快適装備や安全性能など、車にどのような機能の充実を求めるかは人によってさまざまです。まずグレードごとに異なる車の装備内容を把握し、その上で自分に適した装備内容のグレードを選択するようにしましょう。
ここではトヨタ「タンク」のグレードについてご紹介します。
タンクのグレード構成
タンクには1.0LNAガソリンエンジンと1.0Lターボガソリンエンジンの2つのパワートレインがあり、駆動方式はターボ車が2WDのみ、NAエンジン車には2WDと4WDの両方がラインナップされています。
NAエンジン車には2WDと4WDに共通して「X」「X“S”」「G」「カスタムG」の4つのグレードが設定されており、ターボエンジン車には「G-T」「カスタムG-T」の2種類のグレードがあります。
加えて2018年11月に特別仕様車「G“Cozy Edition”」がラインナップに加わりました。
ここからタンクのグレード別の装備内容を見ていきましょう。
最低限の装備内容で価格を抑えた「X」グレード
出典:トヨタ「タンク」グレード
ベースグレードとなるこの「X」グレードでは衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」が標準装備されないことが最も大きな特徴といえるでしょう。オプションでの設定もありません。これからの時代において先進安全性能はマストともいえる装備だと思いますが、このグレードではこうした安全性能も最低限にして価格を抑えている、といった印象です。
コーナーセンサーやクルーズコントロールも装備されません。
ヘッドランプはオートレベリング機能付きのマルチリフレクターハロゲンヘッドランプですが、リヤランプにはLEDが採用されています。ドアミラーはサイドアンダーミラー付きの電動格納式のリモコンカラードドアミラーです。
フロントドアやフロントクォーターにはUVカット機能付きグリーンガラスが採用されました。
パワースライドドアは助手席のみ、エアコンはダイヤル式のマニュアルエアコンとシンプルな快適装備になっています。インテリアにも加飾はほとんどなく、実用性に徹したグレードといえるでしょう。
「スマートアシストⅢ」が標準装備となる「X“S”」グレード
出典:トヨタ「タンク」グレード
このグレードから衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」が標準装備になります。スマートアシストⅢには歩行者にも対応する衝突警報機能と衝突回避支援ブレーキ機能、誤発進抑制制御機能(前方・後方)、車線逸脱警報機能、オートハイビーム、先行車発進お知らせ機能が含まれています。
またフロントに4個、リヤに4個の接近お知らせ表示付きコーナーセンサーが装備され、安全性能が各段に充実します。
そのほかの装備内容は「X」グレードに準じます。
快適装備が充実する「G」グレード
出典:トヨタ「タンク」グレード
「G」グレードでは「X“S”」の装備内容にプラスしてクルーズコントロールや両側のパワースライドドア、プッシュ式オートエアコン、運転席の上下アジャスターが装備されるなど、快適機能が充実します。
マルチインフォメーションディスプレイの操作がステアリングから手を放さずに行えるステアリングスイッチも装備されました。
メーター類が単眼アナログメーターから2眼オプティトロンメーターになり、マルチインフォメーションディスプレイもTFTカラーのものが採用され「X“S”」グレードとは差をつけています。
エクステリアでもフロントドアとフロントクォーターのUVカット機能に加えてIRカット機能付きのウインドシールドガラスになり、ドアミラーはサイドターンランプ付きに。
シフトレバーボタンにメッキ加飾、エアコンサイドレジスターにシルバー加飾があしらわれるなどインテリアにおいても上質感を持たせたグレードです。
ターボエンジンが搭載される「G-T」グレード
出典:トヨタ「タンク」グレード
「G-T」グレードには力強い走りをもたらす1.0L直列3気筒ターボエンジンが搭載されます。走りにこだわるグレードらしくステアリングスイッチはスポーツモード付きになり、シフトイルミネーション付きの5ポジションインパネセンターシフトが追加されます。
スタビライザーもNAエンジン車ではフロントのみなのに対し、「G-T」ではフロントとリヤに装備されました。
インテリアではセンタークラスターパネルがGグレード同様にピアノブラック調になり、スポーティさを醸し出しています。
そのほかの装備は「G」グレードとほぼ変わりありません。
エクステリアデザインで差をつけた「カスタムG」
出典:トヨタ「タンク」グレード
この「カスタム」はデザインの異なるバンパーやメッキ加飾などを使用し、通常モデルとは差をつけたルックスが特徴のグレードで、ベースとなるのは「G」グレードです。
カスタム専用装備としてフロントスポイラー、専用のフロント&リヤバンパーやメッキフロントアッパーグリル、専用塗装とメッキがあしらわれたフロントグリルをまとい、通常グレードよりも迫力のあるエクステリアが持ち味といえるでしょう。
LEDヘッドランプとLEDフロントフォグランプ&LEDイルミネーションランプ、3DデザインのLEDリヤランプを装備するなど夜間の視認性も向上させています。
ステアリングホイールやインパネセンターシフトには本革が使用され、インパネセンターシフトは6ポジションになります。
インテリアはドアトリムオーナメント表皮が追加され、メッキ加飾やシルバー加飾部分も多くなるなどスポーティさと上級グレードである豪華さを感じさせる装備内容です。
ターボエンジンのカスタムバージョン「カスタムG-T」
出典:トヨタ「タンク」グレード
「G-T」グレードの装備内容に「カスタム」の装備をプラスしたグレードです。
そのほかに特筆すべき点はタンクのラインナップの中で唯一、15インチのアルミホイールが装備される点でしょう。
ナビレディパッケージとコンフォートパッケージが標準装備される特別仕様車「G“Cozy Edition”」
出典:トヨタ「タンク」特別仕様車 G“Cozy Edition”
この特別仕様車にはベースとなる「G」グレードではオプションになるナビレディパッケージやコンフォートパッケージが標準装備されます。
ナビレディパッケージは後退時に後方の視界をディスプレイに映し出し、駐車の「距離目安線」「車幅延長線」、ステアリング操作に連動する「予想進路線」をナビの画面に表示して安全な後退駐車をサポートするバックカメラと、ステアリングから手を放さずオーディオ操作ができるステアリングスイッチがセットになっています。
コンフォートパッケージには運転席・助手席のヒートシーターやシートバックテーブルなど快適なドライブを実現する機能が含まれます。
このほかにもバックスタイルを華やかに演出するメッキバックドアガーニッシュがエクステリアに追加され、インテリアでも随所にメッキ加飾やシルバー加飾が追加されるなど運転支援や快適装備、デザイン性すべてにおいて他のグレードとは一線を画す特別仕様車であるといえるでしょう。
コストパフォーマンスが高い特別仕様車が魅力的なタンク
タンクは特別仕様車「G“Cozy Edition”」が充実した装備内容でコストパフォーマンスもよく魅力的です。家族みんなで安心して楽しいカーライフを送るのに適したモデルであるといえるのではないでしょうか。
車のグレードを選ぶ際には自分に必要な装備を明確にしておくことが求められます。充実したカーライフを送るために欠かせない装備、あったらうれしい装備、無駄だと感じる装備をはっきりさせておけばグレード選びはそれほど難しいものではなくなるでしょう。
※記事の内容は2019年8月時点の情報で執筆しています。