衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術は年々進化し、近年の車には何らかの先進安全技術が採用されている時代になりつつあります。しかし先進安全装備の充実度は同じメーカー内でも車種によって異なることがほとんどです。場合によっては同じ車種でもグレードによって搭載されるものが異なる場合もあるので、車を選ぶ際には安全性能について確認しておくようにしましょう。
ここでは、マツダ「ロードスターRF」の安全性能について紹介します。
この記事のPOINT
- ロードスターRFは全車にマツダの先進安全技術群「i-ACTIVSENSE」を搭載
- 2019年11月の一部改良では衝突被害軽減ブレーキに夜間の歩行者の検知機能を追加
- ロードスターRFは全車が「サポカーSワイド」に適合
ロードスターRFの安全性能の特徴
マツダでは、衝突など交通事故のリスクが迫っている状態になってから対処するのではなく、リスクが発生すること自体を避けるようにする安全思想「MAZDA PROACTIVE SAFETY」を掲げており、この思想に基づいて先進安全技術群「i-ACTIVSENSE」が開発されました。
車種によって安全性能に差をつけず、小さな車であってもしっかりとした安全性能を持たせることをモットーとしているので、マツダの登録車にはすべて先進安全技術が採用されています。
現行型のロードスターRFは、2018年6月の一部改良時に「i-ACTIVSENSE」が標準装備化され、比較的早い段階から政府が普及啓発を推進する「セーフティ・サポートカー(通称サポカー)」の中で最も上位の分類の「サポカーSワイド」の認定を受けているのもポイントでしょう。グレード間での安全装備の差もありません。
ロードスターRFに搭載される先進安全技術
ここからは、ロードスターRFにはどんな先進安全技術が搭載されているのか、見ていきましょう。
アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート
走行中に先行車や歩行者をシステムが検知し、衝突の危険があると判断した場合はブレーキ制御を自動で行い衝突の回避、衝突被害の軽減に貢献する機能です。
従来は車両と昼間の歩行者が検知対象でしたが、2019年11月の一部改良時に夜間の歩行者の検知機能を追加し、精度を向上させています。なお、対車両では約4~80km/h、対歩行者では約10~80km/hの速度域で作動します。
AT誤発進抑制制御[前進時/後退時]
約10km/h以下での徐行時や停車時にカメラや超音波センサーで壁などの障害物を検知します。障害物を検知した状態でアクセルとブレーキを踏み間違えるなど、ペダル操作ミスをした場合に駆動力を抑制することで飛び出しを防ぐ機能です。
スマート・シティ・ブレーキ・サポート[後退時]
障害物を検知している状態での後退時に、衝突の危険が発生すれば自動でブレーキ制御を行って衝突回避や被害の軽減を図る機能です。約2~8km/h以下での徐行時に作動します。
車線逸脱警報システム
走行時に車両が車線をはみ出す危険があるとシステムが判断すると、逸脱しそうな車線側のスピーカーから警報を発することによって、ドライバーに逸脱の危険を認識させ、回避操作を促すシステムです。
約45km/h以上で走行時に作動します。
ブラインド・スポット・モニタリング
ドライバーからの死角になる隣車線後方もしくは側方から接近する車両を検知し、接近車両がいる側のドアミラーインジケーターを点灯することでドライバーに接近車両の存在を知らせます。
ドアミラーインジケーターが点灯した状態で、点灯している側のウィンカーを作動させると、ドアミラーインジケーターを点滅させるとともに警報音を発してドライバーに危険を知らせることで、安全な車線変更をサポートする機能です。
約15km/h以上の幅広い速度域で作動します。
リア・クロス・トラフィック・アラート
後退しての出庫時などに、後方左右から接近する車両を検知するとドアミラーインジケーターや音で警告を発し、ドライバーに注意喚起するシステムです。
リアパーキングセンサー(センター/コーナー)
リアバンパーに設置された超音波センサーが近距離の静止物を検知し、警告音を発することでドライバーに障害物の存在を知らせます。
アダプティブ・LED・ヘッドライト
夜間走行中に対向車や先行車を検知すると、相手に影響を及ぼす部分だけLEDを個別に自動消灯・点灯する先進ライトです。対向車や先行車に対する眩惑を防ぎながら常にハイビームで走行できるので、夜間の視認性が向上するほか、手動切り替えの手間を省けます。
走行時の運転負荷を軽減する機能も搭載
ロードスターRFには、運転支援技術も複数採用されています。
ドライバー・アテンション・アラート
システムが約65km/h以上で走行中にドライバーの挙動をモニタリングし、疲れていない正常な状態のドライバー情報を学習します。
蛇行するなど、実際の車両の挙動が学習値と異なる動きをした場合にはドライバーに休憩を促す機能です。
交通標識認識システム
走行中の道路標識をシステムが読み取り、ディスプレイに表示することでドライバーの視線移動を減らし安全運転に貢献します。制限速度の超過などがあった場合にはドライバーに警告し、法規に従った運転を促します。
クルーズコントロール
約30~100km/hの範囲内で走行中に、設定した車速内で定速走行することでドライバーの負担を減らす機能です。先行車に追従して走行することはできません。なお、AT車には下り坂のシフトダウン制御機能が搭載されています。
優れた安全性能を持つロードスターRF
スポーツ走行も視野に入るモデルの中には、あまり先進安全技術が搭載されていないものも多くあります。しかし現行型のロードスターRFは数多くの先進安全技術を搭載しており、誰もが安心して運転できる車であるといえるでしょう。
よくある質問
Q1:ロードスターRFには先進安全技術は全車標準装備されているの?
A:はい、ロードスターRFには全車にマツダの先進安全技術群「i-ACTIVSENSE」が標準装備されています。なお、ロードスターRFではグレード間での先進安全装備の差はありません。
Q2:ロードスターRFに搭載される先進安全技術にはどんなものがあるの?
A:車両と昼間の歩行者はもちろん、夜間の歩行者の検知も可能な「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」やペダル操作ミス時の急発進を抑制する「AT誤発進抑制制御」、安全な車線変更をサポートしてくれる「ブラインド・スポット・モニタリング」、LEDを部分的に制御して眩惑を防止する「アダプティブ・LED・ヘッドライト」などのさまざまな先進安全技術が搭載されています。
Q3:ロードスターRFには運転支援機能はある?
A:はい、必要があればドライバーに休憩を促す「ドライバー・アテンション・アラート」や道路標識を認識してディスプレイに映し出すことで視線移動を減らして安全運転に貢献する「交通標識認識システム」、設定した車速内で定速走行する「クルーズコントロール」などがあります。
Q4:ロードスターRFはどの「サポカー」に該当するの?
A:ロードスターRFは、政府が普及を推進する「セーフティ・サポートカー(通称サポカー)の中でも最も上位の分類である「サポカーSワイド」に全車が認定されています。
※記事の内容は2021年3月時点の情報で執筆しています。