車の先進安全技術は、各自動車メーカーが競い合うようにさまざまなものを開発しています。衝突被害軽減ブレーキひとつとっても夜間の歩行者検知や自転車・二輪車の検知が可能なもの、また交差点での衝突回避をサポートするものまでさまざまです。
先進安全技術の充実度や特徴はメーカーによって異なるのはもちろん、車種やグレードで差があるケースも少なくありません。
そのため、車選びの際にはどのような安全技術が搭載されているのかを細かくチェックすることが大切です。ここでは、マツダのクロスオーバーSUV「CX-3」の安全性能についてご紹介します。
この記事のPOINT
- CX-3は全車が「サポカーSワイド」に該当する安全性を有している
- グレードによって先進安全技術の充実度は異なる
- 高速道路でドライバーの運転負荷を減らしてくれる機能も採用されている
CX-3の安全性能の特徴
車の先進安全技術は、近年の新型車にはなくてはならないものといえます。日本では衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置をはじめとする先進安全技術を搭載した車を「セーフティ・サポートカー」、通称サポカーと名付け国土交通省や経済産業省が普及を推進しています。
なお、衝突被害軽減ブレーキは搭載が義務化されました。2021年11月以降の国産新型車にはすでに搭載が義務付けられており、継続生産車(国産)に対しては2025年12月以降の搭載が義務になります。
「サポカー」は先進安全技術の充実度によって4つに分類されていますが、その中でも最も充実した安全性能を備えた「サポカーSワイド」には歩行者を認識する衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い急発進抑制装置、先進ライトと車線逸脱警報が必要です。
2015年発売のCX-3すでにモデル末期といえますが、マツダでは毎年の改良により時代に合った性能を追求しているため、ベーシックグレードを含む全車が「サポカーSワイド」に該当する安全性を有しています。
さらに、CX-3には「サポカーSワイド」の認定に必要な機能のほかにもさまざまな先進安全技術が搭載されているのが特徴です。
CX-3に採用されている先進安全技術
出典:マツダ「CX-3」特長
ここからは、CX-3に搭載されている先進安全技術の内容を見ていきましょう。
アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ(夜間歩行者検知機能付き)
先行車や前方の歩行者をカメラで認識し、速度差や距離から衝突の危険があると判断した場合は警告、ブレーキアシストと段階を踏んで作動させ、それでも衝突の危険性がさらに高まった場合には自動でブレーキを制御する機能です。
CX-3では夜間の歩行者認知精度をアップしたフォワードセンシングカメラを採用することによって夜間の歩行者の検知にも対応するとともに従来よりも検知角度が約2倍広がり、より歩行者を幅広い範囲で検知できるようになりました。
対車両では約4~80km/h、対歩行者では約10~80km/hの速度域で作動します。
なお、「15S」「XD」と「15S Touring」の2WD車を除き、約15km/h以上で走行中に先行車を検知してぶつかる危険があれば警告するとともにブレーキを作動させる「スマート・ブレーキ・サポート」も搭載されます。
AT誤発進抑制制御(前進時・後退時)
約10km/h以下での徐行時もしくは停車時に、カメラやセンサーで車両の前後の障害物を認識している状態でアクセルペダルが強く踏み込まれた場合には、警告を発するとともにエンジン出力を抑制してペダルの踏み間違いによる急加速や急発進を防止します。
スマート・シティ・ブレーキ・サポート(後退時)
出典:マツダ「CX-3」特長
超音波センサーで車両後方の障害物を検知し、衝突の可能性がある場合にはブレーキを自動制御して衝突回避や衝突被害軽減を図るシステムです。約2~8km/h以下の速度域で作動します。
車線逸脱警報システム
カメラが左右の車線を認識し、車が車線を踏み越える可能性がある場合には警報を発してドライバーに注意喚起を行い、車線逸脱による事故防止をサポートするシステムです。
ドライバーがウインカー操作を行うなど、意図的に車線を踏み越えると推定される場合には作動
しないように工夫されています。
アダプティブ・LED・ヘッドライト(XD Touring、15S/XD Super Edgyに標準装備)/ハイ・ビーム・コントロールシステム(それ以外のグレードに標準装備)
出典:マツダ「CX-3」特長
「アダプティブ・LED・ヘッドライト」はLEDライトを部分的に細かく制御して、先行車や対向車にあたる部分のみを自動で消灯・点灯するため明るい視界が常に確保され、夜間の安全運転に貢献します。
「ハイ・ビーム・コントロール・システム」は、自動でハイビームとロービームを切り替える機能です。手動切り替えの手間や切り替え忘れをなくし運転手の負担を軽減して安全運転をサポートします。
ブラインド・スポット・モニタリング&リア・クロス・トラフィック・アラート
「ブラインド・スポット・モニタリング」は、ドライバーの死角になる車両の側後方から接近する車を検知し、検知した側のドアミラーのLEDインジケーターを点灯して接近車両の存在を知らせます。その状態でドライバーがウインカーを作動させるとインジケーターを点滅させるとともに警告音で危険を知らせ、車線変更時の安全確認をサポートする機能です。
この「ブラインド・スポット・モニタリング」が駐車場を出る際には「リア・クロス・トラフィック・アラート」として機能します。駐車場からバックで出る際に後方左右から接近する車両を検知するとドライバーに危険を知らせ、後方の安全確認をサポートします。
マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(15S/XD、15S Touring 2WDを除き標準装備、15S Touring 2WDにメーカーオプション)
事前に設定した車速内で定速走行したり、適切な車間距離を保ちながら先行車に追従走行したりしてドライバーの運転負荷を軽減し、安全運転に貢献するシステムです。AT車は全車速追従機能付きなので0km/hから高速域まで対応し、渋滞などで先行車が停止した際には自車も減速・停止します。
なお、「XD Touring」に設定のあるMT車には全車速追従機能は搭載されていません。
交通標識認識システム(15S、XD、15S Touring 2WDを除き標準装備)
出典:マツダ「CX-3」特長
速度制限、進入禁止、一時停止の3種類の交通標識を認識し、アクティブ・ドライビング・ディスプレイに表示することで標識見落としを防止し、標識に従った安全運転ができるようにサポートします。
ドライバー・アテンション・アラート(15S/XD、15S Touring 2WDを除き標準装備、15S Touring 2WDにメーカーオプション)
車速が約65km/hを超えると作動し、システムがドライバーの運転と車の挙動を学習します。その上で実際の運転状況が正常な運転パターンと異なるとシステムが判断した場合にはアクティブ・ドライビング・ディスプレイに警告を表示してドライバーに休憩を促すシステムです。
360°ビュー・モニター+フロントパーキングセンサー(15S/XDを除き標準装備)
車両の前後左右に設置されたカメラを活用し、車両の周囲の映像を映し出して周囲の安全確認をサポートする機能です。駐車時や狭い路地での取り回し時などに活躍します。
CX-3は最新の先進安全機能が充実した高い安全性が自慢のモデル
CX-3は運転席と助手席のエアバッグに加えてカーテン&フロントサイドエアバッグも全車に標準装備するなど、ここでご紹介した予防安全性に加えて衝突安全性についても配慮されています。
安全性が確保されてこそカーライフは楽しめるもの。車選びの際には、燃費性能や走行性能などに加え安全性能も必ず確認するようにしましょう。
よくある質問
Q1:CX-3の安全性能の特徴は?
A:CX-3はベーシックグレードを含む全車が「サポカー」の中でも最上位の区分である「サポカーSワイド」に該当します。また、それ以上にさまざまな先進安全技術を搭載しており、高い安全性が自慢です。
Q2:CX-3にはどのような先進安全技術が採用されているの?
A:CX-3には夜間歩行者の検知にも対応した衝突被害軽減ブレ―キや、ドライバーの異常を検知すると警告して休憩を促す「ドライバー・アテンション・アラート」、標識の見落とし防止をサポートする「交通標識認識システム」など、さまざまな機能が採用されています。
Q3:CX-3には運転支援機能もある?
A:はい、高速道路で設定した車速内で定速走行したり、先行車との適切な車間距離を維持しながら追従走行したりすることでドライバーの運転負荷を減らす「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」があります。
※この記事は2023年4月時点の情報で制作しています