どんなに気を付けて運転していても、交通事故の可能性は完全にゼロにはなりません。そのため、車にはさまざまな安全性能が搭載されています。近年では衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置などの先進安全技術が車の安全性能の中心となりつつあるといえるでしょう。
ここでは、トヨタ「カローラスポーツ」の安全性能についてご紹介します。
この記事のPOINT
- カローラスポーツには「Toyota Safety Sense」が全車に標準装備されている
- 「プリクラッシュセーフティ」は交差点での衝突回避や衝突被害軽減にも対応
- 全車が「サポカーSワイド」に適合
カローラスポーツの安全性能の特徴
カローラスポーツでは、トヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全グレードに標準装備しています。「Toyota Safety Sense」は単眼カメラとミリ波レーダーの2種類のセンサーを使用して高い精度で車両の周囲の状況を検知し、さまざまな交通事故につながる危険を減らしたり衝突被害を軽減したりして安全なドライブをサポートするシステムです。
カローラスポーツに搭載される「Toyota Safety Sense」に含まれる先進安全技術
ここからは、カローラスポーツの「Toyota Safety Sense」に含まれるおもな先進安全技術について見ていきましょう。
プリクラッシュセーフティ
先行車や車両前方の歩行者、自転車運転者を検知し、システムが衝突の危険があると判断した場合は段階を踏んでブレーキ制御を行い、衝突回避や衝突被害軽減をアシストする機能です。
システムが衝突の可能性ありと判断した場合にはまず警告を発してドライバーに危険を知らせ、その状態でドライバーがブレーキ操作を行うとブレーキアシストを行い、ブレーキ踏力をアップ。
それでも衝突が回避できない場合、またはブレーキ操作が行われなかった場合にはプリクラッシュブレーキを作動させます。車両に加えて昼夜の歩行者と自転車運転者、昼間の自動二輪車の検知も可能で、車両に対しては自車速が約5km/h以上、歩行者や自転車運転者に対しては、自車速が約5~80km/hの速度域で作動します。
なお、2022年10月の一部改良でプリクラッシュセーフティの機能が大幅に向上され、交差点右折時の対向直進車や右左折時に対向方向からの横断歩行者や自転車運転者の検知機能や、交差点での出会い頭時の車両と自動二輪車の検知機能、ドライバーの回避操舵をきっかけにシステムが操舵支援を行う緊急時操舵支援機能などが追加されました。
レーントレーシングアシスト/レーンディパーチャーアラート
システムが車線を認識し、車線中央付近の走行を維持できるようにステアリング操作を支援します。車線を逸脱しそうになった場合には警告を発するとともにステアリング操作を支援し、車線の逸脱を回避するようにサポートを行います。
車線だけでなく、縁石やアスファルトの境界なども認識可能です。また渋滞時などで車線を認識しにくい状況の場合は先行車を追従してステアリング操作を支援します。
高速道路や自動車専用道路などでの車線逸脱を防ぎ、車線中央を走るようにサポートして車線逸脱による衝突事故を防止する機能です。
レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き/停止保持機能あり)
高速道路や自動車専用道路において先行車をミリ波レーダーと単眼カメラで認識し、車速に応じて適切な車間距離をキープしながら追従走行したり、あらかじめ決められた車速で定速走行をしたりする運転支援機能です。
全車速追従機能付きなので、渋滞などで先行車が停止した際には自車も停止して停止状態を保持。先行車が発進した際にはドライバー操作によって発進して追従走行を再開します。単調になりやすい高速巡航やドライバーにストレスのかかる渋滞時の運転負荷を軽減し、安全運転をサポートします。
ロードサインアシスト
単眼カメラが道路標識を認識し、マルチインフォメーションディスプレイに最適なタイミングで表示して標識の見落とし防止をサポートします。
認識できる道路標識は車両進入禁止とはみ出し通行禁止、最高速度、一時停止、転回禁止です。また、赤信号の認識機能も搭載しており、赤信号を認識しているにもかかわらず交差点に進入しようとしている場合には表示や音によって注意喚起します。
オートマチックハイビーム
近年では夜間の走行時にはハイビームを基本的に使用するように推奨されていますが、対向車や先行車がいる場合には相手の目を眩ませてしまう可能性があるため、その度にロービームに切り替える必要があります。
オートマチックハイビームは自動でハイビームとロービームを切り替えるシステムです。ハイビームでの走行頻度が高くなるので歩行者などの早期発見に貢献するほか、切り替えの手間や切り替え忘れをなくし夜間の安全運転に貢献します。
プロアクティブドライビングアシスト
システムが運転中に起こりうるリスクを先読みしてブレーキやステアリングを制御することで、危険に近づきすぎないようにサポートする機能です。
歩行者や自転車運転者、または駐車車両に対する操舵・減速支援や、カーブに対して速度が速すぎる場合はドライバーのアクセルオフに応じて減速したり、先行車や隣車線の車の割り込みを検知した際に減速支援したりして、安全運転をサポートします。
発進遅れ告知機能
先行車の発進時や、信号が赤から青に変わった際の出遅れ時に音や表示で注意喚起する機能です。
このほか、全車に「ドライバー異常時対応システム」も搭載されています。これはレーダークルーズコントロール作動時に無操作状態が継続しているとシステムが判断すると、音や表示でドライバーに注意喚起します。それでも操作がない場合はホーンやハザードで周囲に異常を知らせつつ減速・停止し、緊急時の事故防止に貢献します。
停止後はドアロックの解除やコネクティッドサービスを通じて緊急車両の手配などを行い、ドライバーの早期救護を図ります。
「Toyota Safety Sense」以外の先進安全技術もチェック
カローラスポーツは、「Toyota Safety Sense」以外にも先進安全技術を採用しています。
パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)
クリアランスソナーが進行方向の障害物(静止物)を検知し、衝突の危険があると判断するとエンジンやハイブリッドシステムの出力を抑制します。それでもさらに障害物との距離が縮まった場合にはブレーキ制御を行い、衝突被害の軽減に貢献する機能で、「サポカーSワイド」の認定に必要な「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」にあたります。
ブラインドスポットモニター+安心降車アシスト(全車にメーカーオプション)
「ブラインドスポットモニター」は、隣車線後方のドライバーの死角になる位置にいる車両を検知して注意喚起し、車線変更時の危険を知らせる機能です。
「安心降車アシスト」はブラインドスポットモニターと同じセンサーを使用し、自車の後方から接近する車両や自転車を検知し、降車時に乗員や開放したドアに接触する可能性があると判断した場合はドアミラー内のインジケーターの点滅やメーター内表示で警告します。
なお、ブラインドスポットモニター+安心降車アシストを選択した場合は、後退して出庫する際に後方左右から接近する車両を検知して、必要があればブレーキ制御を行う「パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)」も追加されます。
安全性能を確認する際はパッケージの内容までチェックしよう
車の先進安全技術はここ数年でかなり進化し、各自動車メーカーがさまざまな機能を開発しています。「Toyota Safety Sense」のような先進安全技術をパッケージ化しているメーカーも多いですが、パッケージの内容はメーカーによって異なるのはもちろん、同じ車種内でもグレードによって異なることもあります。
先進安全技術は現在の車選びの重要なポイントのひとつです。安全で快適なカーライフを手に入れるためには必ず先進安全技術パッケージの内容まで確認し、必要な機能が備わっているかを見極めることが大切といえるでしょう。
よくある質問
Q1:カローラスポ―ツには先進安全技術は採用されているの?
A:はい、カローラスポーツには単眼カメラとミリ波レーダーを検知システムとして使用するトヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が全車標準装備です。
Q2:カローラスポーツにはどのような先進安全技術が搭載されているの?
A:カローラスポーツには、交差点での衝突回避や衝突被害軽減にも対応した「プリクラッシュセーフティ」、高速道路で先行車を追従走行してドライバーの運転負荷を軽減する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き/停止保持機能あり)」、自動でハイビームとロービームを切り替える「オートマチックハイビーム」などの先進安全技術が搭載されています。
Q3:カローラスポーツはどの「サポカー」に該当するの?
A:カローラスポーツは全車が「サポカーSワイド」に適合する安全性能を有しています。
※この記事は2023年6月時点の情報で制作しています