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燃料費は車を維持していくためには必ずかかるものです。近年の新型車は環境性能や燃費性能に配慮しているものがほとんどですが、それでも車種によって燃費は大きく異なります。車選びの際にはカタログ燃費はもちろん、実燃費もしっかりとチェックするようにしましょう。
ここではトヨタのFRライトウェイトスポーツカー「86」の燃費性能についてご紹介します。
86はどんな車?
トヨタ「86」はスバルと共同開発されたライトウェイトスポーツカーで、スバル伝統の水平対向エンジンとトヨタの直噴技術「D-4S」を組み合わせた「水平対向・D-4S」エンジンをフロントミッドシップに搭載したトヨタの中でも異彩を放つモデルです。ドライバーの直感的な操作で取り回せる感覚や操る楽しさを体感できる「直感ハンドリングFR」が開発コンセプトになっています。
バブルの時代から1990年代にかけて絶大な人気を誇り、生産終了から30年以上経った現在でも中古車市場では高い人気を誇るAE86(カローラレビン/スプリンタートレノ)のスピリットを継承し「86」と命名されました。
86のカタログ燃費
86のエンジンは2.0Lの水平対向4気筒エンジン1種類でハイブリッド車やクリーンディーゼル車などはラインナップされず、ガソリン車のみとなっています。駆動方式はもちろん2WDのみ、トランスミッションは6速MTと世界最速レベルの変速レスポンスを誇る6-Speed SPDS(6速AT)の2種類が採用されています。
86のWLTCカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | トランスミッション | 燃費 |
---|---|---|
G | 6速MT | 12.8km/L |
G | 6-Speed SPDS | 12.0km/L |
GT | 6速MT | 12.8km/L |
GT | 6-Speed SPDS | 11.8km/L |
GT“Limited” | 6速MT | 12.8km/L |
GT“Limited” | 6-Speed SPDS | 11.8km/L |
GT“Limited・Black Package” | 6速MT | 12.8km/L |
GT“Limited・Black Package” | 6-Speed SPDS | 11.8km/L |
GR SPORT | 6速MT | 公式データなし |
GR SPORT | 6-Speed SPDS | 公式データなし |
GR | 6速MT | 公式データなし |
カタログ燃費をライバル車と比較
先述したように86はスバルとのコラボレーションによって生まれたモデルで、スバルには86の兄弟車として「BRZ」が存在します。
またライトウェイトスポーツカーとして存在感を発揮しているのがマツダのロードスターでしょう。ここではこの2車種と86のカタログ燃費を比較してみます。
スバル「BRZ」
出典:スバル「BRZ」
86とともに誕生したBRZは操縦安定性を高めるため、軽量と高剛性を両立させたBRZ専用シャシーを採用しています。さらに専用開発されたリニアな応答性や路面に吸い付くような安定感を発揮するサスペンションが高次元の走りを発揮し、ドライバーの思いどおりの走りを実現します。
BRZのWLTCモードカタログ燃費は11.6~12.8km/L。トヨタと共同開発されたエンジンを使用しているため、ほぼ86と同じ数値になっています。
マツダ「ロードスター」
2シーターオープンタイプのライトウェイトスポーツカーであるマツダ「ロードスター」はマツダのコンセプトである「人馬一体」の走りを体現する走行性能の高さはもちろん、スタイリッシュなデザインも高く評価されているモデルです。
現行モデルではマツダの先進安全技術「i-ACTIVSENCE」が搭載され、安全性についても時代に適合し現在のニーズに合ったスポーツカーとして存在感を発揮しています。
ロードスターのWLTCモードカタログ燃費は16.8~17.4km/Lです。ロードスターは1.5Lエンジンであるなど86と排気量や車両車重の違いはありますが、単純に燃費の数値だけを比較するとロードスターに軍配が上がる結果となりました。
86の実燃費
燃費をしっかりと確認するためにはカタログ燃費だけではなく実燃費のチェックが欠かせません。
86で採用されているWLTCモード燃費はこれまで日本で使用されてきたJC08 モード燃費とは異なり、「市街地」「郊外」「高速道路」の3種類の走行モードで測定するため、JC08 モード燃費よりも実燃費との差が少ないといわれています。
オーナーの実燃費を収集している「e燃費」のデータによると、86の実燃費は11.15~11.61km/Lです。
カタログ燃費と実燃費の差はわずかな数値です。86のカタログ燃費と実燃費の差は非常に少ないといっていいでしょう。
86の走行性能
出典:トヨタ「86」ギャラリー
車の本分であるともいえる走行性能も気になる部分です。特に86のようなスポーツカーを検討する方は最も確認しておきたい部分なのではないでしょうか。ここでは86の走行性能について見ていきましょう。
高出力・大トルクを誇る水平対向・D-4Sエンジン
高い技術開発力に定評のあるスバルと共同開発された86専用のエンジンは、スバルの誇る可変バルブタイミング機構搭載の水平対向エンジンにトヨタのD-4Sを組み合わせたエンジンです。
D-4Sは燃料の筒内直接噴射と吸気ポートに噴射するポート噴射を状況に応じて最適に制御する専用ツインインジェクターを備えたシステム。このシステムを水平対向エンジンと融合させることによって最高出力207PS、最大トルク212N・m(いずれもMT車)を発揮します。
超低重心FRパッケージと最適な前後重量配分
86では専用設計のプラットフォームに低重心・低慣性・コンパクト・軽量化を追求した超低重心FRパッケージを構築し、4名が乗車できる室内空間を確保しながらも意のままのハンドリングを楽しめるよう工夫されています。
また何度もテストを繰り返し53:47という最適な前後重量配分を実現し、FRスポーツカーならではのピュアな操舵感やコーナーを駆け抜ける楽しさを手に入れました。
FRスポーツカーらしい走りが存分に楽しめる86
一般的に長期間使用することになる車の燃費性能を確認することはその後のカーライフに必要なコスト管理のためにも大切です。
86はかつてのAE86に憧れていた方や、FRスポーツカーならではの走りを存分に楽しみたい方にはたまらないモデルといえるでしょう。
※記事の内容は2019年7月時点の情報で執筆しています。