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「日産ノートvsホンダフィット比較試乗!」コンパクトカーのベストセラーはどちらが買いか?(萩原文博レポート)

「日産ノートvsホンダフィット比較試乗!」コンパクトカーのベストセラーはどちらが買いか?(萩原文博レポート)
「日産ノートvsホンダフィット比較試乗!」コンパクトカーのベストセラーはどちらが買いか?(萩原文博レポート)

2020年2月にフルモデルチェンジしたホンダフィットを追いかけるように2020年11月に日産ノートもフルモデルチェンジを行いました。コンパクトカー市場のベストセラーとして長年激しい販売競争を繰り広げてきたこの2台。果たしてどちらが買いなのか?萩原文博さんの試乗レポートをお届けしましょう。

どちらも販売ランキングTOP10の人気車

どちらも販売ランキングTOP10の人気車1

コンパクトカーという明確な定義はありません。強いて言うと全長が4mぐらいで小排気量のエンジンもしくはハイブリッドシステムを搭載しているクルマということになるでしょう。そういった視線で一般社団法人 日本自動車販売協会連合会が発表している2021年3月の新車販売ランキング(軽自動車・輸入車を除く)を見てみると、1位のトヨタヤリスを筆頭に、2位のトヨタルーミー、4位の日産ノート、6位のトヨタライズ、そして10位のホンダフィットと半数がコンパクトカーと呼べる車種となっています。

どちらも販売ランキングTOP10の人気車2

販売台数では2万8466台とヤリスが断トツのように見えますが、ヤリスはヤリス+GRヤリス+ヤリスクロスの合算です。内訳を見ると、ヤリスが1万4330台、ヤリスクロスは1万2890台、GRヤリスが1246台となっており、ヤリスとノートの差は約1000台まで縮まります。今回は王者トヨタヤリスを追いかける日産ノートとホンダフィットをそれぞれ試乗し、比較してみました。本当にベストバイ!な国産コンパクトカーを紹介します。

今度のノートは全車「e-POWER」

今度のノートは全車「e-POWER」1

まずは2021年3月の新車販売台数で上位だった日産ノートから紹介しましょう。3代目となる現行型ノートは、2020年11月に発表され、12月から販売が開始されました。「コンパクトカーの常識を超える運転の快適さと楽しさが詰まった先進コンパクトカー」をコンセプトに、クルマの骨格にあたるプラットフォームを新設計。

今度のノートは全車「e-POWER」2

さらに2代目ノートを大ヒットモデルへと躍進させた電動パワートレインの「e-POWER」を第2世代へと進化させ、高い静粛性とスムーズな加速性能に磨きをかけています。現行型ノートに搭載されているのは1.2Lガソリンエンジンで発電し、その電力でモーターを駆動させ走行する「e-POWER」のみとなっているのが特長です。駆動方式は2WD(FF)と後輪を50kWという出力を発生するモーターを採用し、前後独立したモーターで駆動・制御する4WDの2種類となっています。

新しさを感じるノートの内外装

新しさを感じるノートの内外装1

現行型ノートのボディサイズは全長4045mm×全幅1695mm×全高1520mmの5ナンバーサイズとなっています。外観は、フロントグリルと一体化した薄型のヘッドランプ、そこにつながる新型のVモーションクロームを採用し、クリーンかつダイナミックなデザインで、コンパクトながらもひときわ際立つ存在感を演出しています。

新しさを感じるノートの内外装2

新しさを感じるノートの内外装3

新しさを感じるノートの内外装4

インテリアは、インストルメントパネルにセンターディスプレイと一体化したメーターを装備し、電動化にふさわしい先進感と使いやすさを兼ね備えた、日産の新たなインテリアデザインの考え方を表現しています。後席には、リクライニング機能を備え、ニールーム、ヘッドルームともに、クラストップのゆったりとしたスペースを確保しています。

進化したプロパイロットなど安全性も全方位で向上したノート

進化したプロパイロットなど安全性も全方位で向上したノート

安全技術は、クルマの全方位での安全性を向上させるとともに、「プロパイロット(ナビリンク機能付)」を初搭載しました。この機能は、高速道路での同一車線走行時の運転操作をサポートするプロパイロットに、ナビゲーションシステムとの連携機能を加えることで、制限速度の変化に伴う設定速度の切り替えや、カーブの大きさに応じた減速をシステムが支援し、ドライバーの操作頻度を軽減することで安心かつ快適なドライブを実現します。

ノートのグレード構成は2WD(FF)車が3グレード、4WD車が2グレードの合計5グレードで、車両本体価格は218万6800円~244万5300円となっています。

数値化できないフィットの4つの心地よさ

数値化できないフィットの4つの心地よさ1

一方、4代目となる現行型フィットは2020年2月から販売開始されました。現行型フィットは、歴代モデルが築き上げた優れた走行性能と、コンパクトカーとは思えない圧倒的な広さの室内空間、使い勝手の良さなどの機能性を継承。さらに、ユーザーの多様なニーズに応える“心地良い視界”、“座り心地”、“乗り心地”、そして“使い心地”という数値化できない「4つの心地の良さ」を実現し、ユーザーフレンドリーなクルマに仕立てられています。

数値化できないフィットの4つの心地よさ2

写真:ホンダ

また、現行型フィットは、従来のように装備などの違いでグレードを設定するのではなく、ユーザーのライフスタイルやライフステージに合わせて装備などを選べる、“ベーシック”、“ホーム”、“ネス”、“クロスター”、そして“リュックス”の異なる5つの個性を用意しています。

フィットも2モーターの最新ハイブリッドを搭載

フィットも2モーターの最新ハイブリッドを搭載

搭載するパワートレインは1.3L直列4気筒エンジンと1.5L直列4気筒エンジンに駆動・発電を行う2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムの2種類。駆動方式は全グレードで2WD(FF)と4WDを選ぶことが可能です。
現行型フィットのボディライズは全長3995mm×全高1695mm×全高1515mm(4WD車は1540mm)(クロスターは全長4090mm×全幅1725mm×全高1545mm(4WD車は1570mm)となっています。

親しみを感じさせるフィットの見た目とインテリア

親しみを感じさせるフィットの見た目とインテリア1

外観デザインは、子犬のような親しみを感じられる表情を追求。存在感のあるグリルを廃止することでフロント全体にシンプルでおだやかな印象を与え、そのうえで、やさしいまなざしを思わせるヘッドライトを採用しています。

親しみを感じさせるフィットの見た目とインテリア2

親しみを感じさせるフィットの見た目とインテリア3

親しみを感じさせるフィットの見た目とインテリア4

インテリアはバイザーレスの7インチフルカラー液晶パネルを採用したメーターが特長。ダッシュボードの上部をフラットにしたり、運転席前のAピラーを細くしたりするなど広い視界と車両感覚を掴みやすい工夫が施されています。

フィットも安全装備とコネクテッドサービスに抜かりなし

フィットも安全装備とコネクテッドサービスに抜かりなし

安全装備は衝突軽減ブレーキをはじめとした11の機能がパッケージ化したホンダの安全運転支援システム“ホンダセンシング”を全車に標準装備。さらに専用車載通信モジュール、ホンダコネクトを初搭載し、コネクテッドサービス「ホンダトータルケアプレミアム」を受けることが可能です。

現行型ホンダフィットの車両本体価格は155万7600円~253万6600円となっています。

プロパイロットをつけると跳ね上がるノートの値段

プロパイロットをつけると跳ね上がるノートの値段

試乗したグレードですが、日産ノートは車両本体価格218万6800円のX 2WD。一方のフィットは車両本体価格227万1500円のe:HEV(イーエイチ)のホーム2WDという両車とも売れ筋のグレードです。

一見するとフィットのほうが高く見えますが、両車は運転支援システムに差があります。フィットには高速道路などで追従走行が行えるアダプティブクルーズコントロールが標準装備となっていますが、ノートはオプションで、「プロパイロット」を装着しないといけません。しかもプロパイロットはXグレードしか装着できないので、ノートは実質的にXの一択となってしまうのです。プロパイロットを装着するには44万2200円のパッケージオプションを装着する必要があります。そしてLEDヘッドライトやアルミホイールなどさまざまなオプションを装着した試乗車は300万円以上となってしまいます。

フィットも9インチナビはオプションですが、これを装備しても300万円を超えることはないでしょう。同じコンパクトカーと言ってもノートはプロパイロットなどのオプション装備を装着し、税金を含めると330万円は必要となります。この支払総額は完全にひとクラス上の価格帯です。それに引き換えフィットは高く見積もっても280万円と50万円の価格差が生じるのです。いくら同じボディサイズとはいえ、これだけ価格差があるとライバルとは言いにくいのではないでしょうか。

乗り心地、燃費はフィットの方が良い

乗り心地、燃費はフィットの方が良い

走らせてみてもフィットは非常に優しくフラットな乗り味で無駄な動きが少ないのが特長。一方のノートはリアサスペンションが硬めのセッティングのせいか、落ち着きがありません。ノートは4WD車も試乗しましたが、この落ち着きのなさはだいぶ解消されているものの、同じXグレードで車両重量が120kgも重くなるため、燃費の悪化が目立ちます。

際立ったポイントはないがフィットの方が“良いクルマを手に入れた”と感じられる

際立ったポイントはないがフィットの方が“良いクルマを手に入れた”と感じられる

もちろんe-POWERのモーター駆動によるスムーズな加速と高い静粛性は魅力ですが、フィットに搭載されているe:HEV(イーエイチイーブイ)も積極的にモーターによる走行を行うため、e-POWERに引けを取りません。さらにフィットはセンタータンクレイアウトを活かした多彩なシートアレンジも可能です。

個人的にはココがすごい!という際立ったポイントは目立ちませんが、運転のしやすさや優しい乗り心地など乗員ファーストに設計されたフィットのほうが“良いクルマを手に入れた”と感じられるのでオススメです。

※記事の内容は2021年5月時点の情報で制作しています。

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