バブル崩壊後、“安・近・短”をキーワードにしたアウトドアレジャーがブームになっていた1995年にデビューした初代ホンダ「CR-V」。現在の日本ではコンパクトSUVの人気が高く、同じホンダのヴェゼルに比べるとやや影が薄いモデルですが、それでも中古⾞の台数は豊富にあります。この記事では中古⾞のCR-Vなら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば⼀番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い⽅に加えて、気になる最新の中古⾞相場の状況などを専⾨家の⽬線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のホンダ「CR-V」は2012年式20G
- ガンガン使い倒すつもりで低価格帯のFFモデルをチョイス
中古車CR-V、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら「2012年式20G」を100万円以下で買う!
中古市場にあるCR-Vはほとんどが現行型と旧型になります。現行型は相場が240万~400万円、旧型は相場が70万~170万円です。中古市場に数あるCR-Vから、筆者が選ぶとすれば100万円以下で買える旧型のFFモデルになります。
実はCR-Vは現行型のハイブリッド車の評判がものすごく良く、それをチョイスするかかなり悩みました。ただ、現行型ハイブリッドは300万円前後の予算を見ておかなければならず(それでも新車価格よりかなり安いですが)、それなら逆に旧型の低価格帯の中古車を買って、休日に使い倒そうと考えました。
冬にゲレンデに行く機会が多い人は4WDを選ぶと安心感があるはず。筆者は高速道路を中心にスタッドレスに履き替えなくても大丈夫な場所での使用を想定して選択します。
旧型CR-VはFFが2L、4WDが2.4Lエンジンを搭載します。CR-Vのサイズで2Lはパワー不足と感じる人もいるかもしれませんが、逆にフロントが軽いことでコーナーなどを気持ちよく曲がっていくことができます。
燃費もJC08モードで15.4km/Lと当時のSUVとしては悪くないので、ロングツーリングを頻繁に楽しみたい人におすすめです。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車のCR-V
イチオシモデルとして紹介した旧型20G以外にも、CR-Vはさまざまな視点から魅⼒的な中古⾞を探すことができます。旧型の4WD車である24Gも低予算で探すことができますし、現行型のハイブリッドのモーターならではの走りもCR-Vの大きな魅力です。どちらもゆったり乗れる室内空間が確保されているので、たくさんの荷物を積んで大勢でレジャーを楽しみたい人にぴったりですよ!
CR-Vのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
1995年にホンダのクリエイティブ・ムーバーシリーズのひとつとしてデビューしたCR-V。当時はまだ硬派な本格クロカンが主流でしたが、CR-Vはトヨタ RAV4と同じ都市型のライトクロカンという位置付けでデビュー。4WDシステムには前輪が滑ったときなど必要に応じて後輪にトルクを自動配分するデュアルポンプ式が搭載されました。
CR-Vは2代目以降、アメリカ市場を重視したモデルになっていきます。大きくなったサイズのために日本では販売台数が減少してしまいました。
4代目となる旧型は2011年12月に登場。デザインは3代目のイメージを踏襲しながらもメッキを多用して煌びやかな雰囲気に。都市にマッチする高級SUVというイメージが強調されました。リアスタイルは初代から受け継がれる縦型のテールランプが特徴になっています。
インテリアにはナビのモニターに加え、インパネ中央上部にナビルートの補足情報やオーディオ情報、燃費情報などを表示するセンターディスプレイを設置。このディスプレイはステアリングスイッチでさまざまな操作が行えるようになっています。
北米がメイン市場ということもあり、シートは大柄な人もゆったり座れる大きなものが付けられています。そしてリアシートは2アクションで広大でフラットなラゲッジを作れるように。
3代目はすべてのグレードで2.4Lエンジンを搭載していましたが、4代目は2Lエンジンも用意。2LはFFでトランスミッションがCVTに、2.4Lは4WDでトランスミッションは5ATになります。
2012年10月には一部改良を実施。サイドエアバッグやサイドカーテンエアバッグが標準装備されるとともに、20G、24Gそれぞれにレザーパッケージが設定されました。
2016年8月、旧型CR-Vは生産が終了しますが5代目は発売されず、CR-Vはしばらく日本市場から姿を消すことになります。5代目が登場したのは、北米での販売開始から約2年遅れた2018年8月でした。
現行型はまず先行して1.5L直噴VTECガソリンターボを搭載したモデルが登場。このエンジンは2.4L NAエンジンに匹敵する最高出力140kW(190ps)、最大トルク240N・m(24.5kg-m)を発揮。トランスミッションは大容量トルクコンバーターを備えたCVTで、燃費はFFで15.8km/L(JC08モード)になります。
ガソリンモデルの特徴は5人乗りの2列シートに加え、7人乗りの3列シートが用意されること。7人でロングドライブはさすがにきついですが、家族で食事に行ったり、旅先で仲間と車1台で動きたいときなどに重宝します。
ハイブリッドは少し遅れて2018年11月に登場。CR-Vのハイブリッドシステムはほとんどのシーンでエンジンは発電に徹し、モーターで力強く走るSPORT HYBRID i-MMD、現在ではe:HEVと呼ぶタイプになります。
同じようなシステムに日産のe-POWERがありますが、シリーズハイブリッドのe-POWERはエンジンが100%発電に徹するのに対し、ホンダのシステムは高速のクルージングなどエンジンの効率が良い場面では、エンジンを動力としても使うことが特徴です。
これによりV6 3Lエンジン並みのパワーを発揮しながら燃費はFFでWLTCモード21.2km/L(JC08モード25.8km/L)を達成しました。
CR-VのハイブリッドはFFだけでなく4WDも用意。また、乗車人数は5人乗り2列シートのみになります。
2020年6月にはマイナーチェンジが行われ、ウィンカーが流れるように光るシーケンシャルウィンカーになり、ステアリングヒーターが装備されました。また、このタイミングでハイブリッドシステムの名称がe:HEVに変更されています。
こちらもおすすめ! タイプ別にCR-Vの中古⾞を選ぶなら
●現行型を手頃な価格で手に入れるなら「2018年式ガソリンモデル」 中古市場の相場240万〜330万円
1.5L VTECターボは排気量こそ小さいもののパワーは十分すぎるほど!ベースグレードのEX、上級グレードのEXマスターピースともに低価格帯は新車より100万円近く安くなっています。
デビューからまだ3年しか経っていないので走行距離も極端に伸びたものはないので、高年式低走行のものをお得に買いたい人は今が狙い目です!
この年式だと7人乗りはまだ10台ほどしか流通していないので、欲しい人はじっくり探してください。
●高年式の現行型で高級感を堪能したい方に!「 2021年式e:HEV EXブラックエディション」 中古市場の相場390万〜400万円
2020年6月のマイナーチェンジで追加された最上級グレードのブラックエディションはブラッククリア塗装を施した専用のアルミホイールやダーククロームメッキ仕上げのフロントグリル、ドアガーニッシュなどを装備。ヘッドライト内の色もブラックになります。シートも専用ロゴ入り本革になり、木目調パネルもブラックになるなど、とことん黒にこだわったクールで高級感のあるモデルです。
まだ発売されたばかりですが、すでにディーラーの試乗車だったものが何台か出回っています。新車より30万円〜40万円ほど安いので、欲しい人は探してみる価値はありますよ!
●4WDで安さにこだわるなら「旧型の4WD」 中古市場の相場80万〜160万円
旧型は4WDの流通量が全体の3割ほどと少ないですが、低価格であらゆるシーンで遊べる車が欲しい人にとっては魅力的な存在なのでぜひ探してみてください。
低価格帯は走行距離が10万km前後のものが多くなります。でも100万円以下でこのサイズのSUVが手に入ると考えれば悪くない買い物でしょう。車両本体価格で130万円前後まで目を向ければ走行5万km前後のものも見つかります。
中古車のCR-Vならではのチェックポイントはココ
先進安全装備にこだわるなら現行型の一択!
CR-Vの場合、さまざまな先進安全装備がパッケージになったHonda SENSINGは現行型から装備されました。旧型はサイドエアバッグなどは搭載されるものの、衝突軽減ブレーキなどはついていないので、先進安全装備が購入の絶対条件なら迷わず現行型をチョイスしましょう。
現行型にはホンダセンシング以外にも斜め後ろを監視し車線変更などのときに後方から車が近づいているとミラー内に合図を出して警告するブラインドスポットインフォメーションも備わります。
上級グレードにしか装備されない機能に注目
現行型前期モデルには、ベースグレードのEXと上級グレードのEXマスターピースがラインナップされます。CR-Vは高級SUVなのでベースグレードでも装備は充実しています。ただ、多くのSUVで需要が高いハンズフリーアクセスパワーテールゲート(足をかざしてドアの開閉ができる機能)はマスターピースのみに装備されます。
ほかにもマスターピースは大型の電動サンルーフ、本革シート、助手席パワーシート、ルーフレールを標準装備。これらの機能が必要かどうかを考えてグレード選択をしてください。
旧型は後部座席や荷室の状態を要チェック
SUVはたくさんの荷物を積んで遊びに出かけたり、後部座席に小さなお子さんを乗せていたオーナーもいます。お子さんがこぼした飲み物などのシミはクリーニングで落とせますが、走行時の衝撃で荷物が擦れてできたキズはなかなか落とせないもの。
現行型だとまだ新しいのでそこまで気にする必要はありませんが、旧型は初度登録から10年近く経っているものもあるので、車内のキズや汚れが気になる人は購入時に要チェック。
また、大型のSUVはペットと一緒にドライブを楽しむ人もいます。ペット臭が気になる人は室内、荷室、そしてエアコンを作動させたときの臭いに注意してみましょう。
CR-Vの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
3列シートも用意されるタフギア「日産エクストレイル」
遊びに使えるタフギアとしてデビューしたエクストレイル。2013年12月デビューの現行型は道具感満載のデザインから都市部に映えるイメージに大きく舵を切りました。
悪路走破性の高いオールモード4×4、荒れた路面でも挙動を安定させるアクティブライドコントロール、エンジンブレーキをコントロールしてコーナリングをスムーズにできるアクティブエンジンブレーキなど、先進的な電子制御でオーナーの遊びをバックアップしてくれます。フロントのVモーショングリルが大きくなった後期型からは高速道路での運転をサポートしてくれるプロパイロットも搭載されました。
現行型の中古車は3,000台以上流通していて、価格帯は90万〜360万円。プロパイロット搭載車が欲しい人は2017年6月以降のモデルを探してください。
ビッグトルクを発揮するクリーンディーゼルモデルが人気「マツダCX-5」
2012年2月に登場した初代はマツダの基幹技術であるSKYACTIVをフル搭載した初のモデル。2017年2月に発売された2代目はフロントライトが薄くなり、彫刻のような端正なデザインに生まれ変わりました。
搭載エンジンは、2Lガソリン、2.5Lガソリン、2.2Lディーゼルターボをラインナップ。2018年10月には2.5Lターボも追加されています。
現行型の中古車はすでに2,200台近く流通。中古車相場は160万〜380万円で、人気のディーゼルターボも低価格帯で見つけることができます。
プレミアム性を高めた元祖クロスオーバーSUV「トヨタハリアー」
現在の世界的なクロスオーバーSUVブームの礎を築いたのは1997年に登場した初代ハリアー。現在は4代目が発売されています。ただ、4代目は発売されたばかりで、中古車市場で流通しているのはまだ登録が済んでいない新車扱いのものが多くなります。今、中古車を探すなら、2013年12月にデビューした旧型が狙い目。
パワートレインは2Lガソリンと2.5Lハイブリッド。2017年6月には2Lターボが追加されています。ハイブリッドは後輪を独立したモーターで駆動させる4WDシステム「E-Four」を搭載。
人気のハイブリッドの中古車相場は170万〜380万円。流通量も400台以上あるので、探しやすいはず!
中古車のCR-Vはここで探せ!
では、中古車のCR-Vをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合った保証を付けることができます。
カーセンサーnetの現行型&旧型CR-Vの掲載件数は293件、価格帯は70万~400万円となっています(※)。
※いずれも2021年6月15日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証が付く「Goo保証」などの制度があります。
グーネットでは現行型CR-Vの検索が、ガソリン車とハイブリッドに分かれています。
グーネット中古車の現行型(ハイブリッドを含む)&旧型CR-Vの掲載台数は262件、価格帯は70万~400万円となっています(※)。
※いずれも2021年6月15日時点の情報です。
旧型の価格は大きな魅力。先進性にこだわるなら現行型のハイブリッドを
CR-Vは旧型のグレード構成はシンプルですが、現行型はガソリンかハイブリッドかという大きな選択が必要。価格を抑えたいなら迷わず旧型、先進性を味わうなら現行型のハイブリッドが狙い目になります。
現行型のガソリン車は7人乗りも設定されているので、使い方をよく考えて目当ての中古車をチョイスしましょう。
よくある質問
Q1:中古車のCR-V、どれを買うべき?
A:価格にこだわるなら旧型の2WD狙いで!
Q2:中古車のCR-Vを買うときに気を付けたいポイントは?
A:人気のハンズフリーバックドアは現行型の上級グレードのみ装備されます。この機能が必要かどうかでグレードのチョイスを!
Q3:中古車のCR-Vはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のCR-Vに乗ることができます。
※記事の内容は2021年6月15日時点の情報で制作しています。