走行性能やエクステリアデザインのスタイリッシュさなど、車選びのポイントはたくさんあり、どの点を重視するのかは人によってさまざまです。しかし、どのような車を選ぶにしても必ず確認したいのが安全性能といえるでしょう。楽しいカーライフは安全が確保されてこそ成り立つものなので、車選びの際には自身がこだわりたいポイントに加え、安全性能を確認しておくことが大切です。
ここでは、日産「NV200バネットワゴン」の安全性能について紹介します。
この記事のPOINT
- NV200バネットワゴンは全車に先進安全技術を標準装備
- 「標識検知機能」をクラス初搭載(2019年10月、日産調べ)
- NV200バネットワゴンは「サポカー」に該当
NV200バネットワゴンの安全性能の特徴
2009年に登場したNV200バネットワゴンは、これまで一度もフルモデルチェンジを受けていません。
登場時は先進安全技術が一般に浸透しておらず、搭載しているのは一部の高級車だけという状況でした。
そのためNV200バネットワゴンも先進安全技術を搭載していませんでしたが、この10年のあいだに衝突被害軽減ブレーキをはじめとする先進安全技術は一般的なものになり、近年の新型車には何らかの先進安全技術が搭載される時代となりました。
ライバルとなる同クラスのミニバンも、充実した先進安全技術を搭載するものがほとんどです。それに対しNV200バネットワゴンは、商用モデルがベースであることが影響してか、なかなか先進安全技術を搭載せず、安全性能においてはライバル車に大きく後れをとっている状態が長く続いていました。
しかし、ついに2020年1月の仕様向上で先進安全技術を全車に標準装備。時代に合わせた安全性能を持つモデルへと進化させ、商品力を維持しています。
NV200バネットワゴンに搭載される先進安全技術
ここからは、NV200バネットワゴンにはどのような先進安全技術が搭載されているのかを見ていきましょう。
インテリジェント エマージェンシーブレーキ
出典:日産「NV200バネットワゴン」走行・安全 先進安全装
フロントカメラとフロントレーダーの2種類のセンサーを使用し、前方の車両や歩行者を検知します。その状態で衝突する危険があるとシステムが判断した場合は、音や接近警報表示によってドライバーに危険を知らせ、回避操作を促します。
車両や歩行者との距離が縮まるなど、衝突する危険がさらに高まった場合には表示を緊急警報表示に変化させ、ブザー音とともに弱いブレーキを作動させます。
それでも衝突が回避できない場合には、強力なブレーキを作動させて衝突回避、または衝突被害の軽減をサポートする機能です。
カメラに加えてレーダーを採用することで、夜間の検知機能を強化しているのも注目すべきポイントでしょう。検知対象は前方車両と歩行者で、対車両の場合は自車の速度が約10~80km/h、対歩行者の場合は約10~60km/hで作動します。
LDW(車線逸脱警報)
出典:日産「NV200バネットワゴン」走行・安全 先進安全装
ドライバーの意図なしに車両が車線を逸脱する危険があるとシステムが判断した場合、表示やブザー音で警告し、車線からのはみ出し防止を支援する機能です。
ステアリング操作をアシストする機能はありません。なお、車速約60km/h以上で作動するため、おもに高速道路や自動車専用道路で活躍してくれる機能といえるでしょう。
標識検知機能
出典:日産「NV200バネットワゴン」走行・安全 先進安全装
フロントカメラが道路標識を検知し、ディスプレイに表示することでドライバーの標識の見落としを防止し、標識に従った安全運転ができるようにサポートする機能です。
NV200バネットワゴンでは進入禁止、一時停止、最高速度の3種類の標識の検知が可能です。一時停止標識を検知した状態で、標識を通過した場合にはディスプレイの表示に加え、ブザー音を発してドライバーに注意喚起します。
なお、標識検知機能は、クラス初搭載(2019年10月、日産調べ)の先進安全技術です。
ハイビームアシスト
出典:日産「NV200バネットワゴン」走行・安全 先進安全装
ヘッドランプを点灯して走行中、対向車・先行車のライトや周辺の明るさを検知し、状況に応じて自動でハイビームとロービームを切り替えることで安全運転に貢献する機能です。
ハイビームで走行可能と判断した場合はハイビームを使用するため視認性が向上し、歩行者などの早期発見に貢献するほか、手動切替えの手間をなくす、切替え忘れによる対向車や先行車への眩惑を防止するなどのメリットもあります。
ヒルスタートアシスト
出典:日産「NV200バネットワゴン」走行・安全 先進安全装
上り坂での発進をアシストする機能で、ブレーキペダルからアクセルペダルへ踏み替える瞬間のブレーキ力を最大で2秒間維持することによって、坂道発進時の後退防止をサポートします。坂道発進が苦手な方も、落ち着いて操作できるでしょう。
オプションで追加できる「バックビューモニター」
NV200バネットワゴンには、オプションでバックビューモニターの追加が可能です。バックビューモニターはシフトを「R」に入れると自動で車両後方の画像を映し出すことで、後方の安全確認をサポートしてくれる機能です。
荷物をたくさん積んでいるときなどに重宝するでしょう。
ペダル踏み間違い時急発進抑制装置の搭載が期待されるNV200バネットワゴン
交通事故削減のための対策の一環として、経済産業省や国土交通省が衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術を搭載した車に「セーフティ・サポートカー」、通称「サポカー」の愛称をつけ、普及を啓発しています。
「サポカー」は搭載する先進安全技術の内容によって4つの区分があり、最上級の区分である「サポカーSワイド」が今の時代に誰もが安心して運転できる安全性能を有した車であるというひとつの基準といえるでしょう。
「サポカーSワイド」の認定には車両と歩行者が検知できる衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い時急発進抑制装置、車線逸脱警報、先進ライトの搭載が必要です。NV200バネットワゴンはペダル踏み間違い時急発進抑制装置が採用されていないため、「サポカー」の4つの区分の中で最も下位の区分「サポカー」の認定にとどまっています。
近い将来、ペダル踏み間違い時急発進抑制装置の採用を期待したいところです。
よくある質問
Q1:NV200バネットワゴンには先進安全技術は標準装備されているの?
A:はい、NV200バネットワゴンには全車に先進安全技術が標準装備されています。
Q2:NV200バネットワゴンにはどのような先進安全技術が搭載されているの?
A:車両と歩行者の検知が可能な「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」、車線から逸脱する危険があると注意喚起する「LDW(車線逸脱警報)」、道路標識を検知して表示することでドライバーの標識見落としを防止する「標識検知機能」、自動でハイビームとロービームを切り替える「ハイビームアシスト」などが搭載されています。
Q3:NV200バネットワゴンにオプションで追加できる安全装備はある?
A:はい、あります。NV200バネットワゴンでは、シフトレバーを「R」の位置に入れると自動で車両後方の画像を表示することで後方の安全確認をサポートする「バックビューモニター」の追加が可能です。
Q4:NV200バネットワゴンはどの「サポカー」に該当するの?
A:NV200バネットワゴンは、ペダル踏み間違い時急発進抑制装置に相当する機能が搭載されていないため、「サポカー」の4つの区分の中で最下位の区分である「サポカー」の認定にとどまります。
※記事の内容は2021年6月時点の情報で執筆しています。