今や車の燃費性能は燃料費だけではなく車に関する税金をも左右する時代です。一定の燃費基準をクリアしているモデルは自動車税や自動車重量税が軽減されるので、車選びの際には必ず燃費性能はしっかりとチェックしましょう。
ここではスバル「レヴォーグ」の燃費性能について紹介します。
レヴォーグの燃費の特徴
レヴォーグにはスバルならではの走りと環境性能を両立させた1.6L水平対向直噴ターボエンジンの「1.6LインテリジェントDIT」とスポーティで力強い動力性能を備えた2.0L水平対向直噴ターボエンジン「2.0LハイパフォーマンスDIT」の2種類のエンジンをそろえています。
1.6LインテリジェントDITはスバルの技術の結晶ともいえるダウンサイジングターボエンジンで、小排気量であることを感じさせないパワーとターボの概念を覆すような低燃費を実現しています。
また、2.0LハイパフォーマンスDITは直噴エンジンならではの圧縮比の高さや吸排気量の増大などによってスポーティな動力性能を持つのが特徴です。加えて緻密な燃料噴射制御技術などの採用により時代に合った優れた環境性能も両立させました。
ここからレヴォーグのカタログ燃費を見てみましょう。
レヴォーグのカタログ燃費
レヴォーグは先に紹介した2種類のガソリンエンジンがあり、1.6Lエンジンにはレヴォーグ専用チューニングが施され、リニアな加速フィールを実現するCVT「リニアトロニック」が採用されています。
2.0Lエンジンにはエンジンの出力の高さに対応し、スポーティな加速とダイレクトな変速が楽しめるCVT「スポーツリニアトロニック」が搭載されました。
駆動方式はいずれもスバルではシンメトリカルAWDと呼ばれる4WDのみ。1.6Lエンジンではあらゆるドライバーが運転しやすいように安定性が重視された新世代のアクティブトルクスプリットAWDシステムが採用されています。
2.0Lエンジンにおいては後輪のトルク配分を増やしてコーナリング時のスムーズなハンドリングを実現し、積極的なスポーツ走行に対応するVTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)が搭載され、それぞれのエンジンの特性に合ったベストなAWDシステムが組み合わされています。
レヴォーグのJC08モードカタログ燃費は以下のとおりです。グレードによる燃費の差はありません。
1.6Lエンジン | 16.0km/L |
2.0Lエンジン | 13.2km/L |
レヴォーグとライバル車のカタログ燃費を比較
レヴォーグのライバル車としてはマツダ「MAZDA6」やホンダ「ジェイド」などが挙げられます。ここではこの2車種とレヴォーグのカタログ燃費を比較してみましょう。
マツダ「MAZDA6」
出典:マツダ「MAZDA6」
2019年8月、マツダ「アテンザワゴン」のマイナーチェンジが行われたタイミングでグローバル向けと同じMAZDA6という名称に変更されたこのモデルは、マツダならではの伸びやかで流麗なフォルムが上品な印象を与える都会派ステーションワゴンです。ガソリン車とクリーンディーゼル車があります。
MAZDA6の燃費はWLTCモードが採用されており、MAZDA6 のWLTCモードカタログ燃費はガソリン車(2WDのみ)が12.4~15.0km/L、クリーンディーゼル2WD車が17.8~19.6km/L、4WD車が17.0~18.8km/Lです。
計測モードの違いがあるので単純比較はできませんが、一般的にWLTCモード燃費がJC08モード燃費よりも実燃費に近く、カタログスペック上での数値は低めに出るとされていることを考慮に入れると、レヴォーグの燃費性能はMAZDA6に大きく引き離されている状態といえるのではないでしょうか。
ホンダ「ジェイド」
セダン並みの低全高でスポーティなスタイリングを実現したジェイドは、ホンダの安全運転システム「Honda SENSING」を全車に標準装備し、サポカーSワイドに認定される高い安全性能を備えていることが特徴です。
ジェイドではガソリン車に加えてハイブリッド車もラインナップされていますが、4WDがなく2WDのみとなっています。
ジェイドのJC08モードカタログ燃費はガソリン車が17.6~18.0km/L、ハイブリッド車が24.2km/L。
ジェイドは2WD、レヴォーグは4WDという駆動方式の差はありますが、燃費の数値だけを比べるとハイブリッド車はもちろん、ガソリン車においてもジェイドにメリットがあるといえる結果となっています。
レヴォーグの実燃費
レヴォーグに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e 燃費」によると、現在、レヴォーグの実燃費は1.6Lエンジンが10.60km/L、2.0Lエンジンが10.18km/Lとなっています。
JC08モードカタログ燃費とは平坦でまっすぐな道でライトやエアコンなどを使わずに一定の条件下で計測されているもので、指標に使われる数値です。しかし、日常生活では坂道や未舗装路などのさまざまな場所で走行することから、どの車でもカタログ燃費と実燃費との差が生まれるのです。
路面の状態や運転の方法によって実燃費は変わりますが、JC08モードの場合、実燃費の3割増しといわれているため、レヴォーグのカタログ燃費と実燃費の差は2.0Lエンジンではおおよそ平均値といえますが、1.6Lエンジンでは若干平均値よりも差が大きくなっているといえるでしょう。
レヴォーグの走行性能
「革新スポーツツアラー」をコンセプトに開発されたレヴォーグの走行性能やドライブの快適性に関する部分についてもチェックしてみましょう。
次世代トランスミッション「リニアトロニック」ならではの爽快な加速フィール
横置きチェーン式無段変速機(CVT)のリニアトロニックは走行環境に応じて最適なギア比を無段階で選択し、変速ショックのない滑らかで快適な乗り心地を実現するとともにストレスのない爽快な加速フィールを提供するようレヴォーグ専用に徹底チューニングされています。
2.0Lエンジンに搭載されるスポーツリニアトロニックはさらにマニュアルモードの変速スピードを上げ、シフト操作の瞬間にエンジンやメーターが反応するように仕上げられ、スポーティな特性を持たせています。
高いレベルでの静粛性を確保
レヴォーグでは吸音・遮音材を効果的に使用することで優れた静粛性を確保しています。フロントウィンドウに遮音中間膜を採用し、フロントワイパー作動時の音を軽減しているほか、インパネ先端に制振材を配置。そのほかにも各ドアのシール部分を強化、ピラー各部に防音材を採用、ガラス部分の厚みを最適化するなどして全席に静かで上質な車内環境などを提供するよう工夫されています。
スポーティな走りが自慢のレヴォーグ
レヴォーグはとことん走りにこだわったということも影響してか燃費性能においてはライバル車に少し遅れをとっている状態ですが、スバル伝統の水平対向エンジン+シンメトリカルAWDの組み合わせに専用チューニングが施されたリニアトロニック/スポーツリニアトロニックが採用されたことにより、ライバル車にはない優れた走行性能が持ち味のモデルといえるでしょう。
※記事の内容は2019年9月時点の情報で執筆しています。