車のグレードは車種によっては複雑な構成のものもあるため、グレード選びに苦手意識を持つ方は少なくないようです。しかし、グレードごとの特徴を確認せずに値段だけで決めてしまうと欲しい装備が搭載されていないなど、後悔することになるかもしれません。そのためグレードごとの装備内容をしっかりと把握することが大切です。
ここではスバル「レヴォーグ」のグレードについて紹介します。
レヴォーグのグレード構成
レヴォーグには1.6L水平対向直噴ターボDITと2.0L水平対向直噴ターボ“ハイパフォーマンス”DITの2種類のガソリンエンジンがラインナップされています。
グレードは1.6Lエンジンには「1.6GT EyeSight」「1.6GT EyeSight Smart Edition」「1.6GT EyeSight V-SPORT」「1.6GT-S EyeSight」があります。2.0Lエンジンには「2.0GT-S EyeSight」がラインナップ。
さらにこれらに加えてスバルのモータースポーツ活動やパーツの開発・販売、チューニングなどを行うSTI[?]が手掛けるSTIモデルである「1.6STI Sport EyeSight」「2.0STI Sport EyeSight」が設定されています。
レヴォーグのグレードごとの装備内容をチェック
ここからはレヴォーグのグレードごとの装備を見ていきましょう。
優れた安全性能を持つ「1.6GT EyeSight」
レヴォーグには全グレードにスバルの先進安全テクノロジーである「アイサイト コアテクノロジー」が標準装備されています。アイサイトはステレオカメラで障害物や歩行者、先行車などを認識して車両を制御し、運転支援や衝突回避・被害軽減などをサポートする先進安全性能です。
アイサイト コアテクノロジーにはプリクラッシュブレーキ、後退時ブレーキアシスト、AT誤発進抑制制御(前方・後方)、車線逸脱抑制、車線逸脱警報、ふらつき警報、先行車発進お知らせ機能や全車速追従機能付クルーズコントロールや高速道路においてアクセル・ブレーキ・ステアリング操作を支援してドライバーの運転負荷を大幅に軽減できるツーリングアシストなどの機能が含まれています。かなり充実した内容の先進安全性能といえるでしょう。
全車速追従機能付のアダプティブ・クルーズコントロールを搭載する車種は増えつつありますが、ステアリング操作支援も行うツーリングアシストのような機能を搭載した車はそれほど多くありません。日産が「プロパイロット」として同様の技術を2016年に日本で初めてセレナに搭載し、現在ではセレナやリーフ、エクストレイルなどの一部グレードに標準装備している程度です。
そういった最先端の先進技術を使用した機能がスタンダードグレードにも備わっているのはレヴォーグの評価できる点といえるでしょう。
LEDヘッドランプやLEDフロントフォグランプ、LEDリアコンビランプやリヤフォグランプなども標準装備され、スタンダードグレードであっても充実した装備内容となっています。左右独立式温度調節機能付きのフルオートエアコンやキーレスアクセス&プッシュスタート、運転席の8ウェイパワーシートも装備され、実用に十分な快適装備もそろいます。
アルミホイールは17インチのガンメタリック塗装のものが採用されています。
運転支援&視界拡張機能がプラスされる「1.6GT EyeSight Smart Edition」
このグレードではより安全性を高めるための装備が充実します。全車標準装備のアイサイト コアテクノロジーに加え、運転支援と視界拡張のための先進技術「アイサイトセイフティプラス」が装備されます。
アイサイトセイフティプラスには安全な車線変更などをサポートするスバルリヤビークルディテクション[?]や自動防眩ルームミラー付きのハイビームアシスト、死角を減らして安全運転に貢献するフロント&サイドビューモニターが含まれます。
さらに「1.6GT EyeSight」ではメッキ×ブラック塗装であったフロントグリルがダークメッキ×ブラック塗装になり、ドアミラーもサテンメッキになるなどエクステリアの質感を高めていることもこのグレードの特徴といえるでしょう。
アルミホイールは「1.6GT EyeSight」と同じ17インチですが、ブラック塗装が採用され、より引き締まった足元となっています。
より走りにこだわった「1.6GT EyeSight V-SPORT」
「1.6GT EyeSight Smart Edition」の内容に加えて、このグレードからビルシュタイン製のダンパーが装備されます。ハンドリングの応答性が増し、高速走行時の安定性が向上するので、より走りを楽しめるグレードであるといえるでしょう。
アルミホイールもインチアップされ18インチのブラック塗装+切削光輝のものになり、安定性が増しています。
スポーツシートが装備される「1.6GT-S EyeSight」
「1.6GT-S EyeSight」ではスポーツシートが装備されるのが大きな特徴です。このスポーツシートはサポート性が高く、長時間の運転でも疲れにくいように工夫されており、ドライバーの正確な操作を支えます。
運転席(10ウェイ)・助手席(8ウェイ)ともにパワーシートが標準装備になります。
ステアリングホイールやシフトレバーには質感の高い高触感革が使用され、ブルーステッチが施されました。シートにもブルーステッチが使用され、上級グレードとしての高級感を与えています。
また、このグレードには「1.6GT EyeSight Smart Edition」「1.6GT EyeSight V-SPORT」に標準装備されているアイサイトセイフティプラスが装備されないので注意してください。オプションでの追加は可能です。
2.0ターボエンジンが搭載される「2.0GT-S EyeSight」
2.0Lのターボエンジンが搭載されることに加えて、VTD-AWD[不等&可変トルク配分電子制御AWD]が採用されているのがこのグレードです。1.6LエンジンモデルはすべてアクティブトルクスプリットAWD(電子制御AWD)です。
VTD-AWDは前後輪のトルク配分を45:55に配分し、後輪へのトルク配分を増やすことで優れた回頭性を実現するとともに状況に応じてトルク配分を連続可変制御することで直進安定性も向上。積極的なスポーツ走行を可能にします。またトランスミッションには高出力エンジンに対応し、スポーティな加速とダイレクトな変速が楽しめるスポーツリニアトロニックが組み合わされました。
1.6Lエンジンモデルとは一線を画す優れた動力性能が持ち味といえるでしょう。
そのほかはシート素材がウルトラスエードになる以外は「1.6GT-S EyeSight」の装備内容とほぼ同じです。アイサイトセイフティプラスがオプションでの設定である点も変わりありません。
内外装の質感を高めるとともに走りも追求した「1.6STI Sport EyeSight」/「2.0STI Sport EyeSight」
STIチューニングが施されたビルシュタイン製フロントストラット&コイルスプリングやリヤダンパー&コイルスプリングなどを備え、操縦安定性の向上と快適な乗り心地を確保し、走りの質感にこだわったのがこのSTIモデルです。
エクステリアにも専用のフロントバンパー・フロントグリル、フロントフォグランプカバー、大型マフラーカッターなどを備え、迫力満点の仕上がりです。足元には18インチのダークグレー×切削光輝アルミホイールが組み合わされました。
インテリアカラーにボルドーとブラックを使用した専用インテリアとなり、スポーティさだけではなくラグジュアリーさも感じさせる仕上がりになっています。
安全装備も充実し、「1.6GT EyeSight Smart Edition」「1.6GT EyeSight V-SPORT」に搭載されている内容にさらにスマートリヤビューミラーが追加されます。
走行性能、内外装、そして安全性能と、すべてに最高のものをそろえたグレードがこの「STI」といえるでしょう。
レヴォーグのグレードは「1.6GT EyeSight V-SPORT」がバランスよくおすすめ
全車に標準装備されるアイサイトコアテクノロジーに加えアイサイトセイフティプラスも装備され、充実した安全性能とスバル車に期待される走りを実現する走行性能を備えた「1.6GT EyeSight V-SPORT」が装備内容のバランスがよく、おすすめできるグレードです。
すべてにおいて最高のものを求めるのであれば「STI」、価格を抑えてレヴォーグを楽しみたいのであれば「1.6GT EyeSight」など、それぞれが求めるものに対応する多彩なグレードをそろえている点もレヴォーグの魅力のひとつといえるでしょう。
※記事の内容は2019年9月時点の情報で執筆しています。