2018年にデビューした三菱最新のコンパクトSUV「エクリプス クロス」。ディーゼル、ガソリン、PHEVの3タイプのパワートレインをラインナップする実力派です。それぞれの個性から選び方のポイントまでお伝えします。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車の三菱「エクリプス クロス」は2018〜2020年式・ディーゼルターボモデル
- 価格重視なら1.5Lダウンサイジングターボの2WD、PHEVは災害時の給電にも使えておすすめ
中古車エクリプス クロス、おすすめモデルはズバリこれ。2018〜2020年式・ディーゼルターボモデル
エクリプス クロスは、2018年3月から国内発売が開始された現行モデル1世代のみとなります。中古車市場では、2021年5月23日時点で300〜400台が流通しており、価格帯は140〜450万円、ボリュームゾーンは2018年式で210〜260万円の価格帯となっています。その中で筆者がおすすめするのは、ビッグマイナーチェンジ前のディーゼルエンジンモデル。ただ、2.2Lディーゼルターボエンジンモデルは、2020年12月のマイナーチェンジ時に廃止となってしまいました。
おすすめする理由は、定評あるデリカ D:5と同じ2.2Lディーゼルターボエンジン(最高出力145PS・最大トルク380N・m)を搭載、コンパクトなボディにはパワーを持て余すような気もしますが、実際に乗ってみると、とても扱いやすく低燃費。燃料代が安い軽油ですので、ロングドライブが多い方には特におすすめです。
エクリプス クロスには、1.5Lガソリンのダウンサイジングターボエンジンモデル(最高出力150PS・最大トルク240N・m)もありますが、三菱のSUVらしさでいえば、ディーゼルエンジンモデルのほうに軍配が上がります。ディーゼルエンジンより軽量なガソリンエンジンのため、走りは軽快になります。いっぽう、ディーゼルエンジンモデルは重厚感ある乗り味になります。
ディーゼルターボモデルの駆動方式は、4WDのみとなります。この4WDは「S-AWC」と呼ばれる、四輪の駆動力を電子制御でリアルタイムに調節する高い走行安定性と悪路走破性を誇ります。雪道から雨の高速道路まで、悪条件下での走りの良さもおすすめポイント。
エクリプス クロス ディーゼルモデルのグレードは、ベースグレードの「M」と「G」がありますが、「M」は中古車市場にほとんど流通していません。「G」には、特別仕様車「プラス・パッケージ」「ブラックエディション」が販売されています。Gプラス・パッケージは流通量が非常に少ないですが、ブラックエディションは、20台ほどあり、「G」と同程度の流通量となっていました。
このため、グレードの選択肢は「G」か「ブラックエディション」かの2択。後者は文字どおり、ブラックの内外装を基調とした特別仕様車。ボディカラーの好みで選びましょう。年式はエクリプス クロスがデビューした2018年から、ビッグマイナーチェンジ実施時の2020年のあいだと狭い範囲ですから、年式にはこだわらず、走行距離と内外装の状態と価格で探すと良いでしょう。
ほかにも!お買い得で魅力的な中古車エクリプス クロス
エクリプス クロスには、前述の2.2Lディーゼルターボのほかに、1.5Lガソリン・ダウンサイジングターボとPHEVの計3つのパワートレインがラインナップされています。残りの2タイプもおすすめです。
エクリプス クロスの歴史
三菱「エクリプス クロス」は、コンパクトSUVの「RVR」とミドルクラスSUVの「アウトランダー」のあいだを埋めるコンパクトSUVとしてデビューしました。海外市場から先に発売され、国内市場へは2018年3月からの発売開始となりました。
国内デビュー当初は、新開発の1.5Lガソリンターボエンジンのみでしたが、同年6月から、2.2Lディーゼルターボエンジンが追加となりました。このディーゼルエンジンは、デリカ D:5に搭載されているものと同じで、三菱らしい走りをもたらす定評のあるエンジンです。
2020年12月には、ビッグマイナーチェンジが実施され、エクステリアデザインが大きく変更となり、全長は140mm延長されました。新しくなったエクリプス クロスの顔は、デリカ D:5をはじめとする三菱の共通デザイン「ダイナミックシールド」を採用、より三菱らしい文字どおりダイナミックなものに生まれ変わりました。
また、ビッグマイナーチェンジと同時に、PHEVモデルが追加となりました。このパワートレインは、性能が高く定評を得ている「アウトランダー PHEV」のものを流用したものですが、エクリプス クロス PHEVに合わせて最適化されています。
なお、ビッグマイナーチェンジ時に、ディーゼルエンジンモデルは廃止され、現在は1.5Lガソリン・ダウンサイジングターボとPHEVのみのラインナップとなりました。
ちなみに「エクリプス」は1989〜2012年のあいだに販売されていたスポーツカーの名称。日本での人気はいまいちでしたが(熱いファンは今も)、北米では一定の人気を博していました。なお、スポーツカーのエクリプスとエクリプス クロスの関係性は特にありません。
こちらもおすすめ! <タイプ別>中古車エクリプス クロス
● 価格重視なら マイナーチェンジ前の2018〜2020年式・ガソリン・2WDモデル 中古市場の相場150〜260万円
エクリプス クロスは、1.5Lダウンサイジングターボガソリン車に、2WD(前輪駆動)をラインナップしています。新車車両価格が安く、中古車流通台数はエクリプス クロス全モデルの3割程度と、比較的多めで探しやすいのもおすすめポイント。グレードは、ベースグレードの「M」と「G」、Gをベースにした特別仕様車がありますが、グレード間の装備差は顕著ではない(注意事項は後述の「エクリプス クロスならではのチェックポイント」で確認してください)ので、予算を主軸に走行距離が少なく、気に入ったボディカラー、装備の有無で絞り込んでいくと良いでしょう。狙い目は走行距離40,000㎞以下の170万円台、M系グレードです。
● 災害時対策に!通勤・通学にも PHEV 中古市場の相場370〜410万円
2020年12月にデビューした、エクリプス クロス PHEV。アウトランダー PHEVで定評のあるパワートレインを流用、エクリプス クロス用に最適化されています。
モーターのみで走行するEVモードのほか、エンジンを発電専用としてモーターのみで駆動するシリーズハイブリッドモードも備え、EV航続距離はWLTCモードで57.3km、ハイブリッドモードでのWLTCモード燃費は16.4km/Lと、エコなスペック性能となっています。
このEV航続距離なら、通勤、通学の往復を電気のみで走行することが可能な方も多いのでは? ガソリン代より安くすむケースがほとんどです。
また「V2H(ヴィークル・トゥ・ホーム)」を装備しているのもポイント。これは、車を給電器にして家へ電力供給できるシステムのこと。災害で停電したとき、救援や生活に必要な電気をエクリプス クロス PHEVが供給してくれます。すでに、自治体が三菱のPHEVを導入し、災害時の備えとしています。
まだ出たばかりのモデルで中古車市場価格は高い状態ですが、デモカー(ディーラーの試乗車)など走行距離が短い中古車が目立ちますので、ほぼ新車同等の状態のものを安く買うことができます。
エクリプス クロス PHEVのグレードは、ベースグレードの「M」、中間グレードの「G」、上級グレードの「P」となります。PHEVモデル特有のグレード間の装備差で顕著となるのが、100V/1500W AC電源が「M」のみオプション装備となること。このほかの装備差については「エクリプス クロスならではのチェックポイント」をご覧ください。
エクリプス クロスならではのチェックポイント
エクリプス クロスのグレード構成は「M」「G」の2系統がベースとなります。Gは上級グレードとなり、さらに装備を充実させた「Gプラス・パッケージ」が設定されています。このほかマイナーチェンジ前のモデルには、特別仕様車「ブラックエディション」があります。グレード間の装備差が少ないモデルですが、「M」も「G」もオーディオは非装着、スピーカーのみの装備がデフォルトとなっています。大半が新車購入時にオーディオをオプションで装備していますが、車にオーディオが必要な方は要チェックです。
また、先進安全装備「e-Assit(イーアシスト)」は全車標準装備ですが、Mグレードには「レーダークルーズコントロール(前車と車間距離を一定にして追従、アクセルとブレーキ操作はシステムが支援)」が非装着、後方側方車両検知警報システム(車線変更時などで、斜め後方からの接近車両を検知)も非装着、「G」でオプション設定、「Gプラス・パッケージ」で標準装備という違いがあります。この2点の機能を必要とする方は、チェックポイントとなります。高速道路に乗ることが多い方には、あったほうが良い先進安全装備です。
エクリプス クロスは、2019年デビューの新しいモデルですので、このモデル特有の中古車選びの注意点、チェックポイントは今のところないでしょう。どのモデルでも共通する注意点ですが、新しいモデルでも内装の状態は要チェック。特にシートはしっかりとチェックしましょう。
比べて検討!エクリプス クロスのライバル車種
日産「エクストレイル」
エクリプス クロスは、スタイリッシュなデザインではありますが、都会派SUVというよりオフロード寄りのコンパクトSUVで、直接的なライバルが不在です。かつてはラリーで名を馳せた三菱らしいモデルです。
ライバルを強いて挙げれば、日産 エクストレイル。スタイリッシュなデザインで、アウトドア志向の強いSUVですが、ボディサイズはエクリプス クロスより一回り大きめのミドルクラスとなります。人気でいえば、エクストレイルのほうに軍配が上がりますが、エクリプス クロス指名買いでなければ、一考の価値あり。
エクリプス クロスの対抗馬としてエクストレイルを探すなら、2017年式以降の現行モデル、マイナーチェンジ後のもので。
中古車価格帯は12〜390万円、平均価格は約160万円となっています。(2021年5月23日時点)
中古車エクリプス クロスはここで探せ!
では、中古車エクリプス クロスをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
グーネット
2大中古車検索サイトの1つ、グーネット。1977年に「中古車情報通信」の名称で創刊された中古車検索雑誌から歴史が始まった老舗です。
グーネットは「グー鑑定」と呼ばれる、中古車を探している人に代わって、プロの鑑定士が中古車の車両状態を鑑定するサービスを提供。この鑑定士は第三者機関の「日本自動車鑑定協会(JAAA)」に所属。公正な鑑定が行われています。これで鑑定された中古車は、内外装、エンジンやトランスミッションといった機関、修復歴などの評価をまとめた「グー鑑定証」が与えられ、中古車情報ページの「グー鑑定」のアイコンから、その鑑定証を確認することができます。
また「ID車両」と呼ばれる中古車の品質を公正に証明するサービスも提供しています。「グー鑑定」と似ていますが、こちらはディーラー独自の基準で厳しいチェックを行った中古車の鑑定結果を「車両状態評価書」にまとめたものとなります。これは中古車情報ページの「ID車両」のアイコンから、その評価書を確認することができます。
「グー鑑定」や「ID車両」対象車は、全体の2割程度となっています。なお、非対象車は品質が良くないという意味ではありません。
さらに「グー保証」と呼ばれる、グーネット独自の中古車保証制度も提供しています。保証期間は国産車が最長3年で部品交換や修理から、移動中のキー閉じ込めなどのトラブル対応やレッカー移動などのロードサービスも全国24時間365日対応で付属(ロードサービスは自動車保険にも付いていることが多いですが)。なお、グー保証対象車は全体の1割程度となっていますが、これが付いていなくても、トヨタ保証やディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は多くあります。
グーネットのエクリプス クロスの掲載件数は358件、価格帯は144.8~439万円となっています(※)。
※いずれも2021年5月23日時点の情報です。
カーセンサー
2大中古車検索サイトのもう1つ、カーセンサー。1984年に中古車情報雑誌「カーセンサー」が創刊、今はグーネットと肩を並べる老舗中古車検索サイトとなっています。中古車掲載台数は、時期によって変動しますが約50万台。この台数はグーネットとほぼ同じで、掲載される中古車物件もほぼ同じとなります。これはほとんどの中古車販売店が、カーセンサーとグーネットの両方に掲載登録している背景があるためです。
カーセンサーは「カーセンサー認定」と呼ばれる中古車の品質鑑定情報を提供しています。鑑定は、第三者機関の「AIS」が行い、内外装の状態から目立たない小さなキズまで厳しくチェックし10段階評価しています。鑑定結果は、中古車情報ページから「車両品質評価書」で確認することができます。カーセンサー認定中古車は、全体の1割程度となりますが、この認定中古車でなくても、一般財団法人日本自動車査定協会の「V-CON」や、トヨタ、ディーラーの品質評価制度に基づく検査結果が掲載された中古車が無数にあります。
また「カーセンサーアフター保証」と呼ばれるカーセンサー独自の有償保証制度を提供。これは、エンジン、トランスミッションといった機関から細かい電装装備品まで全350項目を保証、走行距離無制限で最長3年まで加入できる手厚いものとなっています。カーセンサーもグーネット同様に、カーセンサー保証対象車でなくても、トヨタ保証、ディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は無数にあります。
カーセンサーのスマホアプリでは、写真からエクリプス クロスが検索できる機能を備えています。街で見かけて気になった車を撮影して、アプリからアップロードするとエクリプス クロスを特定、そのまま中古車情報を調べることができる便利な機能。中古車探しのライフハックツールとしてもおすすめです。
カーセンサーのエクリプス クロスの掲載件数は376件、価格帯は144.8~439万円となっています(※)。
※いずれも2021年5月23日時点の情報です。
三菱らしさが光るディーゼルターボ、価格が安い1.5Lガソリン、先進のPHEVと個性派揃いのエクリプス クロス
2020年12月のビッグマイナーチェンジで、2.2Lディーゼルターボモデルが廃止、代わりにPHEVを導入したエクリプス クロス。三菱らしい力強い走りと、ラリーをルーツに持つ三菱の技術が光る先進の四輪駆動システムを搭載したディーゼルターボは、筆者的にイチオシ。電動化の波が押し寄せる中、今が買い時かもしれません。
1.5Lガソリン・ダウンサイジングターボは、よく走って低燃費。マイナーチェンジ前のモデルの2WDは中古車価格も下がってきていて、走行距離が少なく程度の良い中古車を狙うなら今が買い時。
PHEVは、災害などの停電時に救援や家への電力供給ができる「V2H」を装備。経済的な走りとモーターの力強くスムーズな加速を両立していることも注目の電動車です。
ライバル不在といえる、個性派のエクリプス クロスです。
よくある質問
Q1:中古車のエクリプス クロス、どれを買うべき?
A:エクリプス クロスは新しいモデルで、前述したとおりの個性派。したがって「これを買うべき」といえる限定したモデル、グレードがありません。好みやライフスタイル、予算に合わせて選びましょう。
Q2:中古車エクリプス クロスを買うときに気を付けたいポイントは?
A:基本設計が新しく、先進技術を満載したエクリプス クロスですので、特に注意したい点はありませんが、グレード別の装備差(前項「エクリプス クロスならではのチェックポイント」参照)をチェックしてください。
Q3:中古車エクリプス クロスはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサー、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車エクリプス クロスに乗ることができます。
※当記事記載の中古車価格等の情報は、2021年5月23日時点のものです。