点)
エンジン | 駆動方式 | 中古車価格 | 流通台数 |
---|---|---|---|
自然吸気 | 2WD | 3万~96万円 | 約700台 |
4WD | 16万~90万円 | 約90台 | |
ターボ | 2WD | 23万~64万円 | 約30台 |
4WD | 23万~60万円 | 10台以下 |
●低燃費モデル「エコ」中古車市場の相場7万〜62万円
標準モデルに搭載されるノンターボエンジン(R06A型)とCVT(無段変速機)に、摩擦抵抗を低減する改良を施した上、転がり抵抗を低減したタイヤを採用し、標準モデルのアイドリングストップ搭載車よりも3.0km/L上回る27.2km/L(JC08モード)という低燃費を実現したのが派生モデル「エコ」です。
●スポーティーな内外装の「Wit」中古車市場の相場13万〜108万円
標準モデルとは異なるメッキ加飾を施したフロントグリルや、ヘッドライト下にLEDポジションランプを配した上、クリアタイプのLEDリアコンビネーションランプ、専用15インチアルミホイールなどを装着してスポーティーな印象にまとめあげた派生モデルが「MRワゴン Wit(ウィット)」です。
MRワゴンならではのチェックポイント
MRワゴンに限ったアドバイスではありませんが、保証がしっかりと付いた中古車を探すようにしましょう。今の中古車市場は、保証が付いているタマの割合がかなり高くなってきています。保証ナシのタマは、趣味のクルマやコレクターズアイテムとして買うか、リスキーな使い捨てとして買うものと考えて、大きな間違いはないでしょう。
目安として、保証期間1年以上で保証走行距離無制限のものが安心です。これ以下の保証範囲では、購入後の故障リスクが高いと考えられます。
比べて検討!MRワゴンのライバル車種
ダイハツ「ムーヴ コンテ」
ダイハツの人気軽トールワゴン、ムーヴをベースに内外装に手を加えた派生モデルが「ムーヴ コンテ」。販売期間は2008〜2017年でした。
2021年7月19日時点の中古車価格帯は0.1万〜127万円、平均価格は約41万円、流通台数は1,900台ほどとなっています。
ホンダ「ライフ」
2014年まで販売されていたホンダの軽トールワゴン。
2021年7月19日時点の中古車価格帯は0.1万〜110万円、平均価格は約25万円、流通台数は2,600台ほどとなっています。
中古車MRワゴンはここで探せ!
では、中古車MRワゴンをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
グーネット
2大中古車検索サイトの1つ、グーネット。1977年に「中古車情報通信」の名称で創刊された中古車検索雑誌から歴史が始まった老舗です。
グーネットは「グー鑑定」と呼ばれる、中古車を探している人に代わって、プロの鑑定士が中古車の車両状態を鑑定するサービスを提供。この鑑定士は第三者機関の「日本自動車鑑定協会(JAAA)」に所属。公正な鑑定が行われています。これで鑑定された中古車は、内外装、エンジンやトランスミッションといった機関、修復歴などの評価をまとめた「グー鑑定証」が与えられ、中古車情報ページの「グー鑑定」のアイコンから、その鑑定証を確認することができます。
また「ID車両」と呼ばれる中古車の品質を公正に証明するサービスも提供しています。「グー鑑定」と似ていますが、こちらはディーラー独自の基準で厳しいチェックを行った中古車の鑑定結果を「車両状態評価書」にまとめたものとなります。これは中古車情報ページの「ID車両」のアイコンから、その評価書を確認することができます。
「グー鑑定」や「ID車両」対象車は、全体の2割程度となっています。なお、非対象車は品質が良くないという意味ではありません。
さらに「グー保証」と呼ばれる、グーネット独自の中古車保証制度も提供しています。保証期間は国産車が最長3年で部品交換や修理から、移動中のキー閉じ込めなどのトラブル対応やレッカー移動などのロードサービスも全国24時間365日対応で付属(ロードサービスは自動車保険にも付いていることが多いですが)。なお、グー保証対象車は全体の1割程度となっていますが、これが付いていなくても、トヨタ保証やディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は多くあります。
2021年7月19日時点、グーネットでは、MRワゴンの掲載件数は1,563件、価格帯は0.1万~96万円、平均価格は約31万円となっています。
カーセンサー
2大中古車検索サイトのもう1つ、カーセンサー。1984年に中古車情報雑誌「カーセンサー」が創刊、今はグーネットと肩を並べる老舗中古車検索サイトとなっています。中古車掲載台数は、時期によって変動しますが約50万台。この台数はグーネットとほぼ同じで、掲載される中古車物件もほぼ同じとなります。これはほとんどの中古車販売店が、カーセンサーとグーネットの両方に掲載登録している背景があるためです。
カーセンサーは「カーセンサー認定」と呼ばれる中古車の品質鑑定情報を提供しています。鑑定は、第三者機関の「AIS」が行い、内外装の状態から目立たない小さなキズまで厳しくチェックし10段階評価しています。鑑定結果は、中古車情報ページから「車両品質評価書」で確認することができます。カーセンサー認定中古車は、全体の1割程度となりますが、この認定中古車でなくても、一般財団法人日本自動車査定協会の「V-CON」や、トヨタ、ディーラーの品質評価制度に基づく検査結果が掲載された中古車が無数にあります。
また「カーセンサーアフター保証」と呼ばれるカーセンサー独自の有償保証制度を提供。これは、エンジン、トランスミッションといった機関から細かい電装装備品まで全350項目を保証、走行距離無制限で最長3年まで加入できる手厚いものとなっています。カーセンサーもグーネット同様に、カーセンサー保証対象車でなくても、トヨタ保証、ディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は無数にあります。
カーセンサーのスマホアプリでは、写真からアリオンが検索できる機能を備えています。街で見かけて気になった車を撮影して、アプリからアップロードするとアリオンを特定、そのまま中古車情報を調べることができる便利な機能。中古車探しのライフハックツールとしてもおすすめです。
2021年7月19日時点、カーセンサーでは、MRワゴンの掲載件数は1,553件、価格帯は3.5万~100万円、平均価格は約43万円となっています。
日常の足として乗るなら、3代目がおすすめ
MRワゴンは、2001〜2016年まで3世代にわたって販売された軽トールワゴン。日常の足として乗るなら、2011年にフルモデルチェンジした3代目がおすすめです。3代目はマイナーチェンジや大きな改良が行われていないため、特定の年式にこだわらなくても、走行距離や内外装の状態など条件がいいタマを探すことができます。
よくある質問
Q1:中古車のMRワゴン、どれを買うべき?
A:前項でお伝えしたとおり、日常の足として乗るなら、3代目から選ぶようにしましょう。初代や2代目は、年式的にちょっと厳しいと言わざるをえません。
Q2:中古車MRワゴンを買うときに気を付けたいポイントは?
A:MRワゴンに限ったアドバイスではありませんが、しっかりと保証が付いたものを買うことをおすすめします。安心できるのは、保証期間1年以上・保証走行距離無制限のものです。保証が付いていても、短い期間のものは、購入後の故障リスクが心配です。
Q3:中古車MRワゴンはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサー、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車MRワゴンに乗ることができます。
※当記事記載の中古車価格等の情報は、2021年7月19日時点のものです。