三菱「タウンボックス」は商用車ベースの軽キャブワゴンです。商用車ベースであることから機能性が優先され、居住性の良さは二の次にされているイメージがあるかもしれませんが、タウンボックスは日常的に利用する車としての快適さにもしっかりと配慮されています。
ここでは、タウンボックスの内装について、詳しくご紹介します。
この記事のPOINT
- タウンボックスはホイールベース2,430mmを確保し、広く快適な室内空間を実現
- 前後乗員間距離は1,080mm、後席は最大180mmのスライドが可能
- 多彩な座席アレンジが可能で、フルフラットにも対応している
タウンボックスの室内空間の特徴
2015年3月に登場した3代目となる現行型のタウンボックスは、運転席下にエンジンを設置するキャブオーバー式の商用バンをベースにしています。見た目は近年軽自動車の主流となっている軽スーパーハイトワゴンに似ていますが、商用バンの特徴であるロングホイールベースであることを活かし、広々とした室内空間を確保しています。なお、タウンボックスのホイールベースは2,430mmです。
前後間乗員距離は1,080mmあるため、一般的に狭くなりがちな後席にもゆとりがあります。また、後席は最大180mmのスライドが可能なことに加え、左右別々にスライドさせたりリクライニングさせたりできるため、乗員の体格に合わせた状態でゆったりとくつろげるでしょう。
タウンボックスの内装
タウンボックスには「G」「Gスペシャル」の2種類のグレードがありますが、内装はグレードによる差はありません。カラーやシート素材などもすべて同じです。
ベージュベースのシンプルな内装
インテリアカラーには明るいベージュを採用。個性を強調しすぎず、シンプルながらも居心地の良さを追求しています。
インパネやステアリングホイールにはベージュとトーンをそろえたやわらかなモカブラウンを使用し、変化をつけています。
シルバーをあしらって上質感を演出
また、エアコンパネルやステアリングホイールの一部にアクセントとしてシルバーをあしらうことで、上質さを演出しているのもポイント。商用ベースの車とはいえ、快適にドライブが楽しめるように内装デザインにもこだわっていることがうかがえます。
エアコンは内部に抗菌処理を施していることに加え、花粉やたばこのにおいを和らげてくれるエアフィルター付きのフルオートエアコンを搭載。設定した温度に合わせて風量や吹き出し口を自動調整し、快適な環境を維持します。
空調が効きにくい後席には、足元を温めてくれるリアヒーターダクトが備わっています。
フロントシートは、背面をそれぞれ独立させながらも座面はベンチシートとしたことで機能性とくつろぎを両立させました。さらにインパネシフトの採用、センターコンソールの省略により前席間はウォークスルーとなっているため、移動がスムーズに行えるのはもちろん、助手席側からの乗り降りもらくらくです。
タウンボックスの座席周りの収納
身の回りのものを収納するスペースの充実度や使い勝手もドライブの快適性に関係します。ここでは、タウンボックスの座席周りの収納について見ていきましょう。
インパネカップホルダー
運転席・助手席それぞれのエアコン送風口の前にカップホルダーが1個ずつ備わっています。インパネ一体型なので、走行中の安定感は抜群です。しかし丸形なので、四角い紙パックのドリンクは収納できません。
インパネトレイ(助手席)
助手席前には、財布やハンカチ、眼鏡ケースなどの置き場所として使用できるトレイがあります。収納物が落ちにくいように傾斜がつけられているので、安心して利用できるでしょう。
グローブボックス
車検証や自賠責保険証などの書類入れとして使用されることの多いグローブボックスは、平均的な大きさです。
インパネアッパーポケット
メーターの右横には小物が収納できるポケットがあります。それほど大きなスペースではないため、小銭入れなどの収納場所としておすすめです。
インパネアンダーボックス
ダストボックスとして使用されることの多いインパネアンダーボックスは、それほど容量が大きくないコンパクトなタイプです。
オーバーヘッドシェルフ
従来車の前席上には2段式のオーバーヘッドコンソールが備わっていましたが、2022年4月の一部改良でより横長で収納力を増したオーバーヘッドシェルフへと変更になりました。タオルやティッシュボックスなど、身の回りの品をすっきりと収納できます。
助手席シートバックポケット
助手席のシートバックにのみ、雑誌や観光ガイド、タブレットなどの収納に適したシートバックポケットがあります。
ドアポケット&ドリンクホルダー(運転席・助手席)
運転席と助手席のドアには、500mlのペットボトルが収納できるボトルホルダーと、ドアポケットが備わります。
リアボトルホルダー
後席にもドリンクの置き場所が確保されています。
ラゲッジサイドポケット
タウンボックスでは、ラゲッジスペースにも使い勝手に配慮した便利な収納が用意されています。小物が収納できるポケットが荷室両側に備わっているのはうれしいポイントでしょう。
ラゲッジサイドアッパーポケット(運転席側)
運転席側には、さらにもう1段収納スペースが確保されています。画像のようにティッシュボックスを収納してもいいですし、工具類や清掃グッズなどこまごまとしたものをまとめて収納するスペースとしても活用できるでしょう。
タウンボックスの荷室&座席アレンジ
タウンボックスの最大の魅力は、広い居住スペースと荷室を確保していることといっても過言ではないでしょう。定員の4人が乗車した状態でも、4人分の荷物が余裕をもって積み込める広さを確保しています。
後席は分割可倒式シートを採用しているため、後席に1人が座った状態でも片側の座席を倒して荷室を拡大することもできます。
後席をすべて倒してしまえば、27インチサイズの自転車2台が余裕をもって積み込める広々としたスぺースが出現。日常的な送迎はもちろん、サイクリングなどの趣味や荷物が多くなりがちなキャンプなどのアウトドアでも活躍するでしょう。
後席に加えて助手席も倒してしまえば、サーフボードやスキー板などの長尺物の収納も可能です。
さらに、タウンボックスはフルフラットにも対応しています。フルフラットにしてもなお荷物を置けるスペースが確保されているため、休憩時には荷室の荷物を動かすことなく足を伸ばしてくつろげます。
広々とした室内空間と荷室スペースが魅力のタウンボックス
タウンボックスは、商用バンベースの軽キャブワゴンならではの広い室内空間と広大な荷室スペースを持つことが最大の魅力といえます。
居住性にもしっかりと配慮されているので、日常生活からレジャーまで、幅広いシーンで活躍してくれる頼もしい1台といえるでしょう。
よくある質問
Q1:タウンボックスの室内空間の特徴は?
A:タウンボックスは、ロングホイールベースで広々とした室内空間を確保しているのが特徴です。また、前後乗員間距離は1,080mmある上、後席には左右別々にリクライニングやスライドができる機能が搭載されているため、乗員はどの席に座っても体格に合わせた姿勢でくつろぐことができます。
Q2:タウンボックスの内装のグレードごとの違いは?
A:タウンボックスには「G」と「Gスペシャル」の2種類のグレードがありますが、内装デザインや座席周りの収納などにグレードによる差はありません。内装カラーやシートの素材もすべて同じものが採用されています。
Q3:タウンボックスの荷室は十分に荷物が積める?
A:タウンボックスの魅力は室内の広さと荷室の広さにあるといえます。定員の4人が乗車した状態でも4人分の荷物が余裕をもって積み込めることに加え、後席をすべて倒せば27インチサイズの自転車を2台積載可能です。なお、後席は分割可倒式のシートを採用しているため、後席に1人が座った状態で片側の座席を倒し、荷室を拡大することもできます。
※この記事は2022年12月時点の情報で執筆しています。