かつては若者の憧れの車として人気を博したホンダ「アコード」。日本では旧型からPHEV(プラグインハイブリッド)を含むハイブリッド専用モデルとなりました。中古車の流通量は少なめで、その分自分に合った1台を選ぶのはなかなかたいへんです。この記事では中古車のアコードなら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のホンダ「アコード」は2013年式アコードハイブリッドEX
- 旧型前期モデルは価格が魅力。派手すぎないデザインもいい!
中古車のアコード、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら「2013年式アコードハイブリッドEX」を150万円で買う!
2013年6月にフルモデルチェンジした旧型アコードは、一般に販売するアコードハイブリッドと官公庁や法人向けのプラグインハイブリッドというハイブリッド専用モデルとして登場しました。車名も「アコードハイブリッド」「アコードプラグインハイブリッド」となり、生まれ変わったことが全面に押し出されています。
アコードは北米では人気の高いモデルですが、残念ながら日本では2000年代に入ったころから影が薄くなってしまいました。そのためあまり知られていませんが、アコードハイブリッドはとてもよくできた車として玄人筋から高く評価されています。
ハイブリッドシステムは2L i-VTECエンジンに駆動用と発電用という2つのモーターを組み合わせたスポーツハイブリッドi-MMD。このシステムは現在、e:HEVという名前になり多くのホンダ車に搭載されています。
このシステムは多くの時間をモーターの力で走行するため、力強い走りを味わえるとともに、走行中はとても静か。もちろん発電のためにエンジンが動く時間もありますが、そのときも音が耳障りという感じはしません。
アコードハイブリッドは2016年5月のマイナーチェンジで車名が「アコード」となります。そしてこのタイミングでデザインのイメージを大きく変えました。アコードハイブリッドがおとなしめのデザインだったのに対し、アコードハイブリッドはぎらつき感を強調します。
どちらが好きかは好みの問題。筆者はややおとなしめの前期モデルのほうが日本人の好みに合うと思っています。
旧型前期モデルはすでに100万円台前半の中古車も流通。150万円まで目をやると低走行で状態のいい中古車が見つけやすくなります。
上級グレードになるEXは衝突軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロールが標準装備になっていました。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車アコード
イチオシモデルとして紹介したアコードハイブリッドのハイブリッドEX以外にも、アコードはさまざまな視点から魅⼒的な中古⾞を探すことができます。旧型は前期モデルと後期モデル、どちらのデザインが好みかで選び方が変わります。まだ新しいため中古車の流通量が少ないものの、プレミアム性が高められた現行型の中古車にも魅力があります。旧型と現行型では価格帯もかなり違うので、予算に応じて中古車を探してみてください。
アコードのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
初代アコードは1976年に3ドアハッチバックとして登場。その後、セダンも加わります。スポーティーで高級感のあるルックスは当時の若者からの絶大な人気を誇り、憧れの車として確固たる地位を築きました。
1989年にラインナップに加わったアコードワゴンはリアゲートが大きく傾斜した流麗なボディラインが特徴で、サーファーなどからも支持されました。
しかし2000年代に入ると日本ではセダンやステーションワゴンへの注目度が低くなり、アコードも販売台数が低迷するように。9代目となる旧型はハイブリッドのセダンのみが日本で販売されました。車名もアコードハイブリッドとなります。
ハイブリッドシステムは「スポーツハイブリッドi-MMD」。現在はe:HEVという名称になり、フィットやヴェゼル、CR-Vなどに搭載されているシステムです。
これは駆動用と発電用の2つのモーターを搭載し、発進やクルーズ時はバッテリーに蓄えた電気を使ってモーターの力で走行。加速時はエンジンが発電用モーターを動かして発電した電気を使い走行。そして高速道路でのクルージング時は効率の良いエンジンの力で走るシステムです。
常に最も効率の良いパワートレインを使うことで、JC08モード30.0km/Lという低燃費を実現しました。
旧型前期モデルはセダンの定番といえるオーソドックスな3ボックススタイルに。顔つきは落ち着いたデザインになっています。ボディサイズは全長4,915mm × 全幅1,850mm × 全高1,485 mmという堂々とした大きさに。このサイズ感により車内には上級セダンらしいゆったりしたスペースが与えられました。
グレードはベースグレードのLXと上級グレードのEXを用意。EXには先進安全装備、本革巻&木目調のコンビステアリング、電動のリアサンシェイドなどが備わります。
2016年5月にはマイナーチェンジを実施。このタイミングで車名から“ハイブリッド”がとれ、アコードという車名に戻りました。そしてこのマイナーチェンジでさまざまな変更が加えられています。
デザインは前期モデルがどちらかというとコンサバティブなイメージだったのに対し、後期モデルはインラインタイプのフルLEDヘッドライトの採用やグリルデザインの変更によりアグレッシブなイメージに。
スポーツハイブリッドi-MMDはリチウムイオン電池を小型化するとともにモーターも一新。これらにより軽量化と高出力化を実現しました。
そしてギアセレクトは一般的なレバー式から、NSXなどでも採用されたボタン式に変更されています。同時にスポーツモードスイッチが搭載され、ドライバーが意図してスポーティーな走りを楽しめるようになりました。
先進安全装備パッケージであるHonda SENSINGはこのタイミングで全グレード標準装備に。さらに助手席側ミラーだけでは確認しづらい左側後方を画面に映して車線変更時の安全をサポートするレーンウォッチ、駐車や出庫時に前後に設置したセンサーで障害物の接近を知らせるパーキングセンサーシステムも標準装備されました。
2020年2月、アコードは10代目となる現行型にフルモデルチェンジ。
外観はデイタイムライト機能が備えられたLEDライトとグリル上部につけられた大型のクロームバーで堂々としたイメージに。ボディスタイルはベーシックな3ボックス型から、ルーフがリアに向かって流れるようにデザインされた流麗なスタイルに。
インテリアはインパネが薄型の3層構造になり、ゼルコバウッド(ケヤキ)をモチーフにした木目調パネルやプラチナクロームメッキで高級セダンにふさわしいゴージャスな雰囲気が与えられています。
フロントシートは旧型よりも背もたれが90mmも高くなり、乗員を包み込むような形状に。リアシートも背もたれが50mm高く設計されました。
旧型同様、現行型アコードもハイブリッド専用モデル。システムはe:HEV(スポーツハイブリッドi-MMDから名称変更)になります。
ギアセレクトは旧型後期モデルから採用されたエレクトリックギアセレクターを継承。現行型ではスポーツ、ノーマル、コンフォートの3つのモードから好みの味付けを選べるドラライブモードスイッチが搭載されています。
グレードはEXのみの設定になります。
こちらもおすすめ!タイプ別にアコードの中古車を選ぶなら
●押し出し感のあるデザインが好きなら「2016年式アコードEX」 中古市場の相場190万〜310万円
高級セダンとしての風格や迫力が欲しい方は、旧型のマイナーチェンジ後のモデルを。上級グレードのEXには先進安全装備も備わります。
アコードのような高級セダンは社用車として利用されるケースも多いため、低価格帯は年式の割に走行距離が多いものが中心になります。ただ、このような車は高速道路を長距離移動する機会が多く、機関系へのダメージは少ないケースがほとんどなので、距離をそこまで気にする必要はないでしょう。
車両本体価格230万円を超えてくると走行距離が少ないものも見つけやすくなります。
●コストを抑えて高級セダンを手に入れたいなら「2013年式アコードハイブリッドLX」 中古市場の相場100万〜190万円
旧型の前期モデル(アコードハイブリッド)の標準グレードであるLXは、100万円以下の価格がついている中古車も出始めています。新車時価格は365万円だったので、すでに1/3以下の価格に。
高級車であるアコードは標準グレードでもデュアルフルオートエアコン、運転席と助手席のパワーシート、リバース連動ドアミラーなど、装備が充実しています。シートは本革ではありませんが、上質なファブリックに。満足度はかなり高いはずです。
●先進安全装備にこだわるなら「2020年式アコードEX」 中古市場の相場100万〜190万円
他社のセダンとは一線を画すアグレッシブなデザイン、e:HEVならではのモーター走行、ボタン式ギアセレクトの先進性。現行型アコードにはこの車だからこそ味わえる先進性が多く盛り込まれています。
デビューからまだ1年ちょっとしか経っていないものの、すでに50台ほどの中古車が流通。新車価格が465万円なのに対し、中古車は340万円から見つけることができます。
中古車のアコードならではのチェックポイントはココ
多走行車はインテリアの使用感を要確認
旧型前期モデルであるアコードハイブリッドもまだそこまで古くはないので、機関系で大きな心配をする必要はないでしょう。ただ、多走行車の場合は、ステアリングや運転席など頻繁に手や体がふれる部分に使用感が出ている可能性があります。
価格が安くなっていても高級車なので質感にもこだわりたいという方はインテリアの状態をよく確認して、納得できるかを判断してください。
前期モデルと後期モデル、どちらが好みかを考える
旧型前期モデルのアコードハイブリッドと後期モデルのアコードではデザインの印象がかなり異なります。これは好みの問題なので、まずは本原稿内にある写真を見て、どちらが好みかをチェックしましょう。
そして時間があれば両方とも実車を見て、最終判断することをおすすめします。
本革シートはオプションに
高級車を象徴する装備のひとつが本革シート。旧型アコードは上級グレードのEXにレザーパッケージが設定されました。つまり本革シートは上級グレードでもオプションに。
中古車サイトでは詳細条件を設定する箇所で「本革シート」を選べるようになっています。これを絶対条件にしたい方はぜひ本革シートありにして中古車を探してみてください。
アコードの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
同じハイブリッド専用モデルのFFセダン「トヨタカムリ」
長くアコードのライバルとして君臨するモデルがトヨタカムリ。現行型はアコードと同じハイブリッド専用モデルとなります。デザインも内外装ともにアコードに負けずアグレッシブなイメージになっています。
トヨタの車づくりの指針であるTNGAに基づいたプラットフォームを採用。低重心パッケージになったことで走りは上質かつスポーティーに。後部座席は大人が3人ゆったり座れるスペースが確保されています。
中古車は400台ほど流通していて、価格帯は180万〜430万円。現行型だけでなく旧型とも比較できる相場になっています。
スポーツと先進性を両立させたFRセダン「日産スカイライン」
2013年11月にデビューした現行型スカイラインは、2Lターボと3.5Lのハイブリッドをラインナップ。1モーター2クラッチ式のハイブリッドシステムは高速道路巡航時にモーターのみで走る時間もあり、圧倒的に静かな環境で移動することができます。そして一度アクセルを踏み込めば、スポーツセダンらしい力強い走りを堪能できます。
ステアリングの動きを電気信号でタイヤに伝えるダイレクトアダプティブステアリングは路面からの不快な振動がステアリングに伝わらないので、ロングドライブの疲労も軽減されます。
中古車は440台ほど流通していて、価格帯は90万〜590万円となっています。
クリーンディーゼルでパワーと燃費性能を両立「マツダアテンザ」
2012年11月にデビューしたマツダのフラッグシップモデルであるアテンザ。現在は世界統一名称であるMazda6という名前で販売されています。
アテンザは2Lと2.5Lのガソリンエンジンに加え、2.2Lクリーンディーゼルエンジンをラインナップ。このエンジンは4L V8ガソリンエンジン並みの最大トルク(420N・m)を発揮。ハイブリッドでは味わえないトルクフルな走りを楽しめます。
アテンザの中古車は330台ほど流通していて、価格帯は60万〜310万円となっています。
中古車のアコードはここで探せ!
では、中古車のアコードをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合った保証をつけることができます。
カーセンサーnetのアコードハイブリッドおよび旧型アコードの掲載件数は185件で価格帯は100万~360万円、現行型アコードの掲載件数は51件で価格帯は300万~450万円となっています。
※いずれも2021年7月1日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証がつく「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車では旧型後期モデルのアコードも「アコードハイブリッド」に分類されています。アコードハイブリッドの掲載件数は182件で価格帯は100万~360万円、現行型アコードの掲載件数は11件で価格帯は300万~430万円となっています。
※いずれも2021年7月1日時点の情報です。
不人気モデルと呼ばれるが、旧型は“隠れた名車”である
日本でアコードはどちらかというと不人気車ですが、アメリカでは日本車を代表するモデルのひとつとなっています。
不人気ということもあり中古車相場は全体的に安めで推移。でも実はアコードはとても良い車で、中でも旧型アコードはもっと注目されてもいいモデル。その意味で “隠れた名車”といえるでしょう。
旧型は前期モデルと後期モデルで印象がかなり違うので、どちらが好みかをしっかり確認してから選ぶようにしてください。
よくある質問
Q1:中古車のアコード、どれを買うべき?
A:旧型前期モデルであるアコードハイブリッドの上級グレード、EXのお買い得感が高い。
Q2:中古車のアコードを買うときに気を付けたいポイントは?
A:前期モデルと後期モデルでデザインが大きく異なります。どちらが好みかをしっかりチェックしましょう。
Q3:中古車のアコードはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のアコードに乗ることができます。
※記事の内容は2021年7月1日時点の情報で制作しています。